国弘喜美代のレビュー一覧
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・フレドリック・ブラウン「死の10パーセント」(創元推 理文庫)を読んだ。私はフレド リック・ブラウンをほとんど知らない。どちらかと言ふとSF 作家だと思つてゐた。さうではあるがミステリー作家でもあつ た。「フレッドは“二面を持つ作家”で、SF作家としてもミステリー作家としても同じくら いよく知られていた。」(ウィ リアム・F・ノーラン「序文ーフレッド・ブラウンを思い起こして」13頁)ここではミステリー作家としてのブラウンである。本書では「序文」以外はフルコース仕立てになつてをり、 最初のオードブルから始まつて最後のコーヒーまで13編所収、うち3編は初訳で、それらはいづれも第二次世界大戦前の若
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スミソニアン博物館に鳥類画家として勤務するロニのもとに、歳の離れた弟から、実家で一人暮らしをしていた母親が手首を骨折して入院しているとの連絡を受ける。母親は、認知症のようだとも言う。介護休暇を申請して実家に戻ったロニは、母親の日記や手紙を読むうち、子どもの頃に事故で亡くなった父親の死の真相を探り始める。
当時10歳だったロニ、赤ちゃんだった弟。父親や母親への思いは微妙に違う。若い頃の知り合いと再会しながら、当時の状況を探るロニ。真実に気づいてからは一気にサスペンス感が加速していく。ミステリー風味の家族ヒストリーかな? ロマンス風味も少々。
スミソニアン博物館でもダウンサイジングの傾向にあるの -
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モーテル裏の湿地に、ふたりの女の死体が並んでいる。という冒頭から始まるのだが、犯人に関しての描写がことごとく少ないというか無いに等しい。
主に16歳の少女クララとカジノホテルのスパで働いているリリーのふたりの目線で描かれている。
クララは、叔母のクラブの稼ぎと占いの店で凌いでるのだが、家賃を滞納し、ついには叔母の段取りで、男の相手をすることになる。
もともとクララは、人が心にいだいている強い念を垣間見る力を持っていたのだが、次第に不気味で恐いビジョンを頻繁に見るようになる。
ふたりの死体から徐々に増えていく死体。
彼女たちが、どう関わっていくのか…
そして謎の行動をする清掃員のルイス。
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ネタバレ元プロスノーボーダー達5人が、かつて技を競い合った雪山で10年ぶりに再会する。
ただし、そこには歩行不可能になったオデットと行方不明のサスキアはいない。
いわゆる、あるある雪山クローズドサークルもので、誘いを掛けたはずの人物は俺じゃないと言い、気づけば10年前の真実を問うかのような不穏なゲームをけしかけられる展開に。
新鮮味と言えば、テリエ・ハーコンセンやらマクッツイストやらのボード経験者にはたまならないキラーワード。
確かにこんなスノーボード狂的世界観の小説は今までなかったので、その部分ではテンション上がったけれど、ただこれは一体どれだけの人に刺さるものなのか。
肝心の本筋は、永遠かと -
Posted by ブクログ
お久しぶりのウィンズロウ二冊目は、緊迫のミリタリー・サスペンス。すべてを失った男が元兵士の友人たちとともに、自らの手でテロリストに鉄槌を下すというストーリー。
序盤は面白かったが、チームと合流してから冗長に思え、退屈に感じることもしばしば。テロの真相にひねりがあるわけでもなく、謎解きはシンプルに終了し、そこから先はとことんアクション。各国から集められた傭兵のスペシャリストたちに注目しようにも、人数が多くて把握する気が失せ早々に諦めてしまった。
ハイテク武器とかクールなアクション・シーンが満載なので読み応えは抜群だが、私はそれを楽しめる読者ではなかったということでしょう。不完全燃焼が悔しいな