鈴木結生のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
学者や戯曲、格言の引用が沢山出てくるので、哲学の知識がほぼない私にはかなり難しかった。でも、その前提知識があればもっと面白く読めるんだろうなと思いながら読み進めた。
ティーバッグのタグに書かれた「ゲーテの言葉」とされる一文の出どころを追う、という軸がありつつ、実際には「誰もが自分の中に “ゲーテ像” を作り上げ、その視点によって語る真実が変わる」という、すごくモダニズム的な物語になっているのが印象的。
そして何より、同世代の人が書いたとは思えないほどアカデミックで、素直に尊敬した。恥ずかしながら、私自身も文系だけど「文系の研究って、例えば教授たちは何をそんなに深掘りしてるんだろう?どこに“ -
Posted by ブクログ
読後、しみじみと考えてやはり面白かったというか、自分好みの作品だったな、と思った。
文体がクラシカルで昔の小説を読んでいる気分になれるのに、昔の小説より圧倒的に読みやすい!憧れの本の世界に入れたようなお得感。
登場人物ほぼエリートなのにどことなくほんわかしてて、興味の対象や環境が違うだけで、一般人と対してやってること(感情とか行動)は変わらないんだなぁ、親近感が湧いた。
ゲーテの言葉の解釈にしてもそうだよね、って納得。大昔の人の言葉なんて今に伝わるまでに色々な言語を行き交い、大勢の人間の解釈を行き交い、大量の時間を行き交い、価値観を行き交い、中には然先生のように捏造したり、意識せずに捏造して -
Posted by ブクログ
どんな名言もゲーテがすべて言った、とするドイツ人のジョークは初めて聞きました。
「ゲーテ曰く、◯◯。」という感じでしょうか??
*
世の中に名言はたくさんありますが、本当に当人が言ったのか??あやしいものもたくさんあるようです。
たとえばアイラブユーを月がきれいですねと訳したのは漱石ではなかったとか、愛の反対は無関心、と言ったのはマザーテレサではなかったとか…。
とすると、ゲーテはすべてを言ったのか?というのもあやしいということになりそうですが…。
それはさておき、このことばはとても便利な言葉だと思いました。
なにかの説明で着地点を間違ったとき、
笑わせようとしてすべったとき、
「 -
Posted by ブクログ
とにかく難しかった。
ゲーテやファウストに関する基礎知識がほとんど何もない(名前くらいは知っています程度)状態だったので、たぶんこの小説の本当の面白さが理解できてないんだろうなぁという意味も込めての★3です。この辺に詳しい人はもっと楽しめるんだろうと思う。
本文中にドイツ語や英語の格言めいたものが表記されていて、特に和訳もなかったりすることがあるのできちんと理解したい人は何か翻訳できるものを片手に読んだほうがいいと思う。
とはいえ、ゲーテが言ったとされる、とある名言の出典を求めてひたすら文献を漁る主人公の周りで展開される物語自体はとても面白かった。そして主人公の家族の教養レベルの高さに呆 -
Posted by ブクログ
頭がいい人同士の会話って楽しそう。頭がいいというか、文学に強い人?同じことを学んできた人?
別に同じ漫画を好きでもその人同士で話すと楽しいもんな。
レストランで出てきたティー・バッグのタグに書かれていた『Love does not confuse everything,but mixes』というGoetheの言葉の出典がどこか探す話。
『愛はすべてを混淆(こんこう)せず、渾然(こんぜん)となす』
見つからなかった?
ちょっと難しくてよくわからなかった。
「ゲーテはすべてを言った」というのは学生時代にドイツの画学生から教わった言葉。「名言を引用するとき、それが誰の言った言葉かわからなかったり、実 -
Posted by ブクログ
「ゲーテ曰く」をつけたら
名言になる説!とっても納得!
ゲーテは私の中では
作家というより
優れた作曲家に愛された詩人
っていうイメージが強くある
(あれとかこれとか名曲がすぐ浮かぶ)
紅茶のタグに書いてあった
ゲーテの名言らしきもの
これを本当にゲーテが言ったのか?
を探るという物語だが
頭のいい人たちの食事会に
なんでか同席してしまって
雰囲気はいいけど
話が専門的すぎて
右耳から左耳に通り過ぎていってしまう…
でもニコニコ楽しい雰囲気なので
つられてにへらにへらしてる
みたいな
楽しいし全然わかんないわけじゃないんだけど
目がすべっちゃうんだよ〜
っていう本でした(笑)