鈴木結生のレビュー一覧

  • ゲーテはすべてを言った

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    「Love dose not confuse everything, but mixes Goethe」
    ティーバックに書かれたこの一文から紡がれるストーリー。
    登場人物の人となりや関係性も目に浮かぶような描写の数々。
    簡単な内容ではないものの、心地よいリズム感で前のめりに読んでしまう、そんな素敵な本でした。

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    2026年08月07日
  • ゲーテはすべてを言った

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    久しぶりにこんなに面白い小説を読んだ。
    知らない格言などがいくつも出てきたので、自分の無知が悔やまれる。
    ファウストを読んでから必ず再読したい。

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    2026年08月06日
  • ゲーテはすべてを言った

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     めちゃくちゃ好き。登場人物が全員頭が良く、言ってることはよくわからないけど、そのよくわからない出典を辿る物語で、最終的に収束する終わり方がとても気持ちが良い。「言葉はどれも未来へ投げかけられた祈りである」という文章も好きで、ゲーテを読みたくなる物語としても秀逸である。途中にある手塚治虫と鴨川つばめの繋がりを提示したのは著者の見解なのかどうなのかはとても気になるし、面白い視点であった。
    娘が優秀で良い子でさすがにフィクション過ぎるな……とも思うが、「すべてはFになる」の女子大生もこんな感じだったので、アカデミアの理想の女学生とはこういうものなのだろう。

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    2026年06月29日
  • ゲーテはすべてを言った

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    キーワードはアカデミックってことだろうか。このシチュエーションが飲み込めないと、普段容易い純文学とかのジャンルしか読んでない人には難しいのではと思う。good!

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    2026年06月03日
  • ゲーテはすべてを言った

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    名前は知ってるゲーテ。「若きウェルテルの悩み」を高校でちらっと読んで「うーんわからない」と返却した記憶のみ。芥川賞取られたこの作品も、「わかんないかも」と思いつつ手に取ってみたら、読みやすかった!最近は「ちょっと頭を使う作品」を読もうと思っているんだけど、これもまたそんな感じ。ゲーテ、ちゃんと読んでみたくなる。興味の幅を広げたいというか、私の知らないものをもっと知りたくなる作品にまた出会えて嬉しい。そして、「事件」とあるけど…人は死なないし、心がゾッとすることもない。でも確かに事件…かな。賞を取っていなかったら知らなかったかもしれない。賞自体には興味があんまりないんだけど、手に取るきっかけとし

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    2026年05月31日
  • ゲーテはすべてを言った

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    さて、まだ「何故そう思ったか」を書き記せるほどに頭のなかがまとまっていないのだけど、とにかくめっちゃ面白かった。

    主人公、博把統一(ひろばとういち)は高名なゲーテ学者。ある日、家族でクリスマスディナーに行った店に置いてあったティーバッグのタグに、彼の知らない「ゲーテの名言」が記されていた。
    これは本当にゲーテが遺した言葉なのか?
    名言の出典を追う中で、彼の探究と思索と人間関係と、そしてゲーテ学者としての生きざまは、意外な方向へと向かっていく。。。

    本作のテーマは何かと問われれば、個人的には「閉塞感からの解放」という印象を持った。

    まず第一には、アカデミアの閉塞感からの解放。
    学問というも

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    2026年05月29日
  • ゲーテはすべてを言った

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    圧倒された。人ってこんな物語/文章書けるんだ。
    こういう純文学(?)を初めて読んだのだが、本当にビビった。何より作者の鈴木結生が25歳なことがヤバイ。圧倒的才能を見て落ち込む。

    内容で言うと、筆者の実体験もあるだろうけど、あんなにハイソサエティな界隈ってあるんだって感じ。これもまた恥ずかしい。失ったものばかり数えてしまう。ジンベエに救って欲しい。


    「そしたら、綴喜が、『議論において権威を盾にする人は知力ではなく記憶力を用いているに過ぎない』と言ったの。『ダ・ヴィンチもそう言ってるよ』と。」P162

    機知に富みてぇ〜。

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    2026年05月29日
  • トーマス・マンはなぜ日本で愛されるのか

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    実は、トーマス・マンを読んだことがない。そろそろその辺を読もうかと思い始めた頃にたまたま出会ったのが本著だ。
    分野を問わず、マニアがその世界を語りあうのを見るのが好きだ。そんなに面白い世界なのかと気になり始める。
    冒頭の対談が九州大学で行われたのも興味深い。これまで、トーマス・マンの勉強会がずっと行われてきたのだそうだ。また、平野啓一郎の講演は、同世代の地方出身として、多くの共感があった。

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    2026年02月05日
  • 携帯遺産

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    「愛」について書かれた書。
    モチーフとして出てくるネタはほとんど読んだことのないものばかりだけど、筆致が軽快なのと、登場人物のキャラ立ちが強くて飽きずに読める。
    全体に散りばめられた言葉あそびも楽しい。
    最後にはきれいに愛に収斂していく物語が美しい。
    鈴木結生、天才なんだろうな。

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    2026年01月18日
  • 携帯遺産

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    ネタバレ

    「ゲーテはすべてを言った」に続き、作者の知識量というか、勉強量には感服する。一つの小説として、起承転結が分かりやすくなされているなかで、独特なユーモアや構造主義などの文学的な要素が取り入れられて、一つの作品になっているということが、本当に凄まじいと思う。自分には到底できないことに思え、本当に頭が上がらない。

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    2026年01月03日
  • 携帯遺産

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    芥川賞作家 鈴木結生氏の受賞後第一作。
    英国に傾倒しているファンタジー作家・舟倉按が自叙傳を依頼される。この仕事に取り組む中で自身の記憶に向き合う。
    ストーリー自体は分かりやすく、起伏も少ないので、固有名詞や表現が独特なところはあるが読みやすい部類。主人公自身の考えが科白として言う(考える)ので読めばわかる。過去の創作者(今作はディケンズ、前作はゲーテ)を題材に展開するものであり、前作と似ているなと感じる。

    鈴木結生氏のBookishな面が非常に色濃くでており、読むだけで賢くなったような気分になれる。
    作中で取り上げられている作品には、著者が創作した実在ではないものも多い。
    今作は、少年漫画

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    2025年09月11日
  • 携帯遺産

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    もう一度最初から読み返してしまった。なるほどと納得!ずいぶんと数多くの書籍名や人物名更に英文が出てきて戸惑うどころか笑ってしまった!この本英文でしたらいいかも。そんなことを考えながら読み終えた。

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    2025年07月17日
  • ゲーテはすべてを言った

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    自分の小説体験史上、もっとも優しい一冊だったかもしれない(それを悪とする観方もありそうだけど、個人的には楽しかった)。

    当然エログロなく、それどころか胸をかきむしるようなザワザワが逃げ場無く押し寄せるなんてこともなく、とても穏やかに、爽やかに、でもだからといって、たるまずに、きちんと感情をえぐるアプローチ。斬新すぎた。

    学ぶって、楽しい。実にじんわり、人生を豊かにしてくれる。そんななかなか信じられない綺麗事を、この物語は、キレイに信じさせてくれる。

    「こういう作品が楽しめるのも、自分がオッサンになったからかな」なんて思いながら、著者欄に目をやると、若干23歳の作家さんだと知り、これまた衝

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    2026年06月25日
  • ゲーテはすべてを言った

    購入済み

    意外と読みやすく面白い

    2025年初めの芥川賞受賞作で、2作のどちらにしようかと迷って初めは登場人物の名前も難しそうでどうかと思ったが、読み始めるとすらすら読めた。1年に1000冊も読む読書家の作ということだし、いろいろな方面のことがよくわかって書かれているし、日常のことを描写するところも面白い。この本だけでなくURLに飛んでゲーテの言葉についての証言を読者自ら調べてみるというのも面白かった。色彩論は前から興味を持っていたし、多様と統合とは気になるテーマだった。最近は読書離れも感じられて自分もいままで大した読書もしなかったが、今後いろいろと関連するものからものへ、興味から興味へと読んでいきたいと思った。この若い新人に

    #笑える #ほのぼの #スカッとする

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    2025年03月13日
  • ゲーテはすべてを言った

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    ゲーテ研究の第一人者である博把統一(ひろばとういち)が、ゲーテの言葉として見かけた「とある言葉」の出典を求め、言葉探しの旅をしていく中で、「言葉そのもの」について改めて見つめ直していくお話。

    学術的な話も多く、ファウストのファの字も読んでいないわたしは専門的な内容についていけない部分も多々ありちょっと諦めかけましたが笑

    3割ほど読み進めたあたりからぐっと物語に引き込まれていき、最後まで読んで良かった!と感じられました。

    言葉のプロである小説家が、(学者の目線をとおして)現代の視点から「言葉」にまっこうから挑んでいるような、そんな覚悟と気迫を感じられます。

    言葉がはびこる現代。
    わたしも

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    2026年08月03日
  • ゲーテはすべてを言った

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    ゲーテ研究者が主人公で、テーマもアカデミック。筒井康隆さんの文学部只野教授を思い出すが、こちらの方が軽妙なタッチ。
    原型を留めず一緒くたに融け合った状態を「ジャム的」、個別の形や性質を保ったまま一つの全体をなす状態を「サラダ的」…
    この比喩がキャッチーだ。
    新宿の「どん底」をモチーフにした居酒屋「ごった煮」が出てくるところも面白いし、人物名も特徴あって面白い。
    さして長い本ではないけれど、突っ込みどころが沢山あって、これを大学院生が書いたものとは到底思えなかった。ゲーテを読み込む高校時代を過ごしてみたかった気もする。

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    2026年07月31日
  • ゲーテはすべてを言った

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    言葉を探し求める話

    誰が何を言って、なぜそう言ったのか?
    記憶のなかで曖昧になり、伝承のなかで曖昧になり、解釈によってねじ曲げられ、都合よく継ぎ接ぎされ、言葉はつねに形を変えてしまう……。

    形を変えなくても、どう受けとるかによって言葉の「色合い」が変わってしまう。原色としての「言葉」は、読み手のほうで別の色がたしひきされて姿を変えてしまう……。変えられた姿のほうが輝いているときもあるほど!

    ただ変えられた姿形を見たあと改めて言葉に向き合っても、本来の色も形も分からない。場合によっては変えられたことに気づかない。だからこそ「愛好家」は、姿形を変えられたのではないかと疑ってかかり、本来の色や

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    2026年07月28日
  • ゲーテはすべてを言った

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    何も知らずに読み始めたので、途中までノンフィクションだと思い込んでいた(恥ずかしい…)
    面白い形態だったけど、もっと自分に知識があればもっと楽しめたのだろうなと思う。悔やまれる。いろんな教養を身につけた上でもう一度読んだら、何倍も魅力的になるのだろう。
    細かいところで気になる点はいくつかあって、読み進めるのに少し引っ掛かりを感じたのでその点は少しマイナス。とはいえ雰囲気は憧れの世界だったし、ユーモアもあり、柔らかい混乱やどういうことなの?という面白みもあった。

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    2026年07月12日
  • ゲーテはすべてを言った

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    芥川賞作品とは知らずに手に取った。手に取ってから気づき躊躇したが、身構えるほどには難しい作品ではなかった。むしろ、読みやすい。面白おかしく読んだ。研究者の脳内を覗いているみたいで、とてもいい。

    主人公は、ゲーテの研究者だ。還暦間近である。あるクリスマスの日、家族と食事に出かけた際、紅茶のパックのタグに書かれた偉人の名言の引用に、ゲーテと書かれたものを見つける。しかしその名言には見覚えがない。原文だとなんと書くのだろうか?本当にゲーテの引用なのだろうか?出典探しに取り憑かれる主人公。

    全編にわたりずっと、そのフレーズが本当にゲーテのものなのかどうかを探し続ける主人公。その間に、研究者仲間の友

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    2026年06月27日
  • ゲーテはすべてを言った

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    ネタバレ

    芥川賞受賞作。積読になっていたけど、読んでみると読みやすかった。ゲーテの言葉を取り巻く、学術的アプローチと統一の家族。哲学、文学、学問、言葉に関する多角的な視点、思考が面白く、自分も勉強したくなった。
    『すべてのことはもう言われた。でも自分で言わなきゃ面白くない』
    『愛はすべてを混淆せず、混然となす、とヴァイマルの風が告げている。』
    『言葉はどれも未来へ投げかけられた祈りである』

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    2026年06月07日