波津彬子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「うるわしの英国シリーズ」というシリーズタイトルがついているけれど、私にとっては「善意の人が報われるシリーズ」です。
でも私のネーミングだと、波津彬子作品の全部が当てはまってしまうし、身も蓋もないので、やはりプロの編集者は偉いなあと思います。
波津作品の楽しみは、可愛い大人がでてくるところ。麗しの英国は紳士と淑女の国、マダムの面目躍如です。友だちのほとんどが神の国へ行ってしまったという老婦人が、(若々しくなく)「老人らしくチャーミング」に描かれているのがとても素敵。
きれいなドレスと重厚な建物も耽美な調度品も浪漫チックだけど、おじさんおばさんにおじいさんやおばあさんのささやかな活躍が好きで、波 -
Posted by ブクログ
短編集だった1巻とは異なり、2巻は長編『玉藻の前』1作が収録。殺生石のいわれは何となく知ってはいたけど、岡本綺堂の原作は全く知らなかったので、一つカシコクなりました★(^_^;) 読んでくうちに、相変わらず美しく妖艶な世界観にウットリ浸ってしまいます。と同時に、えもいわれぬ怖さを感じさせてくれちゃうのも、サスガ波津彬子だなあ、というべきか。あとがきで『平安時代を描くのは初めて』と言ってましたが、全然そうは思えなかった。混沌とした平安時代の雰囲気にも、このひとの絵は、よく似合うな。
今度はどんな幻想的な物語を描いてくれるのか…読むごとに期待がいや増します。3巻が出てくれるのが楽しみです。