佐々木毅のレビュー一覧
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佐々木毅著『学ぶとはどいうこと』。元東大総長で、政治思想史の重鎮が、いかなる学ぶ意義を、いま説くか。興味があって、購入の手順。
アリストテレス、福沢諭吉と古典が引用されて、果たしてそのオチはと読みすすんだが。どうもその帰結は、政治家の「学ばない政治の災禍」(
180p)という点に主張点は、あるようだ。
「精神的エネルギーの枯渇」(196p)。二本の学習スタイルが学校時代の学びに収斂し、なにを学んだかよりも「どこで誰について学んだか」出7処遇が路線化されている、学歴主義。
学閥のネットで情報をわけあい、予算をうごかしていく仕組みが、政権交代があってもかわらず、3.11東日本大震災を -
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マキアヴェッリの代表作と言えば、この『君主論』か『マンドラゴラ』でしょう。後者は、最近はRPGで人の形をしたニンジンみたいなのの名前として有名になっちゃったりしましたが、たぶん関係ないと思う。
彼の時代において、君主とはどうあるべきか、どんな君主ならば長く自分の治世を続けることができるのか、という点に関して持論が展開されています。さすがに、その内容を「現代の日本」に当て嵌めるのは難しいですが、それでも「上に立つ人間としてどんな美徳を備え、どんな欠点を修正していくべきか」という視点から見ると、いまだに参考になる部分も多いです。
この講談社の『君主論』は、マキアヴェリについていくつかの著作があ -
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今の私が置かれている状況での学びを続けるには、どういった心がけをすればよいのか。このような思いから本書を手に取った。学び続ける気概となるエンジンと燃料は、メインテナンスと補充が必要だからだ。ところが5章くらいに差し掛かった頃、読書の動機はうれしい誤算であることに気付いた。この本は、学校や大学・大学院で何らかの形で、学生を学ばせる立場にある人々が読むと有益だろう。
第1・2章では、学びの多様性の紹介がある。震災・原発事故、『学問のすすめ』を解題してその説明がある。
第3章では、アリストテレスによる学が整理された。第1に神・自然の理論学、第2に倫理のような人間によって変えることのできる領域:実践 -
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日垣さんの推薦。
ロンドンへ行く飛行機の中で読んだ。
佐々木先生によれば、学ぶは、「知る」「理解する」「疑う」「超える」に分かれるという。
宮城県沖の地震確率が高いのは知っていた、田老町などで大規模な堤防ができていたのは知っていた、昭和三陸津波で、土地区画整理事業や高台移転が行われたのも知っていた。
しかし、現実に、行方不明者を含めて2万人の人たちが亡くなった。自分は、何も、理解し、疑い、そして、超えていなかった。
自分は、いろいろな専門家が、想定外とか、津波を一部減殺したとかいう言説には納得できない。人が一人でも死んだ以上、堤防、土地利用に関係していた行政マンは、深く反 -
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読書会の課題本として読みました。
今、なぜ君主論をよむのか。読んでみた後に、その質問をしてみたいですね。
15世紀のイタリアを中心とした時代背景や、ローマ帝国についての知識を持ち合わせていないとなかなか読み解くのが難しいと感じました。
いわゆる君主、としてではなく「第一人者」としたリーダー論として読むこともできるかもしれません。個人的にはあまりそのような読み方はできなかったですが。
講談社の訳は比較的わかりやすいものとなっていますので、あまり読み切るのに自信がない方には講談社をお薦めします。文字も大きいですし。
総論として読んだ場合、時代背景や価値観の違いが鮮明にですぎていて、なかな -
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元・東京大学学長、現・学習院大学法学部教授の佐々木毅が編者となり、14人の政治学者が15冊の現代政治学の文献を紹介する。
【構成】
執筆にあたって(佐々木毅)
ウォーラス 『政治における人間性』(杉田敦)
ウェーバー 『職業としての政治』(牧野雅彦)
ミヘルス 『政党の社会学』(氏家伸一)
リップマン 『世論』(杉田敦)
メリアム 『政治権力:その構造と技術』(飯尾潤)
ラスウェル 『権力と政治』(飯田文雄)
ハイエク 『隷従への道』(足立幸男)
アーレント 『人間の条件』(千葉眞)
モーゲンソー 『国政政治:権力と平和』(遠藤誠治)
ダール 『ポリアーキー』(宮下大志)
ローウィー 『自由 -
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名著を8頁程度で紹介できるのか?との疑問と退屈を抱きつつ、前半部分を読み進めた。しかし、バークの著作にいたって、本書の私の読み方が間違っていたことに気づく。各著は時代とその支配思想に向き合うことによって、いくばくかの普遍性を獲得したのであり、ただちに現代に応用できる部分を求めてはいけないのだ、と。
気になった記述。
・バークにはフランス革命は「人間の権利」という抽象的原理に基づく革命であり、それは先入観と社会的紐帯の中でのみ自由が可能になるという人間的現実を無視し、実際には人間を「野生の自然状態」に戻してしまうものに他ならないものと映った。(中略)そして革命はアナーキーに行き着くという診断 -
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ふむ、後半から面白くなってくるな。
教会への対応の仕方とか今の世の中であまり役に立たないだろJK。
性悪説に基づいて書かれている君主論。
文章から若干怖さを感じる、何か辛い実体験があったのかなマキャヴェリさん(´;ω;`)ウッ…
--気になった言葉--
人は些細な危害に対しては復讐をするが、大きなそれに対しては復讐出来ないからである (P39)
他人に勢力を得させる原因を作る者は自ら滅びる(P48)
偉大な人物が新たに与えられた恩恵によってかつて受けた侮辱を忘れ去ると考えるのは誤りである。(P80)
同胞市民を殺害したり、友人を裏切ったり、信義や慈悲心、宗教心を欠いていた人