井形慶子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ページをめくるたび、ため息が出るほどにうっとりとする美しい写真の数々。そこに写る空間は、ただ整えられただけの無機質な美しさではなく、暮らす人の体温や歴史がじんわりとにじみ出る、最高に愛おしい場所でした。この一冊は、まさに私が心の奥底でずっと求めていた理想の暮らしの形を、鮮やかに教えてくれた気がします。
世の中にはホテルライクな、生活感の微塵もない洗練されたインテリアがあふれています。もちろんそれも素敵ですが、どこか万人向けに作られた記号のような美しさを感じてしまうこともありました。でも、この本に登場する家は違います。自分の大半の時間を過ごす場所なのだから、その人らしさが自然とにじみ出てくるようでなければならない。自分が心から好きなものだけで固められた小さな家こそが、本当の意味で贅沢なのだと気づかされました。
イギリスにはコンパクトな家が多く、世代を超えて住み継がれながら、自分たちの手で居心地の良いように改装し、常に空間を更新し続けていく文化があります。家具をひとつ迎えるにも途方もないこだわりを持ち、作れるものはDIYで仕立て、リサイクルショップやオークションを賢く、そして心から楽しみながら活用する。決して裕福な人ばかりではなく、それぞれの暮らしの中でワインの木箱をさりげなくリサイクルして使ったりするようなリアルな生活の知恵が息づいています。その等身大の工夫に触れたとき、どこか親近感が湧くと同時に、ものとの向き合い方の豊かさに深く心を奪われました。
これまで私は、暮らしを整えるために「どうやったら物を捨てられるのか」「片付けの基礎はどうあるべきか」という、いわば手放すための本をたくさん読んできました。少しずつ手放す判断ができるようになり、自分のなかの余白が生まれてきたこのタイミングで、この本に出会えたことは本当に幸運だったと感じています。ただ物を減らすだけではなく、ここから自分の理想とするインテリアのイメージをしっかりと固め、愛おしい空間を育てていくこと。そんなこれからの暮らしの楽しみを教えてくれました。
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Posted by ブクログ
ハラハラドキドキ、そりゃ無理だよ…なんて声が出そうなストーリーに気持ちが入っていく。
井形慶子さんの本は2冊目。
初めに読んだ「老朽マンションの奇跡」では、あまりの内容に周囲の人にも読んでもらいこんなことあるかと議論したのを忘れられない。
お金を払ってるんだから、その対価の家は正当なものである。本来はそうだけど、職人の技能は低下していたり、取ってつけたような欠陥の家もある。
幸運だから不幸だからではないが、一定数そうしたものに当たる方もいる。
井形慶子さんのマンションも、今回の一軒家も、自分で手繰り寄せているものがある。きっとホントはもっと…があるだろう。
物価高人件費高騰、工事にまつわるものは何でも倍近くになっている。延ばし延ばしの補修案を更に思案している自身としては身に積まされる思いだが、夢がある井形慶子さんの住まい方に憧れてしまう。
改めて人の縁と自分から取りに行く姿勢を忘れないようにしたいと思う。 -
Posted by ブクログ
常識にとらわれず、自分の感覚を信じて生きていいんだという自信を貰うことができた気がする。
お国が違うからと言われてしまえばそれまでだが、私は本書の暮らし方の方が人間らしいと思う。
そして、このイギリス流の考え方の方が好きだ。
日本とイギリスでは、歴史背景も社会問題も大きく異なるので、価値観も大きく異なる。
日本人は新しいものが大好きで人間も若い方が好まれる。
しかし、イギリスでは質の高いもの、古くても長く使える本当にイイものを好み、人間も年齢を重ねるごとに醸し出される雰囲気を大切にする。
日本人もイギリス人も人間なのだから、当然みな同じように歳をとる。
それならば、イギリス流の考え方の方が理にかなっていると私は思う。
このイギリス流の感覚を大事にしていきたい。
また、特に気になったこととして、イギリスの学生は読書とそれに対するエッセイをかたっぱしから書き綴る勉強の仕方に驚かされた。
私も学生時代に、周りに流されずにそういった勉強方法を実践していたらとつくづく思う。 -
購入済み
ガツンと来る1冊
この著者の本は初めて読みます。
イギリスの料理番組が好きで、イギリス人のライフスタイルに興味があったので選んでみました。でも、ただのHow To本ではありませんでした。
この本には、イギリスの人達、もしくはこの本に登場している人達が、何故そのスタイルを選んだのか、もしくは選ばざるを得なかったのか、そこに踏み込んで書いてるんです。
今の自分の生活をしみじみ振り返る切っ掛けとなる、大変面白い1冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレイギリス人って古い家に質素に住んでいるイメージ。でもそれは貧しいのではなく、真の豊かさを知っているから、というのは言われつくされたことだが、老人たちの楽しげな生き方について不思議に感じた著者がライフスタイルから文化を分析。家族についての考え方は、日本は「マネジメント」、イギリスは「ユニット」。つまり、管理するか、夫婦を中心とするチームで運営するか。さらに、友達が住んでいる近くに引っ越しをしてコミュニティを作る人たちも多いという。仕事は一度辞めてしまうが、得意なことを生かして新しい土地で何かしら仕事ができてしまうらしい。今風にいえば、ITではないけどノマド?