青木祐子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前庭を共有する土地に住む家族の”お隣さん”物語。
元の地主でもある資産家・仁木家。
仁木家夫婦と友人である美和のいる・能生家。
共働きだということを理由に深いつきあいを避ける高井戸家。
そこに新たに加わった氷見家。
以前住んでいた堤家が、家を売って出て行ったのはなぜか…?
登場する家族それぞれが、とても身近に感じられる。
あぁ、こんなかんじの奥さんいるわ。とか、
微妙な力関係やつきあいに、わかる、わかる、とうなずいたり。
そして環境や立場は違っても、自分の心にも彼女たちがいることに気づかされる。
ずっと転勤族で、どこに行っても”よそから来た人”だったせいか、
元の地主さんが同じ区画に住む分譲地、なんだか肩身の狭い気分になりそうで住みたくないかも…。
引っ越す先の”お隣さん”って、気がかりなもんですよね。 -
Posted by ブクログ
ヴィクロテと比べるとちょっと、もう一つ上が欲しくなる。
これは作家さんにはお気の毒。
『ベリー・カルテット』という美しい屋敷で起こった殺人事件を
美貌の作家である貴族の次男坊ロイと、名執事の娘で新人
メイドのシャノンが解き明かす。
メイドといえば萌えという図式にうんざりしていた私には
シャノンの聡明さはとても気持ちがいい。
淡々としているけど、それは思慮深さの表れ。
仕事や推理の場面では崩れないシャノンがロイの小説に
夢中になる場面はギャップがあって愛らしかった。
令嬢の生活が資産次第で、そこに愛や嫉妬が絡むのは
ヴィクトリア朝も日本の平安時代ともよく似てて、はっとした。
これを読むと『エマ』や『シャーリー』も読みたくなる。
これからロイとのロマンスも進むとコバルトらしくなるかな。
意外とアガットが好きだった。いそうだな、こういうメイド。
そういう架空ならではのリアルさがある作品は良くなるから。
次が楽しみだなぁ。
もう少しページを増やしてミステリ専門の文庫に
入ればいいのに。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「紳士は、弱いものに力をふるわないのよ。だから、わたしは弱い限りは強くいられるんだわ」
内容紹介です。
楠木龍之介が上海に来て、ふた月弱。リリアン・ミルドレッドのもとに行方不明中の父ロバートから木箱が届く。中身は全葉の紅茶と白い花。この積荷を狙って、航海中、何度も盗難騒ぎが起きたらしい。案の定、メイファという姑娘が探りを入れに現れた。彼女を差し向けた者の正体と目的を探るべく、龍之介は紅麗路にある怪しげな妓館・花彩酒店に内偵を試みるが…。
これからどうなっていくのか。予想がつきません。
ただ一つ言える事は前作ヒーロー(?)シャーリーと同じくらい龍之介が苦労するだろうってことです。
両想いになるのは早そうですが…。
リリアが何を考えているのか、とか、龍之介の過去は、とか。
気になることはいっぱい。
これからどんな風にお話が進むのか、楽しみなような、なんとなく怖いような…。
青木さんの作品なので、たぶんゆっくりゆっくり進むんだろうなぁと思いつつ。
青木さんの丁寧な描写は好きなので、速度がゆっくりであることは気にはなりませんが、そういうのが苦手な人にはもしかしたらまだるっこしいかもしれません。
まだまだ、物語は始まったばかりなので、これからに期待。
龍之介は紳士ではないけれど、きっと「武士」なんでしょうね。
正義感が強い!がそれがもしかしたら足引っ張っちゃうんじゃないの?なんて心配な今日この頃です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「わたし、恋人が、ほしいわ」
内容紹介です。
二十世紀初頭、上海租界の英国人屋敷。両親が行方不明になって半年。十六歳ののリリアは保護者のフェイに支えられながら、愛する紅茶を淹れる日々を過ごす。あるひ、従兄弟のライオネルが、母国への帰国と結婚を迫ってきた。その目的は、ミルドレッド家の莫大な財産。その頃、家出同然に上海港に辿りついた日本人青年・楠木龍之介がいた。彼はリリアの恋人役を引き受けることになるが…。
青木祐子の新シリーズです。
前の『ヴィクロテ』が好きだったので、今回も手を出しちゃいました。
そろそろコバルトから卒業しようと思ってたのに…。
まあ、まだ始まったばかりですからね。
とりあえず、登場人物の紹介の巻みたいな感じだと。
それにしても、なんかいろんなベクトルの謎(伏線?)が散りばめられていて、これ、話の中できちんと解消されるよ、ね?と不安になりました。
が、きっと青木さんなら大丈夫なはず!と期待しています。
今回の当て馬(違う!)リリアの従兄弟であるライネルが半端なく哀れです。
前作の貴族中の貴族、シャーリーとは似ても似つかない(当たり前!)
確実に、龍之介とか、リリアとか、上海租界の方々の関係を紹介するためだけに登場した人、ですよね。
あまりの小物っぷりに中盤で、きちんと最後までこの人事件に関係してくれるよね?
あっさり殺されちゃったりしないよね?と違う意味でハラハラドキドキ。
今回のお気に入りの言葉は、冒頭でのリリアの言葉。
ここ読んでうっかり「ほしいって言って恋人が出来たら苦労しないわ!」と突っ込みました。
かなりぽやぽやしていると思っていたリリアもちょっとイメージとは違ったし、龍之介の過去も気になるし、フェイが何故ミルドレッド家に忠誠を誓っているのかも興味をそそられるし。
次の巻を読むのが楽しみです。
ただ、今のところ、龍之介はタイプじゃないんだよなー。
『ヴィクロテ』のシャーリーは結構好き、だったんだよね。
ああいう氷の男が溶けていくのって、きゅんきゅんする(ちょっと気持ち悪いよ、私)
龍之介の過去に期待!