中里介山のレビュー一覧

  • 大菩薩峠(11)

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    いつ頃世に発表されたのかよく分かりませんが、幕末前後の人物の、とりわけ勝に対する酷評と小栗の高評価は多分何か意味あるんでしょうな。それに加えて尾張(愛知あるいは年魚市)のくだり、時代を行ったり来たりで更にのらりくらり感が増しとります。
    まぁ小栗の扱いなど、何か斜に構える人物の典型って感じである意味無邪気な作家だなと思わなくもなく。

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    2016年07月01日
  • 大菩薩峠(10)

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    やっと半分ですか、、、何度書いたか、長過ぎる。
    この時点でこの作品の評価は正直一枚落ちるかな、終わりを意識した書き方をしない時点でね。
    最初より書いている時の世相が微妙に滲み出てきていて、それはそれで面白いんだけれども、、、

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    2016年06月26日
  • 大菩薩峠(9)

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    若干時代に対する抗議が直接的で声高になっている感あり。
    これだけ長く書いていれば、その時々の作家の気持ちの揺れが表れますよね、そりゃ。
    そういう意味では、日記的なものを読まされているとも言えるかしれんですな。

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    2016年06月18日
  • 大菩薩峠(8)

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    「長い」、ずっとこの感想を書いている気がしますが事実なんだから仕方ない。まぁ作中にも書かれているけれども、交通・通信網が発達していない時代だから、この本の設定は当時の人々にとっては壮大に感じたのかな、少なくとも当方よりはそうなんでしょう。
    そしてもう一つ、徳川と薩摩の関係の捉え方が面白かった。こういう感じをベースにしてストーリーを組み立てる作家は今はあんまりいない感じがする、この見方は新鮮でしたな。

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    2016年06月11日
  • 大菩薩峠(7)

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    どこまでもじれったい展開、書き手と読み手の時間の余裕に関する共同性がないと成立しないなぁ、これは。その意味で幸せな作品とも言えるかも。
    それにしても絡みあって錯綜しているようで、確かに幾つもの話が並走している、読むのに骨が折れますが確かに凄い本ではあります。

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    2016年06月08日
  • 大菩薩峠(6)

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    墜ちていく人々の、ある種の自虐的快感とただ昔のままに純朴なムク犬が繰り返し描き出されているので、疾走感がイマイチ。だからこの長さに付き合うのはちょっと骨が折れそう。確か初読の時もそう思ったなぁ、成長しとらんな、我ながら感心感心?

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    2016年06月01日
  • 大菩薩峠(5)

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    執拗なまでのすれ違いの繰り返し、ちょっとしんどくなってきたぞぃ、話そのものは悪くないけれど、、、
    それにしてもどの人物(動物)も主人公のような感じで、まさに群像劇。歴史上の事件の絡め方も地域の使い方もくすぐり感満載。好きな人には堪えられん話であることは容易に想像つきます。

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    2016年05月26日
  • 大菩薩峠(1)

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    無常観。
    人の命を何とも思わないような辻斬り・机龍之介の痛快チャンバラ劇かと思えば、妙に物寂しい感じもある。
    今の漫画ってすぐ人が死んじゃったりして、でも読者のほうでも意外とすんなり腑に落ちちゃったりして、あんまり死について想うことはないけれど。

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    2016年05月16日
  • 大菩薩峠(4)

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    単純でもあり複雑でもある同構造の組み合わせが確かに堪らんという気が。昨今よくわる二つの話の並行展開ではなく、複数の人物の(作家の頭の中ではおそらく整然として秩序だった)交錯は並大抵の業ではないですなぁ。でも繰り返しだけれどもまだ4巻でござる、、、

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    2016年05月17日
  • 大菩薩峠(3)

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    様々な登場人物の交錯がまさに同じ構造をもって描かれてます、こういうところが大学の講義で取り上げられ理由だったか?全く覚えとらん、、、純粋にこの巻はスペクタクル的要素が薄いので若干乗っていけなかったかな。
    しかしまだ17巻も残ってる、(当方の読書という点で)どうなることやら。

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    2016年05月11日
  • 大菩薩峠(2)

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    偶然の巡り合わせがどんどん積み重なって話がリズムよく進んで行くもんだから、段々人物を追えなくなってきた感もあり。文章の古さをテンポの良さで十二分にカバーし、更に良い意味での荒唐無稽さも相俟って、読んでいて辛くなってこない。
    そして一番は机竜之助が機械のように斬りまくることかな。爽快感からは程遠いし「はぁっ?」と思うところ大なんだけれども、彼が人を斬ることを基軸にして色んな話がそれこそ面白さ満点に交差するんだから、まぁ大した小説なんでしょう。

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    2016年05月05日
  • 大菩薩峠(1)

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    大学の講義で紹介されて手に取って以来の再読、あまりに長い(読み終えられないかも?)ので1巻ごとに★評価を。
    ほんとにただ「読んだことあります」の事実しか覚えておらん、、、新撰組のくだりなんて全く記憶にない、まぁその当時あまり新撰組とかに興味がなかったということもあるだろうけれど。
    まぁそれはさておき、主人公のあまりのいい加減さが逆に新鮮と言うか、この時代でも(あるいはこの時代だからこそ)こういう無頼的な感じに一定の支持は集まるということかも。しかし大学の講義で論じられた日本の精神性についてはまだ何とも言えんかな(というか何か指摘できるほどの能力は当方にはないと言った方が正確かな)。

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    2016年05月02日
  • 大菩薩峠(13)

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    大菩薩峠もようやく13巻まで進んできた。後半に入っていよいよ人物像は個性を発揮しだし、人の出会って別れてを繰り返しながら登場人物の双方が別々に過ごしていた時間をメインにした話から、かつて一緒に過ごした時間を踏まえた出来事が増えてきた印象。さて、この先はどうなるか知ら。

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    2015年11月28日
  • 大菩薩峠(12)

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    久々に再開した大菩薩峠。懐かしい登場人物を思い出しながら、時間の流れも感じながら読み進めていました。他の本を何冊も読んでからこの作品を読むと、あらためて表現のうまさ、言い回しの豊富さを感じますね。最低限必要な語彙でするレベルでのコミュニケーションからずいぶん離れたところにいるな、と感じてそういう一工夫を自分もできるようになりたいと思いました。作品の中の話は、少しずつ展開しているものの大きな事件もなかったので、次を読み進めてみたいと思います。

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    2015年11月01日
  • 大菩薩峠(10)

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    ようやく半分まで辿りついた。。。登場人物同士が最初はなんの交流もなかったところが、いろんなきっかけで知り合って、一緒に過ごすようになったり。今生きている自分たちも一緒ですね。それぞれに物語は語られていながら、関わってはじめてお互いの人生を知る。その一つひとつの物語に興味を持ちながら、これからの物語を一緒につくっていけることを楽しむのもいいんじゃないかなと思いました。

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    2013年03月12日
  • 大菩薩峠(9)

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    他の本にも寄り道しながら、少しずつ読み進めた9巻目。登場人物それぞれの個性はより濃く出てきたなと思います。そして場所が一度出てきた場所で書かれていたからか、あまり景色の描写はなくいきなり人のやりとりに入ることが増えてきたように思いました。物語を書いていくには、まずは場所の景色を書いてから場面に入っていく、でも何度も同じ場所を使えばそこが省略できるようになっていく。それが物語のテンポを上げていく要素にもなるのかな、と思いました。

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    2012年11月25日
  • 大菩薩峠(4)

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    青梅から江戸、伊勢から東海道と舞台を変えてきた物語の登場人物が、はからずも同時に甲府に集まり、新たな交流は意外なところでその登場人物をつなげていく。メンツ争いに執心するダメ支配ってのはこういう平和な時代だから出てきたのかなとか、資産家ってのはいつの時代も悪巧みに巻き込まれるもんかなとか、今に通じるというか、僕はこの物語を通して今を読んでるようにも思えてきました。

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    2012年08月25日
  • 大菩薩峠(3)

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    この巻は主人公の話はほとんど出てこなく、草の根の庶民の話、特に女子供の暮らしを中心とした前半と、殿さまの話の後半。庶民の悩みの種はなんだかんだでお金であって、助けられるのは人のつながりであることも多いことなんかは、今と変わらないなぁと感じました。なんとなくですが、著者の中里介山自体にも今後の展開は全てはわかっておらず、日々の生活の中で得たヒントを作品に織り込んでいくのを楽しみながら書いていたんじゃないかな、とか感じて読んでました。

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    2012年08月25日
  • 大菩薩峠(2)

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    続いて2巻。っといきなり目が。。剣士の話なのに、それでいいの?っていう展開に俄然興味を注がれました。文章は読みやすくて、登場人物それぞれに特徴がある分覚えやすくて、たくさんの人に読まれてきたのがよくわかりますね。そして青梅から伊勢の方へ、そして東海道へ、次々に話の舞台が変わっていくことでもなんだか日本中を旅行してるような気分にもなったりします。
    長いことを活かした書き方というか、こんな小説もあったんだって思いました。

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    2012年08月24日