【感想・ネタバレ】論理的思考とは何かのレビュー

あらすじ

論理的思考法は世界共通ではない.思考する目的をまず明確にしてその目的に合った思考法を選ぶ技術が要る.論理学・レトリック・科学・哲学の推論の型とその目的を押さえ,価値に紐付けられた四つの思考法(経済・政治・法技術・社会)を使い分ける,多元的思考を説く.不確実なこの世界で主体的に考えるための一冊.

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Posted by ブクログ

めちゃくちゃよかった。帯に目からウロコと書かれているが、その通りだった。
論理的思考が苦手で、仕事でうまく説明できないのが悩みだった。が、目的が異なると論理も異なるとのことで、日本的教育をベースにした作文はビジネスや経済で求められる論理との相性が悪いようだ。論理の型が複数あり、目的によって求められる論理が異なることがわかっただけでも大変ありがたい。誰かに何かを伝えたいとき、目的をよく考えて論理を使い分けることができるようになりたい。気付きの多い本で、まだ1度ではすべて理解しきれてないので、折に触れてまた読み返したい。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

論理には型がある。
それをどう選んで生きるか。
逆に相手がどの論理に立って話しているかを分析する。
それは怒りを抑えることにつながる。

その四つに絞っていいのか、イランとか日本とかはあるが南半球の国には「論理」はないのか。
という疑問。

論理的に、とても非論理な暴論に挑んでいるという面白さ。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

いわゆる論理学とか記号表現される形式論理 (真に厳密な論理) の話でなく、論理「的思考」なのがポイント。形式論理以外にレトリック(日常会話での説得)、科学、哲学と三分野あるが、それぞれの分野にあった思考法があり、どれも論理的には完全ではない(間違いもあるし、全ての人が正しいと思うものもない)。レトリックは、蓋然的推論であり例証が完全でない論理。科学は、アブダクション→演繹→帰納の流れで完成度を上げる。哲学は、物事の本質を問うものである前提/常識から疑う/議論するもの。この序章までの話で自分にはワクワクである。

分野もさることながら、本書では論理「的」と思うのは多分に文化/常識/教育 (何を重視するか) に依るところが大きいと。形式合理性/実質合理性、主観/客観の2軸4象限の領域に分類。象限毎に重視する領域として経済、政治、法技術、社会が対応。更に作文を例に具体的に国と対応づけて深掘り分析する流れが説得力高い(米=経済=効率重視=エッセイ=結論を先で補強、日=社会=共感/道徳重視=感想文/意見文=個人の体験/変化の共有、他略)。日本に対する分析として、歴史的に利他性や空気を読む感覚は国語教育/作文教育によって養われてきた。一方で、決断力、主体性の欠如に繋がる。とは言え、(アメリカと違って)慎重な判断ができるメリットはある、は正に世界情勢。

ビジネス上ではアメリカのエッセイ風が主流だが (この信奉が強過ぎる)、何をどのような構造でどういう順で書くかは領域によって違う。向き不向きや目的が違うだけで優劣がある訳ではない、は目から鱗。領域/前提を合わせて(使い分けて)議論するのが大事であるが著者の提言。でないと文化的に衝突して噛みあわない。もちろん本書も構造的論理的でとても読みやすい。正→反→合の流れで弁証法的?

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2026年05月11日

Posted by ブクログ

論理には複数の分野があり、それらを理解することで論理分野において新たな俯瞰的視点を理解できる。そうすれば、目的の明確化と共に適した思考法を選ぶことができる。
恐らく、それ自体は無意識にしている人は多いと思うが、私の場合は本書を通して改めて言語化された論理領域の区分を理解できた。
論理領域における思考の選択を意識的に行えるようになると、以前より思考することに喜びを感じ、その都度求められた結論を導くことができるのではないか。
本書は、このような学びを与えてくれた一冊である。

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2026年04月29日

Posted by ブクログ

西先生が紹介していたため購入したおそらく初めての論説書。論理とは何か、そして各国でどのような論理が採用されているのかを分かりやすく書かれていた覚えがある。日本・アメリカの論理体系には馴染みがあったが、フランスはなんかあんま好みじゃないな〜と思った。

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2026年04月25日

Posted by ブクログ

論理的に物事を書くときはアメリカ式の5パラグラフエッセイの形式で生きてきていた中で、法学レポートは勝手が違うなと思っていたのがこの本でしっくりきた。これら4つの視点と方法を理解しておくことは世界を1段俯瞰して見るために有用。

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2026年04月22日

Posted by ブクログ

分野ごと地域ごとに異なる論理性について分かりやすくまとめられている。これまで結論を先に書くというのは、相手に驚いてほしいときや研究の発表のときには不向きだと感じるのとが多かったが、そうした感覚が何から来るものなのかをよく理解できた。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

面白かったけど噛みごたえがありました。とりあえず知識としては取り入れられたけど、実践できる人間になるにはかなりハードルが…。これを実践できるほどのステージの人間になりたいものです。

ふと気付いたけど、私の考え方や話はフランス式に近いのかも。だからややこしく煩わしく思われてしまうのかも…

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

とても面白い本だった。文章もすっきりとしていて読みやすく、あっという間に読み終えた。論理的とは、読み手が期待する情報が期待する順序に並んでいることで、議論する社会での合意事項なのだ、というのは新鮮だった。議論の仕方は思考法とも密接に結びついているので、国際的なコミュニケーションでは心得ておくべきことだろう。
社会によって重視している規範が異なり、論理展開(思考表現)には合理性(形式的および実質的合理性)と主観・客観性を二つの軸として四つの類型があるという。それが作文の教育に反映されている。確かに、アメリカと日本を比べるとそうだ。興味深いのはフランスのディセルタシオンで弁証法を取り入れているところ。相当な教養が求められそうだ。アメリカのエッセイやディセルタシオンには型がありそうだが、日本の作文にはなさそうだ。このあたりに、論理展開の型が違うだけではない日本人の議論下手の一因がありそうに思った。序章の西洋思考のパターンも簡潔にまとまっていて、頭の再整理になった。

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2026年03月26日

Posted by ブクログ

論理的思考といえばアメリカ式エッセイのように結論をまず言って論拠を重ねていく、まさに世界共通で普遍の論理だと思っていた。しかし本書により、何をもって論理的とするかは、文化や時代によって多元的であると実感することができた。ここでは、アメリカ・フランス・イラン・日本の歴史的な背景や教育制度を比較することで理解を簡単にさせてくれる。逆に、中国やドイツ、ロシア・・その他様々な国はどのカテゴリーに近いのか気になった。これらの違いは言語によるものではなく、本人の文化がどういった価値観に重点を置いてるか、その社会的な背景の目的の違いによるものであり、多様性を理解することで複合的な論理的思考を選択できるという主張。
論理といえばアリストテレス(紀元前4世紀)、その影響は西洋で絶大で、今でもフランスではその伝統を受け継ぐような教育をしているとのこと。4分野の思考法は演繹的推論の論理学、蓋然的推論で説得を試みるレトリック、結果から原因を推測(アブダクション)する科学、弁証法で形而上的真理を探求する哲学に分類される。古代ギリシアのレトリックといえば、データや経験的事実を理性的に活用するか(ロゴス)、道徳心や共感など感情に訴えるか(パトス)、謙虚さや思慮深さを示して自分が信頼に足ると示して倫理的に説得するか(エトス)。まさに古代ローマの皇帝や元首、元老院や将軍の長い見事な演説に見られる通りの方法だ。また形式合理性、実質合理性のY軸と主観・客観のX軸マトリックスに当てはめた経済、政治、法技術、社会、それぞれの論理が分かりやすく分類されている。
アメリカの入試は13歳からはじまるといわれ、学業・芸術・スポーツ・社会貢献など実績を積み上げて大学の志望動機を説得のエッセイの根拠として築き上げていくスタイル。他者との差別化を論証する教育制度で、目的に向けて無駄がなく要領がよいものが勝ち上がっていく。これは高等教育の大衆化が背景にあり、論文を素早く採点できるまさに工業的な量産(経済重視、コスパ重視、タイムイズマネー)の背景がある。そして競争を勝ち抜いたエリート層は自分には能力があり、得られた地位や膨大な報酬が自分の能力の対価として妥当だと勘違いし、メリトクラシーの副作用としての分断が今アメリカで起きている。ヨーロッパ型のエリート教育から大衆教育への転換、もしかするとアメリカだけの話ではないのかもしれない。熟考が軽んじられ、経済優先で倫理が軽んじられるあたり、まさにアメリカの社会や企業を表していて目から鱗の因果関係に感じられた。
対してフランスは弁証法が重んじられるディセルタシオンの書き方に重きを置く。歴史的な背景はやはりフランス革命にある。法のもとの平等、政治主体としての国民を育成することが目的で、法律を評価し訂正する能力を付与することを求めるもので、近代の学校でよく見られるような国家を支える労働者や兵士を育成する目的とは一線を画する。そしてその探求に終わりはなく、ディセルタシオンの最後は今後の課題を提示する終わり方が理想とのこと。アメリカ方式からすると余計な弁証法の方式は無駄が多く、採点する側のコストが高くつく実害もある。そして引用元として未だに啓蒙時代のルソーなどが出てくるのもある意味衝撃的だった。
イランのエンシャーについては法技術の論理として紹介されているが、イデオロギー最優先(宗教原理主義)文化圏を理解する上で重要だ。結論は神の言葉ですでに提示されている。コーランはもともと暗誦されることが前提だったため、作文の教育は最近始まったそうだ。これだけ自然や宇宙が調和しているのは神の存在を証明している、万有引力も相対性理論も進化論もそれを後押ししているということになるらしい。暗誦にとくに秀でた一部の特権者が法学者としてコーランを解釈する地位を得る。
そして日本の教育で紹介されるのは感想文だが、これは個人の経験から何を感じ、何を学んだかを内省させ、クラスメート(共同体)で共有して利他に基づく社会領域の道徳形成を担っているという。そこでは決して教師が正答を押し付けるのではなく、相手の立場にたって考える能力の高さを美徳としている。日本人の民度が特別高いとは思わないが、道徳が重んじられる社会的風潮があるのは確かだ。ちなみに起承転結で書くようにと小学校でも習うが、これは古代中国の漢文から来ているとのこと。日本人の曖昧さや決断力の欠如は批判的に見られることが多いが、予測不可能な新時代では大きな間違いを起こさず柔軟に対処できる点と、ゲーム理論にあるように裏切って短期的に最大利益を狙うよりも協力・協調する戦略が優利となる点を肯定的に捉えられている。確かにアメリカの目的と手段を直線的な論理で結ぶ思考法は、世界を単純化しすぎて、政策も失敗の繰り返しだ(まさに現在進行系)

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2026年03月25日

Posted by ブクログ

名著ってこういう本のことを言うんだ、と思いました。
「はじめに」からとても興味深くて引き込まれ、少し分からないかも?と思った文のすぐ後には具体的で理解しやすい説明が入っており、こんなにも難しい題材なのにすんなりと理解できました。

四領域の思考法を読み、なんとなく一般に言われている論理的思考(ロジカル・シンキング)が苦手だと思っていた私は、もう圧倒的に社会の論理が根付いている、完全に日本の教育に染まった人間だと分かりました。汗

本筋とは少しズレるのですが、学生の時、国語の心情問題に対して、周りに「なんでこんな問題出るんだ」「これできて何になるんだ」と言っていた人がいた事を思い出しました。たしかに勉強して解けるようになる問題じゃないな、とは思っていましたが、私は何の疑問もなく解けるタイプで「これができても意味無いのかな」と密かに思っていました。本書を読んで、知らないうちにいろいろな力を動員していたことを知り、初めて解けることを褒められた気がして、少し嬉しく思いました。

この本を読んで、「自分が拠って立つ」領域が見えたので、これから議論や何か意見をする時には、「目的は何か」をはっきりと捉え、その場に必要な思考法という手段を選びとることができるようになりたいと思いました。

と、普段通り書いたらしっかり感想文スタイルになっています。笑

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2026年03月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
目的による行動の食い違いの構造と、その論理、レトリック、またそれぞれの手法、背景が書き込まれており、非常に面白かった。

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2026年03月05日

Posted by ブクログ

論理展開について体系的に触れることができ、一長一短であるにせよ他の論法では通用しないことを分かりやすく実感した。やはり5パラグラフのエッセイは洗練された構造である点を再認識した。

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

難しい。
しかし、各パート事に分かれており、各々それぞれの論理から見ていくのは面白いと思う。時間のある時に挑戦したい。

8月3日 再読

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2026年08月05日

Posted by ブクログ

この本の重要性を説明したくなったので、まとめてみる。

まず現代社会の問題として、行き過ぎた多様性とその結果による各コミュニティ間での合意形成の難しさについては、昨今頻繁に言われている。
これに対して筆者は解決策を論理的にかつ例証までして提示している。
実はこれはすごいことで、世間にいまだにはびこっている多様性とは、他者性と接触しない自分の価値観を正当化するためのもので、つまり思考のモードは一つだけしか持たないものである。しかし全ての人が多様な思考のモードを同時に持つことができたら、多様性を持ちつつも普遍性も確保することができる。(これは哲学的課題である極端な普遍主義や相対主義のどちらにも陥らないための良い手段と言える。)

そういったことや、その必要性は感覚的に漠然と感じていた人はいると思うが、著者は特に論理的思考プロセスという思考の前提であるがゆえに語りにくい領域を使って、その論理的思考パターンを4分類して例証して論じてみせた。

論理的思考以外にも色んな思考のモードがあるはずで、それらについても同様に同時に複数持つことでより生きやすくく争いのない時代が来ることを期待できるだろう。それをまた著者に書いてほしい。

しかし一番の問題は、私たち日本人だけがそういう意識でいたとしても、その他の人達が限られた思考パターンしか持たないときに起きる非対称性だ。
なので、この本をイランなどでも販売していただけるよう、応援しています。

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2026年01月06日

Posted by ブクログ

本書は、「論理」がたった一つの「正しい」ものがあるのではないこと、目的によって適切な「論理」は変化することを明らかにする。そのうえで、「多元的思考」を打ち出し、複数ある「論理」を必要に応じて、選択的に用いることを推奨する。なぜなら、「多元的思考」は、私たちが多様な社会や文化の中で豊かに暮らすために必要な方法と視点となり得るからである。

本書を読んで、それぞれの国の社会、文化、歴史が、「論理」を作り上げていることを知った。「対話」の大切さが謳われる場面が多いが、意見を擦り合わせるためには、その意見を作り上げている「論理」の擦り合あせが必要となる。この意味で、「対話」とは、本当に大変な作業なのだと改めて認識した。
著者の言う「多元的思考」を一人ひとりが身につけていくこと。それこそが「対話」を開いていくのだろうと思う。

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2025年12月25日

Posted by ブクログ

論理的な思考は世界共通ではなく、異なった型があるというのが本書の主題です。

論理的思考を
1 アメリカ型(経済の論理)
2 フランス型(政治の論理)
3 イラン型(法技術の論理)
4 日本型(社会の論理)
の4バターンに分け、それぞれの思考法の特徴、背景、長所、短所等を分析検討し、その違いを明確にしていきます。

異文化の人の考え方や思考方法を知り、取り入れることはグローバル化している現在、とても大事なことだと感じました。

この本で紹介されている思考方法は、とても参考になりなした❗️

いい本でした

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

◾️読後の感想
個人的に、自分の思考はあまりにも乱雑で、まとまりに欠けると自認しているため手に取った本。

読んでまず印象に残ったのは、「論理的思考」とは一つの決まった思考法ではないということだった。
文化や社会、目的によって重視される価値が異なり、それに応じて論証の方法も変わる。

「論理的思考」と聞くと、私はロジカルシンキングをイメージし、結論を先に示して、根拠を積み上げながら立証していくような方法を思い浮かべていた。

しかし、本書はそのような一つの思考法を身につけるための本ではない。

重要なのは、複数の思考の型を知り、目的や状況に応じて「どのように考えるのか」そのものを選択できるようになること。

一つの論理だけですべてを判断するのではなく、より俯瞰的な視点から複数の論理を使い分ける。
本書は、そうした「多元的思考」を持つことの重要性を説いた本だと理解した。

■本の内容メモ

【西洋の思考の四つの論理】

・論理学
正しい推論を重視する。
前提から結論を導く「形式」が正しいかどうかを考える。

・レトリック
相手を説得することを重視する。
誰に、どのような状況で伝えるのかによって論証の方法も変わる。

・科学
仮説を立て、観察や実験によって検証する。
現象の原因と結果を説明することを重視する。

・哲学
対話や討論を通して、物事の本質や概念そのものを問い直す。

【文化・社会によって異なる四つの論理】

<経済の論理:アメリカ>
中心的価値:効率性と目的の達成
主導的観点:効率的か否か
推論:因果関係を重視
価値ある能力:分析・評価

目的を明確に設定し、その目的を達成するための効率的な方法を考える。
5パラグラフ・エッセイに代表されるように、主張と根拠を明確にして論証・説得する。

<政治の論理:フランス>
中心的価値:公共の利益
主導的観点:十分に審議されたか
推論:弁証法
価値ある能力:総合・構想

ディセルタシオンに代表される。
ある主張と、それに反する主張の双方を検討し、その矛盾を乗り越える新しい考えを構想する。
単純にどちらが正しいかを決めるのではなく、異なる立場を十分に議論すること自体を重視する。

<法技術の論理:イラン>
中心的価値:真理の保持と規範の遵守
主導的観点:真か偽か
推論:演繹
価値ある能力:知識・理解

規範や原則を基準として、個別の事柄が正しいか間違っているかを判断する。

<社会の論理:日本>
中心的価値:共感と哀れみ
主導的観点:共感できるか否か
推論:共感による推理
価値ある能力:共感

感想文や意見文に代表される。
他者の立場や経験を理解し、その人の気持ちや置かれた状況を想像することを重視する。

【どれか一つが「正しい論理」なのではない】

同じ問題でも、どの論理を使うかによって見えるものが変わる。

例えば、新しいシステムを導入すると考える。

経済の論理
→どれだけ業務を効率化できるか。

政治の論理
→利用者、管理者、経営者など異なる立場の意見をどう調整するか。

法技術の論理
→法律やセキュリティなどの規則に適合しているか。

社会の論理
→実際に使う人たちは、その変更をどう感じるのか。

どれか一つだけが正しいのではない。
一つの論理だけで考えてしまえば、別の重要な価値を見落とす可能性がある。

【多元的思考】

現実社会には、数学の問題のように一つの正解が存在するとは限らない。

効率を優先すれば人間関係を損なうかもしれない。
共感を優先すれば効率が落ちるかもしれない。
異なる価値が同時に存在し、ときには互いに矛盾する。

だからこそ、一つの論理や価値観ですべてを判断するのではなく、複数の論理を理解したうえで、目的や状況に応じて必要な思考を選択する。

「何が論理的か?」と考えるだけではなく、

「いま自分は、どの論理を使って考えているのか?」
「この問題には、どの論理が必要なのか?」

と、一段上から自分の思考そのものを捉える。

【この本から持ち帰りたいこと】

自分の中に一つの「正しい思考法」を作るのではなく、

・分析する
・反対側の立場から考える
・原則や規範に照らして考える
・他者の立場に立って共感する

といった複数の思考の選択肢を持つこと。

そして何かを考えるとき、「この問題は、どの論理から見るべきだろう?」と考える。

一つの論理に固執せず、複数の視点を持ったうえで、どのように考えるのかを自分で選ぶ。

それが本書から学んだ「多元的思考」である。

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2026年08月22日

Posted by ブクログ

【要約】
論理的思考は一つではない。目的に応じて経済、政治、法技術、社会の4つの手法を使いこなすことが重要である。
【感想】
以前は論理的思考といえば経済的手法ばかりをイメージしていたが、それだけではないと気づかせてくれ、前提を疑う大切さを感じた。ビジネスでの論拠説明だけでなく、合意形成には政治的手法、チームビルディングには感情を共有する社会的手法が有効だと思った。
【アクション】
目の前の課題に対して「今の目的にはどの思考の型が最適か」をまず問い直し、状況に応じた型を選択していきたい。

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2026年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

論理的思考というのは、一概にこういうものだということはできない。それは、国によって変わるものでもあるし、目的によって変わるものでもある。
大事なことは、状況によってどの論理的思考法を取るべきなのか。ということである。
社会的領域の気持ちの変化を重視した書き方では、道徳的価値観を養うこともできる。経済的領域の結論を重視した書き方では、効率的に費用対効果の高い手段を選ぶことができる。
一回読んだだけでは、完全な理解はできなかった。
何度か読んで知見を深めたいと思える新書であった。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

「論理的思考力」=エッセイを書く時に使う能力だと思っていたので、エッセイの論立てができない人を「論理的思考力がない」と思っていた部分があった。
しかし、この本を読んで日本の作文的叙述を紐解き、それも1つの「論理的思考力」なのだと理解した。

「結論は?」という問いで、全てが上手くいくと思っていた部分があったが、それは状況に応じて変わることを理解した。しかし、日本的(社会的な考え方)というものが道徳的な議論をする時以外にはあまり効果を発揮できない気がしていて、改めて読み返すと共に、生活の中で意識して過ごすことで実践的に理解を深めていけたらと思う。

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2026年04月11日

Posted by ブクログ

ほえー、論理的思考って価値観(あるいは文化)によって異なるのか。驚きと同時に納得感もある。
本書では論理的思考のタイプを何を重視するかによって4つに分類している。経済を重視するアメリカ式思考、社会を重視する日本式思考、政治を重視するフランス式思考、法(ときとして宗教)を重視するイラン式思考、それらを目的にあわせて使い分けることが有用らしい。
生活の中でアメリカ式と日本式には馴染みがあったが、フランス式とイラン式は存在自体はじめて知った。面白いけど、自分で何回かそれらの思考法で記述しなければ、習得も理解も難しそう。

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2026年01月29日

Posted by ブクログ

本書の主張は「論理的思考」とされているものは決して普遍的なものではなく、国家、言語、宗教、社会体制、そして学校教育によってパターン・型が形成されている、というもの。また、論理的思考は普遍的ではないことを認識したうえで、コミュニケーションの相手がどの論理に沿っている人間なのか、ということを意識することの重要性をといている。

著者は「教育発達科学研究科」という学問の大学教授であり、ご自身の長年の研究成果である日本・アメリカ・フランス・イランの教育方法の比較を、岩波新書として刊行したもの。あとがきでご本人いわく「高校生でも読めるように書いた」とのことだけれど、ガチガチのアカデミックな文体。ユーモアのかけらもない硬い文章なのだが、内容が興味深いためにスルスルと読める。

日本語の情緒的かつ説明的な文面、あるいは過剰なまでの注釈・ディスクレーマー文化は、戦前の「綴り方」教育と戦後の「読書感想文」教育に由来するという。
米国英語で多用されるの「結論」「理由①~③」「結論」という論理は、米国における教育の大衆化に伴う「採点の容易さ」が要請したものだという。
フランスの高校教育では哲学の授業がもっとも重要、という言説はあちこちで聞いたことがあったか、彼らがたたきこまれる「ディセルタシオン」という論理の「型」の解説は興味深い。「正-反-合」という型を完成させるためには、自らあえて矛盾を提起して問いを重ねていくいう。
イランの作文技法では、ことわざや詩を結びの言葉とすることが必須との由。

著者に期待したいのは、隣国である中国人と韓国人の「論理」がどのような構造をとっているか、中国と台湾、韓国と北朝鮮において、国家体制・教育の違いがどのように「論理」とされるものを変容させているか、という点についての研究。
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元同僚O先輩のおすすめで入手。

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2026年01月28日

Posted by ブクログ

論理的思考のパターンひとつでは無い。アメリカ型が一般的だが、フランス型もその文化の流れを反映した論理的な流れになっている。目的と場面によって四つの論理的思考パターンを使い分ける多元的思考が重要。西洋の思考パターンとして、論理学、レトリック、科学、哲学の四つの論理がある。イランは文字より声の伝統。

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2026年01月23日

Posted by ブクログ

国や文化の違いから起因する論理的思考について理解できた。どれが正しいというわけではなく、目的に応じて使い分けるという選択肢や考えの幅を広げてくれる。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

国や文化により論理的であるという基準がズレている。
そのため、論理的なゴール及び結論を先ず共有認識しておく必要がある。
さらに、多元的論理性を身に付けることで最短且つズレる事なく結論に辿り着けるスキルを持つべきである。
と、述べている。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

論理は世界中で不変ではないことが明解に説明。
国・宗教などによって、思考方法が違っていて、それを間違うと論理的か否かの評価(試験の結果)も異なってくる。
他国と交渉するときは、それを分かったうえで、落としどころを見つけるのですね。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

昨今よく目にする論理的思考=ロジカル・シンキング。それは思考法の一形態に過ぎない。時と場所、場合によって、思考技術を選択し、駆使することこそ、多元的思考の現代を生き抜く術である。

文化によって論理がこんなにも違うとは。イランの、末尾に神の言葉を書くとか、日本的な論理は逆に個人の意見が大事で共感を求めたり、アメリカ型の結論ありきで、他の意見は排除したり。優劣ではなく、違いを知ることでお国柄がわかるのが面白い。

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2026年01月13日

Posted by ブクログ

示唆深い内容だったが、あまり頭に入ってこなかったので、どれだけ理解しているか疑問である。
とにかくはっきりと理解したのは、何を思考するかでそれにマッチする論理的な思考の型が変わってくるということ。他の型で考える多文化圏の思考を自分の型で考えてしまうと、時に論理的ではないように思えることである。
本書では、論文の書き方を例に4つの思考のスタイルを示している。
また、言語による思考のパターンが分かりやすく図で示されている。(p49)
前半の思考の定義があまり頭に入ってこなかった。
「おわりに」で著者が高校生にも読めることを考えて著したと書いているが、高校生も対象に入れるのであればもう少し平易に書く努力をした方がいいと感じた。私の読解力がないだけかもしれないが。
(最近、少し難しい内容だと頭に入りづらくなっているという自覚がある。以前より集中力が無くなっているようだ。スマホの影響ではないかということなので、集中力を鍛えるためにもスマホを見るのを極力避けようと思う)

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2025年12月24日

Posted by ブクログ

一つの論理的思考の回答を導いてくれるというよりは、概括的に学ぶ感じ。新しい視点やったから勉強になった。世界規模で異なるなんて知らんかった。タイトルからして哲学チックやけど、いろんな思考法を本質から解説してくれている。想像通りやはり抽象的で、前半は馴染みない言葉も多くなかなか捉えきれなかったけど、後半で読み砕けてきた気がする。いろんな考え方の領域・立場からの視点の解説とかとても親切やった。

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2025年12月24日

匿名

文章を読むのが苦手な人に大人気

論理的思考について扱っているわりに、著者の思い込みによる議論のみが展開されており、そもそもこの文章自体があまり論理的に展開されてないという問題がある
また、下記サイトによると、そもそも著者自身の論理学などについての知識に疑念があるようだ。
https://sokrates7chaos.hatenablog.com/entry/what-is-logical-thinking-w

#笑える

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2025年03月16日

「ビジネス・経済」ランキング