三浦佑之のレビュー一覧

  • 古事記を読みなおす

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    著者は、古事記と日本書紀を「記紀神話」と一括し、両者をともに律令国家を支えるために編纂されたとする通説を批判し、古事記の「語り」に滅びゆく者へのレクイエムを聴きとろうとしています。

    その際に著者がまず注目しているのが「出雲神話」にかんする叙述です。大和政権の正統性をあきらかにする意図で書かれた日本書紀には、古事記に含まれている出雲にかんする記事の多くが存在していないことを著者は指摘します。このことは、天皇家の歴史を叙述するためには出雲神話を無視してもさしつかえがないということを意味しており、それゆえ古事記における出雲神話に関する記事に、律令国家における正史として編纂された日本書紀とは異なる「

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    2023年06月07日
  • 風土記の世界

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    いつもの三浦節。読みやすく分かりやすい。

    ただ、口語訳古事記が衝撃的だったので、読後の驚きはそれにはかなわない。勿論、新書という制約はあるのだろうけど。

    風土記が一部しか残ってないのは悲しい。多くは、完成せず、中央に報告されてないという事は考えられないのだろうか。全くの素人考えではあるのだが。

    ともかく、残されたものの全文を読んでないのでぜひ読みたい。

    やはり、日本書紀より古事記や万葉、風土記に親しみを感じてしまう。

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    2016年07月01日
  • NHK「100分de名著」ブックス 古事記

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    ネタバレ

    古事記と日本書紀の違いなどがわかってよかった。

    ・古事記は語り部によって語り継がれた物語で政治色が薄い。出雲の物語が中心となっていて、敗者に目を向けて描かれた物語。日本武尊は悲劇のヒーローとして描かれている。

    ・日本書紀は大和朝廷が他国に「日本」という国の権威を示すために編纂された物語。日本武尊が神仏化されておりスーパーマンのような人物。天皇家を中心とした物語。

    古事記は本居宣長が広めるまでは非常に限られた人しか知らない物語であったというのには驚いた。

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    2015年07月19日
  • 日本の昔話

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    なんじゃそりゃというような話もあったり、今のポピュラーな昔話の原型のようなものもあった。昔の人々が子供に言って聞かせるスタイルは今にも通じている。

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    2014年01月01日
  • 古事記を読みなおす

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    学説論争的に真面目に記述されている点は、評価できるが、新書なのだから大胆に自説を物語風に展開しても良かったのではと読後に感じた。

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    2013年05月08日
  • 絵でみる世界の名作 イラスト図解 古事記 ―神がみの物語―

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    古典文学全集で読むより断然読みやすいし、古事記ってどんなもの?と手っ取り早く知るためにはいい本です。
    読み物としては語り口(おじいさんの昔語り風)が不自然で、面白くありませんが。

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    2010年03月10日
  • 本当は怖い世界の童話

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    世界の童話の裏話。「赤ずきん」「灰かぶり」「眠り姫」などが集録。
    特に衝撃的だったのが、白雪姫。生き返り方がショボイ。
    棺が揺れた拍子に、のどに詰まらせていた毒りんごが飛び出て生き返る、というもの。
    王子様と結婚する、というのは変わらないが、生き返ったのかを確かめるために結婚式に来たお妃が苦しんでいるのを、あの優しい白雪姫が幸せそうに見ていた、というのだから怖い。
    元の話を知っていた方がより楽しめると思った。

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    2009年10月04日