菅原琢のレビュー一覧
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1989年に始まった平成時代は、30年後の2019年に幕を閉じた。本書は平成が終わり、令和が始まった2019年に、平成史を書くという試みのもとに編まれた本である。編者は小熊英二、それ以外に7人の執筆者が参加している。最初に小熊英二が、「総説」を書き、以降、政治・経済・地方と中央・社会保障・教育・情報化・外国人/移民・国際環境とナショナリズムというテーマで、それぞれの専門家が執筆している。
小熊英二は、「総説」の中で、平成について下記のように述べている。
【引用】
「平成」とは、1975年前後に確立した日本型工業社会が機能不全になるなかで、状況認識と価値観の転換を拒み、問題の「先延ばし」のため -
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選挙に興味を持ち始めたものの、分からないことだらけで読んでみた本。
なぜ自民党は強いのかや、なぜ野党は勝てないのか、なぜ女性政治家は少ないのかなどをテーマに。
前半はデータに基づいた話しをしているので、ウッとなるが、分かりやすく書いてくれているので、初心者でも全然分からないということはなく読めた。1からと言うよりは、近年の選挙に絞られていて、そこも身近に感じられて良かった。
最後は哲学対話で締められている。
興味を持ったのに、具体的に話すのはタブーみたいな風潮でより分からなくなってく「選挙」。生活の中で感じている「選挙」のことが話されていて、もっと身近にみんなで考えてみたいと思えた。
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この本を手に取ったきっかけは、情報番組で「自民党がなぜ強いかをデータで分析している」「選挙とは何かを座談会形式で考えている」と紹介されていた点に惹かれたからである。
本書によれば、自民党が強い理由としては、①小選挙区制において効率的に議席を獲得できる制度構造、②公明党との選挙協力、③野党が候補者を統一できず票が分散すること、④非都市部で組織団体や保護政策を通じて基盤を固めていること、⑤政治に不満を抱えながらも与党に投票する層が一定数いること、などが挙げられている。
また、(本書の説明を踏まえつつ私の理解を交えて言えば)投票率の低さも自民党に有利に働いている。特に「選挙に行かない層の中には野 -
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ネタバレ一つの答えがわかっても、安心しない。
交通事故のニュースが増えた原因=事故が珍しくなくなった、ニュース番組のお茶の間化、放送時間の拡大。ビジネスマン以外の視聴者の増加。取材可能範囲が増えた。スマホ、監視カメラ、ドライブレコーダー、視聴者による素材提供が増えた、高速道路の延伸、高規格道路が公共事業で増えた、航空機、ヘリコプターの増大、空港の増加、交通事故は死亡事故だけではない、など。
結果を生み出すのは一つや二つではない。
時間の節約に見えてもったいない。複数かつ重傷的な理由が隠れている。
交通事故は死亡事故だけではない。
秋田県は見栄っ張り?
散布図に隠れている相関関係。
男余り率と男性 -
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日本の平成を、政治・経済・地方自治・社会保障・教育・情報化・移民政策・ナショナリズムの観点からまとめた本。
総じて言うなれば、日本の平成とは、変化するさまざまな環境に対して、昭和の枠組みをその場しのぎで改変することで対応してきた時代であり、その綻びがあらわになってきた時代といえる。
重要な観点は、ポスト工業化における個人化。昭和はある意味一定のライフコースしか想定しておらず、そこから漏れ落ちた人々に対しては想定をしていなかった。だからこそ、こうしてそれぞれの観点からまとめてみると、ちぐはぐな対応に見えてしまう。
システムは入れた途端陳腐化するが、それは全ての精度に対しても言えるのかもし -
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ネタバレ<目次>
はじめに 怪しいデータ分析への処方箋
第1章 データ分析読解の基本、因果関係~対象に関する知識と想像力の重要性
第2章 怪しさを感じる糸口、議論と数字のズレ~分析を間違いと判断する手順
第3章 結果論は分析ではない~データから要因を探る技術と方策
第4章 データが歪めば結果も歪む~分析対象とデータの取り方に注意する
第5章 「分析したつもり」の落とし穴~気が付きにくいデータの歪み
第6章 幻の因果関係を生み出す交絡因子~三角関係を暴いて相手説を崩す
第7章 散布図に潜む罠~分析の存在理由を問うことが大切
第8章 偽の相関、逆の因果を叫べば勝ちではない~因果関係の丁寧な