佐々田雅子のレビュー一覧

  • ニックス

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    30代半ばの元若手有望作家で今は文学の助教授の主人公サミュエルが、母親の知事襲撃事件をきっかけに様々な出来事に遭遇し、自分の人生を再発見する。
    700ページ上下2段組という分量があるので、扱っているテーマも多く親子関係、MMORPG、60年代の反戦運動、テロ戦争、世代の断然、児童虐待、さらにはボーイミーツガールまで、4、5冊の本が書けそうな内容。これは作者のネイサン・ヒル自身も予想外だったようだが。
    これらのテーマを含めながら、最後には綺麗に畳んでいるのでお見事。ただあまりにも長いので途中で脱落すると評価されない気がする。

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    2024年07月26日
  • ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

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    さっぱりわからない。うちのばあちゃんがアメリカでどうしても理解できないところは、なぜ、みんないつも幸せそうなふりをしてるかってことなんだ。

    フォーマルドレスを着た女の子たちは、どことなく怪物めいて見えた。頭の上には髪が うずたかく、しっかりと結い上げられていた。酒を飲んだり、キスしたり、あるいは椅子の中で酔いつぶれている彼女たちの向こうには、実はもう、カレッジが、夫が、子育てが、 ぼんやりとしか感じられない不幸が待っているのだ――いいかえれば、人生が待っているのだ。

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    2024年03月16日
  • そして山々はこだました(上)

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    読み終わるまで、実話だと思っていた。

    深い深い物語。
    悲しみと愛情にあふれた物語。

    出会えて良かった。

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    2023年10月12日
  • そして山々はこだました(上)

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    上巻だけでも十分わかる。これは面白い。
    アフガニスタンにルーツを持ちながら、もっとも混迷を極めた時期にはそこにはいなかった著者が、自分に書ける最高のものを書いたんだろうという作品。

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    2022年08月22日
  • ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

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    ネタバレ

    狂ってるけど、綺麗。映画も見たけど、本の方が印象に残ってる。いつだって狂った親の犠牲になるのは子どもたち。狂った親が綺麗な娘たちの心を握りつぶしちゃったって感じ。

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    2022年02月17日
  • そして山々はこだました(下)

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    冒頭に語られたお伽噺の中で、巨人から子供との別れの記憶を無くす水薬を手渡された主人公は悲しみに沈むのを避けられた。翻って、現実で妹と生き別れた兄は父から聞いたそのお伽噺にあった水薬を飲みたいと思いながらももちろん叶えられることはなく、哀しみは六十年近くの歳月に渡り彼を苛み続けた。
    主要な登場人物が最後の場面で言うように、忘れることが贅沢であることもあり得るのかと痛切に感じ入り、また考えさせられた。

    章ごとに主人公が異なり、本筋の一族の話とどこで関わるのか分かりかねる部分もある。また、関わっているのはわかるけれど、本筋にどのような影響を及ぼすのかがわからない部分もあり。
    ただ、読み終えた後に不

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    2018年12月23日
  • ホワイト・ジャズ

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    LAコンフィデンシャル、ブラックダリアの記憶をほじくりかえす。様々な人物と思惑が螺旋になり、それはしぼむどころか大きな竜巻となって、周囲を巻き込み蹂躙しながら昇華していく。
    疲れ/毒気にあたられ、でも不思議な活力をもらう。 抗えない魅力。

    自分を嘆くだけの害のない引きこもり気質の人間より、精力的な害のある悪人を好む自分を再発見。 人生に意味を求める=他力本願、人生に意味を見いだす=能動的。エネルギーに溢れた一作。

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    2016年11月19日
  • 背信の都(下)

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    ネタバレ

    4人ともまずは着地できた。なんだか爽やかな読後感。次巻以降彼等がどう変質するのか、行く末を見守りたい。

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    2016年08月20日
  • 背信の都(上)

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    あの人もこの人もいるー!エルロイ好きにはたまらない。あと、アシダかわいいよアシダってなる。上巻は楽しすぎた。

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    2016年08月19日
  • そして山々はこだました(下)

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    人はそれぞれに痛みを抱えている。心に身体に…時代や国境も越える兄妹の愛、それを描くのみにとどまらず、その兄妹を取り巻く様々な視点から立体的で奥行き深い物語が紡がれていく。

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    2015年01月28日
  • ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

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    この本を10代の時に読めて良かったと思う。

    小説の後に映画を観たが、小説の場面をたどたどしくなぞっているだけ、という印象で、小説を読まずにこの映画を見た人はどんな話か理解できるのか?と疑問だった。
    少女たちに音楽をプレゼントしてあげる場面で、一番重要な「明日に架ける橋」をカットしたのも意味不明。

    映画でなくて、この原作の魅力がもっと広まってほしい。

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    2014年07月09日
  • ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

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    ネタバレ

    ヴァージンスーサイズを見てから読んだので、おおざっぱな話や登場人物はだいたい頭に入った状態で読みました。映画のほうは女の子たちのほうにクローズアップがされていましたが、こちらは語り手である男の子たちや、映画で拾いきれなかった細かい事柄がきちんと説明されていたので個人的には原作のほうが好きです。特にクライマックス~エピローグに至るまでは小説のほうが密で、いくつもの絶望(年月の経過、街の退廃など)が重なっていき少女たちの死が覆い隠されてしまう過程がわかります。あと、映画のタイトルが何故「ヴァージンスーサイズ」であるか、ということは原作のほうが分かりやすいです。

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    2013年09月23日
  • ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

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    ネタバレ

    ヘビトンボが飛ぶ季節に末娘のセシリアを筆頭に次々と自殺していくリスボン家の姉妹たち。
    その時のことを当時少年だった「僕ら」の視点から振り返る。

    彼女たちの自殺の原因は書かれてなく、読み手も「僕ら」と一緒になって推測するしかない。
    リスボン家は躾に厳しく、学校外で他人と接する機会がないため姉妹たちは周りからミステリアスで憧れの存在だった。
    しかし本当は彼女たちも普通の私たちと変わらない子たち。
    最初は家が厳しすぎることで将来を悲観しての自殺かと思ったが、それ以上に根本的なことかもしれない。
    この世界そのものが彼女たちと合わなかったのではないだろうか?
    不思議な感じで始まり、不思議な感じで終わる

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    2012年05月29日
  • ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

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    語り手になる少年達(もうオッサン?)の姉妹に対する視線はまさに愛です。
    少年たちが持つ青春のみずみずしさ、少女たちが抱える十代の苦悩が上手いこと描かれています。

    僕の場合先に映画を見てるから本を読みながら映画のシーンや音楽がフラッシュバックしてどっぷり世界に浸る事ができました。

    映画では「おしいっ!」って思っていた部分も原作を読んで痒いところに手が届きました。

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    2011年05月01日
  • ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

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    もう何年も前に読んだ。

    この話を知ったのは映画が先だったはず。

    この本を読んでかなり映画は忠実だな…と思った記憶が。
    古くさく頭の硬い親たちの子育てに犠牲になったのか…
    表面的にはきっと幸せに見えていたはずだが。
    窮屈な生活の中でほんの小さな喜びを見つけたり
    こそこそ悪いことをする女の子達は
    ごくごく普通なのだ。

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    2010年10月26日
  • ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

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    映画にもなった
    「ヴァージンスーサイス」。

    ストーリーについては、わりと
    皆さんがレビューしているので割愛。

    それよりも僕にとって
    「映画の聴こえる音楽」。
    と、カッコよく言ってみたものの
    講演で話していた柴田元幸さんの
    受け売りなんだけど。

    リズボン家の少女達と
    男の子達がお互いに
    電話で自分の
    「お気に入りの曲」
    を流す場面がある。

    ギルバートオサリヴァン「アローンアゲイン」
    に始まり
    キャロルキング「去りゆく恋人」まで

    交互に受話器にレコードの音を近づけて
    相手に贈る。

    僕の一番好きな場面。

    こういう事なんだよなぁ、と思う。

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    2009年10月04日
  • ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

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    ネタバレ

    登場人物の名前を覚えるのが大変。
    というのは5人姉妹の名前以外に、近所の人や学校の人、メディア関係者など誰が一体重要人物なのか読んでいてわからないので名前をいちいち覚えていられない。
    映画「ヴァージン・スーサイズ」が素晴らしかったのと、メインキャラクターが女性のストーリーを男性作家が書いているのに興味を惹かれて購入。
    オチがタイトルに書いてあるし、映画も見ているからどこに向かっているのかわかるのに、読み応えあり。

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    2025年05月04日
  • イエロー・バード

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    傑作戦争小説。イラク戦争を一人の帰還兵の視点と回想を交えて描いた小説。終盤で明かされる真相がもたらすインパクトが大きかった。純粋に個人の視点と心理描写で展開されてるのに最後まで飽きない内容だったのが良かった。

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    2022年12月30日
  • そして山々はこだました(下)

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    どういう終わり方をするのか、上巻でつかまれただけに、期待と緊張を持って読み進めたが、納得のラストだった。

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    2022年09月12日
  • ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

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    1970年代、デトロイト。リスボン家五人姉妹の末っ子セシリアが、パーティー中に二階の窓から飛び降りて死んだ。町の人びとの好奇と憐憫の目に晒され、のこされた一家は少しずつ壊れていく。遂に五人姉妹の全員が死にゆくまでを執拗に見つめていた〈ぼくら〉は、中年になり青春の思い出として彼女たちを語りだす。回顧録を模して書かれた、歪んだ青春小説。


    とにかく〈ぼくら〉の語り口と行動原理がキッツい!最初から最後まで「キッツ……いやキッッッツいわ……」と思いながら読み終えたのに、解説の巽孝之が語り手のヤバさに一切触れていなかったのでびっくりしてしまった。だが、「〈ぼくら〉の目を通して見たリスボン家事件の顛末」

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    2021年12月12日