短編集。各作品の表紙にのみ挿絵で絵師さんがそれぞれ違う。作品の内容にあった絵師さんのチョイスが良かった。
装丁も素敵。
『痛い靴』ー絵:えすとえむ
苦手な上司に無体なことをされる受けの話。
無理やりすね毛を剃られ小さなハイヒールを履かせられて御遣いに行かせられた末に犯される、、、みたいな?
痛かったけどそこが萌え。
『ストロベリー』ー絵:腰乃
得意先のノンケが好きで恋人同士になったものの結婚するとうわさを聞き、最後に攻めのバックをとって終わりにしようという受けの話。でも視点は攻めからも書かれるので攻めの気持ちも分かる。
リバ。純情で好き。気持ちがまっすぐで。
『10×3』ー絵:円陣闇丸
ノンケのヤクザ、女好きが高じて組長の愛娘との情事後の朝、組弁護士に見られてしまう。口止めのために一晩付き合うことに。
ノンケであり女に対してやっていたことを自分がされてよがってしまい、しかも舎弟も交えた3P。
こういう話大好き。目覚めた受けは2人にずーっと愛されればいい。
『カルメン』-絵:鬼嶋兵伍
酔いつぶれた日、会社の犬のような図体の後輩から好意とともに襲われそうになってパニクる男。背が低いのと身体が貧弱なのがコンプレックスだが後輩から見てほしいものがあると招待され。
女装した大きな男を受け入れる倒錯感??
違う世界を覗いた受けの気持ちが少しわかったかな。
『クリスタル』-絵:中村明日美子
エレベーターの中で秘書と閉じ込められた男。若くして取締役になったのは正妻の息子が会社に興味がなくて社長が自分を取り立てたから。でもその秘書のスパルタに付いてきていたのに、その秘書は自分が思っていたような男ではなかった、、。
いろいろあったけど、二人の気持ちが通じて良かった。というEV内の話でした。その後の二人が読みたいかな。
『書生の戀』-絵:今市子
作家にファンからファンレターと自分で書いたという小説が送られてくる。その後の作家の日記と少しずつ送られてくる作品。昭和の大戦前から終戦のひと月前で終わった日記。手にしているのは曾祖父の遺品整理にきたひ孫で。
最後の「ああ、(改行)生きている、と感じた」
が、切なかった。
どの短編もそれぞれグッとくる話で、どれも続きが読みたくなる。その後の二人(または3人)は元気に愛し合っていますよね、、、。