鈴木結生のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレゲーテ学者博把統一が結婚記念日のディナーで出会った、彼の知らないゲーテの名言を探し求める話。第172回芥川賞受賞作。
父が鈴木結生さんのクリスマス講演を聞いてとても面白かったらしく、クリスチャンで年が一つ違い、同郷という共通点にも親近感を覚えて(ゲーテには全く馴染みがないけど)読みました。
「ゲーテ学者が侵した、超えてはならなかったはずの一線」という帯や、「徳歌のハンドバッグに詰め込まれたティー・バッグは博把家のゴミ袋に詰め込まれ、回収されることになる(これは結局どうなったのか時系列を辿って振り返ってみてもまだわからない…)」という描写を見て、なにかサスペンスが始まるのかと思ったけどそうで -
Posted by ブクログ
芥川賞を受賞した鈴木結生氏の受賞後の最初の作品。次作を楽しみにしていたので、期待して読んだ。
イギリスとC・ディケンズが好きなファンダージ作家の舟倉按が、自伝小説を書き進める中で、父や母のこと、自分を
振り返る、自分の記録を探す物語。
独特の表現、イギリスのgenntleman、loue、英語の振り仮名だったり、「携帯財産+X」などなど。さーっと読んだだけでは、ん・・・?と思ったりするし、作者の圧倒的な知識に、これはどういう意味なんだろうと考えながらページをめくった。作者の意図することは、理解できているとは思えないが、主人公の按の頑張る姿はつい応援したくなるし、独特の世界観はちょっと -
Posted by ブクログ
前作『ゲーテはすべてを言った』にあった博覧強記のエンタメ性とは違って、今作は天真爛漫な文学の雰囲気があって微笑ましく読みました。基本的に別々である書き手と作品の距離を近くして語られることもままある面倒なこの頃、なら殆ど重なるような自伝やその体裁をとった小説であれば書きやすそう、と読む側でしかない私は思ったりしていたのだけれど、実際素材として揃っているものは自分の生きてきた大切な時間や記憶なのだから、どこを使うのか捨てるのかの選択は創作よりも難しいだろうし、伝えることが考えの押し付けにならないようするのも慎重に期す部分が多くて寧ろ書きにくいものなのかなと考えが改まりました。主人公の舟暮按(アンネ
-
Posted by ブクログ
ネタバレゲーテ研究の権威が知らないゲーテの名言に出会ってその出典を探す話。
タイトルはジョークであるとともにゲーテの偉大さを示す言葉でもある。
ゲーテの名言を軸に、言葉や文学をめぐる考察がアカデミックな世界で展開する。
謎解き要素が物語を先へ進める原動力になっている。
半日で読み終えるくらい面白かった一方、登場人物全員のエリートっぷりおよび知的(?)な文体に少々辟易した。22歳でもまだサンタからのクリスマスプレゼントがあり、レ・ミゼラブルの劇中歌を口ずさみ、ドライブ中にバッハをかける家族。げえ。何が「もう付き合うしかないよね」だ。語り手の娘は最初から最後まで鬱陶しくて好きになれなかった。嫉妬やない -
Posted by ブクログ
ユーモアがきいていて、面白い。
ゲーテに対する熱が伝わってくる。
やや息苦しいくらい。
架空の人物の著作の盗用・・・
笑ってしまう。
アカデミズムのペラペラさ加減を表現しているのか?
しかし、「誰が言った」などということを重要視するのが学問ではない。
そういうことも感じさせる。
まずは登場人物の名前が面白い。
そこに惹かれる。
本文の内容は、ゲーテやファウスト、その周辺の文学についての知識がないと、読みがつまってしまう。
決して読みやすいわけではなかったが、学者のうんちくに付き合わされている感はでた。
以前から、芥川賞の作品は、いろんな角度から眺めることのできるものが多い、と感じていたが -
Posted by ブクログ
細かいこと書きます、ごめんなさい。
イタリアンレストランで娘が帰り際に大量にティーバッグを取ってきて名言が書いてあるタグを片っ端からチェック、結局はバッグに入れっぱなしにして1ヶ月後に捨てるって、なんかイヤなんだが…。
統一が綴喜と食事する場面、注文したのはショートパスタだけど、「パスタを巻きつけたフォークを置き」とあり、途中で違うもの(ロングパスタ)も注文したって設定?とか思ったり。
登場人物のちょっと読みづらい変わった名前のせいで、なんて読むんだっけ?と読んでいる流れが途切れてしまい、何度か同じところを読み返すことも。
全体のアカデミックな雰囲気とかはとてもよかったし、好き。最後にドイツ