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Posted by ブクログ
現代のグローバルな社会において日本の調和を重んじた考え方に疑問が湧くことが多くある。例えば、何かを競うときも日本人は遠慮しすぎ、もっと自分を主張しろなどと言われる。しかし、それはあくまで一つの価値観にしかすぎないことがわかった。今それが求められているだけでこれからパラダイムシフトが起きて価値が逆転することもあるだろうし、あるいは場合によっては和が大事ということもあるだろう。よってこの不安定な時代にこそ求められるのは多元的思考だ。一つの価値観に縛られることなく目的や状況によって思考法を使い分けていく、これが色々な価値観が分立する現代社会で生き抜く最良の方法だと思う。それに伴って共感的利他主義を元にした初等教育、そして思考法を技術として獲得するための中等教育、高等教育は理にかなっているし、実現されれば、日本人が抱えてきた今まで負の側面が長所として世界で重宝される時が来るかもしれない。
Posted by ブクログ
1冊の本を読み終えたとき、
読書記録を書こうと思って思ってペンを執る。
読書記録を書くとき、自分がその本を読んで何をどう感じたかを書きたくて、言語化って難しいな〜〜と思いながらも、そのとき思っていたこと考えていたことをなんとか言葉にして残そうとする。
【本の内容(簡単なあらすじ)】
↓
【本を読んで考えたこと】
【心動かされた一節】
【自分の体験に引きつけてみて】
…などなど考えながら書くわけだけど、
この思考の型そのものがいわゆる日本の論理というやつなのでは?!!と思ってしまった。
私にも自然に、そしてしっかりと、身についてるじゃん…と。
アメリカの思考の型で書くんだったら、
「この本は◯◯◯〜こういう本である」と、
その本がどういった本であるかを書くということになるんだろうか…?などなど色々考えてしまいました。
「論理って絶対的なものなんじゃないの?」なんて、なんとなく思っていた自分の常識を覆してくれました。
国が違えば思考の型も違う。
自国外の思考の型を学ぶなんて考えもしなかったけど、絶対面白いよなぁ。ものの見方が広がるよなぁ。
内容全てが理解出来た訳ではなく、
難しいよ〜と思いながら読んでましたが、
それでも面白いと感じました^^
自分がもっと賢かったらさらに面白く読めたんだろうな。また読み返してみたい本です。
Posted by ブクログ
これまでの研究成果を社会に還元するという目的で書かれた本のようだ。
ベースとなるのは『納得の構造』や『論理的思考とは何か』で、複数の文化圏の「論理」がどのようなものかをモデル化してきた話。
それを現代の社会の中に位置づけ、今後の教育の在り方、作文教育の在り方の提言に結び付けていく。
西欧近代のシステムが行き詰まって、さてどうするか。
そこで日本で培われた社会性を大事にする教育や、ビジネスの中でさえ利他を重視する考え方(「共感的利他主義」と本書では呼ばれる)にも、今後のよりよいあり方を見つけるヒントがあるのではないか、と筆者は伝えている。
たしかに、筆者の言うように、過去のよいものを検討もせず捨ててしまうのはとてももったいない。
本書では、小学校から大学までの文章教育のグランドデザインも提示する。
小学校では物語により共感的利他性を育て、一方で観察により報告文を、中学校では意見文を通して論証の基礎を学び、高校では課題研究や小論文を通して仮説検証や抽象的思考を学ぶ…といった感じ。
西洋(というかアメリカ)的な、結論前出しの効率的なエッセイライティングは英語の中で学ぶことが提案されていた。
ただ、個人的には英語の授業の中だけで学ぶというよりは、日本語でもモードの書き分けができた方がよいのでは、という気もする。
AIで翻訳が簡単にできるようになってきたことを考えると、英米流エッセイなり、フランス流弁証法的エッセイなりのスタイルで日本語で表現し、それを翻訳すればよいのでは、と思われなくもない。
というのと、英語でエッセイを書けるところまで高校の英語教育で持っていくことができるのか、という疑問もあるし。
著者の先生には申し訳ないけれど、本書をちょっと雑に読んでしまった感があって、自分が本書に共感しているところと違和感を感じていることがまだしっかり言葉にできていない気がするが、とりあえず今はここまで。
Posted by ブクログ
昭和の学校教育の記憶を持ち出すのもどうかと思うのですが、国語の影は他の教科よりも薄かったです。それなのに、しかも週の何分の一しかコマ数がないのに、その中の作文教育が、日本を救うくらいの勢いで本書は書かれています。
作文教育のあり方は置かれた社会の影響を受けてのことと書いているのですが、逆に、作文教育のあり方が社会に影響を与えるのでしょうか。疑問は尽きないのですが、変えなければ変わらないのも事実でしょう。
どこかのエリアで(あるいは教育学部の附属学校で)実験的に10年くらいやってみてもらえないかなと思いました。面白い学校にお子さんを預けてみようとする親御さんがいることが前提になるんですが。
Posted by ブクログ
教育、すなわち未来を支える世代にどうあってほしいかを示すという、人類共通の課題に対し、わが国とアメリカ、フランス等との基本的な考え方の差異を分析的に示している部分はわかりやすい。「新書」の一読者としては、何となくの興味は持っていても、自らの力で集中的に考えたり論点を言語化した経験もない分野について、専門家が用いる視座と分析軸をあっさりと提供してもらえるという感覚があり、読む価値があったと感じた。
本書の主張で、最終的に、共感性や多元的思考の重要性を挙げていることには共感できる。
しかし、長すぎる序論で、「”近代”の行き詰まり」や、「資本主義で当たり前とされる価値観が世界を不幸にする」といった主張を延々と読まされるのは、あまりにも「岩波」の雰囲気をまとい過ぎ。団塊世代以降の、目下、営々と働いているマス層の読者(予備軍)にとっては、せっかく本編での学術的な説明があっても、本書全体の読後感を「あ、そっちがわのセンセイなのね」と敬遠してしまう結果になるだろう。
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