鈴木結生のレビュー一覧
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めちゃくちゃ好き。登場人物が全員頭が良く、言ってることはよくわからないけど、そのよくわからない出典を辿る物語で、最終的に収束する終わり方がとても気持ちが良い。「言葉はどれも未来へ投げかけられた祈りである」という文章も好きで、ゲーテを読みたくなる物語としても秀逸である。途中にある手塚治虫と鴨川つばめの繋がりを提示したのは著者の見解なのかどうなのかはとても気になるし、面白い視点であった。
娘が優秀で良い子でさすがにフィクション過ぎるな……とも思うが、「すべてはFになる」の女子大生もこんな感じだったので、アカデミアの理想の女学生とはこういうものなのだろう。 -
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名前は知ってるゲーテ。「若きウェルテルの悩み」を高校でちらっと読んで「うーんわからない」と返却した記憶のみ。芥川賞取られたこの作品も、「わかんないかも」と思いつつ手に取ってみたら、読みやすかった!最近は「ちょっと頭を使う作品」を読もうと思っているんだけど、これもまたそんな感じ。ゲーテ、ちゃんと読んでみたくなる。興味の幅を広げたいというか、私の知らないものをもっと知りたくなる作品にまた出会えて嬉しい。そして、「事件」とあるけど…人は死なないし、心がゾッとすることもない。でも確かに事件…かな。賞を取っていなかったら知らなかったかもしれない。賞自体には興味があんまりないんだけど、手に取るきっかけとし
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さて、まだ「何故そう思ったか」を書き記せるほどに頭のなかがまとまっていないのだけど、とにかくめっちゃ面白かった。
主人公、博把統一(ひろばとういち)は高名なゲーテ学者。ある日、家族でクリスマスディナーに行った店に置いてあったティーバッグのタグに、彼の知らない「ゲーテの名言」が記されていた。
これは本当にゲーテが遺した言葉なのか?
名言の出典を追う中で、彼の探究と思索と人間関係と、そしてゲーテ学者としての生きざまは、意外な方向へと向かっていく。。。
本作のテーマは何かと問われれば、個人的には「閉塞感からの解放」という印象を持った。
まず第一には、アカデミアの閉塞感からの解放。
学問というも -
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芥川賞作家 鈴木結生氏の受賞後第一作。
英国に傾倒しているファンタジー作家・舟倉按が自叙傳を依頼される。この仕事に取り組む中で自身の記憶に向き合う。
ストーリー自体は分かりやすく、起伏も少ないので、固有名詞や表現が独特なところはあるが読みやすい部類。主人公自身の考えが科白として言う(考える)ので読めばわかる。過去の創作者(今作はディケンズ、前作はゲーテ)を題材に展開するものであり、前作と似ているなと感じる。
鈴木結生氏のBookishな面が非常に色濃くでており、読むだけで賢くなったような気分になれる。
作中で取り上げられている作品には、著者が創作した実在ではないものも多い。
今作は、少年漫画 -
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自分の小説体験史上、もっとも優しい一冊だったかもしれない(それを悪とする観方もありそうだけど、個人的には楽しかった)。
当然エログロなく、それどころか胸をかきむしるようなザワザワが逃げ場無く押し寄せるなんてこともなく、とても穏やかに、爽やかに、でもだからといって、たるまずに、きちんと感情をえぐるアプローチ。斬新すぎた。
学ぶって、楽しい。実にじんわり、人生を豊かにしてくれる。そんななかなか信じられない綺麗事を、この物語は、キレイに信じさせてくれる。
「こういう作品が楽しめるのも、自分がオッサンになったからかな」なんて思いながら、著者欄に目をやると、若干23歳の作家さんだと知り、これまた衝 -
購入済み
意外と読みやすく面白い
2025年初めの芥川賞受賞作で、2作のどちらにしようかと迷って初めは登場人物の名前も難しそうでどうかと思ったが、読み始めるとすらすら読めた。1年に1000冊も読む読書家の作ということだし、いろいろな方面のことがよくわかって書かれているし、日常のことを描写するところも面白い。この本だけでなくURLに飛んでゲーテの言葉についての証言を読者自ら調べてみるというのも面白かった。色彩論は前から興味を持っていたし、多様と統合とは気になるテーマだった。最近は読書離れも感じられて自分もいままで大した読書もしなかったが、今後いろいろと関連するものからものへ、興味から興味へと読んでいきたいと思った。この若い新人に
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ゲーテ研究の第一人者である博把統一(ひろばとういち)が、ゲーテの言葉として見かけた「とある言葉」の出典を求め、言葉探しの旅をしていく中で、「言葉そのもの」について改めて見つめ直していくお話。
学術的な話も多く、ファウストのファの字も読んでいないわたしは専門的な内容についていけない部分も多々ありちょっと諦めかけましたが笑
3割ほど読み進めたあたりからぐっと物語に引き込まれていき、最後まで読んで良かった!と感じられました。
言葉のプロである小説家が、(学者の目線をとおして)現代の視点から「言葉」にまっこうから挑んでいるような、そんな覚悟と気迫を感じられます。
言葉がはびこる現代。
わたしも -
Posted by ブクログ
言葉を探し求める話
誰が何を言って、なぜそう言ったのか?
記憶のなかで曖昧になり、伝承のなかで曖昧になり、解釈によってねじ曲げられ、都合よく継ぎ接ぎされ、言葉はつねに形を変えてしまう……。
形を変えなくても、どう受けとるかによって言葉の「色合い」が変わってしまう。原色としての「言葉」は、読み手のほうで別の色がたしひきされて姿を変えてしまう……。変えられた姿のほうが輝いているときもあるほど!
ただ変えられた姿形を見たあと改めて言葉に向き合っても、本来の色も形も分からない。場合によっては変えられたことに気づかない。だからこそ「愛好家」は、姿形を変えられたのではないかと疑ってかかり、本来の色や -
Posted by ブクログ
芥川賞作品とは知らずに手に取った。手に取ってから気づき躊躇したが、身構えるほどには難しい作品ではなかった。むしろ、読みやすい。面白おかしく読んだ。研究者の脳内を覗いているみたいで、とてもいい。
主人公は、ゲーテの研究者だ。還暦間近である。あるクリスマスの日、家族と食事に出かけた際、紅茶のパックのタグに書かれた偉人の名言の引用に、ゲーテと書かれたものを見つける。しかしその名言には見覚えがない。原文だとなんと書くのだろうか?本当にゲーテの引用なのだろうか?出典探しに取り憑かれる主人公。
全編にわたりずっと、そのフレーズが本当にゲーテのものなのかどうかを探し続ける主人公。その間に、研究者仲間の友