甘糟りり子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
奥田英朗がおもしろすぎるので、早く読み終わってしまった時の保険に買ったのであったが、何ともかんとも素晴らしい作品だった。保険とはいえ、ジャケットとタイトルに魅かれたのは事実。
甘糟りり子の作品を読むのはこれが初めてで、名前を知ったのもこの時。
実在のレストランを舞台に繰り広げられる人間模様。男と女の物語。しかし私のような庶民の生活とは全くかけ離れた、正直言ってあこがれのような世界の住人が描かれているのである。私の収入では、1年に一度の贅沢のような食事の場面が普通の生活の一部として描かれ、そんな中お金と時間を持て余して、それをどうやって使うかということに頭を悩ませるような人々。であるが、そこに登場する人物の悲哀には共感させられる。住む世界は違うが人間くさいのである。
とある話では端役であったものが他の話では主人公になっていたりするという、私の世代ではタランティーノ的とでも言うべき、今ではよくありがちな手法ではあるが、人間描写に深みを感じさせるものがあり、それがとても効果的で作品のおもしろさを増しているのである、1話読み終わっても次が気になる・・・全部で8編からなっている。
この作品のタイトルのような「みちたりた痛み」を味わうようなことが私の今後の人生にはたしてあるものだろうか・・・などといぶかしげに思ったりもするが、この一冊で、甘糟りり子という作家に興味を持った。次に出会う作品も期待してしまうな、これは。 -
Posted by ブクログ
鎌倉の海辺のホテルで、ウエディングプランナーとして働く美春。一つ年上の夫・朋希の40歳の誕生日に、ライカのカメラを奮発したことから二人の仲がぎくしゃくしはじめる。結婚するときに、子供はいらないと充分確認し合ったはずなのに、将来のために子供のことを考えたいと言い出したのだ。それからは母親の手術をきっかけに、不妊治療中の姉夫婦とも不仲になるなど、朋希との隔たりは一向に修復できないまま。そのあげく、二人は子どものことが原因で離婚に至るのだった……「独身夫婦」/結婚12年。夫が突然家を出ていき、義母と息子、友人カップルたちと鎌倉の古民家に同居することになり……「拡張家族」/再婚同士、43歳で結婚した花葉はどうしても二人のDNAをこの世に残したくなり、最新技術を求めて海外へ……「海外受精」──妊娠と出産をめぐって“女性の選択”を問いかける小説集!(紹介文より)
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紹介文のとおり。
産めない、産みたい、じゃなくて、
産まないも当たり前であっていいのでは?という問いかけを感じる。
誰もが出産に強いこだわりがあるわけではなくて、
ただ何となく産みたいとは思わない人もいるんだろうなと。
さらに、状況や年齢によって
その思いが揺れ動くことも良く描かれていて
女性の人間味が伝わる内容だった。
「産む」というのは、改めて人間にとって大きなターニングポイントになるものだと実感。
色んな人物を描き分けていて、良いストーリーだった。