山口瞳のレビュー一覧
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昭和の名作作家・山口瞳氏の作品が手軽に読めるという点と、作品のみならず瞳氏自身の人間性や生きてきた背景を知ることが出来るという点が、ファンにとっては良いと思う。氏の卒業論文まで読めるのはこの作品だけではないだろうか?
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こういう正統派が少なくなってきた今、希少な正統派。忘れかけている読書の楽しみをよみがえらせてくれる秀作。
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「山口瞳は,大人の男としての教科書だ」
そういう風に思う.
どうも,こういった人を好むのは,「おじんくさい」とか「年をごまかしているのでは」なんて言われるきっかけになってしまいそうだけれども,良いものは良い.
丁度,山口瞳が亡くなった1995年は,日本がとても大変な年だった.年明け早々,神戸で大きな...続きを読むPosted by ブクログ -
著者がサントリーが寿屋といった頃の宣伝部員として、新聞広告として綴ったエッセイ集。会社に入って間もない時期に読んで、随分と励まされました。若者に対する大先輩からの助言として貴重な一冊。
“新入社員諸君! この人生、大変なんだ。そうして、本当の味がわかるのは、苦しみつつ、なお働いた人たちだけなんだ。”Posted by ブクログ -
山口氏の作品と言えば、サラリーマンの明るい哀愁ものと思っており、このような自伝的作品とは思いもしなかった、失礼してたよ。
佐藤愛子『血脈』つながりでおしえていただいて読んだのだが、鮮烈さに瞠目した。だいたい履歴なんていうのは興味ある人物でも、面白くもないのが多い。日経の「私の履歴書」シリーズも大...続きを読むPosted by ブクログ -
通勤サラリーマンにとって、「月曜日の朝・金曜日の夜」という文言はテンションめちゃ上げワード。でも作者が怪しい。予想通りのんべえの週末歳時記。それにのめり込んで読んでしまうって一体・・・Posted by ブクログ
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元々は直木賞を受賞した小説のシリーズだったはずなのだけど、いつの間にか主人公たちだけが仮名で他は実名のエッセイになっている。
いつだ?
いつ小説からエッセイになったのだ?
戦中派である山口瞳はもちろん、彼の息子ですら私より年上ではあるけれど、それでもここに書かれている昭和が、私の知っている昭和よ...続きを読むPosted by ブクログ -
最近のエッセイは自分語りが多いけど、これは身辺雑記。
自分の日常を書いているけれど、自分語りではない。
この辺りの兼ね合いが、上手いなーと思う。
絵画、俳句、将棋、相撲観戦など趣味が多才。
国立市を愛している。
酒のみで、偏屈で、愛すべきじーさん山口瞳。
不器用で頭が悪いから、ガスの点火ができな...続きを読むPosted by ブクログ -
山口瞳の小説を読んだことはない。
だから、僕にとって、エッセイストという印象が強い。
晩年の連載を抜粋したものであるが、
入院したときに、親しい人の死を知るというのは、
なんとも不思議な因縁だな、と思う。
それから、向田邦子に関する記述は興味をそそられる。
なんとも魅力的に描かれているのだから...続きを読むPosted by ブクログ