大木勇人のレビュー一覧
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古川武彦(1940年~)氏は、気象庁研修所高等部(現気象大学校)及び東京理科大理学部卒。気象庁の航空気象管理課長、予報部予報課長、札幌管区気象台長、(財)日本気象協会技師長を歴任。現在は、気象一般に関する講演・執筆・コンサルタント等を行う「気象コンパス」を主宰。気象学についての著書多数。
大木勇人(1964年~)氏は、千葉大理学部卒、科学書・教科書の編集と執筆等を行うフリー・サイエンスライター。
本書は、気象学について深く知りたい一般読者と、気象予報士をめざす人びとの両者を対象にしており、気象のしくみを、その原理からわかりやすく、丁寧に図解している。
具体的な章立ては、1章:雲のしくみ、2章: -
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ブラタモリを見ていて思うのが、説明の範囲の収まりの良さだ。
京都のチャート地層に放散虫が含まれていることから昔は海だったことを説明するが、これにより地層を年代ごとに識別できるようになり、日本の学会にプレートテクトニクス論が広まったことまでは踏み込まず。
志摩のリアス海岸がプレートの沈み込みによる付加作用によりつくられたことを紹介しつつ、底付け作用やデュープレックス構造には触れない。
知識がない人向けに必要最低限の構造の説明をしつつ、知識がある人も文献で知った構造の実例を楽しめる。
なるほどこれが理想的な入り口の作り方かと感心することしきり。唯一文句の付け所があるとすれば、次のステップへの -
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グローバルな気候システムを学ぶことが目的。読んでみれば、物理法則が次々に登場する気象現象について学ぶにはブルーバックスを選んで正解だった。
主に風のしくみと低気圧と高気圧のしくみの章を読んだが、寒帯前線ジェット気流の蛇行がもたらす移動性の低気圧・高気圧のメカニズムはとてもわかりやすかった。
<地球規模の風>
・亜熱帯高圧帯:熱く乾燥した高気圧をもたらす。サハラ砂漠、中東、オーストラリアの砂漠を形成。太平洋高気圧は海上を吹き渡るうちに湿った風に変わる。上空には亜熱帯ジェット気流の西風が地球を1周している。
・偏西風:亜熱帯高圧帯から高緯度側に吹き出る地上の風。上空では中緯度から高緯度にわたる -
Posted by ブクログ
天気予報の仕組みや手法について、素人にも極力わかるような形でまとめられていました
我々一般人に馴染みのあるアメダスやひまわりの役割から、雨雲レーダーの解析手法、天気予報として国民に届けられる形にするまでのさまざまな予報手法など、興味深い内容でした
最近は「数値予報」を起点に、まずは地球をある大きさに格子状に分解して、さまざまなパラメータを与えながら、そこに実測値も加味しながら解析していくという話(ここは晴れ、ここは曇り、というような現象を把握するところからではなくて、まずは数字のみで予想)はとても意外でした
スーパーコンピュータを使わないと、到底処理できないような、膨大な計算を、ずーっと