多崎礼のレビュー一覧
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病に倒れた母のため、一度は捨てたはずの故郷へ、七年ぶりに"姫"と帰ることになったアンガス。記憶を失い、やがては死に至るという「忘れ病」は、母だけでなく、すでに町全体を蝕んでいた。初めて見る不吉な病に文字の気配を感じる二人だが、アンガスの前には冷たい視線で彼を拒む人々が立ちはだかる。ひどい仕打ちを受け続けた彼が最後にとった行動は――。一方、バニストンで彼の帰りを待つセラに、エイドリアンは語り始める。アンガスの過去を、そしてその背負う運命を・・・。
「アンガス」「俺」の二視点は変わりませんが、だいぶつながりが見えてきた上に「俺」の感情が生き生きと描かれていて、自由を手に入れる彼の幸せを読んで胸がぎゅっとなりました。一巻で一番好きなキャラだったので、たとえ全てが報われなくとも、彼が思うままの人生を歩めたことは嬉しいです。アンガスがスペルを集める理由、セラの秘密など、色々と明らかになることも多く、今後どんな風に物語が着地するのか楽しみ。ただセラの口調は彼女の性格的に違和感を感じました。うーん、独特さを出そうとしたのだろうけれど、ちょっとな・・・。 -
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「滅日」によって大陸中に散らばった、世界を蝕む邪悪な存在――文字(スペル)。天使の遺跡を巡り、本を修繕する少年アンガスは、文字を探し回収するために、"本の姫"と旅を続けている。ある日、無法者たちから救い出した少女セラに文字の気配を感じた彼だったが、彼女がいたという地アウラに向かってみると、案の定文字によって土地の住民たちは皆死んでいた。旅の途中で出会ったジョニーとともに、アンガスはインディアンの地へと足を踏み入れるが、そこは部族以外の人間は立ち入れない場所で・・・。
「煌夜祭」で驚くほどの緻密な世界観を見せてくれた多崎氏ですが、今作も独特の世界で語られるストーリーがとても魅力的です。文字を集める姫に手を貸しているアンガスにも実は秘密があって、それは最後で明かされますが、なぜ彼は故郷を追われたのかなど、2巻まで持ち越した謎も。レッドとの対決など、山場はこれからかな。今でも十分に面白いのですが、個人的には「俺」とガブリエルのターンが好きすぎて、アンガスたちの場面に比べて少なすぎるのが残念でした。もっと読みたーい。ツァドキエル死んじゃって悲しい・・・これからどうなるのか気になりすぎる。 -
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ネタバレあらすじを読めば、1人だけの物語が綴られている様に思えますが
どうやら輝晶の数だけ物語があるようです。
同じ名前がちらほらと出てくるわ、次の話では
先ほどわき役だった人が主役に…状態で
次は誰がなるのかと、違う楽しみが。
最初の話の方が、ものすごく最後が残ります。
きっと彼らの愛する『子供』は、終われば泣き崩れるでしょうが
それまではけして泣かないだろうと。
そう思えるからこそ、笑顔で事をなそうとする彼らに
とてつもない『幸福』を感じました。
『誰』が『誰』に対して夢を見せているのか。
双方ともまったく関係ない人なのか、片方がそうなのか
それとも関係のある人物なのか。
色々な疑問は、最後まで読めば解決するのでしょうか?? -
Posted by ブクログ
十八諸島の世界を巡り、世界各地で話を集め、他の土地へと伝え歩く。それが我ら語り部の生業。冬至の夜、我らは島主の館に集い、夜を通じて話をする。それが煌夜祭――年に一度の語り部の祭。お話ししよう。夜空を焦がす煌夜祭の炎壇でも照らすことの出来ない、真の闇に隠された恐ろしい魔物の物語を・・・廃墟となった島主の館で、今年もまた二人だけの煌夜祭が始まった――。
面白かった!一つ一つ話を読み進むごとに新たな側面が表れて、もしやこの人は・・・といろいろ考えをめぐらせながらまるで隣で語り部がいるかのように感じられる作りが楽しい。構成も文章も上手くて違う話もぜひ読んでみたいなと思う作家さんでした。ただ一つ、話によって呼び名が違うせいでかなり混乱したので、あとがきの手前にでも人物関係図とかまとめてほしかった。世界観も面白いんだけど、島名も多すぎて訳わからなくなるのでもうちょっとコンパクトにしても良かったんじゃないだろうか。何度も読み込んで理解しないといけない作品かもと思います。