豊崎由美のレビュー一覧

  • 村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り!

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    小説なんて、自分が読んで感じるままでよいのだろうが、他人の見解も気にならないわけではない。こういう本を買うのは、いかにも興味本位っぽくて、自分に自信がなさそうで、ちょっと恥ずかしかったが、好奇心が勝った。
    村上春樹を読み込んでいる人は、なるほど、こういう風に読むのかといった参考になる部分もあったし、自分の思ったことは他人も同じように思っているのかと納得できるところもあった。まあ、読んでよかった。
    本書は、騎士団長殺しだけでなく、過去に行われた批評として、「田崎つくる」や「1Q84」も取り上げられている。本書の後半を読むために、未読だった「1Q84 BOOK3」を読むという本末転倒的なこともやっ

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    2017年05月13日
  • ニッポンの書評

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    『優れた書評とはどういうものか?』
    『書評として存在するために、何を備えておくべきか?』を説く。

    以下は本書から抜き取った著者が考える書評の定義。列挙し、通読すると、一種の箴言としても成立している。

    ◎面白い書評はあっても、正しい書評なんてない。

    ◎いくら自分の“読み”の深さを誇示したくても、それが作品のネタばらしにあたる箇所と関係があるのなら、断念せざるを得ない。

    ◎書評にとって、まず優先されるべきは読者にとっての読書の快感であり、その効果を狙って書いたであろう作者の意図なのです。

    ◎与えられている字数が少ない、締切まで間がない、ネタばらしが許されない、書評はずいぶんと窮屈な文芸ジ

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    2016年09月27日
  • 百年の誤読

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    時には、それは言い過ぎだろうと思う時もある。下品過ぎる物言いの時もある。が、概ねお二人の評価は正しい。と、感じた。

    振り返ってみると未読の作品が多いので、60年以降のものはさておき、明治大正の物はぜひ読みたい。

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    2015年09月05日
  • ニッポンの書評

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    巻末の対談が分かりやすくて良かった。どうやって書評を書いているか、かなり赤裸々に書いてあって参考になります。
    分かりやすい紹介をしたいと考えている人は、読むと参考になる部分が多いです。
    それと読みやすい。

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    2015年08月02日
  • ニッポンの書評

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    書評などというものを、ここに書いてるとは思ってないけど、ネット上で誰でも読むことができるのだから、良識は持っていたいと思っていました。
    豊崎さんはれっきとした「書評家」さん。本書の中にいくつかあるけど、文章の構築で読ませてしまう、これも一つの作品なのですね。
    今や誰でもレビュアーな時代。
    匿名という安全地帯から、(トヨサキさんは、もちろん実名で「返り血」も浴びる覚悟で書かれています)単なる悪意をレビューするのはやめて、せめて愛情を持って進められる作品だけをUPしては?と提案されています。
    読んでいて思わず手を打ちました。
    ネット書店のレビュー、ひどいなぁ、と思うものが多かったから。自分が好きな

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    2015年01月25日
  • ニッポンの書評

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    「淀長(淀川長治)さんみたいになりたい」。

    著者は、巻末に掲載された大澤聡との対談の中で、書評のひとつの理想の姿としてそう語る。

    著者にとって、書評は愛と尊敬なのだ。

    だからこそ、著者は書評の意味について考え、そして時に辛口にもなる。読者はそれを受け入れる。プロとしての書評家の規範にも納得できる。

    その愛は、読者に8割向けられ、作家に2割が向けられている。

    気をつけた方がよい。あなたはきっと本書で例としてあげられた本がすべて読みたくなってしまうはずだ。書評とはそういった力を持つものなのだ。

    書評とはどのような行為であるべきかを語った書評論および書評批評。

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    2014年06月15日
  • 文学賞メッタ斬り!

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    本文、補足共に盛り沢山で読んでない本、内容を忘れた本が殆どだったにも関わらず、面白かった。2人が褒めている本は是非読もうと思う。作家のキャリアに関わらず、納得がいかなければはっきりけなす所も正にメッタ斬りで良かった。最後の文学賞バクチ化計画にはわらってしまった。私も選考委員に選ばれて、まとめ役の偉い作家先生に「文章が長くて、漢字が多いので書いてある事の意味が分かりませんでした。」とか言ってみたい(笑)

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    2013年08月24日
  • ニッポンの書評

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    面白かった。

    ニッポンの書評と言うことで、書評界を紹介してると思いきや、実は長文の書評です。あ、ネタバレかな。いやいや、認識の問題なので私はそう思うということにしておきます。

    各章が短く、小気味よく読めるのがうれしい。それと、難しく書かないようにした構成のため、最後まで楽しく読めて、内容もあり良い本です。

    それにしても綺麗な文です。削ってテンポが悪くしないコツをご存知のようで、職人技だと感じました。

    豊崎さんのを読むのはこれが初めてですが、愛情ゆたかな人だというのがよくわかります。書評だからでしょうか、読むと心がぽかぽかします。愛にあふれているので、悪口的なこともさらりと書けるため、ス

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    2013年02月24日
  • ニッポンの書評

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    ネタバレ

     軽い感じで、けっこうキツイ事を主張されてます。私は、雑誌や新聞の書評をかなり参考にするタイプで、ネタばれしてても気になりません。むしろその方がありがたいです。
     「○○を縦糸に□□を横糸に…」という表現を、使い古された比喩、と言っていたのが面白かったです。書評のあるあるネタです。
     書評と批評は違うようです。よく昔の作家が、批評家とケンカしてるのを見ると、私は「だったら自分で書いてみい」と作家に肩入れして見てました。そうではなく、批評家をそれまでに読んだ作品と対比さ、独自のロジックを展開していくのが仕事らしいです。

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    2013年02月17日
  • 百年の誤読

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    ネタバレ

    ばかばか言いながらもいいものは褒めて読書を喜ぶ。
    そして理由をはっきりと明かす。かっこつけはしない。
    潔い。

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    2013年09月04日
  • ニッポンの書評

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    ネタバレ

    豊崎流の書評とはこうあるべき論を展開させつつ、日本と外国(主としてイギリス)の書評を対比。
    一つの章(本作では講)がコンパクトでわかりやすく、つながりが明快であり本当に講義を受けているような印象を持てる。

    読書後に本について、レビューをする人はぜひ読んでもらいたい。

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    2012年05月13日
  • ニッポンの書評

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    ギュッと詰まった充実のボリューム。自分の語彙の貧弱さ、表現力の欠乏がわかってしまうが、書評は読むものだから(書くわけじゃないから)いいんだもーん。

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    2012年02月03日
  • 文学賞メッタ斬り!

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    80点。国内小説賞がこんなにあったのに驚き。ほとんどの小説を読んでいない自分でも最後まで読めたのは作品の話題だけではなく作品「賞」の話題がむしろ多かったからというのと、文学作品をあまり読まない人でも置いてけぼりにならないように註釈がとても丁寧でためになったからだと思う。
    芥川賞の選評に対する突っ込みには心から共感したし、何かと宮本輝がネタとして引き合いに出されるのが笑えた。

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    2011年12月04日
  • 文学賞メッタ斬り!

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    物書きとして、そして小説を愛してる自分にはすごく勉強になった一冊。
    うんうん、と頷けたり
    え、そこまで言うかと思ったり。

    なかなかおもしろい。

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    2011年11月03日
  • 百年の誤読

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    百年分のベストセラーをまとめて一気読みというムチャな企画。ムチャだけど、成功している。パチパチ拍手!一つ一つの作品についての批評だけではなく、「売れた」という共通点だけで並んだまとまりが映し出す時代の顔色もうかがえて楽しい。
    読むことについて言えば、岡野・豊崎の二人の鋭く暖かくおもねらない読みに感心することしきり。
    作品について言えば、時の試練の重みに居住まいを正したくなる。
    もちろん、単なる後出しジャンケンなら誰にでもできるけど、そんな薄っぺらな二人ではない。
    ただ、一人の読書人として、これを読んで安心し読んでもいないのに読んだつもりになっている自分がイヤになる。斉藤美奈子のベストセラー一気

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    2011年08月31日
  • 百年の誤読

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    岡野宏文と豊崎由美が20世紀+αのベストセラー本を斬りまくる対談形式の書評集。二人のかけあいがテンポ良くて面白く、好き嫌いで評価してたりする作品があるのも笑わす(そういう作品にはちゃんとフォローをいれている)。
    自分の考えや好みと違うところもあったけど、どういう所を評価するのかしないのか、ちゃんとした読み手の話は勉強になる。

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    2011年01月12日
  • 文学賞メッタ斬り!

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    よく知らなかった色々な賞の事が書かれていて、勉強になった。そして読みたい本がとても増えた・・・
    めちゃくちゃに褒められてる本はもちろん、めちゃめちゃ貶されている本も読んでみたい(笑)

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    2019年01月16日
  • 文学賞メッタ斬り!

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    <業界騒然!読書家待望! 小説が100倍楽しくなる痛快文学賞ガイド
    文学賞ってなによ? 芥川賞・直木賞から、話題のホラー小説大賞、メフィスト賞、ファンタジーノベル大賞まで、50を越える国内小説賞について、稀代の読書家大森望・豊崎由美の二人がアンタッチャブル徹底討論!WEBマガジン「エキサイトブックス」で一大センセーションを巻き起こした掟破りの言いたい放題がさらにパワーアップ。最新受賞作全採点「文学賞の値うち」付き。読む前に、読むべし!>大変興味深く、勉強になった。読みたい本もいくつかできて楽しめた。文学賞のありがたみはちょっと減っちゃったかもだけど(笑)

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    2010年10月06日
  • 文学賞メッタ斬り!

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    書評家二人による文学賞に関する毒舌エッセイ集。
    様々な文学賞について独自の視点に立って解説を加えており、その解説一文一文が真面目なものあり、厳しいものあり、ユーモアたっぷりのものありで面白い。
    今後の読書の参考にもなる。

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    2009年10月07日
  • 文学賞メッタ斬り!

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    豊崎由美ということで読んでみましたが、思った以上に良い。本探しの指針になります。
    でも、いつか読みたい本が増えすぎて…

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    2009年10月04日