鈴木結生のレビュー一覧

  • ゲーテはすべてを言った

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    文学研究者を”過去に書かれた言葉を聖典のように扱い研究する職業”として捉え、未だ書かれていない言葉、自らの言葉を獲得するに至る葛藤を描く。

    研究者の「原典に当たる」という日常の動作、職業倫理は今なお重要であるとは、研究者の端くれである自分としてもひしひし感じはするものの、書かれていることしか言えなくなってしまうのも問題だ。

    また、研究者でなくとも多かれ少なかれ、誰が何を言ったかに囚われてしまうこともあるだろう。過去や権威の軛を脱して、先人の言葉/叡智を借りながらも、その先にどう新しい言葉を紡ぎ出していけるのか。これは文学論でもあるだろう。統一の妻がいそしむガーデニングに連なって”いかに自分

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    2025年12月07日
  • ゲーテはすべてを言った

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    ゲーテ学者が出典がわからないゲーテの言葉を調べる壮大な物語です。
    ゲーテ学者は博把統一(ひろばとういち)に義父は芸亭學(うんていまなぶ)とまた難しい人名ですが、とても心の豊かな人たちでした。

    ゲーテという人は音楽の世界でも詩の世界でも登場する人ですが、少し近くに感じられました。

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    2025年11月24日
  • 携帯遺産

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    前作『ゲーテはすべてを言った』にあった博覧強記のエンタメ性とは違って、今作は天真爛漫な文学の雰囲気があって微笑ましく読みました。基本的に別々である書き手と作品の距離を近くして語られることもままある面倒なこの頃、なら殆ど重なるような自伝やその体裁をとった小説であれば書きやすそう、と読む側でしかない私は思ったりしていたのだけれど、実際素材として揃っているものは自分の生きてきた大切な時間や記憶なのだから、どこを使うのか捨てるのかの選択は創作よりも難しいだろうし、伝えることが考えの押し付けにならないようするのも慎重に期す部分が多くて寧ろ書きにくいものなのかなと考えが改まりました。主人公の舟暮按(アンネ

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    2025年11月22日
  • ゲーテはすべてを言った

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    すごく芥川賞、文学的な小説を読んだ気がする。選者に「ペダントリー」という表現があったけどその通り読む人を置いていくレベルの高い研究者の話ばかりでゲーテとか西洋文学の文学的研究がほんとにこんなものなのかは分からないけど文学に造形が深く学問を心から楽しんでいる父と娘の会話が言葉と知識が文章に根付いていると感じた。作者はまだ20代?
    一方で、私はなんとなく文学って作者の生死観とか根源の欲望とかをメインに書くものな気がしてるのね。「空想上の文学者の日常」のお話をわざわざ書いて何のために何を表現したいんだ、と思う気がしなくもない。

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    2025年11月17日
  • 携帯遺産

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    わからないことも含めて楽しめました。小説を書くって、こういう作業を重ねていくってことなのかなあ、と思いました。

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    2025年11月06日
  • ゲーテはすべてを言った

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    オーディブルにて、最後まで聴きました。

    ゲーテの言葉を探し求めて、アカデミックな世界で主人公が新たな発見をする物語。

    偉人の名言はこのようにして現代に伝わってきたのか。
    名言を大層に語った経験は誰しもありますが、その存在は実にあやふやなのだと気付かされます。

    「ごったにカクテル」を飲んでみたいと思いました。

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    2025年10月29日
  • 携帯遺産

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    英文学や聖書に詳しくない私にはなかなか手強い作品でした
    主人公の甥が、空から降ってくるお話をつかまえようと手を叩いてるシーンが素敵で印象的

    登場人物の名のアナグラム2人は分かったんですが、他の登場人物もアナグラムなのかなと思うと内容に集中できなかった


    舟倉按(ANN FNEKRA)
    →アンネ・フランク(Anne Frank)
     アンネの日記の著者
    台場有奈(だいばありな)
    →ダイアナ・バリー
     赤毛のアンの主人公の親友

    アナグラムではないけど
    蛇羽宇奥(じゃばうおく)
    →ジャバウォック
     『鏡の国のアリス』にある架空の生物



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    2025年10月13日
  • ゲーテはすべてを言った

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    「引用の織物」という言葉が何度も頭に浮かびました。
    自分の言葉、ということを考えさせられる物語でした。

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    2025年12月10日
  • 携帯遺産

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    作家が自伝を描くことで、失踪した父親を求める気持ちが膨らんでいく。たくさんの古典の蘊蓄や創造した作品などが混然としてケムに巻かれたような面白さもあった。

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    2025年09月03日
  • 携帯遺産

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    ウィットに富み、格調が高い文体なのに、力みがない。言葉遊びも独特。難解な描写も、自由に想像して楽しむ。視覚でも楽しめる工夫(按が生笑に物語を語る場面)が為されており、読者への細やかな気配りと愛を感じた。

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    2025年07月22日
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    いやぁ〜、私にとって素晴らしい読書時間を満喫できました。ゲーテはすべてを言ったで芥川賞を受賞後、第一作目として注目の作品。前作同様アカデミックでありながら、一方で愛を感じるめちゃくちゃ良い話だった。衒学的ではあるものの作者の文学、歴史への深い造詣と作家に対するリスペクトと自分自身の作者であることへの矜持が伝わる。愛こそすべて…。

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    2025年07月12日
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    作者の知識量がすごい。大半は知らない固有名詞で、書かれていることもわからないことが多いけれど、なんとなく雰囲気が好き。

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    2025年06月30日
  • 携帯遺産

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    主人公のアンは、アンネ・フランクのアナグラム?前回の作品には、ニキ・ド・サンファルのタロット・ガーデンの本が出てきて、うぉっ!となったけど、今回はアドルフ・ヴェルフリが!鈴木さんの小説は、本当にいろんな楽しみ方ができて、毎回ワクワクする。いろいろなものが潜んでいるから、何度も読みたくなるし、古典文学にも興味が湧く。本を読みながら本を読みたくなる不思議な本!

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    2025年06月15日
  • ゲーテはすべてを言った

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    「愛はすべてを混淆せず、渾然となす」
    ゲーテ研究の第一人者である博把統一は、あるレストランで偶然この言葉と出会った。出会ってしまった。

    ゲーテはこの言葉を本当に言ったのか?博把がその真実を探す物語。最終的にはその探究の中で、「本当に言ったのか?」とは違う観点の結論に至ります。


    アカデミックな文体のためか、途中は少々退屈に感じました。純文学なので展開が少ないのはそんなものと言えばそんなものかもしれません。あるいは丁寧な描き方とも言えるでしょうか。

    個人的には最後の締め方は良く、読んで良かったなと思います。哲学的なことに興味がある方には特にオススメの作品です!

    設定 2.5
    読みやすさ

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    2026年01月06日
  • ゲーテはすべてを言った

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    少し難しかった...
    作者がこの作品書き上げる時に膨大な調査と知識を使ったんだろうなというくらい設定がしっかりしていた。

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    2026年01月05日
  • ゲーテはすべてを言った

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    芥川賞受賞作
    ゲーテ学者の彼は、家族との団欒の際に、ティーバッグのタグに書かれた言葉に引き寄せられる
    これは、ゲーテが紡いだ言葉なのか?

    膨大な原典を読み漁り、周りの研究者へも助けを求めるが、分からず…

    単なる文字の羅列に過ぎない言葉が、果てしない旅を導き、そして、さまざまな人との出会い、別れ、、、ひとつの真髄とは…

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    2025年12月27日
  • ゲーテはすべてを言った

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    ゲーテはすべてを言った

    ティーカップに書かれていたある言葉の出典がゲーテだが、ゲーテ学者はそれを知らず、出典を探す話

    ドイツ人の中で「ゲーテ曰く...」というジョークがあるというのがまず面白かった。日本で言うと。「... みつを」みたいな感じか。

    そして、言ったか言ってないか論争についてはハッとさせられた。
    本になったり、訳されたりした時点で確かに原文から変わってくる訳で、厳密にそのことを言ったかどうかって証明は難しい。

    ゲーテが好きになった理由が、シャーマンキングに出てくるファウストのセリフ『時の止まれ。お前は美しい。』を気に入ったことが始まりだったけど、このように翻訳されているのは

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    2025年12月20日
  • ゲーテはすべてを言った

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    芥川賞受賞作。

    とある言葉をゲーテさんが言ったのかを調べる、お話(?)。

    物語にはなっているけど、学者界の話など、中盤は小難しく純文学だなぁ、と思いました。

    ゲーテ曰く、小難しいと純文学になんねん。
    ゲーテ曰く、白って200色あんねん。

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    2025年11月30日
  • ゲーテはすべてを言った

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    主人公が大学教授であり、ゲーテを初めたくさんの文豪について多くが割かれ、アカデミックな展開。実際に、ゲーテもどんな人か良くわからない中ゲーテ論が展開されるため、始めはかなり難解に感じた。また。学問を探求することが当たり前の環境で織りなす議論は難しいと同時に現実味が薄く感じた。
    読み終わった後、最終的にゲーテがこの物語にどう関係したか、人に説明できる気がしないものの家族の絆も含め、最後は何となく、まとまった作品だった。

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    2025年11月30日
  • ゲーテはすべてを言った

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    学者や戯曲、格言の引用が沢山出てくるので、哲学の知識がほぼない私にはかなり難しかった。でも、その前提知識があればもっと面白く読めるんだろうなと思いながら読み進めた。

    ティーバッグのタグに書かれた「ゲーテの言葉」とされる一文の出どころを追う、という軸がありつつ、実際には「誰もが自分の中に “ゲーテ像” を作り上げ、その視点によって語る真実が変わる」という、すごくモダニズム的な物語になっているのが印象的。

    そして何より、同世代の人が書いたとは思えないほどアカデミックで、素直に尊敬した。恥ずかしながら、私自身も文系だけど「文系の研究って、例えば教授たちは何をそんなに深掘りしてるんだろう?どこに“

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    2025年11月17日