中里介山のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「音無しの構え」を有する机竜之助と、仇討ちを狙う宇津木兵馬の話を大筋とした群像劇。
文章は時に厳しく、時に優しく。小説というよりは弁士の語り口調に近い。
P246
世は混乱の時といえ、さすが千有余年の王城の地には佳気があって、町の中には険呑な空気が立て込めて、ややもすれば嫉刃が走るのに、こうして、朧月夜に、鴨川の水の音を聞いて、勾配の緩やかな三条の大橋を前に、花に匂う華頂山、霧に迷う如意ケ岳、祇園から八坂の塔の眠れるように、清水より大谷へ、煙とも霧ともつかぬ柔らかな夜の水蒸気が、ふうわりと棚引いて、天上の美人が甘い眠りに落ちていくような気持に、ひたひたと浸けられてゆく時は、骨もおのずから溶け -
購入済み
大菩薩峠
時代小説が好きで何となく読み始めてみたのですが、登場人物の個性はさることながら、人と人の縁の不思議さ、話の時に遅く時に早くのスピード感。現代ではあまり使わない言葉の言い回し、世界に入り込んで読み進めています。
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購入済み
登るぞ!御岳山
昔言葉っぽい言い回しを味ととらえるか、難しいととらえるか?
巻末の斬り合いは、お見事の言葉以外に見当たりません。
御岳山に上りたくなってきた