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Posted by ブクログ
実は再読なんですが、読んだのがまだこのブログを始める前で、恐らく5年以上は経っているかも。だからという訳ではないけど、内容はあらかた忘れていました(寧ろ記憶力の問題)。前回のときは、書物の中で新書の占める位置もろくに知らなかったし、活字を読む機会も今より圧倒的に少なかったし、まして書評を積極的に読む習慣もなかったから、今回とは随分違った感想を持ったと思うし、書かれている内容もあまり理解出来ていなかった気がする(今回でも完全に把握し切れた訳ではないだろうし)。読んでいて心苦しかったのは、自分がこのブログの中で結構好き放題書いてしまっていることだけど、書評っていうつもりは更々なくて、あくまで個人的読書録のつもりですので(って、誰に対する言い訳か分からんけど)。それはさておき、人に紹介するときに心掛ける点とか書き方とか、あとやっちゃいけないこととか、そのあたりに関する学びは多かったです。あと、この先しばらくはここでの採点も甘くなると思います(笑)
Posted by ブクログ
『優れた書評とはどういうものか?』
『書評として存在するために、何を備えておくべきか?』を説く。
以下は本書から抜き取った著者が考える書評の定義。列挙し、通読すると、一種の箴言としても成立している。
◎面白い書評はあっても、正しい書評なんてない。
◎いくら自分の“読み”の深さを誇示したくても、それが作品のネタばらしにあたる箇所と関係があるのなら、断念せざるを得ない。
◎書評にとって、まず優先されるべきは読者にとっての読書の快感であり、その効果を狙って書いたであろう作者の意図なのです。
◎与えられている字数が少ない、締切まで間がない、ネタばらしが許されない、書評はずいぶんと窮屈な文芸ジャンルです。
◎書評、つまり長さなんて問題ではないのです。問われるべきは密度なのです、深さなのです。制約の多い書評だからこそ発揮できる芸もある。
◎粗筋と引用だけで成立していて、自分の読解をまったく書かない原稿があったとしても、その内容と方法と文章が見事でありさえすれば、立派な書評だと考えている。
◎削りに削った末に残った粗筋と引用。それは立派な批評です。逆に言えばその彫刻を経ていない粗筋紹介なぞウンコです。
◎自分の知識や頭の良さをひけらかすために、対象書籍を利用するような「オレ様」書評は品性下劣。
◎贈与としての書評は読者の信頼を失うので自殺行為。
◎書評は読者に向かって書かなければならない。
◎書評と言うのは、まず何より取り上げた本の魅力を伝える文章であって欲しい。読者が「この本読んでみたい」という気持ちにさせられる内容で
あって欲しい。
◎レビュアーはこれからその本を読む人の読書の興を削いではならない。勘所を明かさないで、その本の魅力を伝えるのがレビュアーの芸である。
◎プロの書評には「背景」があるということです。本を読む度に蓄積してきた知識や語彙や物語のパターン認識、個々の本が持っている様々な要素他の本と関連づけ、いわば本の星座のようなものを作り上げる力。
僕が一番腑に落ちたのは、最後の定義。
<書評家の真贋は、『背景』があるかどうか。>
書評家はその背景を武器にこの本がいかに面白いかを訴える。これは、出版・広告と言った表現に関わる仕事はもちろんのこと、営業職も然り。要するに常にアウトプット作業を求められるすべての者が持っていなければならないものである。ひとつのことを訴えるには、複数の知識をもってのアプローチが求められる。換言すれば「知識を有さない、知識を関連づけられない者は、その任についてはいけない」ということですな。良質なアウトプットは豊富なインプットから成る。
という結論めいたものを引き出してみた。はたして、このワタシのブックレビューを読まれて、本書を是非読みたいと思ってもらえたかどうか・・・。それを知りたいような知りたくないような。
Posted by ブクログ
書評などというものを、ここに書いてるとは思ってないけど、ネット上で誰でも読むことができるのだから、良識は持っていたいと思っていました。
豊崎さんはれっきとした「書評家」さん。本書の中にいくつかあるけど、文章の構築で読ませてしまう、これも一つの作品なのですね。
今や誰でもレビュアーな時代。
匿名という安全地帯から、(トヨサキさんは、もちろん実名で「返り血」も浴びる覚悟で書かれています)単なる悪意をレビューするのはやめて、せめて愛情を持って進められる作品だけをUPしては?と提案されています。
読んでいて思わず手を打ちました。
ネット書店のレビュー、ひどいなぁ、と思うものが多かったから。自分が好きな作品ならなおさら心傷みます。
批判的だけれど、的を射ているものもありました。それはきちんと根拠を述べておられ、参考になりました。
自戒自戒・・・。
Posted by ブクログ
「淀長(淀川長治)さんみたいになりたい」。
著者は、巻末に掲載された大澤聡との対談の中で、書評のひとつの理想の姿としてそう語る。
著者にとって、書評は愛と尊敬なのだ。
だからこそ、著者は書評の意味について考え、そして時に辛口にもなる。読者はそれを受け入れる。プロとしての書評家の規範にも納得できる。
その愛は、読者に8割向けられ、作家に2割が向けられている。
気をつけた方がよい。あなたはきっと本書で例としてあげられた本がすべて読みたくなってしまうはずだ。書評とはそういった力を持つものなのだ。
書評とはどのような行為であるべきかを語った書評論および書評批評。
Posted by ブクログ
面白かった。
ニッポンの書評と言うことで、書評界を紹介してると思いきや、実は長文の書評です。あ、ネタバレかな。いやいや、認識の問題なので私はそう思うということにしておきます。
各章が短く、小気味よく読めるのがうれしい。それと、難しく書かないようにした構成のため、最後まで楽しく読めて、内容もあり良い本です。
それにしても綺麗な文です。削ってテンポが悪くしないコツをご存知のようで、職人技だと感じました。
豊崎さんのを読むのはこれが初めてですが、愛情ゆたかな人だというのがよくわかります。書評だからでしょうか、読むと心がぽかぽかします。愛にあふれているので、悪口的なこともさらりと書けるため、スリリングな展開を楽しく読めます。
小さい頃、夏目漱石の猫を読んだ時に、こういう人達に囲まれて生きたいと思ったことを、なぜか懐かしく思い出しました。
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小説・文芸
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