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Posted by ブクログ
芥川賞作家 鈴木結生氏の受賞後第一作。
英国に傾倒しているファンタジー作家・舟倉按が自叙傳を依頼される。この仕事に取り組む中で自身の記憶に向き合う。
ストーリー自体は分かりやすく、起伏も少ないので、固有名詞や表現が独特なところはあるが読みやすい部類。主人公自身の考えが科白として言う(考える)ので読めばわかる。過去の創作者(今作はディケンズ、前作はゲーテ)を題材に展開するものであり、前作と似ているなと感じる。
鈴木結生氏のBookishな面が非常に色濃くでており、読むだけで賢くなったような気分になれる。
作中で取り上げられている作品には、著者が創作した実在ではないものも多い。
今作は、少年漫画誌などの要素についても言及がある。
ここまでの2作で知識の引き出しはすごいというのを見せてくれたが、次はそれだけではない作品を読ませてほしい。
Posted by ブクログ
芥川賞を受賞した鈴木結生氏の受賞後の最初の作品。次作を楽しみにしていたので、期待して読んだ。
イギリスとC・ディケンズが好きなファンダージ作家の舟倉按が、自伝小説を書き進める中で、父や母のこと、自分を
振り返る、自分の記録を探す物語。
独特の表現、イギリスのgenntleman、loue、英語の振り仮名だったり、「携帯財産+X」などなど。さーっと読んだだけでは、ん・・・?と思ったりするし、作者の圧倒的な知識に、これはどういう意味なんだろうと考えながらページをめくった。作者の意図することは、理解できているとは思えないが、主人公の按の頑張る姿はつい応援したくなるし、独特の世界観はちょっと非現実的で、二次元の本なのに視覚的にも楽しめる、そんな世界に浸れるのは楽しい。
Posted by ブクログ
前作『ゲーテはすべてを言った』にあった博覧強記のエンタメ性とは違って、今作は天真爛漫な文学の雰囲気があって微笑ましく読みました。基本的に別々である書き手と作品の距離を近くして語られることもままある面倒なこの頃、なら殆ど重なるような自伝やその体裁をとった小説であれば書きやすそう、と読む側でしかない私は思ったりしていたのだけれど、実際素材として揃っているものは自分の生きてきた大切な時間や記憶なのだから、どこを使うのか捨てるのかの選択は創作よりも難しいだろうし、伝えることが考えの押し付けにならないようするのも慎重に期す部分が多くて寧ろ書きにくいものなのかなと考えが改まりました。主人公の舟暮按(アンネ・フランクのアナグラム!)が最後に自伝的小説を書き直す決意を示すのも、作品全体を大きな愛が緩やかに包んでいるのも良かったです。済補(スマホ)の次が来貨(クレカ)とは予想外でした。
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