宇野利泰のレビュー一覧

  • 寒い国から帰ってきたスパイ
    他の作品の評価見るに、ジョンルカレの作品では一番面白いんじゃなかろうか。「我らが背きしもの」とか割りと早い段階で挫折したし。
    そこまで場面の切り替えや登場人物の視点入れ替えは激しくない。ほとんどリーマス一人の視点に寄ってるから話が分かりやすい。のかもしれない。
    カーラは登場せず。変なリアリティあって...続きを読む
  • ラヴクラフト全集4
    "きみはこの惑星でのわたしの唯一の友だったーーこの寝椅子に横たわる忌わしいもののなかに、わたしを感じとって見つけだしてくれた唯一の魂だった。また会うことがあるだろうーーおそらくオリオン座の三つ星の輝く霧のなかか、先史時代のアジアの荒涼とした大地か、記憶にのこらない今晩の夢か、太陽系が消滅している遥か...続きを読む
  • Yの悲劇
    Xの悲劇に続いての再読。
    こちらも内容を完全に忘れていた。
    Xに続いて読んだこともあり、Xとの比較してしまうが、自分としてはXの方が面白く読めた。
  • ラヴクラフト全集1
    アーカムから一日往復一便、バスが向かうインスマスの街は古色蒼然に荒れ果てた奇妙な街だった。街の噂を聞きつけて、貧乏旅の途中主人公はインスマスに向かうことにする。一体この街はどういった街なのか? 面妖な住人達が跋扈する中、主人公は恐怖の夜を迎える。(インスマスの影)

    言い回しは少しく長いがくどくはな...続きを読む
  • ラヴクラフト全集4
    「故アーサー・ジャーミンとその系譜」が印象的。主人公が自分の系譜を調べていくと実は……な展開を持つラヴクラフト作品は複数あるが、これもその例の一つ。

    「狂気の山脈にて」は冒険風味を味わえる作品。「ピックマンのモデル」は描写が要を得ていて面白く、「宇宙からの色」は科学的な(?)律儀さが現れていて楽し...続きを読む
  • ラヴクラフト全集2
    TRPGで有名らしい「クトゥルーの呼び声」を筆頭に収録。

    他の巻に比べ、怪異に直接対峙している(というか、対峙している描写が比較的正気のまま書かれている?)作品が多いのが特徴。幻想的な雰囲気を楽しめる「エーリッヒ・ツアンの音楽」がこの間の中ではお勧めか。
  • ラヴクラフト全集3
    「無名都市」の階段を下りていく描写が非常に好みだ。同様のモチーフは他の作品でも見られるが、この作品は延々とそれをやっている印象がある。
  • ラヴクラフト全集5
    科学系の話がほとんどだった第4集人は打って変わって、悪魔や呪いの話でまとめた第5集。最後についてくる「ネクロノミコンの歴史」が表すとおり、ネクロノミコン絡みの話で統一されているとも言える。

    「ネクロノミコン」に絡む部分を除き、全体にゴシック・ホラーや霊的カラーの強い1冊なため、「恐怖におののいた」...続きを読む
  • Yの悲劇
    ううう。ううう。
    レーンを好きになれそうでなりきれない、、、のは訳のせいなのか、そういうものか。。。。
    同じ判のXの悲劇が無い。。。のでカドカワのを購入。ちょっと時間あけて読もう。
  • ラヴクラフト全集1
    小林泰三さんの著書「玩具修理者」の解説を読んでから“クトゥルー神話”とは何ぞや?と思い、手に取りました!知的好奇心ならぬ知的恐怖心とでも云いましょうか。考えれば考える程、恐怖心が掻き立てられる作品群。でも、やはり翻訳モノだから今一つ読みにくい・・良かったのは『闇に蠢くもの』かなぁ^^
  • 華氏451度
    ぞっとした。

    政府によって本の所持が禁止され、イヤホンから流される放送と壁一面のテレビと『家族』に夢中にさせられて、考える時間を奪われた人たち。

    今、現実の世界で私たちは、自ら読書を避け、インターネットやスマートフォンの世界やゲームにのめり込み、自ら考える時間を放棄している。

    ほんと怖いです。
  • アデスタを吹く冷たい風
     7編収録の短編集。

     前半の4編は軍人のテナント少佐が活躍する
    短編。架空の国が舞台で将軍の圧政や革命など
    ところどころ不穏なその国の空気が描かれている
    のが上手いです。


     またテナント少佐の軍隊の権力や派閥に縛られず、
    自分の正義と思考に愚直に行動する姿がとても男前
    です。

     テナント少...続きを読む
  • 華氏451度
    本を見つけたら焼く仕事をする焚書官のモンターグ。消防士の格好でホースから火を吹かせるのだ。不思議な少女との出会いから、本を焼く為に出動した先での老婆の自殺からモンターグは始めて自分や妻の事を考えるようになって…
    無知を生産する世の中で、知識人は頭の中に本の内容を暗記するようになり、人々に伝えていく決...続きを読む
  • ポケットにライ麦を
    中盤まで主役を務めるマープルの登場はないが、故に警察官の活躍が際立つ。

    ここ最近放送されていた、深夜のミステリチャンネルでのTV版では二時間で解決されるという仕様だったので、所々不明が残ったものだが、こうして文字を追ってみると、犯人が判明した際に、成る程。と思うところが多々あった。
    要するに、TV...続きを読む
  • ポケットにライ麦を
    読む前から、マザーグースの一節のタイトルが気になっていた一冊。
    最後の締めくくりがとても切なくて印象に残る。
  • ラヴクラフト全集2
    全集2巻目は3作品が収録。世界は安定したものではなく、辛うじて危ういバランスの上に存在している。ふとしたきっかけからそれを認識してしまう恐怖と絶望。この世界観は好きだけど、文章が華美でくどいのよね。あと7冊?読めるかな。
  • ラヴクラフト全集2

    前巻より読み易かった。
    今巻の秀逸な点は、悪魔や怪物という人外の存在を題材にしているにも拘らず、実際に怪物そのものや残酷な描写が少ない点でしょう。
    あくまでも扱っているのは興味と恐怖と狂気の境界線におけるせめぎ合いという人間らしい部分であり、故に容易に想像が可能であり怖気を誘います。
    中でも「...続きを読む
  • 華氏451度
    なんか小難しい本ばかり続いていたから、さらっと読めて、単純にまず、読書体験として楽しかった。

    焚書が当たり前になった世界。
    本がないことが当たり前の世界。

    およそ40年前、書物に囲まれながら過ごしていたブラッドベリは、もし、将来、本というものがなくなったらということを思い描きながら、本書の舞台設...続きを読む
  • ラヴクラフト全集1

    どうも最近ブーム再燃との事を耳にして購入。
    思えば自分も約四半世紀前にTRPGをやったり、ネクロノミコンなる本を持っていましたが、肝心の氏の作品は未着手でした。
    自分の勝手な想像では宗教的な絡みの強いホラーだと思っていましたが、案外SF寄りの設定で発狂じみていない内容である事が逆に驚き。
    ただ...続きを読む
  • ラヴクラフト全集1
    人間外が出てくるホラー小説。
    SFとはまた違って、現代の中に
    宇宙人が潜りこんでる的なお話しです。

    個人的には『死体安置所にて』が
    シンプルなホラーで面白かった。