山口幸三郎のレビュー一覧
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「セカンドシリーズ第一弾」という位置づけが好ましくない。そう思って読み始めたので何だか少し期待外れで、最初の『六月の花嫁』から挫折しそうだった。このシリーズは、全体を通して、巻末に描く次巻への導きが申し分なく上手い分、どうしても巻頭での惹きつけがいま一つ物足りなく感じてしまうのかもしれない。
でも、エピソードの一つ一つは悪くないし、あとがきで語られていたように「ファーストシリーズの補完」として読むならスッと入ってくると思う。『愛しの麗羅』と『花の名前』はファーストシリーズには絶対に必要だったと思うので。
個人的には『犬の散歩道』が一番好きで、犬の探し物という視点が今までになく新鮮で面白かっ -
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少し詰め込み過ぎた感は否めないので、4冊のファーストシリーズを1冊400ページ強の上下巻にまとめていたのなら、途中で読む手を止めた読者を取りこぼすこともなかったのかなと思ったり。でも、諦めずにここまで読んで本当によかった。
こんなにももどかしい思いをして見届けた作品は初めてで、不満を漏らすこともあったし、決して「上手い作品」であるとは言えないだろう。けれど、それでも私がファーストシリーズ最終巻までを手に取ったのは、偏に日暮旅人と雪路雅彦という二人の登場人物の魅力がもたらす相乗効果にあったと思う。お互いがお互いの魅力をより一層引き立てていた。
たとえストーリーの流れが悪くてもある登場人物の魅 -
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巻を重ねるごとに確実に面白くなっている。なってはいるけれど、その分どうしてもこの作品の本筋である旅人の過去と目的について「早く核心に触れたい」という気持ちが逸ってしまった。
『隣の静寂』や『森の調べ』が必要ないとは言わないし、むしろそもそもがそういう世界観の話だと思って読み始めたので、そちらの方が好みではあるけれど。表の探偵業と裏の探偵業、どちらも日暮旅人という人物を構成する要素であることに変わりはないし、両者がクロスしている部分だってある。そのどちらもが必要な描写だとは思うが、そのバランス加減が難しいのかもしれない。
『爆弾魔の憂鬱』はシリアスとコミカルが絶妙に入り混じっていて、これまで -
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シリーズ二作目でやっと方向性が見えてきたかな、という感じ。前作よりも断然疾走感があって面白かった。
日常の中に転がる探し物と非日常の中に転がる探し物、旅人が探偵として関わっていくそれらがあまりにもアンバランスで、最初はそのちぐはぐが物語の流れを悪くしているように感じてしまったけれど、旅人にとってはそのちぐはぐこそがバランスを取る方法、自分を保つ術なのかなと解釈。旅人はやはり「普通」を手に入れたいんだろうと思う。当たり前の感覚や感情、そして日常。でも手には入らない。手にしては駄目だと思っている。目的のためには「普通の人」ではいられない。
それにしても、陽子には相変わらず拒否反応が出るし、中盤 -
Posted by ブクログ
ネタバレ保育士として働く山川陽子はある日、妙に大人びた園児である百代灯衣と関わり、家まで送ることになる。そこで陽子は灯衣の父親である日暮旅人と出会う。旅人は視覚以外の五感を持たず、視覚が異常に発達してほかの人には視えないモノを視ることができた。それを利用して彼は「探し物探偵」を営んでいた。
やさしい性格からどんな仕事も快く引き受ける旅人だが、それはただやさしいだけでなく彼もまた何かを探しているからであった。
所々の描写から旅人の優しそうな性格が感じられたが、徐々に話が進んでいく毎に旅人の内にある黒い感情が垣間見えた。これからどのように展開していくのか楽しみである。
これは旅人の『愛』を探す -
Posted by ブクログ
楽しいはずのクリスマス、ちょっと寒いお正月。
そして成人した人達があふれる日…を過ぎた頃。
連続短編で、しかも冬。
ちゃくちゃくとイベントが出てくるわけですが
それをこなしている人達は…上下変化。
ものすごく持ち上げて、一気に落とす?
そんな状態の最初と最後の話。
結局、恋をすると女は強いのです…。
あまりの落ちに笑ってしまったのは2話目。
あんな台詞を笑顔で言われてしまったら
ぽかんとするしかないでしょう。
しかも最後のメンバーの末路。
うんまぁうっかり自分に酔ってしまっている人には
ご用心、という事でしょうか?
浅はか過ぎるのは、3話目の主人公。
とはいえ、楽を覚えたらこんなものかと