岡田英弘のレビュー一覧

  • 歴史とはなにか

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     facebookでの知り合いの方からの推薦で読んでみた本です。
     はるか昔に読んだE.H.カーを思い出すタイトルですね。とても抽象的なだけに、かえってどんな内容だろうかと興味がわきます。著者の岡田英弘氏は、東京外国語大学名誉教授、中国・日本古代史の専門家です。
     本書での著者の主張はかなり刺激的です。マルクスの唯物史観からの発展論的思考の否定は他にもみられる論ですが、それ以外にも日本の天皇制の起源・歴史の時代区分・「国民」「民族」の発生過程等々、種々のテーマに関する興味深い論考が目白押しです。

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    2012年01月14日
  • 歴史とはなにか

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    「歴史」というものについて考えさせらる一冊。
    牽強付会的な部分も感じられるが、新しい歴史認識を与えてくれる。

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    2011年05月07日
  • 歴史とはなにか

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    世界には「歴史のある文明」と「歴史のない文明」がある。
    日本文明は「反中国」をアイデンティティとして生まれた。
    世界は一定の方向に発展しているのではない。
    筋道のない世界に筋道のある物語を与えるのが歴史だ。
    「国家」「国民」「国語」といった概念は、わずかこの一、二世紀の間に生まれたものにすぎない…などなど、一見突飛なようでいて、実は本質を鋭くついた歴史の見方・捉え方。
    目からウロコの落ちるような、雄大かつ刺激的な論考である。

    [ 目次 ]
    第1部 歴史のある文明、歴史のない文明(歴史の定義 歴史のない文明の例 中国文明とはなにか 地中海文明とはなにか 日本文明の成立事情)
    第2

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    2011年04月16日
  • 中国文明の歴史

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    [ 内容 ]
    序章 民族の成立と中国の歴史
    第1章 中国以前の時代―諸種族の接触と商業都市文明の成立
    第2章 中国人の誕生
    第3章 中国世界の拡大と文化変容
    第4章 新しい漢族の時代―中国史の第二期
    第5章 華夷統合の時代
    第6章 世界帝国―中国史の第三期前期
    第7章 大清帝国―中国史の第三期後期
    第8章 中国以後の時代―日本の影響

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った

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    2010年12月14日
  • だれが中国をつくったか 負け惜しみの歴史観

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    中華思想とそれに基づく中国人の歴史観について述べた本。中国人の考え方の根本に触れることが出来て面白い。

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    2009年10月04日
  • 世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統

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    モンゴル帝国誕生の前は、世界史というものは存在しなかった、みたいな説明から始まる大胆な本。
    蒙古にとって南は前だから、世界地図の南を上にして(つまりひっくり返して)見て、それが彼らの視点からの世界だ、という説明が斬新で好き。逆さまだという見方を捨てて、これはこういうものだと見れば、ほんとに違う地図に見えてくる。

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    2009年10月04日
  • 歴史とはなにか

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    作られる歴史の姿について書かれた本です。
    まさに記録されていく「歴史とはなにか」について考察する本。

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    2009年10月04日
  • 中国文明の歴史

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    文明の観点からの中国史。ユニークで面白い部分もあるが、なぜなのか不明だったり、うなづけない話も多い。
    -夏は東夷の建てた王朝であり、漢字は東南方で発明された。それが夏人によって落葉盆地に持ち込まれ、次の殷で甲骨文字に発展した。根拠不明。
    -三国時代の始めに中国の人口は450万人以下となった、はそうなのだろうが、それでなぜ漢族の絶滅なのか。
    -南朝は正統だが、隋から正統は北に移る。全国統一したのだから北へ、という意味が不明。
    ー「江蘇省の南京」は単なる誤植か。

    初めて知るが、うなづける話もある。
    -遼河地方が山東軍の配下だったことから清の成立とともに、山東方言が北京方言となっっていった。
    -清

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    2024年05月12日
  • 世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統

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    檄文としては面白い。

    ヘーロドトスを始祖とする西洋史も、司馬遷を始祖とする東洋史も、どちらもローカルな個別事情に影響を受けて形作られたものであって、それらを世界史に統合・昇華させるのは無理がある。
    モンゴル帝国こそが西ヨーロッパにも極東にも影響を与え、両者を連結する史上初めての存在であったのだから、モンゴル帝国を軸にして世界史を構築すべきだ。
    したがって、テムジンが中央アジア遊牧民たちの指導者に選ばれ、彼がチンギス・ハーンと名乗り始めた1206年が世界史のスタートである(それ以前の歴史はローカル史に任せる)。

    …という檄を飛ばしている一冊。すごく面白い構想について書いた本で刺激的だ。

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    2024年03月10日
  • 世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統

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    著者によれば、歴史の書き方にはヘロドトスに始まる、地中海世界の描き方(アジアに対するヨーロッパの戦いの歴史)と司馬遷に始まる中国の描き方(中国の正統を巡る歴史)がある(それしかない)という。その両方に影響を与えその特に中国にありながら中国を超える歴史的存在だったのがモンゴルなのだ、ということだと理解した。ただ結局その先に何があるのか、という展望については物足りなさも残った。

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    2022年10月02日
  • 歴史とはなにか

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    歴史とは何か。

    歴史を少しでも専門的に学習した人間であれば一度は考えた事があると思う。

    有名な著作にE.H.カーの著作があるが、その本とは一線画している。

    しかし、個人的な感想だが、歴史とは何かの答えにはなっていないと感じる。

    何が?と言われれば、それは言葉にできないのだが。

    逆を言えば、その難しさ、奥の深さが歴史の楽しさなのかもしれない。

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    2021年09月04日
  • 歴史とはなにか

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    歴史の史料は、作者や作者の属している社会の好みの筋書きによって整理されている。その史料を手掛かりに歴史家の解釈でつくられているものが、我々が知らされている歴史

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    2019年10月27日
  • 歴史とはなにか

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    ネタバレ

    ・日本書紀は、七世紀末から八世紀のはじめにかけてのあいだ、ちょうど日本国の建国の時期に、日本の建国を正当化し、天皇という世襲制の君主の正統性を裏付ける目的で編纂された。

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    2019年01月04日
  • だれが中国をつくったか 負け惜しみの歴史観

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    岡田英弘先生は昨年亡くなられた
    でも、こうして書籍で多くの事を
    後の世代にも残すことができる!
    理解できないメンタリティと嘆く
    我々に「目から鱗」の情報を貰う

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    2018年02月03日
  • 紫禁城の栄光 明・清全史

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    元の終わりから明へ、そして清へ。豊臣秀吉が攻めようとした明はどのような国で、どのような状態だったのかなど分かって面白い。清初に辮髪を強いられ死をもって抵抗し、清末には禁止されて戸惑う人が多くいたなんて、時の流れの無常さを感じる。

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    2017年11月23日
  • 中国文明の歴史

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    中原に始まった中国が、北狄の侵入を受け同化していったという大きな歴史観を展開している。中国の文明史を3期に区分し、それぞれを前期・後期に分けているのはわかりやすい。

    中国以前
    ・東夷は低地人、南蛮は焼畑農耕民、西戎は草原の遊牧民、北狄は狩猟民を指した。北は森林におおわれていたが、元代までにほとんど消滅した。
    ・龍はもともと東南アジアのモンスーン地帯の水神。越人は水難を避けるために龍の文様の入れ墨をした。
    ・王宮を囲む塀は本来、市場の囲いで、入る際に手数料を取り税の起源となった。王宮の塀が発達して都市を囲む城壁となった。中国の本質は、皇帝を頂点とする一大商業組織。
    ・漢字の原型が発生したのは華

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    2018年10月31日
  • 歴史とはなにか

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    内容が細かくなって行くと難しくて理解できなかった。しかし、歴史に関する私達の概念や思い込みの間違いを指摘し新しい歴史観を提示してくれ、総じて納得がいった。国民国家を論じるところは結構おもしろかった。

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    2013年03月30日
  • 中国文明の歴史

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    序章から第2章まで感動して読んだ。特に第1章は、中国の地理と民族と古代史の関係をわかりやすく説いていると思う。第3章から第7章までは集中力を失い惰性で読み流してしまった。モンゴルのあたりが少しおもしろかったような・・・。そして第8章の中国近現代史については、ちょっとのけぞった。見方としてはおもしろいけれど、こんな風に言ってしまって良いのだろうか、と。

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    2012年10月19日
  • 歴史とはなにか

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    それぞれの文明での「歴史」の捉え方が紹介されており、
    興味深く読みました。

    「歴史」は科学ではなく、文化であり、
    記述者の目を通して書かれたものであるので、
    その人の持つ背景を全く拭い去ることは難しいです。
    そのような「歴史」を受け取っていることを認識しました。

    「国民国家」や「民族」という概念は、近代成り立ったものなので、
    受け取る側も、そういった枠組みのなかで過去を捉えようとすると、
    見えなくなるものがある気がします。

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    2012年06月18日
  • 世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統

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    岡田英弘氏独自の史観による世界史素描の試み。
    世界史に複数の歴史を無理矢理つぎはぎしたような違和感を覚えるのは、異なる史観によって編集された西洋の歴史と東洋の歴史を同じ軸でまとめようとしているからだと指摘し、モンゴル帝国を中心とする史観によって初めて西洋史と東洋史の完全な統合が可能となると言うのが基本的な考えになります。

    歴史が成立するための前提条件や、中国の得意な史観など、岡田氏ならではの斬新な指摘も多く、読みごたえがあります。
    ただ、密度が濃い分、地名や人名を列挙した文章を長々と読むことになり、この部分は正直なところ歴史に詳しくない私には少しばかり苦痛でした。

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    2011年09月09日