長田弘のレビュー一覧
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日々の喧騒から離れ、自分自身の内側にある
静かな森へと歩を進めるような
詩情あふれるエッセー集でした
この本を開くと…行間からひんやりとした
森の空気が流れ出し
忘れていた「静寂」が漂ってきました
長田さんが語る孤独は決して寂しいものではなく…
それは「日々の付きあい、なりわいの内にひそむ」ものであり
自分という存在を深く
優しく肯定するための大切な場所だということ…
詩人の筆致で綴られる言葉のひとつひとつは
水彩画のように淡く
けれど確かな手触りを持って心に広がりました
木々の揺らぎ、鳥の羽ばたき、季節が移ろう音…
身近な風景の中に宿る小さな奇跡に目を向け
ただそこに -
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◼️ 長田弘「私の好きな孤独」
なりわいと社会と旅のなかで孤独を愉しむ。オトナな本かも。
連休にはいわゆる独立系書店、古書店をいくつか巡った。そこで引力のある一冊を買うのが慣い。詩人長田弘は知っていたが読んだことはない。タイトルと表紙のカッコ良さも相俟って、何か読み込めそうなものを感じて手に取った。
孤独、という実感を持ったことのない人はいないと思う。家族といても、ざわめく街にいても、会社にいても孤独はある。寂しくも、時にはしんどくもあるが、これが孤独、という手触りはけっこう好きだったりする。そして、この本に語られているように、愉しむ孤独ももちろんある。まさに書店巡りしている時、目当ての -
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本著は、過去と未来と「風景の中で生きる」今を繋げるテーマで綴られるエッセイである。
なつかしさを感じるのは、今抱いた今現在の私であると説く。過去に生きた私も先人もあの時代も出来事も全部、振り子のような関係で繋がっていると主張する。
確かに過去を振り返らない人間はいない。その過去を振り返るその瞬間に抱いた「なつかしい」気持ちは今抱いている感情であると改めて認識してくれる。その「なつかしい」という気持ちは私やあなたという中に「風景」として残り、心を形作るのであろう。その振り返る時間は今や未来とも繋がることをエッセイという詩を通じて現代の喧騒の中で見過ごされがちな「なつかしい時間」の価値を育むべきだ -
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大人はレゴで現実にあるものを、できるだけそれらしく見えるように作ってしまいがちである。そのことにがっかりする。子供は例えば電車を作ったとして、大人から見れば到底電車には見えない。しかし子供たちの中には自分にとっての電車のイメージがしっかりとある。
「たった1軒のカフェに親しむだけで、知らなかった街が、ふいにどれほど、自分に親しい街に変わっていくことか。朝の清潔な孤独を味わえる街の店に座っていると、そのことが染み渡るようにわかってくる。それが、旅だ。実も知らなかった。街の密かな感情に親しく触れ合うことが、旅の感情だ。そういう旅が好きである。」 -
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ネタバレ「記憶のなか」という言葉は、「心のなか」と同じ意味をもっています。そのなかに、驚きを書き込む。悲しみを書き込む。喜びを書き込む。そうやって、自分でつくりあげてゆくのが、記憶です。
「記憶という土の中に種子を播いて、季節のなかで手をかけてそだてることができなければ、ことばはなかなか実らない。じぶんの記憶をよく耕すこと。その記憶の庭にそだってゆくものが、人生とよばれるものなのだと思う」 (P、61)
そのときはそうと思っていない。けれども、いつかやがてその人の決定的な経験をかたちづくることになるだろうものは、人と(誰と?)そこに共にいるということ、日々を共にするということです。(P、1 -
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環境の変化で読書が心の支えになった時に読んだ。
なんか言葉の細かいニュアンスを大事にする人が書いてるんだなあって思った。すごく感覚的にいろんな物事が語られて、なぜかこわさを感じた。
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自分が持っている時間というのは、自由になる時間というのではないのです。
そうではなくて、自分のもっている時間の井戸から、記憶の水を汲み上げるための時間が、一人の「私」という空のバケツを満たす、充実の時間であるだろうというふうに思うのです
→文化を消費しまくることに私は介在しないじゃん、って思ってたけど単純にそういうことでもないらしい
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経験を分け合う -
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本が好き
義務でも修行でもなく、ただ単に楽しい遊びだから
この本は読書についてではなく、もっと根本にある言葉について、自分のありようについて考える導きのような本
「言葉というのはその言葉で伝えたいことを伝えるのではない。
むしろ、その言葉によって、その言葉によっては伝えられなかったものがある、言い表せなかったものがある、どうしてものこってしまったものがある、そういうものを同時にその言葉によって伝えようとするのです。」
この文章を読んだ時にホッとした気がして
伝えたい思いがあるのに、言葉にできなくて、言葉にしようと思いがよくわからなくなってしまう
こういうことを言いたいわけじゃない...
な -
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ネタバレ詩人・長田弘氏が私たちに書き送る手紙39篇が収められている本。
どの手紙も言葉の一つ一つが味わい深く、それぞれの手紙に
ハッとさせられる一言がある。
私は「行きどまりと思ったとき、笑い声が聞こえてきた」から始まる
中国の詩を紹介している手紙8と
エミリ・ディキンソンの詩を紹介している”痛み”について書かれた
手紙39が特に印象に残った。
<手紙8からの抜粋>
人びとの日常の明証としての笑い声。
そうした笑い声をもつ世界のすがたを
あたかも行きどまりのようにおもえる現在の向こうに、
あきらめることなくたずねること。
誰にも言われなくともしなければならないこと、
よくよく思いさだめておきたいこと