渡邉雅子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いわゆる論理学とか記号表現される形式論理 (真に厳密な論理) の話でなく、論理「的思考」なのがポイント。形式論理以外にレトリック(日常会話での説得)、科学、哲学と三分野あるが、それぞれの分野にあった思考法があり、どれも論理的には完全ではない(間違いもあるし、全ての人が正しいと思うものもない)。レトリックは、蓋然的推論であり例証が完全でない論理。科学は、アブダクション→演繹→帰納の流れで完成度を上げる。哲学は、物事の本質を問うものである前提/常識から疑う/議論するもの。この序章までの話で自分にはワクワクである。
分野もさることながら、本書では論理「的」と思うのは多分に文化/常識/教育 (何を重 -
Posted by ブクログ
とても面白い本だった。文章もすっきりとしていて読みやすく、あっという間に読み終えた。論理的とは、読み手が期待する情報が期待する順序に並んでいることで、議論する社会での合意事項なのだ、というのは新鮮だった。議論の仕方は思考法とも密接に結びついているので、国際的なコミュニケーションでは心得ておくべきことだろう。
社会によって重視している規範が異なり、論理展開(思考表現)には合理性(形式的および実質的合理性)と主観・客観性を二つの軸として四つの類型があるという。それが作文の教育に反映されている。確かに、アメリカと日本を比べるとそうだ。興味深いのはフランスのディセルタシオンで弁証法を取り入れているとこ -
Posted by ブクログ
論理的思考といえばアメリカ式エッセイのように結論をまず言って論拠を重ねていく、まさに世界共通で普遍の論理だと思っていた。しかし本書により、何をもって論理的とするかは、文化や時代によって多元的であると実感することができた。ここでは、アメリカ・フランス・イラン・日本の歴史的な背景や教育制度を比較することで理解を簡単にさせてくれる。逆に、中国やドイツ、ロシア・・その他様々な国はどのカテゴリーに近いのか気になった。これらの違いは言語によるものではなく、本人の文化がどういった価値観に重点を置いてるか、その社会的な背景の目的の違いによるものであり、多様性を理解することで複合的な論理的思考を選択できるという
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Posted by ブクログ
名著ってこういう本のことを言うんだ、と思いました。
「はじめに」からとても興味深くて引き込まれ、少し分からないかも?と思った文のすぐ後には具体的で理解しやすい説明が入っており、こんなにも難しい題材なのにすんなりと理解できました。
四領域の思考法を読み、なんとなく一般に言われている論理的思考(ロジカル・シンキング)が苦手だと思っていた私は、もう圧倒的に社会の論理が根付いている、完全に日本の教育に染まった人間だと分かりました。汗
本筋とは少しズレるのですが、学生の時、国語の心情問題に対して、周りに「なんでこんな問題出るんだ」「これできて何になるんだ」と言っていた人がいた事を思い出しました。たし -
Posted by ブクログ
面白かった!
文化によって、思考の型が異なり、書く型が異なり、「論理的」と言われるものが異なり、「価値のあると言われる能力」も異なる。
アメリカ、フランス、イラン、日本の教育方法、特に作文・小論文の型と歴史教育に焦点をあてて、そこから求められる「論理的」について考えていく。
そもそも、作文や小論文が国によって違うなんて思ってもいなかった。どこの国も「感想文」を書かされているものだと思ってた。。
この本ではアメリカ→フランス→イラン→日本の順に紹介されていく。他の国の話を読んだ後での日本の話は本当に驚きだった。
自分が当たり前と思って受けていた教育を、他の国と比較しながら客観的に解説さ -
Posted by ブクログ
この本の重要性を説明したくなったので、まとめてみる。
まず現代社会の問題として、行き過ぎた多様性とその結果による各コミュニティ間での合意形成の難しさについては、昨今頻繁に言われている。
これに対して筆者は解決策を論理的にかつ例証までして提示している。
実はこれはすごいことで、世間にいまだにはびこっている多様性とは、他者性と接触しない自分の価値観を正当化するためのもので、つまり思考のモードは一つだけしか持たないものである。しかし全ての人が多様な思考のモードを同時に持つことができたら、多様性を持ちつつも普遍性も確保することができる。(これは哲学的課題である極端な普遍主義や相対主義のどちらにも陥ら -
Posted by ブクログ
初めて読む渡邉雅子氏の著作だが、専門的な内容ながら論理展開が明晰で分かりやすく、具体例が豊富なので、素人にも読み通すことができた。日本とアメリカの小学校高学年対象に調査して、1)作文教育2)歴史教育3)クラス経営や評価の、3つの項目に通底する日米の相違点を分析解説している。少し前に話題になった『小学校〜それは小さな社会』(英題 The making of a Japanese)を彷彿とさせる、とても興味深い内容だった。日米比較した結果として価値判断をすることはなく、中立の立場で双方の長所と欠点を提示しながら、両国の国民性や行動様式の違いを指摘している。これを読むと、なぜアメリカでは起業が極めて