菅原琢のレビュー一覧

  • データ分析読解の技術

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     新聞や雑誌に溢れている「分析」の確からしさを見抜くための手引書。
     実際の分析失敗例をもとに「おかしな分析」を見抜く実践的な視点や方法が紹介されているので、記憶にも残りやすい。マスコミの分析に首を捻った経験のある人は是非読むべき。
     忸怩たる思いをしているであろう著者の抑制的なマスコミ批判も面白い。

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    2023年01月15日
  • 平成史【完全版】

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    1989年に始まった平成時代は、30年後の2019年に幕を閉じた。本書は平成が終わり、令和が始まった2019年に、平成史を書くという試みのもとに編まれた本である。編者は小熊英二、それ以外に7人の執筆者が参加している。最初に小熊英二が、「総説」を書き、以降、政治・経済・地方と中央・社会保障・教育・情報化・外国人/移民・国際環境とナショナリズムというテーマで、それぞれの専門家が執筆している。

    小熊英二は、「総説」の中で、平成について下記のように述べている。
    【引用】
    「平成」とは、1975年前後に確立した日本型工業社会が機能不全になるなかで、状況認識と価値観の転換を拒み、問題の「先延ばし」のために補助金と努力を費やしてきた時代であった。
    この時期に行われた政策は、真摯な試みはあったものの、結果的にはその多くが、日本型工業社会の応急修理的な対応に終始した。問題の認識を誤り、外圧に押され、旧時代のコンセプトの政策で逆効果をもたらし、旧制度の穴ふさぎに金を注いで財政難を招き、切りやすい部分を切り捨てた。
    老朽化した家庭の水漏れと応急修理のいたちごっこにも似たその対応のなかで、「漏れ落ちた人びと」が増え、格差意識と怒りが生まれ、ポピュリズムが発生している。それは必ずしも政策にかぎった現象ではなく、時代錯誤なジェンダー規範とその結果としての晩婚化・少子化もまた、「先延ばし」の一例といえよう。だが「先延ばし」の限界はもやは明らかである。
    【引用終わり】

    上記を補足すると、というか、私なりの理解を書くと下記の通りだ。
    1)1965年~1992年(最初の東京オリンピックからバブル崩壊まで)が、日本が「ものづくりの国」だった時代であり、日本はこの間に大きな成功を収めた。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と謳われたこともあった。これを工業化社会と呼べば、以降、世界はポスト工業化社会に突入する。
    2)社会保障あるいは、政治・教育・地方自治など一国の制度のあり方には、3つのスキームがあると言われている。①自由主義スキーム。アメリカが典型。自由主義と個人責任を重視する。社会保障のコンセプトは「弱者救済」②北欧にみられる社会民主主義レジーム。重い税負担のもと、「基本的権利としての全員保障」がなされる③南欧や独仏などにみられる「保守主義レジーム」。家族や労組、職業別組織などの共同体を重視し、これらの共同体を基盤に社会保障を整えた。たとえば労働者とその家族には、正規雇用労働者に組合保険が提供され、家族は男性労働者の保険に入る。
    3)この中で、ポスト工業化社会にもっとも不適合を起こしやすいのは「保守主義レジーム」である。製造業を中心とした労働者が長期に正規雇用されることを前提に、すべての社会保障が組み立てられているからである。男性労働者の雇用が不安定になると、その家族が収入と社会保障を失い、年金制度も崩壊してしまう。それゆえ労働者の解雇がむずかしく、旧来の産業構造から転換できない。
    4)日本は自由主義レジームと保守主義レジームの混合体であると考えられる。現代日本には二つの世界が存在する。公務員および大企業の正規雇用労働者とその家族、そして農民と自営業者といった、旧来の日本型工業化社会の構成部分は、保守主義レジームに近い世界に住んでいる。一方で非正規雇用労働者など、ポスト工業化社会への変化に対応させられている部分は、自由主義スキームに近い世界に住んでいる。その結果として、産業が硬直化して福祉制度が機能不全になるという保守主義レジームの特徴と、失業率は低いが格差が増大するという自由主義レジームの特徴が共存することになる。
    5)保守主義レジームの傘におおわれた部分は保護されるが、その傘から「漏れ落ちた」部分は、自由主義レジームのもと、時代の変化に対応するための調整弁となる。
    6)日本の政策・制度は、日本が最も成功を収めた「工業化社会時代」に設計されたものばかりである。時代は変化し「ポスト工業化社会時代」に突入し、政策・制度も変化させる必要があるにも関わらず、時代が変化したという認識がなされていないために、制度・政策が変わらない。変わらないことを、小熊英二は「先延ばし」といい、「工業化社会時代」の仕組み(政策や制度)の恩恵を受けられない人たちを、「漏れ落ちた人たち」と呼んでいる。

    私には、非常に説得力のある議論に思えた。
    昔つくった制度が変わらないのは、「既得権益層の抵抗が強いから」という説明がなされることが多いのだが、筆者は、「制度設計の前提、すなわち時代が変わったことに皆が気づかずに、昔(工業化時代)の姿を維持しようと、無駄なお金と努力(制度改訂)を注いでいる」という主張をしており、これも説得力があると感じた。
    2023年度予算案が2022年12月23日に決定したという新聞報道があった。予算案は、114兆円。バブルで膨らんだ予算規模の縮小が出来ず、また、新たに防衛費などが増額された結果、当初予算案としては史上最大となった。この予算をまかなうために、国債をあらたに35兆円強発行することとなる。国の借金は更に増える。また、日銀の金融政策の変更により、金利が上がることが予想されており、国の借金にかかる利息も増え、将来的にはますます予算の自由度が減っていくことが想定される。
    私には、この予算も、「先延ばし」予算のように思える。本当はあらゆる側面で抜本的に政策・制度を見直す必要があるはずなのに、それをせず、従来の延長線上で予算を組んでいるように思えるのだ。
    かなりやばいような気がするが。

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    2022年12月24日
  • データ分析読解の技術

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    ネタバレ

    2022/3/26 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2023/9/29〜10/5

    最近流行りのデータサイエンス系の知識をいろいろ身につけないと行けないので購入。相関関係と因果関係の読み取りについてよく分かった。これはありがちな間違いだよな。気をつけないと。

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    2023年10月06日
  • 平成史【完全版】

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    厚みがすごい。平成という時代が多様な時代であったためか、中身は骨太な思想がひとつ詰まっているというより、ぺらぺらな印象がしてしまうが、そのぺらぺらな時代をよくこのようにまとめ切ったな、という雑感をもった。日本のインターネットはタイムマシン的であり、アメリカの発展をなぞるようなものだという濱野智史の主張や、小熊英二のいうような、昭和のハコモノ的な、工業的な発展から、平成は情報通信的な、細かい技術的な発展があり、目に見えやすい変化ではなかったという指摘は興味深い。

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    2020年08月19日
  • 「あの選挙」はなんだったのか 2024衆院選・2025参院選を読み解く

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    社会調査支援機構チキラボ(企画)  飯田 健  菅原 琢 秦 正樹 三牧 聖子 能條 桃子 辻 愛沙子 中村 知世
    安田 菜津紀 永井 玲衣

    TBSラジオセッションファミリーが終結したような本。
    自民党が大敗した24年の衆院選と25年の参院選、いずれも石破内閣の選挙を分析している。
    裏金、統一教会問題で負けた自民党。立憲民主は選挙区ではかったが比例区で伸びず。
    勝者は国民民主、参政か、、

    折角の分析も、26年2月のおきて破りの高市選挙で吹っ飛んでしまった。
    高市首相の積極財政には、石破前首相の均衡財政に比して期待するところは大だったが、
    ふたをあければホルムズ封鎖のナフサ不足、、いや、それ以前の感情答弁からの国会嫌い。
    宰相にすべき器でないことが露呈。石破さんが大きく見える、、、
    なんでそんな石破さんを追い込んでしまったんだろう、この二つの選挙は、
    と、今になれば思ってしまう。

    いや逆か。それでも自民は衰退すべきだった。
    それが初の女性首相ブームだか何だかで、とんでもない議席を与えてしまい、、
    今は自民党内で孤立して辞任するのを祈るばかり、だ。

    いやさらにその前に、自民少数与党が確定した際に、玉木がたてばよかったのだ。
    なにが「対決より解決」だ。自身がトップに立って、解決に当たればよかったではないか。
    あれがすべて。
    日本新党細川内閣の時の小沢さんのような存在がいれば、、、

    この本を読んで思うのはそういうことばかり。
    安田さんや永井さんの文章が新鮮だった。

    まえがき 荻上チキ

    第1章 自民党はなぜ負けたのか?――消えた小選挙区ボーナスと有権者のリスク認識 飯田 健
     1 自民党票の行方
     2 消えた小選挙区ボーナス
     3 暮らし向き評価と自民党離反
     4 悲観的な暮らし向きの見通しと政党のリスク認識

    第2章 並立制はどのように日本政治の混迷を深めたのか?――二〇二四年衆院選・与野党逆転の計量分析 菅原 琢
     1 衆院並立制と政党政治
     2 比例区の多党化と小選挙区の与野党逆転――二〇二四年衆院選結果の概略
     3 激化した野党間の候補者の競合
     4 立憲民主党候補を支えた国民民主党の党勢拡大
     5 共産党大量擁立の影響の評価
     6 小選挙区で不利な国民民主党
     7 再考を迫られる並立制

    第3章 誰が野党を支持しているのか?――脅かされる立憲民主党と躍進する「第三極」 秦 正樹
     1 日本政治の分岐点としての二〇二四年衆院選
     2 比較のなかの二〇二四年衆院選
     3 「立憲民主党の伸び悩み」を科学する
     4 新たなステージへ向かう野党

    第4章 なぜ民主党は負けたのか?――二〇二四年アメリカ大統領選挙にみるリベラルの敗因 三牧聖子
     1 二〇二四年大統領選トランプ再選の衝撃
     2 「変化」を訴えられなかったハリス
     3 「リベラル」から後退していったハリス
     4 気候変動対策で後退したハリス
     5 トランプを「平和」の候補にみせたガザ政策の失敗

    コラム1 女性が選挙に立候補するとはどういうことか?――「FIFTYS PROJECT ワークショップ報告書 統一地方選挙に出馬した女性候補者が体験した制度課題および社会課題についての調査」をもとに 能條桃子

    第5章 いま、メディアは選挙をどう動かしているのか? 辻 愛沙子/荻上チキ
     1 選挙とインターネットというメディア
     2 選挙を動かしたのはどのメディアだったのか

    第6章 二〇二五年参院選は誰が勝ったのか?――日本政治の新たな局面 秦 正樹
     1 二〇二五年参院選は「日本政治の転換点」か
     2 世論における二〇二五年参院選の意味
     3 二〇二五年参院選は誰が「勝った」のか
     4 日本政治の新局面としての二〇二五年参院選

    第7章 参政党の「躍進」はなぜ起きたのか?――都議選参政党投票者への追跡調査から 荻上チキ/中村知世
     1 参政党支持者の基本属性
     2 参政党を支持しつづけた人/離脱した人
     3 ファクトチェックとメディア接触の影響
     4 参政党支持者と外国人嫌悪
     5 「YouTube」と陰謀論の親和性
     6 参政党支持とは何か

    コラム2 選挙はマイノリティーの声を聞くことができているか? 安田菜津紀

    第8章 選挙を考えるとはどういうことなのか?――政治と社会と暮らしをめぐる哲学対話 永井玲衣

    あとがき 荻上チキ

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    2026年07月09日
  • 「あの選挙」はなんだったのか 2024衆院選・2025参院選を読み解く

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    サブタイトル通り、2024年の衆院選と、2025年の参院選を、様々な視点やデータから分析している。
    ただ基本的には各章そこまでの意外性はなく、信頼性のある裏付けといったところである。意外だったのは参政党支持者の分析で、よく差別や排外主義の蔓延る背景として経済的な貧しさや文化的経験の乏しさが挙げられるが、その予想に反し参政党支持者は経済的に困窮しているといったこともなく、むしろ大卒者が占める割合が平均に比して高いということであった。該当の章では文化的摩擦を減らすことなどを提言しているが、何故貧しくもない人々が差別や排外主義に走っていくのかについてももっと踏み込んで分析していかねばならないと思う。
    また最後の哲学対話の中で参加者が「まだ憲法もあるし大丈夫」といったようなことを言っているが、衆院選で2/3を占める与党の党首(首相)が改憲に意欲的な姿勢を見せている今、その「大丈夫」の前提からして脅かされているのを改めて感じ恐ろしくなった。今後24年25年、そして今回26年の選挙は、歴史の中でどう語られることになっていくのだろうか。社会に参画する一市民として、責任を果たしながら注視していきたい。

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    2026年05月08日
  • 選挙との対話

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    選挙に興味を持ち始めたものの、分からないことだらけで読んでみた本。

    なぜ自民党は強いのかや、なぜ野党は勝てないのか、なぜ女性政治家は少ないのかなどをテーマに。
    前半はデータに基づいた話しをしているので、ウッとなるが、分かりやすく書いてくれているので、初心者でも全然分からないということはなく読めた。1からと言うよりは、近年の選挙に絞られていて、そこも身近に感じられて良かった。

    最後は哲学対話で締められている。
    興味を持ったのに、具体的に話すのはタブーみたいな風潮でより分からなくなってく「選挙」。生活の中で感じている「選挙」のことが話されていて、もっと身近にみんなで考えてみたいと思えた。

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    2025年10月23日
  • 選挙との対話

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    この本を手に取ったきっかけは、情報番組で「自民党がなぜ強いかをデータで分析している」「選挙とは何かを座談会形式で考えている」と紹介されていた点に惹かれたからである。

    本書によれば、自民党が強い理由としては、①小選挙区制において効率的に議席を獲得できる制度構造、②公明党との選挙協力、③野党が候補者を統一できず票が分散すること、④非都市部で組織団体や保護政策を通じて基盤を固めていること、⑤政治に不満を抱えながらも与党に投票する層が一定数いること、などが挙げられている。

    また、(本書の説明を踏まえつつ私の理解を交えて言えば)投票率の低さも自民党に有利に働いている。特に「選挙に行かない層の中には野党支持者が多い」とするデータも紹介されており、この点をどう評価するかは読者に委ねられている。

    最終章の哲学対話では、「選挙とは何か」「選挙活動の開始をいつとみなすのか」「有権者はいつから政治家を注目すべきか」といった問いが提示される。有権者として、選挙期間中だけ政治家を評価すれば良いのか、それとももっと長いスパンで考えるべきかという問題提起には共感を覚えた。

    総じて、本書は前半でデータ分析を通じて自民党の強さの構図を明らかにし、後半で哲学的な問いを通じて選挙の本質を考えさせる構成となっている。結論を押しつけず、読者に思考を促す点で、選挙への関心を深めるきっかけとなる一冊である。

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    2025年09月11日
  • 選挙との対話

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    ・なぜ自民党の一強体制が続いているのか?
    ・投票行動には何が影響しているのか?

    こうした選挙で気になる問いに対してデータを用いて客観的に考察して納得感ある結論や示唆が明確に示されているので勉強になった。選挙に関するデータや研究が多数紹介されている良い本だと思います

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    2024年11月23日
  • データ分析読解の技術

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    ネタバレ

    一つの答えがわかっても、安心しない。
    交通事故のニュースが増えた原因=事故が珍しくなくなった、ニュース番組のお茶の間化、放送時間の拡大。ビジネスマン以外の視聴者の増加。取材可能範囲が増えた。スマホ、監視カメラ、ドライブレコーダー、視聴者による素材提供が増えた、高速道路の延伸、高規格道路が公共事業で増えた、航空機、ヘリコプターの増大、空港の増加、交通事故は死亡事故だけではない、など。

    結果を生み出すのは一つや二つではない。
    時間の節約に見えてもったいない。複数かつ重傷的な理由が隠れている。
    交通事故は死亡事故だけではない。

    秋田県は見栄っ張り?
    散布図に隠れている相関関係。

    男余り率と男性未婚率。
    データはゆがむモノ。
    出口調査と若者の評価の違い。
    データのゆがみは集計の工夫で解消することは困難なことが多い。=インターネットでアンケートを行えばインターネット普及率は100%。

    次点バネは本物か。生存バイアスではないか。
    第二次世界大戦中、戻った航空機の損傷箇所を調べ、それ以外の場所を補強した。

    交絡因子=第三因子。
    時系列同士は因果関係がなくても自動的に相関しやすい。
    地域別集計データも偽の相関をしやすい。ツイッターの使用と選挙運動。わかりやすさが間違いの元。
    世の中の出来事は複雑な因果構造をもっているので、単純な因果関係を主張するのは何かが違うのはと注意するべき。

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    2024年02月19日
  • データ分析読解の技術

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    データ分析をするための入門書ではなく、データ・サイエンティストを目指すわけではない一般の人が、ネット上などで蔓延る怪しいデータ分析を見抜き、それらに対抗するための処方箋を示す。
    あまり類書のない、データ・リテラシーを身に付けるために有益な実践的な内容である。各章において実際のデータ分析の失敗事例が「練習問題」として取り上げられており、データ分析の良し悪しを判断する相馬眼を鍛えられる。今後、データ分析に関する報道などがあった際は、議論と数字のズレに注意して因果関係を考察し、批判的に読解していきたいと思う。

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    2023年07月17日
  • データ分析読解の技術

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    あまり期待もなく読み始めたのですが、結構面白い。
    自らの不明を恥じるばかりの内容ですが、当方に倣えと言わんばかりの政治・マスコミの体たらくなんでしょうか。
    そんなことでは困るんですが、多分これが現実なんでしょう。
    著者の抑制の効いた論調が余計に真実味を感じさせます。このまま絶望の国ってことにならないよう、大学講義を受講されている若人に期待いたしまする。

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    2023年01月24日
  • 平成史【完全版】

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    日本の平成を、政治・経済・地方自治・社会保障・教育・情報化・移民政策・ナショナリズムの観点からまとめた本。

    総じて言うなれば、日本の平成とは、変化するさまざまな環境に対して、昭和の枠組みをその場しのぎで改変することで対応してきた時代であり、その綻びがあらわになってきた時代といえる。

    重要な観点は、ポスト工業化における個人化。昭和はある意味一定のライフコースしか想定しておらず、そこから漏れ落ちた人々に対しては想定をしていなかった。だからこそ、こうしてそれぞれの観点からまとめてみると、ちぐはぐな対応に見えてしまう。

    システムは入れた途端陳腐化するが、それは全ての精度に対しても言えるのかもしれない。ビジョンを持ったアップデートが求められるが、それも簡単な話ではない。

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    2020年03月15日
  • 「あの選挙」はなんだったのか 2024衆院選・2025参院選を読み解く

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    第7章参政党の「躍進」はなぜ起きたのか?、での、「2025年6月の都議選で参政党に投票した人たちの追跡調査」分析が興味深い。

    YouTubeを経由してのファクトチェックがむしろ逆効果であること、社会的経済的状況が困難な人が参政党を支持しているという言説はデータからは読み取れないこと、など。
    「オールドメディア」という言葉でテレビや新聞が貶められることの危うさを感じる。

    第8章永井玲衣さんの、選挙を考えるとはどういうことなのか?ー政治と社会と暮らしをめぐる哲学対話ーもおもしろかった。

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    2026年05月06日
  • データ分析読解の技術

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    この方のMond(QandAサイト)での回答に感心したため、興味を持ったので本を読んでみた。が、正直内容が散漫に感じる。専門用語を用いずにデータ分析を批判的に読解する、という能力を読者に身に着けてほしいようだが、九九を暗記させずに二桁の掛け算を教えるようなもので、かえって離れ業で無理が生じているように思う。

    内容はかなりハイレベルであるがゆえに勿体ない。

    取り上げられてる概念としては、生態学的誤謬、サンプリングエラー、平均への回帰、交絡、擬似相関。いきなり生態学的誤謬から入るのもかなりびっくりした。大事だけど。

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    2024年08月18日
  • データ分析読解の技術

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    ネタバレ

    <目次>
    はじめに 怪しいデータ分析への処方箋
    第1章  データ分析読解の基本、因果関係~対象に関する知識と想像力の重要性
    第2章  怪しさを感じる糸口、議論と数字のズレ~分析を間違いと判断する手順
    第3章  結果論は分析ではない~データから要因を探る技術と方策
    第4章  データが歪めば結果も歪む~分析対象とデータの取り方に注意する
    第5章  「分析したつもり」の落とし穴~気が付きにくいデータの歪み
    第6章  幻の因果関係を生み出す交絡因子~三角関係を暴いて相手説を崩す
    第7章  散布図に潜む罠~分析の存在理由を問うことが大切
    第8章  偽の相関、逆の因果を叫べば勝ちではない~因果関係の丁寧な考察がデータ分析攻略の近道

    <内容>
    最近はやりの「データサイエンス」の基本である、データ分析についての教科書的なもの。もともと大学での講義録だったようで、例題を基に丁寧な解説と正解例を提示してくれる。かなり細かい解説なので、自分はややついていけなかった(やはり純文系アタマなのかな?)が、著者は、新聞やネット上のエセ分析をかなり気にしているようで、そこへの批判もくみ取れる。

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    2022年04月28日