高橋則明のレビュー一覧
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シンギュラリティ(特異点)とは何か。まずはこの理解が大事でしょう。本書でも強調されているように「人間の理解を超えて何が起こっているのかわからない状態」をカーツワイル氏はシンギュラリティと呼んでいます。その意味で私は著者に合意します。著者が例として「10次元についてAIが人間に説明するが、人間にはまったく意味が分からない」というような例をあげていますが、この話で、2次元人と3次元人というようなたとえを思い出しました。人間は6面体のサイコロの設計図を平面(2次元)に書くことができ、それが切り出されて立体化(3次元)するときに、どこの点とどこの点が一致するかを頭の中で理解できます。しかしもし2次元し
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下巻は、より形而上学的に思考を深めていく。著者は「哲学的ゾンビ」でも有名なデイヴィッド・J・チャーマーズ。意識の学究が専門だ。「哲学的ゾンビ」とは、肉体に意識を持たない人間という思考実験。アバターやVR世界をヒントとして、意識の探索は続く。
― 哲学者のモーガン・ラックは2009年の論文「ゲーマーのジレンマ」で、ほとんどの人は、バーチャルの殺人(ノンプレイヤー・キャラクターを殺すこと)は道徳的に許せるのに、バーチャルの小児性愛は許せないと指摘している。性的暴力も同じだ。1982年に発売されたカスターズ・リベンジアタリ社のアダルトゲーム「Custer's Revenge』では、ネイテ -
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我々が生きているこの世界は、実在する世界なのだろうか。誰かの夢の中、あるいは、データ世界のシムピープルなのではないだろうか。そんな問いに挑戦するのが本書。「世界は実は5分前に始まったのかもしれない」という世界5分前仮説を唱えたのはバートランド・ラッセル。しかし、それに対して反論できない我々は、確かに虚構の中の虚像なのかもしれない。
― SFと哲学において強烈な思考実験は、シミュレートされた宇宙というアイデアだ。もしも私たちのいるこの宇宙がシミュレーションだとしたらどうか?何が起きるだろうか?
ジェームズ・E・ガンの1955年の小説「裸の空(The Naked Sty)」は、ヘドニクス社の話( -
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経験と知識が増えるにつれて、私たちのやるべき事が複雑化され、更に会社という枠組みに呑まれて私たちは自由な発想を活かすことが出来ない。そんな世の中に何故スティーブ・ジョブスはシンプルという私たちの本質に固執することができたのか。当たり前のようで当たり前ではなくなってしまった私たちのシンプルさを、荒々しいやり方とはいえ、1人の男が果敢に取り戻していく実話。まだまだ世の中はしがらみでいっぱいだが、20年前(現在2022年)と比べるとアップルのお陰で私たちの生活は一変したといって言い。iPhoneが登場した2006年以前の生活様態が全く思い出せないくらい、今はiPhoneにお世話になっている。この感想
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★避けられない売り方★2009年の出版から10年たっても無料を巡る根本的な状況は変わっていない気がする。デジタル化できる情報・サービスの限界費用はゼロに近づき、供給はどんどん潤沢になる。それだけ先を見通せていたのだろう。雑誌という衰退産業にいる人物だけに、それを回避するために個人としては講演で稼ぐという実践をしている点も含めて、説得力と実践の重みがある。
ウェブ関連のサービスやコンテンツは無料なのが当然だと思って育った世代にとって、有料は受け入れられないだろう。ライブなど希少(な体験)がカギとなるものにしかおカネを払わない。供給側としてはフリーを入り口としたビジネスを考えるしかないのだろうか -
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情報処理能力、記憶容量、通信帯域幅の驚異的なペースでの低コスト化により、21世紀のビット経済(デジタル社会)ではコンテンツの流通にかかる限界費用が、ほとんど気にならないくらいに安くなっている。
それゆえに、20世紀のフリー・ビジネスとは大きく性質を異にする「無料」を生かしたマーケティング戦略により巨額の富を生み出すビジネスが登場している。
ここでは、無料経済を4つの類型に分けています。
1.直接的内部相互補助
無料または極端に安い値段の商品で客を呼び、利益を出せる魅力的な他のモノを売る。
例)携帯電話の端末を無料にして通話料で稼ぐ。
ドリンクは無料だがショーは有料。
駐車場 -
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断捨離、禅など、シンプルの精神に共通する概念が、最近やたらと支持されている。
アップルが支持されるのも、アップルが生み出す製品や、そこに息づく精神が時代の潮流とマッチしているからだそう。
その潮流とは?目の前にはものが溢れ、めまぐるしく入れ替わり、自分自身もその中で糧を得て暮らしているのに、
どこかでそんな暮らしに嫌気がさしている。
そこに現れたのがシンプルの権化アップル。普遍のでざいんと、堂々とした佇まい。好きにならないわけがない。
シンプルに生きれば物欲もなくなるのだろうか。
・社内でやりとりされる電子メールをあけて、厳しい目で読んでみるといい。あいまいな表現がはびこっていることに気づく -
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書いてある事例は比較的平易でわかりやすいのだが、全体を通して読むと、何が書いてあったのか考え込んでしまった。この本を読むと、19世紀からフリーを導入することにより成功した事例が存在していることが分かる。そして、現在ネットの普及に伴って、より激しく変化・進化を遂げている最中であり、Googleなどの限られた例を除いて成功している企業も少なく、まだ評価や分析が十分になされていないことから、成功事例を羅列したという趣きがある。読みながら取ったメモに、「フリーの意義は、間口を広く低くすることにより、これまで知られていなかった潜在的ニーズ(ロングテールに属する顧客層等)を掘り起こすということか?」とある
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350ページのハードカバー単行本。
通勤電車で読むにはちょっと辛いので、海外出張の機内で一気読み。
明快な論理と説得力十分の書きっぷりに舌を巻いた。
本書を手に取るまでは、今の時流にのったあまり良くない意味での”ノリノリ”の一冊だろうという勝手な印象をもっていたが、実はフリーという形態を活かしたビジ
ネスの歴史は長いということを丁寧に書いているところから始まる。
ここでまず好感度アップ。
そこから、テクノロジー(情報処理能力、記憶容量、通信帯域幅)の限界費用がどんどん下がっているネットと、フリーの関係へと展開する。
説得力十分でお見事。
途中引用する様々な例え話や、フレー