田中達也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
遊び・食べ物・仕事・日常がぐるぐる溶け合って、地続きになった温かい物語。
田中達也さんのミニチュアが、物語の世界をさらに盛り上げてくれる。
食べ物で表現されるアトラクションが緻密でとても可愛いく、ワクワクしながら読んだ。
「ジェットコースター」が特に好き。 視野が狭く一つのことに集中しているときには見えないものが、回り道をしたことでふっと現れるような感覚が心地よかった。
「イベントステージ」で子どもから出てきた
「正義のヒーローは悪者に暴力をふるってもいいのか」という問いかけには、立ち止まって考えてしまった。
暴力でなく、技で競い合うという優しい答えに癒される。 -
Posted by ブクログ
「木曜日にはココアを」に登場した人たちの、“その前”の時間が描かれている物語。
いわゆるアナザーストーリーというよりも、どちらかというと前日譚のような一冊だと感じた。
「あの人に、こんな過去があったんだ」「このとき、こんな気持ちでいたんだ」と驚きと同時に、心の奥にそっと触れるような感覚があった。これまで断片的に見えていた感情や選択が、静かに補完されていくようで、登場人物たちがより身近に、愛おしく思えた。
街の小さな喫茶店を軸に、それぞれの人生がやさしく重なり合っていく。派手な出来事はないのに、人の心のあたたかさや、ささやかな勇気がじんわりと胸に残っていく。
読み終えたあと、誰かに少しだけ -
Posted by ブクログ
この本を読むには「木曜日にはココアを」を読んでおく必要がありますね。
喫茶店「マーブル・カフェ」での12編の物語に登場した人々の出会いのそれぞれの前日譚になっています。
そして青山作品の装丁は殆どがミニチュア作家写真家の田中達也さんが手がけています。
「いつもの木曜日」の表紙のデザインにもミニチュアの人物が配置されていて、「この人の、この場面かな?」と想像しながら眺めるだけでも楽しくなります。
今日は木曜日です。ほぼ土日が休日の私にとっては木曜日は好きな曜日です。「明日1日仕事すれば休みだ!」という単純な理由です。月曜日からずっと働いて、ちょっと心の余裕ができるのが木曜日なのかな?そ -
Posted by ブクログ
表紙とタイトルに惹かれて読んでみた。
仲良しだったはずの5人。
颯斗が他のメンバーをけしかけて、清也のランドセルに金魚のエサを撒いたのはちょっとしたいたずらだったはず...。
でも、本当にただの悪乗り?悪意はなかった?
6年生という微妙な立ち位置は、自意識と自立、親からの干渉などエネルギーとストレスの間に身を置き、ともすればあらぬ方向に走り出してしまう。
颯斗も走り出してしまった自分の行動を抑える術を、まだ知らなかったのだろう。
そんな彼を受け止める誰かがいれば、もう少し早い段階で止めることができたのかもしれない。
けれど、頼りなかった担任も、葛藤しながらも傍観していた連も変わり始める。
-
Posted by ブクログ
教師の仕事は、勉強を教えることじゃない。子どもと向き合うことだよ。一人一人を、しっかり見てあげなきゃ。胸に刺さった言葉。
小学校6年生男子の友達関係をめぐる物語。いじめられた側の驚き、悲しみ、悔しさはもちろん、傍観者の立場の子の気持ちもひしひしと伝わる。と同時にいじめた側の子の気持ちも丁寧に描かれており、いじめは加害者が抱える問題を解決しないと終わらないことがわかる。大人による表面的で強制された仲直りでは、子どもたちの心は動かない。いじめは大人になっても癒えない傷としてずっと残る。いじめを子どもだけで解決することの難しさと、周りの大人が気づき、行動することがいかに大切かが問われる。子どもと子