鈴木結生のレビュー一覧
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「ゲーテはすべてを言った」は、どんな言葉も「ゲーテ曰く」を付けることで「わかるー」「言ってそうー」となるドイツあるあるらしい。(これがホントのなのか鈴木さんの創作なのか、よくわからない)
ゲーテの研究者である博杷統一は、家族で食事に出かけた先で、紅茶のティーバッグのタグに何か書かれているのを発見します。
どうやら愛に関する名言らしく、統一のものには「愛はすべてを混淆せず、渾然となす・ゲーテ」とある。推しを引き当ててご満悦の統一。はて、これはどこに出てきた言葉だったかと、その出典を探すんだけど見つからない。
私はまずゲーテからよくわからないのでどこまで話が見えてるかは謎ですが…
ゲーテの言葉を探しているうちに、統一の周り全部が引っくるまって真相に近づいていく感じが面白かったかな。
登場人物の名前のクセにはびっくりしました! -
Posted by ブクログ
第十回林芙美子文学賞受賞作品。
デビュー作。
鈴木結生さん3冊目。知識力にまた驚かされた。海外文学、辞書、聖書などの知識が網羅されていた。難しいと感じ、噛み砕くように読み進めた。
それでも、どの作品も登場人物の名前や物の名前にひと工夫がされ、おもしろさも感じた。以前読んだ作品と同じく、そこから鈴木結生さんの世界に入っていける。そして読んでいくと何となくつかめてきて、楽しめる不思議な感じを味わえた。
【人にはどれほどの本がいるか】
気になるタイトルの短編。九官鳥に毎朝本を読み聞かせている、蔵書4万冊越えの主人公。彼の本がどのように整理されたのかが書かれていた。なによりも小説の冒頭の彼の姿に驚かされた。読書家、蔵書家、愛書家、どれになりたいのかを想った。
【完壁(璧?)な辞書】
辞書の誤りを見つけることをライフワークとする国語教師と、より多くの間違いを見つけることを競い合う同僚の物語。文芸競技(セルメタン)の結果に至るまで、ことばの渦に巻き込まれた感じ。枕投げを表現するオノマトペが面白かった。
【猫にバイブル】
架空の小説家「枢蓼虫(くるりりくちゅう)が、生前発表していた二つの随想と、この度新たに発見されたテクストを1個の小説作品としてまとめたもの」が書かれている。そのなかで聖書のなかに自らの文章を書き入れてきたという事実を明らかにする。意味がわかるまで挫折しそうになるくらい難しかった。
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Posted by ブクログ
ユーモアがきいていて、面白い。
ゲーテに対する熱が伝わってくる。
やや息苦しいくらい。
架空の人物の著作の盗用・・・
笑ってしまう。
アカデミズムのペラペラさ加減を表現しているのか?
しかし、「誰が言った」などということを重要視するのが学問ではない。
そういうことも感じさせる。
まずは登場人物の名前が面白い。
そこに惹かれる。
本文の内容は、ゲーテやファウスト、その周辺の文学についての知識がないと、読みがつまってしまう。
決して読みやすいわけではなかったが、学者のうんちくに付き合わされている感はでた。
以前から、芥川賞の作品は、いろんな角度から眺めることのできるものが多い、と感じていたが、この作品もまたそうだと思った。
しかし、いわゆる「名言」は、別に名言だとも思えないものもたくさんあるなぁ、と思う。
当たり前だろう。とか、そんなの生きていたら感じるでしょ。というようなものがたくさんある。
立派な人・有名な人が言ったから、名言たり得ているだけなのだという一面もあると思う。
言葉遣いに敏感で繊細で、ユーモラスな作品。
そして、多くの名言の言葉たちの中に、大きな太いうねりがあるように感じた作品だった。 -
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細かいこと書きます、ごめんなさい。
イタリアンレストランで娘が帰り際に大量にティーバッグを取ってきて名言が書いてあるタグを片っ端からチェック、結局はバッグに入れっぱなしにして1ヶ月後に捨てるって、なんかイヤなんだが…。
統一が綴喜と食事する場面、注文したのはショートパスタだけど、「パスタを巻きつけたフォークを置き」とあり、途中で違うもの(ロングパスタ)も注文したって設定?とか思ったり。
登場人物のちょっと読みづらい変わった名前のせいで、なんて読むんだっけ?と読んでいる流れが途切れてしまい、何度か同じところを読み返すことも。
全体のアカデミックな雰囲気とかはとてもよかったし、好き。最後にドイツに行ってからのすべてがするするとまとまっていく感じも気持ちがよかったです。ファウスト、気になりますなぁ。 -
Posted by ブクログ
言葉と歴史の面白さを知れた一冊。
「ゲーテはすべてを言った」と言われるほど名言づくしの彼。
その彼が言ったとされるある言葉を探していく物語。
話としては中盤から家族のわだかまり、教授とのいざこざ、和解…のようなものがあり、最終的には丸く収まりハッピーエンドでした。
何分教養が無いもので理解し切れない部分も多々あったが、歴史を知って読むともう一段階楽しめるのかなと思う。
特に印象に残ったのはゲーテやその家族の話ではなく、チャップリンが言ったとされる
「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇である。」
という言葉。
これから転職をして環境が大きく変わる私にとって、背中を押してくれそうな言葉だ。 -
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博把徳歌(娘)が、父・統一と母・義子を郊外のイタリア料理店へ連れて行ったのは、十二月初めの火曜の晩のことである。
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25歳
【第172回芥川賞受賞作】
高明なゲーテ学者、博把統一は、一家団欒のディナーで、彼の知らないゲーテの名言と出会う。
ティー・バッグのタグに書かれたその言葉を求めて、膨大な原典を読み漁り、長年の研究生活の記憶を辿るが……。
ひとつの言葉を巡る統一の旅は、創作とは何か、学問とは何か、という深遠な問いを投げかけながら、読者を思いがけない明るみへ誘う。
若き才能が描き出す、アカデミック冒険譚! -
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ネタバレ作家の舟暮按が、編輯(へんしゅう者)の台場有奈から文学的自叙傳(バイオグラフイア・リテラリア)を書くべきでは、と提案されることから物語が進んでいきました。
普段使わない漢字や読み方、英語が多く使われ、しかも古典から現代の文学まで網羅されていました。知識不足の私は、読むのがとても時間がかかってしまいました。しかも完全に理解できた自信はありません。
でも、舟暮按が、始めは渋っていた自叙伝をようやく完成させたものを抹殺し、新たなタイトルをつけたときに、私までなんだかほっとしました。両親の発言などから新たに生み出されたこの自叙伝が、これからどんなものになるのかとても気になりました。
最後の終わりかたは、今後の展望が期待される感じでした。最後の「パン」が何だかとてもいい終わりかただなと思いました。