佐々木毅のレビュー一覧

  • 宗教と権力の政治 「哲学と政治」講義II

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    本書はヨーロッパ中世の政治思想を知る上での最良の入門書だと思う。中世ヨーロッパがキリスト教(カトリック)の世界だったということは誰でも知っているが、それがどのような思想的基盤によって支えられていたのかについてはあまり教わることがない。本書は両剣論(聖俗二つの権力による統治)から教皇至上主義が成立するまでの過程、トマス・アクィナスの法思想、ルターとカルヴァンによる宗教改革、マキアヴェッリの権力国家論、ジャン・ボダンの主権論などが講義形式で分かりやすく解説されており、近代世界の入り口まで案内してくれる。ホッブズから始まる社会契約説については書かれていないが、本書を読むとそれらの思想が生まれた歴史的

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    2025年02月19日
  • 君主論

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    私が読んだのは講談社版の2022年第31刷版なのですがこれがとにかくおすすめです。というのもまずこの本は「大文字版」ということでシンプルに文字が読みやすいです。文字の見やすさって意外と大事ですよね。特にこうした古典作品ですと小さな文字が並んでいるだけで「うっ!」となってしまう方がたくさんおられると思います。私もそうです。読み始めるのにもかなり覚悟が必要になってきます。その点でこの「大文字版」は非常にありがたいです。

    また、本書の冒頭に訳者による「まえがき」があり、そこで時代背景やこの本を読む際のポイントなどを解説してくれています。これもわかりやすく、挫折しがちな『君主論』を読み通す際に大きな

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    2024年08月21日
  • プラトンの呪縛

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    プラトンの思想をめぐり、20世紀の政治哲学がそれといかなる距離をもったものであったかを分析しています。私が読んだ当時は単行本でしたが、今では文庫本になって入手し易くなっていますので、政治哲学に関心ある方には是非お薦めです。

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    2013年01月10日
  • 学ぶとはどういうことか

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    There have been many stupid books recently, but a book should be like this book. I could revise my thoughts. 多书在书店很坏和愚,还这书很好。我会修改学习的思想。我喜欢他的意见。

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    2012年04月29日
  • 政治学の名著30

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    元・東京大学学長、現・学習院大学法学部教授の佐々木毅による政治学の「古典」紹介。

    【構成】
    まえがき
    Ⅰ 政治の意味
     プラトン『ゴルギアス』-「魂への配慮」としての政治
     マキアヴェッリ『君主論』-全ては権力から始まる
     ヴェーバー『職業としての政治』-燃えるような情熱と冷静な判断
    Ⅱ 政治権力
     アリストテレス『政治学』-政治権力とは
     ホッブズ『リヴァイアサン』-絶対的自由と絶対的権力
     ロック『政府論』-社会契約による政治権力の構成
     モンテスキュー『法の精神』-権力の制限と制度へのまなざし
     バーク『フランス革命についての考察』-保守主義のバイブル
    Ⅲ 政治と徳
     プラトン『国家(

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    2011年04月24日
  • 君主論

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    ヨーロッパの数々の君主たちの行動を冷静に分析することにより、統治する際のあらゆるケース、求められる君主像を論じている。君主論が古典の中でも色褪せないのは、現代でも通じる組織論でありリーダー論だからだと思う。帝王学の一端はいつか役立つ知識になるかと。

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    2011年03月02日
  • 君主論

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    理解しやすかった。
    必要に駆られて読んだからかな。
    分からないけど、読みやすくてよかったよ。
    権力者はなぜ権力者たり得るかという問いに
    力量があるからだという答えを出していたのは衝撃。
    今のエジプトとか北朝鮮とかがこれをそのまま採用しているなんてことはないだろうけど、視点として持っておいて損はない。

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    2011年02月03日
  • 政治学の名著30

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     久々に読んで面白かった新書だった。「プラトンの呪縛」などの本で知られる佐々木毅教授の本。(理論)政治学の名著30冊を、それぞれの時代背景などを付けて紹介する。西洋政治学に偏ることなく、孫子や孔子、福沢諭吉のような東洋思想家も入っている所が非常に良い点だと思う。
     だが一番勉強になるのは、まえがきではないかと思った。政治学の名著に向き合う時に求められる条件として、
     「この解があるようでない世界(人間の集団生活の在り方と個々のメンバーの生殺与奪に関わること)について知的なチャレンジを繰り返すことに一定の共感と意味を見出すこと」
    をあげる。そして、
     「政治についてどう考えるかが政治の現実を構成

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    2010年08月12日
  • 君主論

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    以前に岩波文庫のものを読んだが、二度同じものを読むよりは訳者が違うものを読む方がいいと考え、今回は講談社学術文庫のものを手に取った。
    改めて目次を見てみると、目次のすごさが目を引いた。目次を見るだけでマキャベリという人が対象をどれだけ明快に分類し、考察していたかがわかる。
    「本は目次が大事」はその通りかもしれない。目次が良くないものは、著者も明快に考察できていないと考えた方がよい。
    この本を読むのは二度目で、しかも『わが友マキアヴェッリ』や『マキアヴェッリ語録』を読んだ後なのでスーッと入ってくる。なんといっても一気に読み通せてしまう長さであるのが良い。訳は特別良くもなく、悪くもなく…。一章ごと

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    2010年08月14日
  • 君主論

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     なかなか上質なビジネス書でございました! ビジネス書じゃない? まっさかー(^^)

     んで、本書が書かれたのは1500年頃とのことですが、その理念は現在にも通ずるところがあります。君主を上司、リーダーと置き換えてみたり、臣民を部下と置き換えてみたりすると、意外としっくりきちゃうのです。今後、まったくの新天地にリーダーとして招きいれられた場合、どのようにふるまったらいいのか、そのヒントがここに記されています。
     もちろん、すべてが全て使えるというものでもないでしょう。さすがに、権力者を一同に集めて暗殺するなんてね。まあ、そのへんは比喩的に捉えてみたらいいのだと思います。

     繰り返しになりま

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    2010年03月01日
  • マキアヴェッリと『君主論』

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    「君主論」全訳、さらにマキアヴェッリの時代背景・伝記的な部分まで含まれている。
    岩波よりこっちのほうが、理解は深まります。

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    2009年10月04日
  • 学ぶとはどういうことか

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    今の自分には難しすぎたかもしれない。書いていることのどこまで理解できたか分からないので要復習。よくある勉強の本ではなく、学ぶことの意味、意義、価値を哲学的に記述されてる一冊。

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    2025年07月26日
  • 君主論

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    西洋版の孫子の兵法でした。
    統治するには人を動かすには軍事とは、とても現代にも役に立つ内容と思いました。

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    2024年02月20日
  • 政治学の名著30

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    世界的な古典名著を数ページでまとめている。このような形でまとめてくれると、その本の概要が簡単に分かるから、いざ読むとなった際大いに役立ちそう。

    古典を読み切れるような読解力がほしい、、

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    2020年05月18日
  • 政治学の名著30

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    佐々木毅(1942年~)氏は、政治学・西洋政治思想史を専門とする、日本を代表する政治学者。東京大学総長、国立大学協会会長などを歴任し、現在、(社)学士会理事長、東京大学名誉教授。紫綬褒章、文化功労者、瑞宝大綬章、文化勲章などを受章している。
    本書は、古今東西の政治学の古典・名著から厳選された30冊について、そのエッセンスをそれぞれ6ページ程度で紹介したものである。
    収録されているのは、マキアヴェッリ『君主論』、ヴェーバー『職業としての政治』、ホッブズ『リヴァイアサン』、モンテスキュー『法の精神』、プラトン『国家』、孔子『論語』、アウグスティヌス『神の国』、カント『永遠平和のために』、クラウゼヴ

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    2020年04月07日
  • 君主論

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    訳が上手くてとても読みやすかった。

    なんとなく孫子と似ているな、と思う。
    ただ、孫子は主に軍事面から論じており、君主論は統治面から論じている点が違いだと思う。

    当時のイタリアの世相や社会情勢が本からよく伝わってくる。
    孫子はあまり感情的な記述が少なく作者の想いはあまり見えてこない教科書的な内容(これは善し悪しではなく)だけど、君主論は作者の感情面が伝わってきて面白い。
    自分のキャリアから得た経験を客観的かつ冷静に分析している著者マキャベリの頭の良さ、みたいなものがにじみ出てます。

    内容としては、思い当たる節が色々ある。


    【メモ】
    ところが人間は思慮が足りないために、あ

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    2019年02月27日
  • 君主論

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    立場によって読み取り方が異なる本。
    世間でいうマキャベリズムとこの本で本当に言おうとしていることは違うと思います。
    君主がどうあるべきかを述べた本であり、君主になるための方法論ではありません。
    エッセンスをビジネス書として読むことができます。

    1.この本を一言で表すと?
    ・超現実的な政治手法

    2.よかった点を3〜5つ
    ・人間は寵愛されるか、抹殺されるか、そのどちらかでなければならない(p38)
      →人間の本質を見抜いている。
    ・すべての国にとって重要な土台となるのは、よい法律とよい武力とである(p105)
      →権力の根源をわすれてはいけないという戒め。
    ・賢明な君主は信義を守るのが

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    2018年12月30日
  • 学ぶとはどういうことか

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    "この本は、まず著者と同じ土俵にのぼることから始めたくなる。学ぶことを著者の切り口でトコトン突き詰めている。現代社会のありようから、古典「学問のすすめ」からと思考を深めていく。明治から現代にいたる時代背景的な洞察にも気を配ってほしかった面もあるが、まだ自分自身は著者とレベル感があっていないと感じているので、恐れ多い発言だと理解している。
    いづれ、読書経験を積み、著者の読んだ本を理解し得たら、また本書を読みなおしたい。"

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    2018年10月27日
  • 政治学の名著30

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    1冊につき、紙数が少なく、物足りなさを感じながら読み進めていくと、名著を梯子として政治学物語を猛スピードで駆け抜けてきたことに気付く。体系的であり、かつ、流れる良書

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    2018年06月06日
  • 君主論

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    さすがは古典の名著。読み応えあり。かつ、16世紀初頭の個別の事象を念頭に置いて書かれながら、いや、書かれているがために、21世紀においても意味を持つ書として捉えうる。必ずしも「こなれた」訳ではないが、気にはならない。

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    2018年04月04日