【感想・ネタバレ】背信の都(下)のレビュー

あらすじ

これぞエルロイ、これぞ警察小説――新たなる傑作の誕生。

戦時下でもジャップ殺しの捜査を継続することで警察の公正さをアピールする。それがLA市上層部の結論だった。だが真犯人を捕らえる必要はない。都合のいい変態かジャップを捕らえて真犯人をデッチ上げろ。その意を受けて、ダドリー・スミスが動き出す。一方、LA市警本部長候補である刑事ウィリアム・パーカーは、汚職警官ダドリー・スミスに狙いを定めていた。警察官は清廉でなければならない――アルコール依存症に苦しみながらもパーカーはヒデオ・アシダに接近、ダドリー失脚の機会をうかがう。
アシダ、ダドリー、パーカー。それぞれの正義のために共闘し、裏切り合う男たち。その思惑に巻き込まれた女ケイ・レイク。反米ジャップと共産主義者への弾圧がはじまったLAで、戦争のパニックに乗じて儲けようとする男たちが悪辣な策謀を紡ぎ出す――
警察内部の暗闘。国家同士の戦争。愛国と反米。ヘイトの嵐の中で、男たちは真実にたどりつくことができるのか? ミステリ史上最強の警察小説、ここに降臨!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

4人ともまずは着地できた。なんだか爽やかな読後感。次巻以降彼等がどう変質するのか、行く末を見守りたい。

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2016年08月20日

Posted by ブクログ

本書は、〈暗黒のL.A.四部作〉〈アンダーワールドU.S.A.三部作〉に続く、〈新・暗黒のL.A.四部作〉の一作目として構想されているらしい。時系列的には『ブラック・ダリア』よりも前になる。原題の由来は“裏切り”の意味を持つジャズのスタンダード・ナンバー。

〈アンダーワールドU.S.A.三部作〉は既読。〈暗黒のL.A.四部作〉は『ブラック・ダリア』のみ既読で、『LAコンフィデンシャル』を映画で観ただけ。いずれは読んでみたいと思っていたので、一連のシリーズのスタートとなる本書はいいタイミングなかと思ってトライしてみたが、ひどく混乱して異常に疲れてしまった。

物語は、複数の視点が入れ替わるように進む。登場人物が徐々に増え、それに比例して作中の情報量も膨大なものになってくる。日系人殺人事件という軸はあるものの、実在の人物も含めた個性豊かなキャラクターたちが、己の欲望と運命を秤にかけながら右往左往する様に揺さぶられ続け、途中からいろいろ見失ってしまった。なんだろう、そういうのもひっくるめて、エルロイを堪能できるような経験値がなかったってことか。

面白いのは面白いんだけど、この狂気じみた世界観に若干怖気付いてる自分がいた。この腹黒さ、この暗黒さを咀嚼できるようになるにはあと何冊必要かしら。

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2016年07月16日

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