豊崎由美のレビュー一覧
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トヨザキ社長の波乱万丈エッセイ。
書評家として関連する作品と紐づけており、積読量産本。
縦横無尽な筆致が並ぶなか、オグリキャップへの追悼文はそのギャップに驚き涙を誘う。情緒的で幻想的な、静謐な文章に心打たれる、ニクイネ。
”彼の走りに耳をすませて聞こえてくる音楽を、広漠と広がる時間軸の中で彼と同じ時を共有できる幸運を、彼の名をまじかに叫ぶことのできる幸運を、信じるということ。"
かけがえのない対象をいつか失うことを予感しながら、今この時同じ時間に出会えた奇跡を祝おうという普遍的なメッセージに昇華される名文でしょう。
今なお精力的に活動されているバイタリティに敬服。過去の書評集も -
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豊崎さんは、新聞の書評で国書刊行会の冊子を教えてくれた恩人。本当にもらって良かった。
そんな豊崎さんが自身の生い立ちを語った新刊が、シェーのポーズをとる写真とともに紹介されていたので。
おもしろかった!
若気の至りの数々や、子ども時代のやらかし話もおもしろいが(我が身にも覚えあり)、書評家として忌憚の無い意見が真骨頂。
藤崎さんの著作を直木賞の候補作にごり押しした文藝春秋社への意見、幻冬舎と見城社長への怒り。
書評家が文学賞の下読みをしてるのも初めて知った。
川本三郎さん、町田さん一家への思いも良かった。
豊崎さんの書評への信頼度が一段と上がった。 -
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豊崎さん大好き過ぎて、少しずつ少しずつ舐めるように読んだ。
たくさんの小説のストックができてしまった。
どうしてくれるんですか!
豊崎さんの生い立ちや嗜好が書かれたコラムがこれがまた。知りたかったか、と言われるとそうでもないのだが(笑)、でも抱腹絶倒であるので得した気分。そうですか、多動でしたか!
風呂に入らない話、なんと「男らしい」こと!
朝井リョウの下痢話に近い自己開示ぶり。
皮をかぶった己を笑い飛ばして、本質になるたけ近づこうとする姿勢、好きですー。
毒舌を吐くには、それだけの覚悟がなくてはね。
結局、豊崎由美の書評が好きなのは、豊崎由美という人の魅力に負うところが大きいわけで、豊崎 -
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SF小説の指針となる本をいつも導いてくれる大森望先生と豊崎由美さんが村上春樹をメッタ斬り。
言いたい放題。しかし愛あればこそ。「愛の鞭」、「好きだからスカート捲り」の世界である。
私は「1Q84」からの読者なので、この本は弩ストライクである。気になるところを全部おさらいしてくれました。やっぱり皆んなそう思うよね⁉︎
私だけじゃなかったんだ!と思わせる指摘ばかりです。重箱の隅をつつきたくなるのが村上春樹の著作であるし、本読み同士なら酒の肴になる程面白いのも村上春樹です。142頁に豊崎先生のハルキ作品ベスト3ワースト3が載ってるんです。いづれも読んでいないので、全て読んでしまおう、と思う今日この頃 -
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実は再読なんですが、読んだのがまだこのブログを始める前で、恐らく5年以上は経っているかも。だからという訳ではないけど、内容はあらかた忘れていました(寧ろ記憶力の問題)。前回のときは、書物の中で新書の占める位置もろくに知らなかったし、活字を読む機会も今より圧倒的に少なかったし、まして書評を積極的に読む習慣もなかったから、今回とは随分違った感想を持ったと思うし、書かれている内容もあまり理解出来ていなかった気がする(今回でも完全に把握し切れた訳ではないだろうし)。読んでいて心苦しかったのは、自分がこのブログの中で結構好き放題書いてしまっていることだけど、書評っていうつもりは更々なくて、あくまで個人的
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小説なんて、自分が読んで感じるままでよいのだろうが、他人の見解も気にならないわけではない。こういう本を買うのは、いかにも興味本位っぽくて、自分に自信がなさそうで、ちょっと恥ずかしかったが、好奇心が勝った。
村上春樹を読み込んでいる人は、なるほど、こういう風に読むのかといった参考になる部分もあったし、自分の思ったことは他人も同じように思っているのかと納得できるところもあった。まあ、読んでよかった。
本書は、騎士団長殺しだけでなく、過去に行われた批評として、「田崎つくる」や「1Q84」も取り上げられている。本書の後半を読むために、未読だった「1Q84 BOOK3」を読むという本末転倒的なこともやっ -
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『優れた書評とはどういうものか?』
『書評として存在するために、何を備えておくべきか?』を説く。
以下は本書から抜き取った著者が考える書評の定義。列挙し、通読すると、一種の箴言としても成立している。
◎面白い書評はあっても、正しい書評なんてない。
◎いくら自分の“読み”の深さを誇示したくても、それが作品のネタばらしにあたる箇所と関係があるのなら、断念せざるを得ない。
◎書評にとって、まず優先されるべきは読者にとっての読書の快感であり、その効果を狙って書いたであろう作者の意図なのです。
◎与えられている字数が少ない、締切まで間がない、ネタばらしが許されない、書評はずいぶんと窮屈な文芸ジ -
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書評などというものを、ここに書いてるとは思ってないけど、ネット上で誰でも読むことができるのだから、良識は持っていたいと思っていました。
豊崎さんはれっきとした「書評家」さん。本書の中にいくつかあるけど、文章の構築で読ませてしまう、これも一つの作品なのですね。
今や誰でもレビュアーな時代。
匿名という安全地帯から、(トヨサキさんは、もちろん実名で「返り血」も浴びる覚悟で書かれています)単なる悪意をレビューするのはやめて、せめて愛情を持って進められる作品だけをUPしては?と提案されています。
読んでいて思わず手を打ちました。
ネット書店のレビュー、ひどいなぁ、と思うものが多かったから。自分が好きな -
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「淀長(淀川長治)さんみたいになりたい」。
著者は、巻末に掲載された大澤聡との対談の中で、書評のひとつの理想の姿としてそう語る。
著者にとって、書評は愛と尊敬なのだ。
だからこそ、著者は書評の意味について考え、そして時に辛口にもなる。読者はそれを受け入れる。プロとしての書評家の規範にも納得できる。
その愛は、読者に8割向けられ、作家に2割が向けられている。
気をつけた方がよい。あなたはきっと本書で例としてあげられた本がすべて読みたくなってしまうはずだ。書評とはそういった力を持つものなのだ。
書評とはどのような行為であるべきかを語った書評論および書評批評。 -
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面白かった。
ニッポンの書評と言うことで、書評界を紹介してると思いきや、実は長文の書評です。あ、ネタバレかな。いやいや、認識の問題なので私はそう思うということにしておきます。
各章が短く、小気味よく読めるのがうれしい。それと、難しく書かないようにした構成のため、最後まで楽しく読めて、内容もあり良い本です。
それにしても綺麗な文です。削ってテンポが悪くしないコツをご存知のようで、職人技だと感じました。
豊崎さんのを読むのはこれが初めてですが、愛情ゆたかな人だというのがよくわかります。書評だからでしょうか、読むと心がぽかぽかします。愛にあふれているので、悪口的なこともさらりと書けるため、ス