松本卓也のレビュー一覧
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人新世の「資本論」の斎藤幸平、「永続敗戦論」の白井聡、岸本聡子杉並区長ら
そうそうたるメンバーが自治を語る、コモンを語る、自律を語る。
正直難易度が高く、頭に入らないものもあった。
一番理解しやすかったのは藤原辰史さんの農業の自治。
古来人間は集って狩猟、農業を営んでいた。そこに自治があった。
種の保管、水の確保、料理。
最小単位の集団で、自分たちで取り決めをし、少しでも全体の収穫を大きくしようとした。
ここに国が絡むと、年貢を納めることになるが、これを金銭で納めるようにすれば
商売の考えが生まれ、余剰金で新しいものが買える。そこにも自治ができる。
などなど、人類の歴史に根付いた自治の話は -
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創造と狂気は紙一重と言われる。すなわち、ある真理と引き換えに狂気は憑依するのだと。
本書では、古代ギリシャから現代にかけて、「創造と狂気」が転倒を繰り返し変遷する系譜について、病跡学と哲学のコラージュで辿られてゆく。
西洋思想の注釈と言われて久しいプラトンによる対話篇『パイドロス』では、狂気は啓示と病、すなわち神的狂気と人間的狂気に分割され、神霊が吹き込まれた狂気を歌う存在こそが詩人であり、尊ばれる「詩人狂人説」が提唱された。一方で、プラトンの弟子であるアリストテレスは、鬱やメランコリーにおいて暗雲に溢れる人間的な思索にこそ、創造性が担保されているとして、天界から地上界へ我々を導いた。いずれ -
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木村敏さん・中井久夫さんとかのお弟子さん(?)の松本卓也さんが著者の本当に分かりやすい精神病理入門書。
僕は、国試レベルの記述精神病理の知識と高校の倫理の知識しかなかったけどスラスラ読めました。全部面白い!特に統合失調症と自閉症の章が本当に面白い…(幻聴が「対象なき知覚」ではなく、「聴覚における受動的体験」という捉え方とか、エポケーから抜け出せないのが統合失調という考え方とか、自閉症のタイムスリップ現象とか、カントでいう「悟性」が働かない状態だとか)。力動精神病理についても基本的なことを知れてよかった!
鑑別という観点よりも、病自体を深く理解するっていうとこに重きを置いてますね(当たり前か)。 -
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いろいろな心の病気の中身をわかりやすく知ることができるます。
でも「わかりやすく」とはいっても、
それなりの硬度のある内容だから、
読み応えがあって大人でも知的満足感が得られると思います。
心の病気っていうのは、
親とそして親以外をも含む過去の対人関係の影響、
そして現在の対人関係での相互作用での影響でなるものであって、
当人だけの問題では決してないことがわかります
(外的な強い心的衝撃によるPTSDという種類の心の病気もありますが)。
僕の身近に心の病気の人がいることもあって、
この場などに書評や感想を書いていなくても、何冊かそういった本を読んできました。
それらは勉強になるよい本でした -