鈴木結生のレビュー一覧

  • ゲーテはすべてを言った

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    ⭐︎3.5
    最初から中盤にかけては淡々とした学術的な探求が続き、正直少し退屈に感じてしまった。
    しかし、後半に入ると散りばめられていたパズルのピースが見事にはまっていく展開になり、一気に面白さが加速した。
    特に「娘の彼氏」のことや、然氏の仕掛けた「壮大な悪戯」のくだりは、小難しい雰囲気の中に人間臭さやユーモアが溢れていて非常に楽しめた。
    序盤の助走が長かった分、全体としての評価はこのくらいに落ち着いたが、最後まで読んだときの着地や仕掛けの鮮やかさは間違いなく味わえる一冊だった。

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    2026年04月10日
  • ゲーテはすべてを言った

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    ネタバレ

    YouTubeの一万円もらって書店で本を購入するコンテンツで知り、興味を持ったので読んでみました。

    ゲーテや昔の偉人の話をふむふむと読んでいるなかに、東日本や能登の震災が出てきて、急に現代に引き戻されたり、現代的なんだけどゲーテの時代にも思いが馳せられる、静かだけど情熱的なお話。

    やはり知識の海に身を浸すのは、幾つになっても楽しいんだよねぇ。好きなことなら特に!と思い、今年はたくさん本読もうと改めて思いました。

    そんでもって、後記の最後の一文が1番好きかも。こういうユーモア、好きです。

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    2026年04月06日
  • ゲーテはすべてを言った

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    自分の頭への限界を感じることが、日々それなりにある。抽象的な言葉や概念を理解できないし、体系的に物事を考えたり、段取りを立てることも苦手。混沌とした話から主題を見つけることや、物事に対して持つべき視点のようなものがいつまでも分からない。この本の登場人物のように、日常の会話に瞬時に学問を持ち出すなんて到底できない。
    学問への憧れがいつまで経っても止まないのは何故なんだろう。本を読んで、とある世界を知って、その度に、その世界に生きる人に憧れる。私も理解してみたいと思った、と同じような感想を毎回書き残す。

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    2026年03月02日
  • ゲーテはすべてを言った

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    「作家や思想家っていうのはどこからか飛んできた木の葉の一枚から、自分の森を創り上げてしまう人間だろう」
    小難しくて読むの大変だったが、後半は 名言探し が面白くなって来た。本作は 主人公の娘の夫が書く という形式になっており、書き手本人も登場している。が、どこまで事実か?然教授が仕掛けた「嘘」もあるから、考えていくと思考の渦に入り込む…

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    2026年02月09日
  • ゲーテはすべてを言った

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    不思議な本だった。登場人物の生活描写は全てがハイソで全く親しみが湧かないし、ゲーテについての知識もこちらはないので、主人公の葛藤が今ひとつわからない。
    それでも妙に読み心地は軽やかで、確かなストーリーがあり、その合間に夢想のようなものが詰まっている感じがした。
    普段親しんでいる本とは全く違うのに、読んでいて明るい気分になる。
    こんな本はあまりないような気がする。

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    2026年02月05日
  • トーマス・マンはなぜ日本で愛されるのか

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    西洋文学にあまり興味のなかった私が魔の山はハマったので、その理由が知りたく読んでみた。
    マンに対する考察は3人それぞれに興味深く良い本だったが、なぜ日本に愛されるのかは私には分からなかった。

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    2026年01月31日
  • ゲーテはすべてを言った

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    久しぶりに「言葉の羅列、言葉の濫立ばかりの小説」を読んだという感じだった。
    読み始めた時は、哲学的な内容の小説かなと思ったが、途中から名言格言の根拠、発生源的なものを探究する内容となり、最後には登場人物が自分なりの解釈と納得で終わった感じだった。この小説、いったい何を描きたかったのだろうかと思ってしまう。
    ただこの小説では、大事なことは「ゲーテはすべてを言った」と言うジョークではなく、出典も根拠も分からない「愛はすべてを混淆せず、渾然となす」と言う言葉だろう。
    主人公の統一が妻や娘、義父、義母に抱く愛情、友人や同僚に思う友情、尊敬、弟子などにもかける
    愛情。これらは確かに愛と言えるだろうし、そ

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    2026年03月19日
  • 携帯遺産

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    忍耐強い読者(文中のあり(笑))として完読しました。

    前作に引き続き、不思議な登場人物の命名、古典と英語がいっぱいの独特なストーリー、SFものではないのですが、異世界に連れ出されたようです。

    けど、タイトルの「携帯遺産」がなんかるか・・・だけはなんとなくわかった気がします。それ以外はほとんど???ですけど(笑)

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    2025年07月07日
  • 携帯遺産

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    ネタバレ

    作家の舟暮按が、編輯(へんしゅう者)の台場有奈から文学的自叙傳(バイオグラフイア・リテラリア)を書くべきでは、と提案されることから物語が進んでいきました。

    普段使わない漢字や読み方、英語が多く使われ、しかも古典から現代の文学まで網羅されていました。知識不足の私は、読むのがとても時間がかかってしまいました。しかも完全に理解できた自信はありません。

    でも、舟暮按が、始めは渋っていた自叙伝をようやく完成させたものを抹殺し、新たなタイトルをつけたときに、私までなんだかほっとしました。両親の発言などから新たに生み出されたこの自叙伝が、これからどんなものになるのかとても気になりました。

    最後の終わり

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    2025年06月28日
  • 携帯遺産

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    『ゲーテはすべてを言った』で第172回芥川賞を受賞した作家の受賞後第1作。
    人気ファンタジー作家の舟暮按(ふねくらあん→アンネ・フランクのアナグラム。1文字足りないがw)が、知り合いの編輯者に薦められて自傳を書くことになり、これまで辿ってきた人生を振り返る物語だ。
    旧字体や当て字を多用した文体、横文字が入り乱れるスタイルは前作同様だ。タイトルはディケンズの小説『大いなる遺産』から取られており、作中にも多くのトリビアが登場する。それ以外にも本筋とは関係のないあれやこれやがてんこ盛りで、読み進めるに苦労したが愉しかった。

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    2025年06月28日