C.S.ルイスのレビュー一覧
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ネタバレナルニアの終焉と、もうひとつの始まり。
時はティリアン王の時代、大ザルによる偽アスランの出現は、大国カロールメンの侵攻を招き、ドワーフの不信も加えて、ティリアンを勝ち目のない最後の戦いへと導く。呼ばれたジルとユースティス、夢の中に現れた7名の王と女王、そして厩の中にあったものとは——。
読んだことはなくとも、ナルニア国は最終巻で崩壊し、呼ばれた子どもたちが現実世界としては死ぬのだと知っていた。それは有名な作品であるためにネタバレは避けられなかっただけで、今回読んでみて、やはりネタバレを知っているだけでは意味がなかった。
『銀の椅子』でもわかっていたようにアスランの国とは死後の世界である。ティリアンたちはナルニア国での戦いにおいて、ピーターたちはイギリスでの鉄道事故において、亡くなったのでアスランの国に集まり、再会する。ナルニア国の最後の戦いはまるで聖書の最後の審判であり、世の終わりにやってくる神の国がアスランの国と重なる。先にナルニア物語に現れるキリスト教的なモチーフの話を聞いてしまっている身として、そのような理解は仕方ないかもしれない。
しかし愛すべきリーピチープをはじめ、今までの登場人物の名前が次々と並ぶくだりは嬉しいものだ。もう一度皆に会える感動的な大団円である。現実世界において死んでしまっているけど。でもいつか自分も影の国を離れて本物の世界へ行ける、そこでは皆に会えると思ったら。それは幸せだと言えるだろう。死への恐怖がすべて拭いさられるわけではないけど。
ところで解説でも触れられていたが、現実世界としては1人残されてしまったスーザンはその後どうしたのだろう。ストッキングや口紅に夢中になっている、なんと年頃の女の子なのかと。願うなら自分では忘れていたとしてもかつての女王のように強く生きていってほしいし、いつか年老いてからでもナルニアのことを思い出して、アスランの国に来て、皆と再会してほしい。 -
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ネタバレ行方不明の王子を探せ!
いじめっ子に追い詰められたジルとユースティスは、向こうの世界でアスランに出会う。2人が託されたのは行方がわからなくなっているリリアン王子を見つけること。
〈ヌマヒョロリ〉のパドルグラムという個性的で親しみのわくサブキャラクターが登場したことに嬉しくなる。悲観的なことばかり言うが勇気のあるパドルグラムは、まだナルニアでの冒険に慣れていないジルを時に優しく時に厳しくフォローしてくれる。ドーン・トレッダー号の冒険を経てすっかり頼もしくなったユースティスも素敵。
ラストでリリアン王子と再会した直後に亡くなってしまうカスピアン。しかしアスランの国に現れたカスピアンは王位への戦いの時やドーン・トレッダー号の頃のようないきいきとした姿で現れる。それが懐かしくて嬉しいのと同時に、亡くなった後ということで悲しくもある。
あと1巻しかなく、しかもそこでナルニアに終焉が訪れることを知っている身としては次を読むのが少し怖い。しかし解説にあったように次は刊行順に読んでみて2周目を楽しみたいとも思う。 -
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ネタバレ再びナルニアへ。
ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーは再びナルニアに呼ばれる。自分たちが前にいたナルニアはすでに神話の世界となり、テルマール人に支配されていた。カスピアン王子を助けるためにきょうだいは仲間たちと共に戦う。
よく知っているファンタジー。あのリーピチープが登場するのはここだったのか。悪をくじき、王子を助ける。最後にテルマール人がどこから来たのかが語られ、アスランによって元の世界に戻るよう計らわれる。わくわくするファンタジーで、映画にもしたくなるよなぁと。
ピーターとスーザンは育ちすぎたからもうナルニアには戻れない、というところで、ピーターパンを思い出した。末っ子のルーシーに特別な立場があるのも、物語によくある感じ。 -
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ネタバレシャスタはまだ見ぬナルニアを目指す。
ピーターたち四きょうだいが王や女王として即位していた時代のひとつの物語。カロールメン国の海辺に住み、漁師アルシーシュこき使われていた少年シャスタは、もの言う馬のブリーと一緒に北へ逃亡する。途中で出会った貴族の少女アラヴィスも、もの言う馬フインと一緒に逃げてきたところだった。2人と二頭が目指すのはナルニア。果たして無事に辿り着けるのか——。
貧しいが勇気を持った少年は、実は高貴な生まれである。ありがちなパターンではあるが、旅の仲間たちの個性もあり面白い。愚かなカロールメンの王子に対するエドマンド王の態度が、『ライオンと魔女と衣装だんす』を読んでいると感慨深い。
この物語でもまたアスランは、キリスト的な登場をしている。様々な姿で苦難や寂しさに寄り添い、わたしたちを助けてくださる主である。 -
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ネタバレ少年と少女は世界の創造に立ち会う。
イギリスに行って、様々なルイスの足跡を見てきたのでようやく手に取ったナルニア。子どもの頃は何かよくわからなくて読んでこないまま来てしまった。美しい物語であり、キリスト教のにおいも感じる。しかしそれ以上に思うのは、素朴な人間の生き方への賛歌と、罪から離れられない弱さ。ディゴリーは、ポリーが止めたにもかかわらず、ベルを鳴らして魔女を起こしてしまうし、アンドリュー伯父は、危険を伴う冒険を人に押し付けて上前だけ掠め取ろうとする。けれどもディゴリーは誘惑に勝ってリンゴをアスランの元に持ち帰り、ナルニアは生まれたその日から悪を抱えてはいるけども打ち勝つ希望は確かにあるのだ。
キリスト教的な意味を読み取ることもできるが、もっと大きく「異国の文化が表れている物語」であると捉えてもよい。子どもの頃に読んでいたら、数々のディテールに憧れていただろう。このような物語を読むのは異国の文化との出会いでもある。
刊行順であった従来の翻訳とは順番が変わっている。ルイスもナルニアの年代順に読まれることを望んでいたらしい。次にあの有名な『ライオンと魔女』を読むのが楽しみである。 -
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ネタバレアスラン=キリスト
大帝=神
白い魔女=罪・悪
古い魔法=律法
もっと古い魔法=真理・愛
エドマンドの裏切りが罪だということ。その罪は、もともと彼の中にあり、魔女が唆して実現させた。古い魔法により彼は死なねばならないが、もっと古い魔法により救われ、変わる。
老学者のキャラクターがいい。あり得そうにないことでも、論理的に考えてそれしか考えられないなら、それが正しい。ナルニアを知っている人は見れば分かる。「最近の学校では何を教えてるんだ」が口癖。
ターキッシュ・デライトをプリンに置き換えたり、巨人の名前が「ごろごろ八郎太」だったりする訳はちょっと違和感が。最後の兄弟姉妹の貴族のような口調の会話は滑稽でよかった。 -
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子供の頃ファンタジーはなぜか面白くなくて、読みはじめてもすぐ飽きていましたが、大人になった今新しい発見があるかもと思い、手にとってみました。ナルニアは映画では見たことがあるのですが、原作は子供向きで古臭さそうと思っていました。でも物語を読み始めるとすぐに夢中になり、あっという間にナルニアの住人になってしまった。そして慈悲深く威厳があり、畏怖の念を持たせる偉大なるライオン王の存在に圧倒されました。現代の私から見るとちょっと気になる表現の所もありましたが、物語に水を差す事なく最後まで楽しめました。子供の頃の自分に勧めてあげたい偉大なファンタジーです。
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運の話と、"私はあなたについての話をしているのだ"が印象深い。
シャスタとアラヴィスを助けてくれた仙人が言う。わしは運というものを見たことがない。今回のことはわしの理解を超えている。しかし、理解すべきことであれば、いずれ知れるときがくるだろう、と。
これには信じることのプラスの側面を見た気がする。いまや実力も運のうちと理解する私であるが、境遇を奢らずかつ目を背けないでいられる、強い姿勢があるのだと知らしめられる。
"私はあなたについての話をしているのだ"は、なかなか厳しい言葉だ。
自分の行いを反省したあと、自分の過ちによって災いを被った人を慮る。それ自体は間違ってはいないのだろう。しかし、それは誤った自己慰撫に転化しうる。償ったからもうよいであろう、それほどの害とはならなかったからよいであろう、と。しかし、問題はあくまで自分自身の中にあるということ。そのことから目を逸らすことを許してくれない。 -
全7巻です。
4巻までしか出ていないので、7巻まで出てるのを探すのが筋です。
何故にこの様な中途半端なことするのだろう。
まあ、お好みで。
緑の縁の児童向けの版は、同じ翻訳者で最終巻まで出てますので
そちらがおすすめ。版元も同じ。 -
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第一巻のライオンと魔女でナルニア国に迷い込み、アスランと出会い、悪の魔女を倒しナルニア国の王として統治した四人の兄弟。
それからナルニア時間では1300年の時を経る。木々の精霊は姿を消し、動物たちは話すのをやめ、テルマール人(人間)が権力を独占する世界。
正当な王の血を引く王子カスピアンは叔父のミラースに命を追われ逃げる中、言葉の話せる動物たち(もとナルニア人)に出会う。
スーザンが残していった角笛をカスピアンが吹き鳴らし、助けを呼ぶと、1300年前に王として君臨した四人が再びナルニア国に。
個人的にはストーリーが1巻より面白かった。良い者が悪者に苦しめられる、というのはよくある話だけど、カスピアン陣営も一枚岩ではない。角笛もアスランも信用できない、と言う者、アスランではなく当時対立した魔女を頼ろうという者…。
宿敵ミラースとの勝負が一騎討ち(からの乱戦)で呆気なく終わってしまったのがちょっと物足りないが、子どもにはこれくらいでちょうど良いのかもしれない。