ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
論理的思考法は世界共通ではない.思考する目的をまず明確にしてその目的に合った思考法を選ぶ技術が要る.論理学・レトリック・科学・哲学の推論の型とその目的を押さえ,価値に紐付けられた四つの思考法(経済・政治・法技術・社会)を使い分ける,多元的思考を説く.不確実なこの世界で主体的に考えるための一冊.
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
とても面白い本だった。文章もすっきりとしていて読みやすく、あっという間に読み終えた。論理的とは、読み手が期待する情報が期待する順序に並んでいることで、議論する社会での合意事項なのだ、というのは新鮮だった。議論の仕方は思考法とも密接に結びついているので、国際的なコミュニケーションでは心得ておくべきこと...続きを読むだろう。 社会によって重視している規範が異なり、論理展開(思考表現)には合理性(形式的および実質的合理性)と主観・客観性を二つの軸として四つの類型があるという。それが作文の教育に反映されている。確かに、アメリカと日本を比べるとそうだ。興味深いのはフランスのディセルタシオンで弁証法を取り入れているところ。相当な教養が求められそうだ。アメリカのエッセイやディセルタシオンには型がありそうだが、作文にはなさそうだ。このあたりに、論理展開の型が違うだけではない日本人の議論下手の一因がありそうに思った。序章の西洋思考のパターンも簡潔にまとまっていて、頭の再整理になった。
論理的思考といえばアメリカ式エッセイのように結論をまず言って論拠を重ねていく、まさに世界共通で普遍の論理だと思っていた。しかし本書により、何をもって論理的とするかは、文化や時代によって多元的であると実感することができた。ここでは、アメリカ・フランス・イラン・日本の歴史的な背景や教育制度を比較すること...続きを読むで理解を簡単にさせてくれる。逆に、中国やドイツ、ロシア・・その他様々な国はどのカテゴリーに近いのか気になった。これらの違いは言語によるものではなく、本人の文化がどういった価値観に重点を置いてるか、その社会的な背景の目的の違いによるものであり、多様性を理解することで複合的な論理的思考を選択できるという主張。 論理といえばアリストテレス(紀元前4世紀)、その影響は西洋で絶大で、今でもフランスではその伝統を受け継ぐような教育をしているとのこと。4分野の思考法は演繹的推論の論理学、蓋然的推論で説得を試みるレトリック、結果から原因を推測(アブダクション)する科学、弁証法で形而上的真理を探求する哲学に分類される。古代ギリシアのレトリックといえば、データや経験的事実を理性的に活用するか(ロゴス)、道徳心や共感など感情に訴えるか(パトス)、謙虚さや思慮深さを示して自分が信頼に足ると示して倫理的に説得するか(エトス)。まさに古代ローマの皇帝や元首、元老院や将軍の長い見事な演説に見られる通りの方法だ。また形式合理性、実質合理性のY軸と主観・客観のX軸マトリックスに当てはめた経済、政治、法技術、社会、それぞれの論理が分かりやすく分類されている。 アメリカの入試は13歳からはじまるといわれ、学業・芸術・スポーツ・社会貢献など実績を積み上げて大学の志望動機を説得のエッセイの根拠として築き上げていくスタイル。他社との差別化を論証する教育制度で、目的に向けて無駄がなく要領がよいものが勝ち上がっていく。これは高等教育の大衆化が背景にあり、論文を素早く採点できるまさに工業的な量産(経済重視、コスパ重視、タイムイズマネー)の背景がある。そして競争を勝ち抜いたエリート層は自分には能力があり、得られた地位や膨大な報酬が自分の能力の対価として妥当だと勘違いし、メリトクラシーの副作用としての分断が今アメリカで起きている。ヨーロッパ型のエリート教育から大衆教育への転換、もしかするとアメリカだけの話ではないのかもしれない。熟考が軽んじられ、経済優先で倫理が軽んじられるあたり、まさにアメリカの社会や企業を表していて目から鱗の因果関係に感じられた。 対してフランスは弁証法が重んじられるディセルタシオンの書き方に重きを置く。歴史的な背景はやはりフランス革命にある。法のもとの平等、政治主体としての国民を育成することが目的で、法律を評価し訂正する能力を付与することを求めるもので、近代の学校でよく見られるような国家を支える労働者や兵士を育成する目的とは一線を画する。そしてその探求に終わりはなく、ディセルタシオンの最後は今後の課題を提示する終わり方が理想とのこと。アメリカ方式からすると余計な弁証法の方式は無駄が多く、採点する側のコストが高くつく実害もある。そして引用元として未だに啓蒙時代のルソーなどが出てくるのもある意味衝撃的だった。 イランのエンシャーについては法技術の論理として紹介されているが、イデオロギー最優先(宗教原理主義)文化圏を理解する上で重要だ。結論は神の言葉ですでに提示されている。コーランはもともと暗誦さらることが前提だったため、作文の教育は最近始まったそうだ。これだけ自然や宇宙が調和しているのは神の存在を証明している、万有引力も相対性理論も進化論もそれを後押ししているということになるらしい。暗誦にとくに秀でた一部の特権者が法学者としてコーランを解釈する地位を得る。 そして日本の教育で紹介されるのは感想文だが、これは個人の経験から何を感じ、何を学んだかを内省させ、クラスメート(共同体)で共有して利他に基づく社会領域の道徳形成を担っているという。そこでは決して教師が正答を押し付けるのではなく、相手の立場にたって考える能力の高さを美徳としている。日本人の民度が特別高いとは思わないが、道徳が重んじられる社会的風潮があるのは確かだ。ちなみに起承転結で書くようにと小学校でも習うが、これは古代中国の漢文から来ているとのこと。日本人の曖昧さや決断力の欠如は批判的に見られることが多いが、予測不可能な新時代では大きな間違いを起こさず柔軟に対処できる点と、ゲーム理論にあるように裏切って短期的に最大利益を狙うよりも協力・協調する戦略が優利となる点を肯定的に捉えられている。確かにアメリカの目的と手段を直線的な論理で結ぶ思考法は、世界を単純化しすぎて、政策も失敗の繰り返しだ(まさに現在進行系)
名著ってこういう本のことを言うんだ、と思いました。 「はじめに」からとても興味深くて引き込まれ、少し分からないかも?と思った文のすぐ後には具体的で理解しやすい説明が入っており、こんなにも難しい題材なのにすんなりと理解できました。 四領域の思考法を読み、なんとなく一般に言われている論理的思考(ロジカ...続きを読むル・シンキング)が苦手だと思っていた私は、もう圧倒的に社会の論理が根付いている、完全に日本の教育に染まった人間だと分かりました。汗 本筋とは少しズレるのですが、学生の時、国語の心情問題に対して、周りに「なんでこんな問題出るんだ」「これできて何になるんだ」と言っていた人がいた事を思い出しました。たしかに勉強して解けるようになる問題じゃないな、とは思っていましたが、私は何の疑問もなく解けるタイプで「これができても意味無いのかな」と密かに思っていました。本書を読んで、知らないうちにいろいろな力を動員していたことを知り、初めて解けることを褒められた気がして、少し嬉しく思いました。 この本を読んで、「自分が拠って立つ」領域が見えたので、これから議論や何か意見をする時には、「目的は何か」をはっきりと捉え、その場に必要な思考法という手段を選びとることができるようになりたいと思いました。 と、普段通り書いたらしっかり感想文スタイルになっています。笑
論理展開について体系的に触れることができ、一長一短であるにせよ他の論法では通用しないことを分かりやすく実感した。やはり5パラグラフのエッセイは洗練された構造である点を再認識した。
この本の重要性を説明したくなったので、まとめてみる。 まず現代社会の問題として、行き過ぎた多様性とその結果による各コミュニティ間での合意形成の難しさについては、昨今頻繁に言われている。 これに対して筆者は解決策を論理的にかつ例証までして提示している。 実はこれはすごいことで、世間にいまだにはびこっ...続きを読むている多様性とは、他者性と接触しない自分の価値観を正当化するためのもので、つまり思考のモードは一つだけしか持たないものである。しかし全ての人が多様な思考のモードを同時に持つことができたら、多様性を持ちつつも普遍性も確保することができる。(これは哲学的課題である極端な普遍主義や相対主義のどちらにも陥らないための良い手段と言える。) そういったことや、その必要性は感覚的に漠然と感じていた人はいると思うが、著者は特に論理的思考プロセスという思考の前提であるがゆえに語りにくい領域を使って、その論理的思考パターンを4分類して例証して論じてみせた。 論理的思考以外にも色んな思考のモードがあるはずで、それらについても同様に同時に複数持つことでより生きやすくく争いのない時代が来ることを期待できるだろう。それをまた著者に書いてほしい。 しかし一番の問題は、私たち日本人だけがそういう意識でいたとしても、その他の人達が限られた思考パターンしか持たないときに起きる非対称性だ。 なので、この本をイランなどでも販売していただけるよう、応援しています。
本書は、「論理」がたった一つの「正しい」ものがあるのではないこと、目的によって適切な「論理」は変化することを明らかにする。そのうえで、「多元的思考」を打ち出し、複数ある「論理」を必要に応じて、選択的に用いることを推奨する。なぜなら、「多元的思考」は、私たちが多様な社会や文化の中で豊かに暮らすために必...続きを読む要な方法と視点となり得るからである。 本書を読んで、それぞれの国の社会、文化、歴史が、「論理」を作り上げていることを知った。「対話」の大切さが謳われる場面が多いが、意見を擦り合わせるためには、その意見を作り上げている「論理」の擦り合あせが必要となる。この意味で、「対話」とは、本当に大変な作業なのだと改めて認識した。 著者の言う「多元的思考」を一人ひとりが身につけていくこと。それこそが「対話」を開いていくのだろうと思う。
論理的な思考は世界共通ではなく、異なった型があるというのが本書の主題です。 論理的思考を 1 アメリカ型(経済の論理) 2 フランス型(政治の論理) 3 イラン型(法技術の論理) 4 日本型(社会の論理) の4バターンに分け、それぞれの思考法の特徴、背景、長所、短所等を分析検討し、その違いを明確に...続きを読むしていきます。 異文化の人の考え方や思考方法を知り、取り入れることはグローバル化している現在、とても大事なことだと感じました。 この本で紹介されている思考方法は、とても参考になりなした❗️ いい本でした
論理や思考に関心ある人は必読の本。論理的思考と言えば、結論から書き、その後に理由を述べるなどと言われる。 確かにわかりやすい書き方だが、どこからこの書き方が来たのか疑問だった。 また、日本の感想文や作文の意味もわからなかった。(読書感想文に何を書けばいいのかいつも困惑していた) この本はこれらの長...続きを読む年の疑問を解決してくれ、論理的思考と作文と社会規範の関係を明快に教えてくれる。 冷戦後、アメリカの論理が世界を席捲したが、それぞれの文化や価値観を背景に思考パターンが異なることを知れたのはとても有益であった。 むしろ経済最優先のアメリカ思考は歴史的にかなり異質なものと思う。 著者は、日本の社会重視の論理について、道徳を養い社会秩序を維持するのに役立つと高く評価する。 各国の論理が異なることは、他国で生活するときに摩擦が激しくなる理由の一つだろう。 外国人が増えている中、日本での多くの人の生活にも役に立つ本である。
論理的思考力とは我々日本人から見れば物事を順序立てて順に説明していくことと思われがちだが、必ずしもそうではない、論理的思考力は不変ではなく、さまざまな形があるということを知った。 本書では四つの論理的思考力の形が紹介されていた。自分の主張を相手に正しいと認めさせるのに適したアメリカ型の経済領域の...続きを読む思考、多くの人の利害に関わり多くの人から受容されなければならないことを慎重に論証することに適したフランス型の政治領域の思考力、ある普遍の真理に向かって物事を論証するのに適したイラン型の法領域の思考力、相手の共感を誘い、多くの人に受容されるのに適した日本型の社会領域の思考力だ。 これらはどれが正しいというわけではなく、目的に応じて使い分けることによって論理的に物事を捉えることができるのだ。その選択肢を手段として持っておくことが今グローバルな時代を生きる上で大事なのではないかと思う。
リアル本にて。 ゆる言語学ラジオで紹介されていた、「論理的思考の文化的基盤」が面白そうだったが、難しそうだったので、同著者の新書版であるこちらを読んでみた。 国ごとに歴史的経緯から重要視する論理展開が異なり、それに合わせた作文教育を行ってきた結果、ある文章が論理的かどうかは読み手によって、もっといえ...続きを読むば読み手の国籍によって異なるという主張。 この主張も面白いのだが、個人的にはその主張に至る前段の説明である、序章「西洋の思考パターン」が面白かった。 西洋の思考パターンに、論理学、レトリック、科学、哲学があり、それぞれ目的と論理的とする条件が異なる。論理学は、真理を証明するために、ある法則から具体的な結論を得る演繹的推論を行う。レトリックは、一般常識と具体例を、話術を駆使して語ることで、一般大衆を説得することを目的とする。科学では物理的真理を見いだすために、アブダクションにより挙げた仮説の整合性を確認する。哲学は、一般的に自明でない概念を定義付けするために、弁証法(ある見方→反する見方→それらを総合する見方)を用いる。 普段なにげなく考えているが、言われてみるとたしかに、異なる思考法を用いている。 なお、日本文化的思考法は、小学生の感想文みたい、と揶揄されることが多いが、本書の中ではその価値を見出だし、むしろこれからはもっと必要になると述べている。その点も、好感がもてる。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
論理的思考とは何か
新刊情報をお知らせします。
渡邉雅子
フォロー機能について
「岩波新書」の最新刊一覧へ
「ビジネス・経済」無料一覧へ
「ビジネス・経済」ランキングの一覧へ
共感の論理 日本から始まる教育革命
試し読み
納得の構造 思考表現スタイルの日米比較
「論理的思考」の社会的構築 フランスの思考表現スタイルと言葉の教育
「論理的思考」の文化的基盤 4つの思考表現スタイル
「渡邉雅子」のこれもおすすめ一覧へ
みんなの公開リストをもっと見る
一覧 >>
▲論理的思考とは何か ページトップヘ