犬村小六のレビュー一覧
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うわー泣いたー。
泣かされたー。
なんというすごい回。
まさかシリーズ折り返しのここで、こんなにも泣かさせられる展開が待っていたとは。
まさに神回だった。
前半はミオとニナの絡みで、プールでの水着姿や驚愕の(笑)アリー麺騒動などシリーズ愛読者にはクスリとさせられるちょっとほのぼのとした展開だった。
けれど、物語が囚われた清顕とかぐらに移ってからは、彼らを助けようとする仲間たちのその想いに、もう何度ボロボロと泣かされたことか。
特に、セシルとバルタにはやられた。
いくつもやられた場面がある。
セシルが囚われの2人を助け出す事を叔母コレットに語る場面。
短慮を咎められても、自分には恥じることは何も無い、天命に従って乗り越えて見せると胸を張って決意を語るその姿!
そんなセシルにコレットが彼女の母親を重ねる場面。
バルタが獄中のかぐらに会って憤る場面。
かぐらに会った後にバルタがセシルに送った電報
「2名の移送手段を確保されたし」
それを読んだ瞬間、セシル同様涙が溢れて止まらなくなった。
個人的にはこの場面が本巻のハイライト。
いや、ヤバかった。
ほんとに涙が止まらないんだもん。
それにしても前半はまるで道化役だったバルタのそこから後のカッコ良さ。
コレット同様、「男前になった」と言ってあげたい。
そして、救出後のバルタとかぐらの絡みがとても良い。
甘えるかぐらと不器用に応えるバルタ。
なんとも幸せな気分にさせられた。
とうとうバラバラになってしまった仲間達。
でも、きっとこれはまさしく天命なのだろう。
この先の物語が早く観たい。
そんな気にさせられた。
そして、ラストでいよいよ恋歌のラストにつながった。
カルの登場もそのうちあるのだろう。
期待したい。
あー、ほんと満足の一冊だ。 -
Posted by ブクログ
ラストシーンの余韻が胸の奥に灯る光となってずっと続いている。
一瞬の煌めきが永遠の光になる。切なくも心強く、純度の高いボーイ・ミーツ・ガールだった。
この『とある飛空士への追憶』という物語はシャルルとファナ、二人の旅の記録であるから自ずと焦点が二人に絞られるわけで。空の旅と戦い、その中で芽生える恋と育まれる気持ちという物語の軸が最初から最後までぶれることなく、二人に感情移入して読むことができた。
幾つも愛の言葉を並べたり体を重ねたりするのではなく、あの自由な空の舞いこそが、黄金に彩られた空のあの煌めきこそが、胸いっぱいのありがとうとさよならが、二人…いや三人の生涯忘れ得ぬ空旅と初恋の確かな証。美しかった。 -
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ああ、これはいい!
わくわくが止まらない!
「追憶」「恋歌」「夜想曲」と紡がれた『とある飛空士』シリーズの4作目。
また新たな『恋と空戦』の物語の始まりに、なんとも心躍った。
冒頭から亡国の王族の逃亡シーンがあり、それこそ追憶や恋歌を思い出して、実に飛空士シリーズらしい始まりだと思った。
そして、集うメンバーにはその元王族だけでなく、因縁のある撃墜王同士の子供たちや、空族のスパイなどが含まれて、これからなんとも壮大な話が始まるのだなという期待感がいやがうえにも盛り上がる。
一艘の飛行艇に乗り合わせた7人の士官候補生たちが、戦場の空を、夜の海原を、敵機の攻撃を受けながら必死で逃げ延び、さらに危険な夜間着水を実行する展開は、ページをめくる手が止められないほど、惹き込まれた。
もちろんお約束のラッキースケベあり(笑)、ミオと清顕の痴話げんか(?)ありでコミカルの部分も楽しめた。
早くも恋の三角関係に発展しそうな展開があって、さすがに『恋と空戦』の物語という看板に偽りなしという感じだ。
ちなみに、元王族はすぐに誰なのか分かったけど、スパイの方は誰だろう?
いかにも怪しそうなのは彼だけど、たぶん違うんだろうなあ。
おそらくもっとも意外な人物、と言うことは……
この1巻目の刊行はもう5年前なのだけど、実は完結するまで読み始めるのを待っていた。
途中、恋歌のあの人も登場してくるらしいので、この先読み進めるのが楽しみ。
物語の滑り出しは最高!
さあ、次だ! -
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読み終わったのに記録つけるの忘れてた。
犬村小六先生の新作というだけで待ちきれないぐらい楽しみにしていたのだが、期待を裏切らない出来だった。
何より印象深いのは主人公と王女の逃避行の中で揺れ動き、そして身分の差から引き裂かれる二人の心情だ。犬村先生得意の心情描写の技術をこれでもかというほどふんだんに使った一連の文章は読むがわまでせつない気持ちで満たしてくれる。
周りに言えない秘密を抱えたミズキや、もちろん主人公とのただならぬ因縁を感じさせるアステルも含めて、読者をワクワクさせる伏線を張りながら、戦闘シーンは圧倒的な描写力で満足させてくれる。新しい名作が始まった。 -
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ネタバレ『追憶』から考えればあまりに長い物語になったせいか読み終わった瞬間の読後感はなかなかのものがあった。全17巻で毎回それなりの暑さが有ったことを考えるとはライトノベルとしては本当に重厚な物語になった。特に主人公陣が勢揃いした挿絵を見たときは心が震えたよ
十倍近い相手、次世代戦闘機を相手にすると聞いたときは一体どれだけの飛空士が生き残れるか、もしや主人公人の誰かが撃墜されてしまうのではと危惧していたのだけど、そんな心配要らなかったというか圧倒的過ぎない!?海猫と魔犬なんて300機近い相手に囲まれながら何事もなかったかのように生還するなんて人間業じゃない……
これを超える戦闘シーンってもう出会うことはないんじゃないかと思うほどの壮絶な展開だったよ
そしてこれまで散々好き勝手やってきたゼノンが酷い目に遭うラストにはスカッとしたよ。四肢破壊に近い状態で豚攻めされるゼノンの絵面は気持ち悪いだろうけど、思いっきり笑ってやりたいね
ウラノスの黒幕ポジションが軒並み捕まっていく流れや空戦で圧倒してしまう展開はある意味ご都合主義的なんだろうけど、あれだけ苦しい思いをたくさんした面々なんだから最後くらい規格外のハッピーエンドが有ったっていいじゃない
ある程度ミオとイリアから好かれていることを自覚して、自身も二人を好いていた清顕だけど、きっぱり結論を出して告白したのは潔いな。『恋歌』のカルエルも三角関係だったけど、アリーの想いには気付かずに終わっていたからな~。でも、決死の出撃前に結婚の約束は死亡フラグド真ん中じゃないですか!
もう揃うことがないと思われたエリアドールの7人が勢揃いした場面は感無量。清顕とミオの子供が知らず知らずのうちに親と同じことをシーンはちょっとニンマリしてしまう……。個人的には他の面々の後日談が少ないような気がしてしまう。カルとクレアなんて『恋歌』の主役であとは再会するだけだったが殆どの読者はその再会を長い間待ち望んでいたのだからもっとページ数を割いてほしかったような……。 -
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ネタバレ最終巻手前ということもあり、心震えるような展開ばかり!というか遂に海猫と魔犬の二人が本名で登場したよ!魔犬は彼の息子とはいえ、二人が並んで飛行するシーンを見た辺りで感無量に……。「吉岡武雄」という名前もなかなか来るものがある。
今回は空戦シーンは少なかったけど、その分かぐら含む秋津の展開がまたキツイものばかりで。あのラストってやはりかぐらは死んでしまったんだろうか?ご都合主義的なものを期待すると急所は外れていてほしいけれど……。
やっぱりね、このシリーズにはハッピーエンドに辿り着いて欲しいけど、それ以上に最後はエリアドールの七人が揃っていて欲しいんだよなぁ
ライナもかなり心が揺れているようだけど、彼はどうするつもりなんだろう?終盤の天宮襲撃の際に姿を見せなかったのは何か意味があるんだろうか?ニナのために用意された機体のノーズアートがハチドリになっていたけど清顕の前に敵として現れる前兆なのかそれともこれなら清顕に撃たれないだろうという計算なのか
最近すっかりコメディ担当として定着していたバルタだけど、少年時代の経験がとんでもない……。ライナに次ぐ重い過去を持っていたのは予想外だった。でも『あの手紙』で抜け殻になってしまう辺りやっぱりコメディ担当なんだよなぁ(笑)
ミオとフィオのお陰で状況が全て整った第八巻。『追憶』『子守唄』『恋歌』、そして『誓約』全てを締め括る最終巻でどんな終わり方をするのか期待したい -
Posted by ブクログ
まずは8年間にわたり、クオリティを落とさずコンスタントに物語を紡ぎ、広げた大風呂敷をキレイにたたんで、シリーズ完結を成し遂げたことに敬意を表して、★5つ。
個人的にはもう少し切なさの残るラストを期待していたのだけど、これはこれでいい締めでした。
カルとクレアとアルバス一家のその後については、ちょっとスピンオフで読んでみたいような。
「あの人」と彼のその後については、あえて描かなかったんでしょうね。ちょっと寂しいけど。
前巻から強烈にねじまがったスーパー横恋慕男が出てきたせいか、
カーナシオン→イリア、ゼノン→アメリアあたりの妄執は決着しないまま放置(笑)
4人のエースの戦いっぷりの描写が圧巻。
リアル描写で空戦技術の凄さを強調するより、
比喩と叙情的な表現を駆使して、読み手の想像力を働かせたのは正解だと思う。
そして、ジェットエンジンを登場させたのは、
作者自身が、この世界と決別する意志の表明だったのではないかと。
めでたくシリーズ完結ですが、
空の果てとか、大瀑布とか、世界観に絡む話はもっと読んでみたかったなあ。
平和な時代に生きる次世代たちが空飛ぶ探検家になって、とかスピンオフにならないかな。無理か。
「追憶」の劇場版といい、「恋歌」のテレビ版といい、
このシリーズはアニメ化のクオリティに恵まれていないので、今作をアニメ化する場合は、できるだけ原作の良さを生かしていただきたいものです。テレビや映画より、Netflix等の配信サービス向きかも。 -
Posted by ブクログ
「とある飛空士への」シリーズ最終巻。おもいっきり堪能させてもらいました。
この作者の素晴らしいところの1つに、主要キャラであっても容赦なく作中で死亡させてしまう容赦の無さと、ストーリーにおけるハッピーエンドを両立させることがあると思う。特に前者によって、いわゆるお約束展開に凝り固まること無く、いつも読者の予想の上を行く展開が可能になるのだと思う。(このシリーズの読者なら、8巻でそれを感じたのではないだろうか。)
ただ、この巻に限って言えばやや展開が読めてしまった感は否めないが、シリーズ集大成の最終巻だから仕方のない面もあるだろう。
ストーリーとしては、今までのシリーズの主人公たちが勢揃いする、シリーズのファンにとってはたまらない空戦描写と、「誓約」としてのラストを飾る終章が何よりのみどころだろう。
どちらも、初めて「とある飛空士への追憶」を読んだ時の衝撃と、「とある飛空士への誓約」を読んだ時に感じた物語世界の壮大さや、誓約の言葉に秘められた感情の大きさを思い起こさせるに足る文章であったと思う。
このシリーズの感想ではもう幾度も書いてきたが、風景描写や心象描写における言葉の美しさは、最終巻になってますますその洗練さを増している。
小説の中でこのシリーズが最も好きであるという私の個人的感情も多分に含まれるだろうが、それでも敢えて書き残しておきたい。
登場人物ひとりひとりの心のありようを美しい文章で追体験しながら読み進める後半部分、そしてラストシーンは、もうこのシリーズの続きを待てないのだという倒錯した感傷とともに、私の心の中の風景として永く残り続けることだろう。
この本に出会えてよかった。