甘糟りり子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
奥田英朗がおもしろすぎるので、早く読み終わってしまった時の保険に買ったのであったが、何ともかんとも素晴らしい作品だった。保険とはいえ、ジャケットとタイトルに魅かれたのは事実。
甘糟りり子の作品を読むのはこれが初めてで、名前を知ったのもこの時。
実在のレストランを舞台に繰り広げられる人間模様。男と女の物語。しかし私のような庶民の生活とは全くかけ離れた、正直言ってあこがれのような世界の住人が描かれているのである。私の収入では、1年に一度の贅沢のような食事の場面が普通の生活の一部として描かれ、そんな中お金と時間を持て余して、それをどうやって使うかということに頭を悩ませるような人々。であるが -
Posted by ブクログ
それぞれ視点やテーマの異なる、妊娠と出産に関する7つの物語のある短編集。35になる年齢で結婚も出産の予定もない人間として読んだが、非常にメンタルがざわついた。考えさせられるとか自分ならとかそういう手前のもやもやというか。これだけ多くの選択肢がある現代においてもなお「結婚して子どもをもうける」選択が絶対的正解、手放しで誰もが喜ぶべきもののように捉えられる社会の中で、そうしたくてもできない・そうしようとしているのになかなか叶わない人たちや、他の選択をする人・その選択を取りうる年齢を過ぎゆく人に世間は厳しい。どんなに苦しんでたとしても。この本を読んで特別救われることはないけれど、そういうこともあるん
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Posted by ブクログ
タイトルは「産む、産まない、産めない」の3つに分けられているけど、この本を読むと女性の数だけ妊娠・出産にまつわるエピソードがあるんだと夢中で読んでしまった。
特に心にグッサリきたのは、老舗呉服店に嫁いだ主人公が、姑から早く孫をとプレッシャー受けながら、なかなか妊娠に至らない悩みを書いた「コイントス」かなぁ。
妊娠・出産にかかわらず、諦めたいけれどキッカケがなくて辛いってことあるよねぇ。
妊娠・出産は女性だけのものじゃない。
体の負担だけで言ったら女性特有のものになっちゃうけど…
無関係だと思っている人にこそ読んで欲しいと思った1冊でした。