山口瞳のレビュー一覧

  • 草競馬流浪記

    購入済み

    貴重な実録

    '80年代半ば(ミスターシービーが日本ダービーを制した頃)に存在した地方競馬全場の様子が“ありありと“分かる貴重な書籍です

    なので(地方を含む)競馬好事家ならば“一度は読むべき“と言われているものの、故に書籍の古本価格が異様に高いため入手困難な本書が電子版で安価に読めるのは非常にありがたいこと

    この時の“競馬不況“は直後のバブル景気で(紀三井寺以外は)持ち直しましたが、平成期の“競馬不況“で多数の地方競馬場が無くなりました
    しかし本書に記録が残り、まだ良かったかと思います

    また…
    引退後、体型が丸くなった安藤勝己元騎手の『昔は“美少年“』は本書がネタ元

    園田・姫路のレジェンド

    #ほのぼの #タメになる #共感する

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    2025年09月19日
  • 小学館電子全集 特別限定無料版 『山口瞳 電子全集』

    購入済み

    ファン待望の一冊

    昭和の名作作家・山口瞳氏の作品が手軽に読めるという点と、作品のみならず瞳氏自身の人間性や生きてきた背景を知ることが出来るという点が、ファンにとっては良いと思う。氏の卒業論文まで読めるのはこの作品だけではないだろうか?

    #カッコいい

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    2022年01月01日
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇

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    最近では週刊誌の漫画でさえ腰を据えて追いかけることもないが
    時代が噛み合えばこの週刊のコラムをその延長線上で毎週楽しみにしていたかもしれない。

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    2021年11月26日
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 熟年篇

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    江分利満氏で感じた特有の空気感が、いよいよ周囲との死別や筆者自身の幕引きをもってそのままの形で萎みいく。

    リアルタイムで向き合っていた読者群の心中はいかばかりかだったろうか。

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    2021年11月26日
  • 小学館電子全集 特別限定無料版 『山口瞳 電子全集』

    昭和を代表する正当ユーモア文学

    こういう正統派が少なくなってきた今、希少な正統派。忘れかけている読書の楽しみをよみがえらせてくれる秀作。

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    2019年01月27日
  • 礼儀作法入門

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    日本人は礼儀正しい。海外の人が感じる典型的な日本人像。この言葉に疑いを持つ現代人はいないだろう。でも本当だろうか?著者が強調する森鴎外の「礼儀小言」を読むと、その認識に不安がよぎる。小津安二郎の言葉の引用も強烈だ。品行と品性。本書を今読んでも新鮮に感じるのは、実は日本人の品性について、まだまだ考える余地がある所以ではなかろうか。

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    2016年09月19日
  • 新装版 諸君! この人生、大変なんだ

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    「山口瞳は,大人の男としての教科書だ」
    そういう風に思う.
    どうも,こういった人を好むのは,「おじんくさい」とか「年をごまかしているのでは」なんて言われるきっかけになってしまいそうだけれども,良いものは良い.
    丁度,山口瞳が亡くなった1995年は,日本がとても大変な年だった.年明け早々,神戸で大きな地震があり,そして東京では3月に地下鉄サリン事件が起こった.そんな中,山口瞳は亡くなった.
    大好きなアンクルトリスと江分利満氏が重なって,そしてなおかつそこに山口瞳がかぶって,何か一つ時代が終わってしまったような気がした.20歳そこそこの若造でさえ何か感じる物があった.
    それから,山口瞳の著作を一通

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    2016年02月18日
  • 礼儀作法入門

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    堅苦しい礼儀そのものの説明ではなく、心持ちを教えてくれる一冊。意見はかなり偏っている部分もあるが、いちエッセイとして面白い。この本一冊読んだほうが形だけの礼儀を学ぶより全然良いと思う。

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    2010年06月17日
  • 新装版 諸君! この人生、大変なんだ

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    著者がサントリーが寿屋といった頃の宣伝部員として、新聞広告として綴ったエッセイ集。会社に入って間もない時期に読んで、随分と励まされました。若者に対する大先輩からの助言として貴重な一冊。
    “新入社員諸君! この人生、大変なんだ。そうして、本当の味がわかるのは、苦しみつつ、なお働いた人たちだけなんだ。”

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    2009年12月27日
  • 旦那の意見

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    エッセイの妙味もさることながら、川端康成論である「創意の人」および田中角栄論である「下駄と背広」はまさに秀逸。筆者の洞察力の深さをうかがわせる。

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    2009年10月04日
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇

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    ネタバレ


    私は来月で40歳になる。しかし、一方では、少年時代は、振り返ればまだ続きそうなところにあるという気分からも抜け切れないでのである
    晩年の父は、よく、俺の一生は間違っていたかなとつぶやいた。私は、遠からず、自分もそう思うようになる時期が来ると思う

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    2025年12月05日
  • 新装版 諸君! この人生、大変なんだ

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    新入社員、新成人に向けたエッセイ。サントリーの名広告とその他エッセイをまとめた一冊。
    山口瞳の作品に深い洞察力と実生活から生まれた金言がある。ある種酔っぱらった中年男のクダ話ではあるが、こんな話をわざわざしてくれる、大先輩も今や少ないだろう。
    時々読み返したい一冊。自分が若い時に読みまた中年になって読み返すとさらに味わい深い。

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    2025年11月28日
  • 新装版 酒食生活

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    楽しい酒を飲む方のようで、周囲も楽しい方が集まっている。
    「礼儀作法とかマナーとかいうものは、知っていてそれを行わないところに妙諦がある。知らなければいけない。しかし、それを常に実行する必要はない。」
    小川軒の七尾さん、目黒の雅叙園やトンカツとんき、旧軽の茜屋珈琲、松江の皆美館、川越の亀屋と佐久間旅館、聞いた名前が頻出している。

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    2025年08月25日
  • P+D BOOKS 血族

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    山口氏の作品と言えば、サラリーマンの明るい哀愁ものと思っており、このような自伝的作品とは思いもしなかった、失礼してたよ。

    佐藤愛子『血脈』​つながりでおしえていただいて読んだのだが、鮮烈さに瞠目した。だいたい履歴なんていうのは興味ある人物でも、面白くもないのが多い。日経の「私の履歴書」シリーズも大概そう。もちろん、その波乱万丈なゆくたてにもよるのだけれども。​

    『血脈』​の方はその一族の突拍子のない人物像が縦横無尽に異な行動をするのだし、小説仕立て、愛子ワールドだからおもしろかったのだけど。

    山口氏のは謎解き風、一章ごとのまとまりの文脈でたたみかけるようでいて、冷静沈着な文章がうまい。

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    2023年04月24日
  • 礼儀作法入門

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    こちらは「礼儀作法」。ただし、著者は山口瞳さん。山口さんらしい、大胆・簡潔・本質的なお作法が、ご自身の体験談などから語られている。悩み相談、面倒な上司との会話、男女の関係、飲み屋での作法など、やや時代を感じることもあるが、忘れ去られている大切なこともあり、反省が尽きない。個人的にも、洗いやすい皿を選び食事に相応しいものという観点が抜けていたり、調味料も元のケースのままだったりする。本質を見ることがなかったり、こだわることがないことが不作法ということだと再認識。

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    2021年10月17日
  • 月曜日の朝・金曜日の夜

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    通勤サラリーマンにとって、「月曜日の朝・金曜日の夜」という文言はテンションめちゃ上げワード。でも作者が怪しい。予想通りのんべえの週末歳時記。それにのめり込んで読んでしまうって一体・・・

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    2020年03月22日
  • 江分利満氏大いに怒る

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    ネタバレ

    元々は直木賞を受賞した小説のシリーズだったはずなのだけど、いつの間にか主人公たちだけが仮名で他は実名のエッセイになっている。
    いつだ?
    いつ小説からエッセイになったのだ?

    戦中派である山口瞳はもちろん、彼の息子ですら私より年上ではあるけれど、それでもここに書かれている昭和が、私の知っている昭和よりもかなり世相が古びているのに驚く。
    御年始に何か手土産を持っているのはわかるけれど、それ以外にハガキを持参って、意味が分からない。
    堅苦しくする必要がない相手には、ハガキだけでもいいだろうって、それほどまでにハガキを持って行くことは常識だったのか?

    職場の慰安旅行も最近はあまり聞かないけれど、

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    2019年06月21日
  • 礼儀作法入門

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    ネタバレ

    この本はタイトルで損していると思う。
    堅苦しい本でもなければ、HOW TO本でもないですよ。

    “礼儀作法とかマナーとかいうものは、知っていてそれを行わないところに妙諦がある。知らなければいけない。しかし、それを常に実行する必要はない。”

    普段の言葉づかいがあまりよくない人の子どもたちが、なぜかとても礼儀正しい言葉を使う。
    どうしてか?と聞くと

    “「電話をかけるときの言葉を聞いているからです。電話では、ちゃんとした言葉をつかいますから」”
    親の背中を見て、子どもは育つんですね。どきどき。
    しかし今どきの親はスマホを片手に席を外して話すから、子どもが正しい言葉遣いを覚える機会は大きく減ったと

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    2016年12月28日
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 熟年篇

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    ネタバレ

    最近のエッセイは自分語りが多いけど、これは身辺雑記。
    自分の日常を書いているけれど、自分語りではない。
    この辺りの兼ね合いが、上手いなーと思う。

    絵画、俳句、将棋、相撲観戦など趣味が多才。
    国立市を愛している。
    酒のみで、偏屈で、愛すべきじーさん山口瞳。

    不器用で頭が悪いから、ガスの点火ができないなんて書いていて、「あはは…」と笑って読んでいたら、戦時中、軍隊にいた彼の体験が書いてあった。
    子どもがいじっていた不発弾が爆発して、家族全員が血まみれになって軍医に治療してもらいにきた。
    その光景がずっと忘れられず、爆発物を異常に恐れるあまりガスの点火ができない。これは戦争ん後遺症だろうと言う。

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    2016年11月16日
  • 礼儀作法入門

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    『礼儀作法とはマネである。形骸である。しかし、私は、その形骸のなかに何者かが存するのではないかと考えている。形式には、その形式を生んだ、そのモトの意義というものがあるはずである。』p33より
    礼儀作法とは、あまり難しく考える必要はなくコミュニケーションを円滑にとるためのツールに過ぎないのだと。
    短い文章でなかなかにテンポよく読みやすい。

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    2016年03月10日