あらすじ
五感を働かせた体験に基づいて感情を伝え合い,共感を育む日本の国語教育は,世界から遅れた弱みではなく,AI時代にこそ強みとなる.人間と自然の関係を結び直し,共感的利他主義をベースに政治・経済・法・社会の多元的思考を使い分け,他者と協働する力を養う.価値観の転換を迫られる世界で求められる教育がここに.
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Posted by ブクログ
現代のグローバルな社会において日本の調和を重んじた考え方に疑問が湧くことが多くある。例えば、何かを競うときも日本人は遠慮しすぎ、もっと自分を主張しろなどと言われる。しかし、それはあくまで一つの価値観にしかすぎないことがわかった。今それが求められているだけでこれからパラダイムシフトが起きて価値が逆転することもあるだろうし、あるいは場合によっては和が大事ということもあるだろう。よってこの不安定な時代にこそ求められるのは多元的思考だ。一つの価値観に縛られることなく目的や状況によって思考法を使い分けていく、これが色々な価値観が分立する現代社会で生き抜く最良の方法だと思う。それに伴って共感的利他主義を元にした初等教育、そして思考法を技術として獲得するための中等教育、高等教育は理にかなっているし、実現されれば、日本人が抱えてきた今まで負の側面が長所として世界で重宝される時が来るかもしれない。
Posted by ブクログ
「論理的思考とは何か」で示した分析をもとに、自明視されてるとも言っていい資本主義の限界という課題に対するあるべき社会像、実践までの提言を書き上げたものだと思う。筆者も述べていたが、未だに教育に効率を求め疲弊した学校のあり方を社会のあるべき姿から見直すべきである。
Posted by ブクログ
難しいところもあり、しっかりと咀嚼できた自信はないが、当たり前に感じていた感想文がこれほど重要な意味を成していたことが分かっただけでも学びになった一冊。
Posted by ブクログ
「論理(ロジック)と呼ばれるものの中身は、実は万国共通ではない!」「その違いは幼少期の学校教育から始まっている!アメリカとフランス、日本の作文教育は、まったく違う執筆体験へと子どもたちをいざなう」「そして、そこに見えてくる日本らしさこそ、これからの時代の鍵では?」
ホントかよ!と突っ込みたくなるような論旨だが、確かにとうなづける論理や提示のおかげで、信じられる内容に。