【感想・ネタバレ】共感の論理 日本から始まる教育革命のレビュー

あらすじ

五感を働かせた体験に基づいて感情を伝え合い,共感を育む日本の国語教育は,世界から遅れた弱みではなく,AI時代にこそ強みとなる.人間と自然の関係を結び直し,共感的利他主義をベースに政治・経済・法・社会の多元的思考を使い分け,他者と協働する力を養う.価値観の転換を迫られる世界で求められる教育がここに.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者が前著で示された4つの論理的思考の中でも、日本の社会原理の論理性に焦点を当てて、

ポスト近代の世界に対処するうえでどう活かせるか、どう打ち出していけるか、みたいな可能性を論じられていました。近代資本主義の矛盾が顕わになる今日、日本式の思考法が世界的に意義のある解決策となり得る、とのことです。

ポスト近代の多元的世界。

科学と哲学による新しい物の見方として、例えば、量子力学やそれを含む複雑系システムは私たちの世界の見え方をどう変えるか。

この二つは、何がどう見えるかが観察者の見ている(問題にしている)スケール、位置、視点によって異なるということを明らかにした。

何を一つの総体としてとらえるか、が視点によってそれぞれで、全てはすべてに対してローカルであり、ローカルとグローバルの区別はなくなる、というような話を原理レベルや宇宙レベルで説明をつけられるようになっていくと、私たちのものの見方や思考法も大きく変化させていく可能性があるという。

一つの統一的な見方は存在しえない。自己準拠という言葉もありました。

共感による利他主義。

日本以外の利他主義は、利己主義を土台にしている。新しいパラダイムにおいては、日本の教育が育んできた利他主義こそ、あらためて評価されるべき。95

利他主義は、コロナ期、思想家のジャック・アタリが自由から利他主義への転換を提言している。彼の利他主義は、合理的利他主義、と呼ばれることが多く、利他的行為が最終的に自己利益に返ってくるという合理性。また、共通の国際制度や機関の設置を提言している点で、理性的利他主義でもあるという。論理性分類では、政治原理に該当する。

ピーター・シンガーらの利他主義は、効果的利他主義に分類される。効率性と費用対効果を最大化している。経済原理に該当する。

主教の協議や戒律に基づく利他主義は、法・原理的利他主義。

そして日本型の共感による利他主義がある。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 前著「論理的思考とは何か」による教育原理の4類型(経済原理(技術目的×経験的知識)・政治原理(価値目的×大気的知識)・法技術原理(技術目的×体系的知識)・社会原理(価値目的×経験的知識)により、パラダイムシフト後のポスト近代社会(経済:成長・形式合理⇒持続可能性・価値合理、社会:機能的分業・競争⇒多様な価値共同体・協調相互扶助、規範:自然と切り離された人間・要素還元主義⇒自然と一体の人間・複雑系・間主観、政治:リベラル民主主義・代表民主制⇒協調的自由主義・直接参加民主主義)においては、日本型の社会原理に基づく教育が有効とする。
 前著の明確な割り切りほどの切れ味はない。
・日本型教育でとりわけ、綴方は心学にも共通し「共感の論理」によるとする。

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2026年02月17日

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