三浦佑之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ古事記は、律令国家の由緒を描く史書として読まれてきた。だが、こうした理解には根本的な誤りがある―。日本書紀には存在しない「出雲神話」が必要とされたのはなぜか。どうして権力にあらがい滅びた者たちに共感を寄せるのか。この作品の成り立ちを説く「序」は真実か…このような疑問を通じ本書は、「国家の歴史」以前から列島に底流する古層の語りとして、古事記をとらえ返す。それにより神話や伝承の生きた姿、魅力がよみがえる。古事記の世界を一望に収める入門書の決定版。(カバー)
入門書としては偏っているような…。
全編通して話が及んでいるのはうれしいところ。読みごたえがありました。 -
Posted by ブクログ
著者は、古事記と日本書紀を「記紀神話」と一括し、両者をともに律令国家を支えるために編纂されたとする通説を批判し、古事記の「語り」に滅びゆく者へのレクイエムを聴きとろうとしています。
その際に著者がまず注目しているのが「出雲神話」にかんする叙述です。大和政権の正統性をあきらかにする意図で書かれた日本書紀には、古事記に含まれている出雲にかんする記事の多くが存在していないことを著者は指摘します。このことは、天皇家の歴史を叙述するためには出雲神話を無視してもさしつかえがないということを意味しており、それゆえ古事記における出雲神話に関する記事に、律令国家における正史として編纂された日本書紀とは異なる「 -