山口瞳のレビュー一覧

  • 小学館電子全集 特別限定無料版 『山口瞳 電子全集』

    ファン待望の一冊

    昭和の名作作家・山口瞳氏の作品が手軽に読めるという点と、作品のみならず瞳氏自身の人間性や生きてきた背景を知ることが出来るという点が、ファンにとっては良いと思う。氏の卒業論文まで読めるのはこの作品だけではないだろうか?
  • 小学館電子全集 特別限定無料版 『山口瞳 電子全集』

    昭和を代表する正当ユーモア文学

    こういう正統派が少なくなってきた今、希少な正統派。忘れかけている読書の楽しみをよみがえらせてくれる秀作。
  • 礼儀作法入門
    日本人は礼儀正しい。海外の人が感じる典型的な日本人像。この言葉に疑いを持つ現代人はいないだろう。でも本当だろうか?著者が強調する森鴎外の「礼儀小言」を読むと、その認識に不安がよぎる。小津安二郎の言葉の引用も強烈だ。品行と品性。本書を今読んでも新鮮に感じるのは、実は日本人の品性について、まだまだ考える...続きを読む
  • 新装版 諸君! この人生、大変なんだ
    「山口瞳は,大人の男としての教科書だ」
    そういう風に思う.
    どうも,こういった人を好むのは,「おじんくさい」とか「年をごまかしているのでは」なんて言われるきっかけになってしまいそうだけれども,良いものは良い.
    丁度,山口瞳が亡くなった1995年は,日本がとても大変な年だった.年明け早々,神戸で大きな...続きを読む
  • 礼儀作法入門
    堅苦しい礼儀そのものの説明ではなく、心持ちを教えてくれる一冊。意見はかなり偏っている部分もあるが、いちエッセイとして面白い。この本一冊読んだほうが形だけの礼儀を学ぶより全然良いと思う。
  • 新装版 諸君! この人生、大変なんだ
    著者がサントリーが寿屋といった頃の宣伝部員として、新聞広告として綴ったエッセイ集。会社に入って間もない時期に読んで、随分と励まされました。若者に対する大先輩からの助言として貴重な一冊。
    “新入社員諸君! この人生、大変なんだ。そうして、本当の味がわかるのは、苦しみつつ、なお働いた人たちだけなんだ。”
  • 旦那の意見
    エッセイの妙味もさることながら、川端康成論である「創意の人」および田中角栄論である「下駄と背広」はまさに秀逸。筆者の洞察力の深さをうかがわせる。
  • P+D BOOKS 血族
    山口氏の作品と言えば、サラリーマンの明るい哀愁ものと思っており、このような自伝的作品とは思いもしなかった、失礼してたよ。

    佐藤愛子『血脈』​つながりでおしえていただいて読んだのだが、鮮烈さに瞠目した。だいたい履歴なんていうのは興味ある人物でも、面白くもないのが多い。日経の「私の履歴書」シリーズも大...続きを読む
  • 礼儀作法入門
    こちらは「礼儀作法」。ただし、著者は山口瞳さん。山口さんらしい、大胆・簡潔・本質的なお作法が、ご自身の体験談などから語られている。悩み相談、面倒な上司との会話、男女の関係、飲み屋での作法など、やや時代を感じることもあるが、忘れ去られている大切なこともあり、反省が尽きない。個人的にも、洗いやすい皿を選...続きを読む
  • 月曜日の朝・金曜日の夜
    通勤サラリーマンにとって、「月曜日の朝・金曜日の夜」という文言はテンションめちゃ上げワード。でも作者が怪しい。予想通りのんべえの週末歳時記。それにのめり込んで読んでしまうって一体・・・
  • 江分利満氏大いに怒る
    元々は直木賞を受賞した小説のシリーズだったはずなのだけど、いつの間にか主人公たちだけが仮名で他は実名のエッセイになっている。
    いつだ?
    いつ小説からエッセイになったのだ?

    戦中派である山口瞳はもちろん、彼の息子ですら私より年上ではあるけれど、それでもここに書かれている昭和が、私の知っている昭和よ...続きを読む
  • 礼儀作法入門
    この本はタイトルで損していると思う。
    堅苦しい本でもなければ、HOW TO本でもないですよ。

    “礼儀作法とかマナーとかいうものは、知っていてそれを行わないところに妙諦がある。知らなければいけない。しかし、それを常に実行する必要はない。”

    普段の言葉づかいがあまりよくない人の子どもたちが、なぜかと...続きを読む
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 熟年篇
    最近のエッセイは自分語りが多いけど、これは身辺雑記。
    自分の日常を書いているけれど、自分語りではない。
    この辺りの兼ね合いが、上手いなーと思う。

    絵画、俳句、将棋、相撲観戦など趣味が多才。
    国立市を愛している。
    酒のみで、偏屈で、愛すべきじーさん山口瞳。

    不器用で頭が悪いから、ガスの点火ができな...続きを読む
  • 礼儀作法入門
    『礼儀作法とはマネである。形骸である。しかし、私は、その形骸のなかに何者かが存するのではないかと考えている。形式には、その形式を生んだ、そのモトの意義というものがあるはずである。』p33より
    礼儀作法とは、あまり難しく考える必要はなくコミュニケーションを円滑にとるためのツールに過ぎないのだと。
    短い...続きを読む
  • 人生作法入門
    山口瞳。ちょっとこだわりがあって、そのこだわりはそれほど窮屈でないので、なかなかリラックスできるのだが、いつもすっきりと書いているところが好きで、とくに文章の終わり方がいいと思っている作家である。本書は、わりと柔らかく、なかなか楽しめた。
  • 礼儀作法入門
    一家言あるんですよ。この作者には。
    でも、押し付けてくるわけでもない。

    礼儀作法を「え~いめんどくさい」と感じる人は、一度読むのもよいかもしれない。
    だからといって、何か変わるかどうかは疑問だけど。
    固く考えず、さりげなく。
  • 礼儀作法入門
    礼儀(品行)よりも品性が大事でないかというのは、よくわかる。お見舞いをどうするかなども、なるほどと感じた。
    著者が50歳頃に書いた本だ。50歳ころになると、徐々に、あまり周囲との横並びを気にせずに生きていけるようになるんだろう。そんな表現が所々にあった。
  • 礼儀作法入門
    草競馬流浪記が遠征のバイブルなら、こちらは、人生のバイブルともいえる一冊。山口瞳さんの入門書としてもおすすめ。これ読んでわかりあえない人は、たぶん他の本を読んでもわかりあえないだろうし。
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 熟年篇
    山口瞳の小説を読んだことはない。

    だから、僕にとって、エッセイストという印象が強い。

    晩年の連載を抜粋したものであるが、
    入院したときに、親しい人の死を知るというのは、
    なんとも不思議な因縁だな、と思う。

    それから、向田邦子に関する記述は興味をそそられる。
    なんとも魅力的に描かれているのだから...続きを読む
  • 礼儀作法入門
    「礼儀作法入門」という書名から連想されるような、礼儀作法に関する実用書、ではない。そういう部分もなくはないのだけれども、結局、酒の飲み方・ギャンブル・見舞・来客・背広の選び方・鞄等々に関しての、山口瞳のこだわりというか、好みというか、を紹介した本であり、山口瞳がどういう人かを理解する助けになる本、と...続きを読む