鈴木結生のレビュー一覧

  • ゲーテはすべてを言った

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    Aさんは○○と言った
    という名言があるが、それは本当にAさんが言った言葉か?Aさんが言ったかは本当に大事か?
    等考えさせられる作品。着眼点が面白いと思った(名言が信じられなくなりそうでもあるが)。

    前半と比較して後半の話の展開がかなり早い。打ちきり前の連載を想像させられる。

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    2025年09月17日
  • 携帯遺産

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    作家が自伝を描くことで、失踪した父親を求める気持ちが膨らんでいく。たくさんの古典の蘊蓄や創造した作品などが混然としてケムに巻かれたような面白さもあった。

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    2025年09月03日
  • 携帯遺産

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    ウィットに富み、格調が高い文体なのに、力みがない。言葉遊びも独特。難解な描写も、自由に想像して楽しむ。視覚でも楽しめる工夫(按が生笑に物語を語る場面)が為されており、読者への細やかな気配りと愛を感じた。

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    2025年07月22日
  • 携帯遺産

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    いやぁ〜、私にとって素晴らしい読書時間を満喫できました。ゲーテはすべてを言ったで芥川賞を受賞後、第一作目として注目の作品。前作同様アカデミックでありながら、一方で愛を感じるめちゃくちゃ良い話だった。衒学的ではあるものの作者の文学、歴史への深い造詣と作家に対するリスペクトと自分自身の作者であることへの矜持が伝わる。愛こそすべて…。

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    2025年07月12日
  • 携帯遺産

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    作者の知識量がすごい。大半は知らない固有名詞で、書かれていることもわからないことが多いけれど、なんとなく雰囲気が好き。

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    2025年06月30日
  • 携帯遺産

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    主人公のアンは、アンネ・フランクのアナグラム?前回の作品には、ニキ・ド・サンファルのタロット・ガーデンの本が出てきて、うぉっ!となったけど、今回はアドルフ・ヴェルフリが!鈴木さんの小説は、本当にいろんな楽しみ方ができて、毎回ワクワクする。いろいろなものが潜んでいるから、何度も読みたくなるし、古典文学にも興味が湧く。本を読みながら本を読みたくなる不思議な本!

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    2025年06月15日
  • ゲーテはすべてを言った

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    芥川賞受賞作。

    とある言葉をゲーテさんが言ったのかを調べる、お話(?)。

    物語にはなっているけど、学者界の話など、中盤は小難しく純文学だなぁ、と思いました。

    ゲーテ曰く、小難しいと純文学になんねん。
    ゲーテ曰く、白って200色あんねん。

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    2025年11月30日
  • ゲーテはすべてを言った

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    主人公が大学教授であり、ゲーテを初めたくさんの文豪について多くが割かれ、アカデミックな展開。実際に、ゲーテもどんな人か良くわからない中ゲーテ論が展開されるため、始めはかなり難解に感じた。また。学問を探求することが当たり前の環境で織りなす議論は難しいと同時に現実味が薄く感じた。
    読み終わった後、最終的にゲーテがこの物語にどう関係したか、人に説明できる気がしないものの家族の絆も含め、最後は何となく、まとまった作品だった。

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    2025年11月30日
  • ゲーテはすべてを言った

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    学者や戯曲、格言の引用が沢山出てくるので、哲学の知識がほぼない私にはかなり難しかった。でも、その前提知識があればもっと面白く読めるんだろうなと思いながら読み進めた。

    ティーバッグのタグに書かれた「ゲーテの言葉」とされる一文の出どころを追う、という軸がありつつ、実際には「誰もが自分の中に “ゲーテ像” を作り上げ、その視点によって語る真実が変わる」という、すごくモダニズム的な物語になっているのが印象的。

    そして何より、同世代の人が書いたとは思えないほどアカデミックで、素直に尊敬した。恥ずかしながら、私自身も文系だけど「文系の研究って、例えば教授たちは何をそんなに深掘りしてるんだろう?どこに“

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    2025年11月17日
  • ゲーテはすべてを言った

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    ゲーテの事は少しの名言を見聞きするくらいの知識しか無いが、それでも読んでよかったと思わせる作品だった。

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    2025年11月16日
  • ゲーテはすべてを言った

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    読後、しみじみと考えてやはり面白かったというか、自分好みの作品だったな、と思った。

    文体がクラシカルで昔の小説を読んでいる気分になれるのに、昔の小説より圧倒的に読みやすい!憧れの本の世界に入れたようなお得感。
    登場人物ほぼエリートなのにどことなくほんわかしてて、興味の対象や環境が違うだけで、一般人と対してやってること(感情とか行動)は変わらないんだなぁ、親近感が湧いた。
    ゲーテの言葉の解釈にしてもそうだよね、って納得。大昔の人の言葉なんて今に伝わるまでに色々な言語を行き交い、大勢の人間の解釈を行き交い、大量の時間を行き交い、価値観を行き交い、中には然先生のように捏造したり、意識せずに捏造して

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    2025年11月12日
  • ゲーテはすべてを言った

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    ドジャースがWS連覇を達成し、山本投手の「言ってない」名言がネット界隈を賑わせている。「ゲーテは〜言っていた」ジョークと通ずるものがあるのではないか!
    --
    「言葉はどれも未来へ投げかけられた祈りである」という最後のフレーズがとても重い。果たしてLLMは我々のために祈りを捧げ、全てを言ってくれるのだろうか。
    言葉を探すプロセスが変容しつつある状況下で、言葉と真摯に向き合うアカデミアのエネルギーと知的興奮を感じられる一冊だったと思う。

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    2025年11月02日
  • ゲーテはすべてを言った

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    どんな名言もゲーテがすべて言った、とするドイツ人のジョークは初めて聞きました。
    「ゲーテ曰く、◯◯。」という感じでしょうか??

    * 
    世の中に名言はたくさんありますが、本当に当人が言ったのか??あやしいものもたくさんあるようです。

    たとえばアイラブユーを月がきれいですねと訳したのは漱石ではなかったとか、愛の反対は無関心、と言ったのはマザーテレサではなかったとか…。

    とすると、ゲーテはすべてを言ったのか?というのもあやしいということになりそうですが…。

    それはさておき、このことばはとても便利な言葉だと思いました。

    なにかの説明で着地点を間違ったとき、
    笑わせようとしてすべったとき、

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    2025年10月19日
  • ゲーテはすべてを言った

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    ゲーテにもドイツ文学にも興味はないが、第172回芥川賞受賞作ということで読んでみた。ゲーテ学者が自分の知らないゲーテの名言と出会い、その出典を探し求める過程で、名言とは、言葉の力とは、と考えを深める物語である。蘊蓄も豊富で、マザー・テレサの「愛の反対は無関心」という言葉が、実は他の人の言葉だったことなどを教えられた。最後は伏線が回収されて家族の絆が強まるのだが、ちょっと調子が良すぎるのではないか。しかし、読み終えて、「ファウスト」やゲーテの他の著作を読んでみようかと思わされたのは、小説のねらい通りだろう。

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    2025年10月16日
  • ゲーテはすべてを言った

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    ネタバレ

    もちろん自身の教養の少なさも原因ではあるがかなり難しい、とにかく難しいと感じた。
    しかし、言葉の引用というテーマを軸に色々と物語が展開していく感じが学者博把統一の頭の中を常に見ているような気がして読んでいて楽しかったです。
    文学系の学者さん達はこのような思考を日頃から行っているのかと思うと自分にはまだまだ知らない世界があるのだなと感じました。

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    2025年10月13日
  • ゲーテはすべてを言った

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    とにかく難しかった。

    ゲーテやファウストに関する基礎知識がほとんど何もない(名前くらいは知っています程度)状態だったので、たぶんこの小説の本当の面白さが理解できてないんだろうなぁという意味も込めての★3です。この辺に詳しい人はもっと楽しめるんだろうと思う。

    本文中にドイツ語や英語の格言めいたものが表記されていて、特に和訳もなかったりすることがあるのできちんと理解したい人は何か翻訳できるものを片手に読んだほうがいいと思う。

    とはいえ、ゲーテが言ったとされる、とある名言の出典を求めてひたすら文献を漁る主人公の周りで展開される物語自体はとても面白かった。そして主人公の家族の教養レベルの高さに呆

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    2025年09月25日
  • ゲーテはすべてを言った

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    ゲーテ研究者の教授がある名言の出典を探しつつ大学内や家庭内の日常を描いた作品。難しい言葉が多く読み進めるのが少し大変だった。漠然とした感想になるが上流家庭の緩やかな日常が描かれているなあと思った。

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    2025年09月24日
  • ゲーテはすべてを言った

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    頭がいい人同士の会話って楽しそう。頭がいいというか、文学に強い人?同じことを学んできた人?
    別に同じ漫画を好きでもその人同士で話すと楽しいもんな。
    レストランで出てきたティー・バッグのタグに書かれていた『Love does not confuse everything,but mixes』というGoetheの言葉の出典がどこか探す話。
    『愛はすべてを混淆(こんこう)せず、渾然(こんぜん)となす』
    見つからなかった?
    ちょっと難しくてよくわからなかった。
    「ゲーテはすべてを言った」というのは学生時代にドイツの画学生から教わった言葉。「名言を引用するとき、それが誰の言った言葉かわからなかったり、実

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    2025年09月15日
  • ゲーテはすべてを言った

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    さすがの芥川賞受賞作ということもあり、アカデミックで結構マニアックで、理解が追いつかないところが多々ありましたが、ふふっと笑える点もあり、えー!そうなるの!という展開もあり、知的好奇心もくすぐられ、全体的におもしろい本でした。著者の鈴木結生さんと同年代ですが、なにより知識量に圧倒...。

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    2025年09月13日
  • ゲーテはすべてを言った

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    「ゲーテ曰く」をつけたら
    名言になる説!とっても納得!

    ゲーテは私の中では
    作家というより
    優れた作曲家に愛された詩人
    っていうイメージが強くある
    (あれとかこれとか名曲がすぐ浮かぶ)

    紅茶のタグに書いてあった
    ゲーテの名言らしきもの
    これを本当にゲーテが言ったのか?
    を探るという物語だが

    頭のいい人たちの食事会に
    なんでか同席してしまって
    雰囲気はいいけど
    話が専門的すぎて
    右耳から左耳に通り過ぎていってしまう…
    でもニコニコ楽しい雰囲気なので
    つられてにへらにへらしてる
    みたいな

    楽しいし全然わかんないわけじゃないんだけど
    目がすべっちゃうんだよ〜

    っていう本でした(笑)

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    2025年09月12日