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五感を働かせた体験に基づいて感情を伝え合い,共感を育む日本の国語教育は,世界から遅れた弱みではなく,AI時代にこそ強みとなる.人間と自然の関係を結び直し,共感的利他主義をベースに政治・経済・法・社会の多元的思考を使い分け,他者と協働する力を養う.価値観の転換を迫られる世界で求められる教育がここに.
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Posted by ブクログ
「人間も自然の一部」という自然観に根差した共感的利他主義の価値観を基に、多元的な思考を使い分ける力を養うことが大切。 発達段階に応じた作文手法の学習を通して、認知・思考力を養う教育方針を提案していた。 私自身の苦手な思考法を鍛える方法案も見えてよかった。
未来に向けた内容で、感動。国語教員は泣いちゃうと思う。AIの登場で言葉への関心が高まるなか、信じられる軸を確認でき、周辺領域の輪郭もクリアになった。 文量は適度でダレない。文章が濃密で内容が凝縮されているので、文量以上の充実感を得ることができる。 星5つじゃ足りない。
共感と国語教育との関係だけを知るために読んだが、小中高大までの作文教育の段階が示されている。特に大学でのアカデミック・ライティングの授業担当の経験から役立つ表が書かれている。論理的思考とは何か、よりも具体的指導が書かれた本である。
現代のグローバルな社会において日本の調和を重んじた考え方に疑問が湧くことが多くある。例えば、何かを競うときも日本人は遠慮しすぎ、もっと自分を主張しろなどと言われる。しかし、それはあくまで一つの価値観にしかすぎないことがわかった。今それが求められているだけでこれからパラダイムシフトが起きて価値が逆転す...続きを読むることもあるだろうし、あるいは場合によっては和が大事ということもあるだろう。よってこの不安定な時代にこそ求められるのは多元的思考だ。一つの価値観に縛られることなく目的や状況によって思考法を使い分けていく、これが色々な価値観が分立する現代社会で生き抜く最良の方法だと思う。それに伴って共感的利他主義を元にした初等教育、そして思考法を技術として獲得するための中等教育、高等教育は理にかなっているし、実現されれば、日本人が抱えてきた今まで負の側面が長所として世界で重宝される時が来るかもしれない。
「論理的思考とは何か」で示した分析をもとに、自明視されてるとも言っていい資本主義の限界という課題に対するあるべき社会像、実践までの提言を書き上げたものだと思う。筆者も述べていたが、未だに教育に効率を求め疲弊した学校のあり方を社会のあるべき姿から見直すべきである。
1冊の本を読み終えたとき、 読書記録を書こうと思って思ってペンを執る。 読書記録を書くとき、自分がその本を読んで何をどう感じたかを書きたくて、言語化って難しいな〜〜と思いながらも、そのとき思っていたこと考えていたことをなんとか言葉にして残そうとする。 【本の内容(簡単なあらすじ)】 ↓ 【本を読...続きを読むんで考えたこと】 【心動かされた一節】 【自分の体験に引きつけてみて】 …などなど考えながら書くわけだけど、 この思考の型そのものがいわゆる日本の論理というやつなのでは?!!と思ってしまった。 私にも自然に、そしてしっかりと、身についてるじゃん…と。 アメリカの思考の型で書くんだったら、 「この本は◯◯◯〜こういう本である」と、 その本がどういった本であるかを書くということになるんだろうか…?などなど色々考えてしまいました。 「論理って絶対的なものなんじゃないの?」なんて、なんとなく思っていた自分の常識を覆してくれました。 国が違えば思考の型も違う。 自国外の思考の型を学ぶなんて考えもしなかったけど、絶対面白いよなぁ。ものの見方が広がるよなぁ。 内容全てが理解出来た訳ではなく、 難しいよ〜と思いながら読んでましたが、 それでも面白いと感じました^^ 自分がもっと賢かったらさらに面白く読めたんだろうな。また読み返してみたい本です。
これまでの研究成果を社会に還元するという目的で書かれた本のようだ。 ベースとなるのは『納得の構造』や『論理的思考とは何か』で、複数の文化圏の「論理」がどのようなものかをモデル化してきた話。 それを現代の社会の中に位置づけ、今後の教育の在り方、作文教育の在り方の提言に結び付けていく。 西欧近代のシス...続きを読むテムが行き詰まって、さてどうするか。 そこで日本で培われた社会性を大事にする教育や、ビジネスの中でさえ利他を重視する考え方(「共感的利他主義」と本書では呼ばれる)にも、今後のよりよいあり方を見つけるヒントがあるのではないか、と筆者は伝えている。 たしかに、筆者の言うように、過去のよいものを検討もせず捨ててしまうのはとてももったいない。 本書では、小学校から大学までの文章教育のグランドデザインも提示する。 小学校では物語により共感的利他性を育て、一方で観察により報告文を、中学校では意見文を通して論証の基礎を学び、高校では課題研究や小論文を通して仮説検証や抽象的思考を学ぶ…といった感じ。 西洋(というかアメリカ)的な、結論前出しの効率的なエッセイライティングは英語の中で学ぶことが提案されていた。 ただ、個人的には英語の授業の中だけで学ぶというよりは、日本語でもモードの書き分けができた方がよいのでは、という気もする。 AIで翻訳が簡単にできるようになってきたことを考えると、英米流エッセイなり、フランス流弁証法的エッセイなりのスタイルで日本語で表現し、それを翻訳すればよいのでは、と思われなくもない。 というのと、英語でエッセイを書けるところまで高校の英語教育で持っていくことができるのか、という疑問もあるし。 著者の先生には申し訳ないけれど、本書をちょっと雑に読んでしまった感があって、自分が本書に共感しているところと違和感を感じていることがまだしっかり言葉にできていない気がするが、とりあえず今はここまで。
昭和の学校教育の記憶を持ち出すのもどうかと思うのですが、国語の影は他の教科よりも薄かったです。それなのに、しかも週の何分の一しかコマ数がないのに、その中の作文教育が、日本を救うくらいの勢いで本書は書かれています。 作文教育のあり方は置かれた社会の影響を受けてのことと書いているのですが、逆に、作文教...続きを読む育のあり方が社会に影響を与えるのでしょうか。疑問は尽きないのですが、変えなければ変わらないのも事実でしょう。 どこかのエリアで(あるいは教育学部の附属学校で)実験的に10年くらいやってみてもらえないかなと思いました。面白い学校にお子さんを預けてみようとする親御さんがいることが前提になるんですが。
教育、すなわち未来を支える世代にどうあってほしいかを示すという、人類共通の課題に対し、わが国とアメリカ、フランス等との基本的な考え方の差異を分析的に示している部分はわかりやすい。「新書」の一読者としては、何となくの興味は持っていても、自らの力で集中的に考えたり論点を言語化した経験もない分野について、...続きを読む専門家が用いる視座と分析軸をあっさりと提供してもらえるという感覚があり、読む価値があったと感じた。 本書の主張で、最終的に、共感性や多元的思考の重要性を挙げていることには共感できる。 しかし、長すぎる序論で、「”近代”の行き詰まり」や、「資本主義で当たり前とされる価値観が世界を不幸にする」といった主張を延々と読まされるのは、あまりにも「岩波」の雰囲気をまとい過ぎ。団塊世代以降の、目下、営々と働いているマス層の読者(予備軍)にとっては、せっかく本編での学術的な説明があっても、本書全体の読後感を「あ、そっちがわのセンセイなのね」と敬遠してしまう結果になるだろう。
日本の利他主義と海外の利他主義は根本的に異なる。 海外の利他主義は何かしら自身に見返りを求めるものである一方、日本の利他主義は相手の考えを慮り、ひいては自身の思考変容をしていくことが出来るものが利他思考としている。 それを支えいてるのが、日本の作文文化でありアメリカ、フランス、イランとは異なる利他(...続きを読む相手の立場で考える)思考を養っているとのこと。 それが、今後パラダイムシフトが起こる際に必要な思考回路であると述べている。
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共感の論理 日本から始まる教育革命
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渡邉雅子
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