渡邉雅子のレビュー一覧

  • 「論理的思考」の社会的構築 フランスの思考表現スタイルと言葉の教育

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    自分の知っている論理的な文章の構築方法とは異なるフランス式の「ディセルタシオン」について、フランスの教育文化の歴史とともに解説している。『現代社会思想』で解説のあった「脱構築」に近いものを感じる。
    おそらく自分達が普段からよく見るパターンは日本式であったりアメリカ式の展開の仕方をした文章や論文が多いと思うが、そうではない表現を仕方でとても興味深かった。

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    2024年10月03日
  • 「論理的思考」の文化的基盤 4つの思考表現スタイル

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    合理性を、形式的/実質的、主観的/客観的の四象限に分けて相対化し、それぞれを代表する各国(アメリカ、フランス、イラン、日本)の教育文化を比較研究した本。とんでもなく面白かった。

    個人的には、ビジネスで必要となる論理思考と、日本の教育にズレがあるのを常々感じていたのだけど、この本でその理由がかなりクリアになった。

    ビジネス上の論理思考は、本書によるとアメリカに代表される「経済原理」の思考で、目的達成に直接結びつく効率的な行為が合理的な行動とされる。アメリカではこの原理に基づいた教育がなされており、エッセイという作文の教育を通じて、その論理思考が叩き込まれるのだという。

    それに対して日本では

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    2024年08月17日
  • 「論理的思考」の文化的基盤 4つの思考表現スタイル

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    素晴らしい書籍でした。学術系の書籍は難解であることも多い中、非常にわかりやすくかつ平易に記述され、また論拠も納得できる内容でした。
    企業の組織運営する際でも、日常のコミュニケーションの中でも、思考の違いを理解し、多様な考えを受け入れていくために大いに活用できると感じます。

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    2024年05月04日
  • 「論理的思考」の文化的基盤 4つの思考表現スタイル

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    一気読み。期待に違わず面白かった。高度なことをしてるのに読みやすくて、言語化の能力にも感嘆する。問いの立て方も研究方法への落とし方も実現する腕力も描かれる結果の面白さ壮大さも、全て本当に凄い。憧れなんて言えないくらいに尊敬。

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    2024年01月09日
  • 論理的思考とは何か

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    MBAの科目や、ちまたのロジカル・シンキング、クリティカル・シンキング本などから、これぞ論理的思考だ!と学んできたつもりだったが、その理解を覆されるような内容だった。
    本書では、論理的思考には上記を加え大きく4パターンの型があることを示している。各パターンが生まれた西洋や日本の社会的な背景から知ることで「論理的思考」という思考術の意義目的を確認できる。
    (論理的思考のハウツー本ではない)
    これまで知っていた「論理的思考」は、主張-根拠-結論の構成のもの(アメリカ式エッセイと呼ぶ)で、これは経済における課題を効率よく解くうえで有効であるものと知った。一方で、時系列に並べたり、起承転結の構成の馴染

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    2025年11月28日
  • 論理的思考とは何か

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    読み手の国や宗教など様々な要因によって、論理的思考の捉え方に違いがあると言うところがとても興味深い。
    日本、アメリカ、イラン、フランスの四つの型の考察はとても面白引き込まれた。

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    2025年11月23日
  • 論理的思考とは何か

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    フランス、イランにおける型の説明と比較は興味深かった。歴史的文化的な背景に起因する論理的思考の違いを学べた。

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    2025年11月22日
  • 論理的思考とは何か

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    線形思考、非線形思考みたいな話や、
    構造的、非構造的な話も含めて、思考法にたいする考えを深めたくて読んだ。

    軸は違うけど、やはりその思考法を客観的全体的に俯瞰して理解しておくのは、議論の前提として起用有した方がよいな。面白い軸になる。

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    2025年11月15日
  • 論理的思考とは何か

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    論理的思考は目的によって形を変えて現れる、としてアメリカ(経済)、フランス(政治)、イラン(法)、日本(社会)の作文教育から論理的思考の型を比較することに多くが割かれている。
    教育文化論が専門の筆者ということで各パーツは読み応えはあるが、アメリカ=経済のような図式に落とし込むのは単純化しすぎなきらいがあるし(この辺最後の方でうまく回収しているのだが)、なぜ作文教育に着目するのか?もピンと来ない。「論理的思考とは何か」の答えに辿り着けるのかこれ?と感じて途中からあまり内容が入ってこなかった(なのでちゃんとテクストを読めてない悪循環)。

    「なぜ読書感想文を書かされたのか」に厚みを持たせて1冊、の

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    2025年11月12日
  • 論理的思考とは何か

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    ゆる言語学ラジオで扱われていた書籍を手に取ったものの、専門的で読みこなせそうにないと思い、同じ著者によるこちらの新書を手に取った。

    普段は英語、日本語の会議通訳をしていて、日本のおじさまたちの話が曖昧で論旨がはっきりしない、などど同僚たちと愚痴りあうことも多いため、読んで自分たちの浅はかさをおおいに反省した。

    それ以外の部分でも、英語通訳は英語圏、特にアメリカの価値観に偏ったバイアスを思った以上に内面化しているのだなぁ、と思う。フランスとの作文の論旨の立て方との比較が特に興味深かった。

    日本の作文の歴史、綴り方からの変遷の部分も面白かった。感想文は戦後、比較的に新しく導入されたものである

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    2025年10月25日
  • 共感の論理 日本から始まる教育革命

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    「論理(ロジック)と呼ばれるものの中身は、実は万国共通ではない!」「その違いは幼少期の学校教育から始まっている!アメリカとフランス、日本の作文教育は、まったく違う執筆体験へと子どもたちをいざなう」「そして、そこに見えてくる日本らしさこそ、これからの時代の鍵では?」

    ホントかよ!と突っ込みたくなるような論旨だが、確かにとうなづける論理や提示のおかげで、信じられる内容に。

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    2025年10月21日
  • 論理的思考とは何か

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    文化的な背景によって論理的思考は異なり、大きく4つの論理的思考について説明されている。
    これを読むまでアメリカ式の論理が論理的思考だと思っていたが、何を大切にするかによって相手を納得させられる論理展開が異なるのは必然だなと納得。
    仕事なのかプライベートなのか、どのシーンでどの論理を取り出すのか適切に使うのかが大切。

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    2025年10月18日
  • 論理的思考とは何か

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    論理の形は文化によって違い得る。そのことをアメリカ(経済領域)、フランス(政治領域)、イラン(法技術領域)、日本(社会領域)の作文教育の方の違いから示す。一歩間違うとステレオタイプ化になりうるけど、「どの国においても四つの領域があり、人々は日常の判断においてそれら四つの領域の間をスイッチしたり、ザッピングして見比べたりしながら、四領域の区分をあまり意識しないまま選択を行なっている」(169ページ)とあるように人間は柔軟さを持っている。
    よく言われる日本人の論理のなさを弁護する意図が感じられたりするのは穿った見方すぎるだろうか。

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    2025年09月29日
  • 論理的思考とは何か

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    普遍的であるように感じられる「論理的である」ということ自体が、文化や目的によって異なるということに、とても納得しました。

    ひととの繋がりのなかで、相手の論理が成り立っていないと感じることは、誰しもあると思います。そういったとき、私はお互いの視野の狭さや理解の低さに原因を感じていました。

    しかし、同じ文化や教育を共有している日本人同士でも、それぞれの立場による「目的」に違いがあり、結果、論理的思考の文脈の違いが生じたことに原因があると理解・整理することで、自分と他者の意見の違いについて、考えやすくなったように思います。

    本書の中で、日本人は起承転結スタイルだと語られています。私もそのスタイ

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    2025年09月20日
  • 論理的思考とは何か

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    論理的に話して。
    これまで何度も言われてきた言葉だ。どうして伝わらないのだろう。なんでこの人は私の言いたいことが理解できないんだろう。幾度となく悩んできた。その悩みを解決するのがこの本だ。
    そもそも論理的であるということはどういうことなのか説明し、しかもそれが国や文化によって異なるという目から鱗としか言いようがない事実を私に突きつける。
    大切なことを学んだ。それは相手の枠組みを理解し、それに対応することで物事はずっとシンプルになる。
    難しい内容が多く、全てを理解できた訳ではないが非常に為になった。

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    2025年09月08日
  • 論理的思考とは何か

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    ネタバレ

    仕事をしながら、上司や同僚の求める論理性になんとなく違和感を感じていた。
    「ロジカル、論理的である」の定義が文化によって異なるのではないか、という本書の問題提起に、もしかしたら違和感のヒントがあるのかもしれないと思い、手に取った。

    作文教育の中で「なんのために書くか、伝えるか」という目的をどう設定するのかが、論理性の文化に影響を与えており、その論理性の文化を分類すると、経済・政治・法技術・社会という4領域となるようだ。

    ビジネスの場面では自分自身の現在の利益を最大化する「経済領域の論理」が採用されるが、政治の面では最も多くの人の害を最小化できるように複数の利害を調整する「政治領域の論理」が

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    2025年08月16日
  • 論理的思考とは何か

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    これを読むことで世の中には論理的思考の型が複数あり、論理的であるとはその型に従っていること、かつ両者でその型を共有していることなのだとしっくりきた。今までどれだけ自分なりに論理的に話していても、相手に通じないな、のれんに腕押しだなと思うことがあったが、これが原因だろう。また、この本を読んで改めて日本の作文教育が私は嫌いだと思った。

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    2025年06月29日
  • 「論理的思考」の文化的基盤 4つの思考表現スタイル

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    250611
    Xとゆる言語学ラジオで見て購入。
    論理的な思考の道筋がそれぞれの文化圏で違うという見方は新鮮だった。改めて、自分は日本の文化圏の考え方が染み付いているなと思うと同時に、贔屓というか、日本の時系列で語るやり方が好きなのだと感じた。枝葉末節を落としたくないというか、出来るだけ多くの情報を取り込んでから、それを内包した答えを出したいというか。

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    2025年06月11日
  • 「論理的思考」の社会的構築 フランスの思考表現スタイルと言葉の教育

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    フランス式の学校教育で実践されるディセルタシオンの分析をもとにして、フランスにおいて何が論理的であるとされているのかを学術的に分析した一冊。

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    2025年03月24日
  • 「論理的思考」の文化的基盤 4つの思考表現スタイル

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     岩波新書『論理的思考とは何か』の研究書版(というか、新書は本書のエッセンスを一般向けにまとめ直したもの)。学術的に書かれている分、著者の議論の特徴と問題点がより明確に出ていると感じる。
     著者の主張のエッセンスは、学校教育で「何を・どのように書かせるか」ということ自体に、その国・地域の社会的・文化的な特性が反映されている、というもの。だが、その国・地域の最大の問題点は、「論理」を文化的・社会的に構築されたものと捉える着想は重要としても、それを検討するモデルとして学校教育の作文がほんとうに適切なのかはよくわからないところがある。各社会、各文化が求める作文の「型」が、それぞれの思考のスタイルを規

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    2025年03月24日