松本卓也のレビュー一覧
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人新世の「資本論」の斎藤幸平、「永続敗戦論」の白井聡、岸本聡子杉並区長ら
そうそうたるメンバーが自治を語る、コモンを語る、自律を語る。
正直難易度が高く、頭に入らないものもあった。
一番理解しやすかったのは藤原辰史さんの農業の自治。
古来人間は集って狩猟、農業を営んでいた。そこに自治があった。
種の保管、水の確保、料理。
最小単位の集団で、自分たちで取り決めをし、少しでも全体の収穫を大きくしようとした。
ここに国が絡むと、年貢を納めることになるが、これを金銭で納めるようにすれば
商売の考えが生まれ、余剰金で新しいものが買える。そこにも自治ができる。
などなど、人類の歴史に根付いた自治の話は -
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Posted by ブクログ
木村敏さん・中井久夫さんとかのお弟子さん(?)の松本卓也さんが著者の本当に分かりやすい精神病理入門書。
僕は、国試レベルの記述精神病理の知識と高校の倫理の知識しかなかったけどスラスラ読めました。全部面白い!特に統合失調症と自閉症の章が本当に面白い…(幻聴が「対象なき知覚」ではなく、「聴覚における受動的体験」という捉え方とか、エポケーから抜け出せないのが統合失調という考え方とか、自閉症のタイムスリップ現象とか、カントでいう「悟性」が働かない状態だとか)。力動精神病理についても基本的なことを知れてよかった!
鑑別という観点よりも、病自体を深く理解するっていうとこに重きを置いてますね(当たり前か)。 -
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いろいろな心の病気の中身をわかりやすく知ることができるます。
でも「わかりやすく」とはいっても、
それなりの硬度のある内容だから、
読み応えがあって大人でも知的満足感が得られると思います。
心の病気っていうのは、
親とそして親以外をも含む過去の対人関係の影響、
そして現在の対人関係での相互作用での影響でなるものであって、
当人だけの問題では決してないことがわかります
(外的な強い心的衝撃によるPTSDという種類の心の病気もありますが)。
僕の身近に心の病気の人がいることもあって、
この場などに書評や感想を書いていなくても、何冊かそういった本を読んできました。
それらは勉強になるよい本でした -
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垂直、水平、斜めという空間性から精神医学とその周辺を整理して考え、斜めに可能性を見出そうというのが本書です。
「現代は、ケア論の隆盛に代表されるように、人と人との水平的なつながりの重要性をいうことがスタンダードになった時代である。けれども、単に水平的であればよいわけではない。
水平方向は、しばしば人々を水平(よこならび)にし、平準化を導いてしまうからだ。けれども、水平方向には日常を捉え直し、そこからちょっとした垂直方向の突出を可能にする契機もまた伏在している。ゆえに、垂直方向の特権化を批判しつつ、しかし現代的な水平方向の重視に完全に乗るわけでもなく、「斜め」を目指すこと…。」
認識は経験 -
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とてもすっきりとした記述で読みやすい。
中井久夫が統合失調症の寛解課程に着目する際、描画法という通常の言語による語りとは違う表現方法を媒介にして、統合失調症が慢性化したと見られる患者は日々動揺した状態にあることを解明したところが面白かった。統合失調症は安定状態ではなく、準安定状態として理解すべきである。安定状態に見えていたのは、動きを表現する媒体がなかったからで、媒体を変えることで動きが記述可能になることがある。
通奏低音として、ハイデガーの存在と時間に端を発するとされる、一種の垂直的決断主義への批判がある。というか本来性というものへの批判。
一度限りの決定的な決断ではなく、そのたびごとに