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風土記は古代を知る、何でもありの宝箱。土地のいわれや肥沃状態、古老の言い伝え、天皇の巡行など、バラエティーに富む内容から見える、中央国家と地方との関係とは? ヤマトタケルを天皇として描く常陸国、編纂命令から20年も経て提出された出雲国、滑稽譚満載の播磨国など、いくつかの謎を解き明かし、生き生きとした古代世界像に新たな読みで迫る。
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Posted by ブクログ
風土記=「日本書」地理志の構想が頓挫したもの、という観点からの概説。「日本書紀」はあくまでも、中国にならった正史「日本書」のうち「紀」に当たる部分として構想されたというのが筆者の考えである。 常陸国風土記にみるヤマトタケル伝承や出雲国風土記にみる日本海文化圏の痕跡など、興味深い内容が展開されており...続きを読む、行間からここまで読み取れることに感嘆した。であるからこそ、五風土記しか残存しないのが本当に残念という読後感も残る。
風土記を再読するために、本書も再読。 曖昧な点もありますが、著者の視点は見所ありですね。 日本書紀を日本書+(紀)とするのは、妥当な考えかただとおもいますね。この考えかたをベースに風土記や記紀万葉を読んでいくと納得点多いですね。 著者が『古事記』前文偽書説を当書ではありませんが、興味深いところです。...続きを読む 私は、現存『古事記』自体『日本書紀』よりずっと後世の改作だと思いますがね。 現存の風土記と逸文をさらっと解説されているので次につながる1書だとお薦めできます。
<目次> はじめに 第1章 歴史書としての風土記 第2章 現存風土記を概観する 第3章 常陸国風土記~もう一つの歴史と伝承の宝庫 第4章 出雲国風土記~神の国ともう一つの文化圏 第5章 語り継がれる伝承~播磨国風土記と豊後国・肥前 国風土記 まとめにかえて <内容> 勉強不足だ...続きを読むったが、当初の朝廷の目論見が『日本書紀』が『日本書』「紀」だったとは。そして『風土記』は『日本書』「志」にあたるとは…。確かに中国の歴史書を踏まえて作ったいるなら、それで該当することになる。そしてその目論見は何らかの理由でうまくいかず、『風土記』は独立した地誌となった。 また「出雲国風土記」の性格についての考察も面白かった(やや難しかったが…)。撰録者が出雲国造(何となく知っていたが)なのだが、もう国司の時代に出雲だけが「国造」が残っていて、しかもそれは元意宇(おう)氏だった。出雲の東側を支配し、神栖神社を祀ってきた。出雲西側の神門氏は朝廷に抑えられ、意宇氏が出雲を支配し、「出雲臣」となった(出雲国造)。その流れで考えると、「出雲国風土記」が純粋な「国つ神」の神話というよりも、朝廷におもねった「出雲氏(意宇氏)」の取捨選択によるものだという指摘が斬新だった。
いつもの三浦節。読みやすく分かりやすい。 ただ、口語訳古事記が衝撃的だったので、読後の驚きはそれにはかなわない。勿論、新書という制約はあるのだろうけど。 風土記が一部しか残ってないのは悲しい。多くは、完成せず、中央に報告されてないという事は考えられないのだろうか。全くの素人考えではあるのだが。 ...続きを読む ともかく、残されたものの全文を読んでないのでぜひ読みたい。 やはり、日本書紀より古事記や万葉、風土記に親しみを感じてしまう。
この当時から、中央と地方にはある種の明確な差があったのかと思うと面白い。 記紀の間でヤマトタケルについて比べている本はいくつかあったけど、そういえば、風土記にもかの英雄は出ているのだと思わされた。
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