長田弘のレビュー一覧

  • 自分の時間へ

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    『ニコマコス倫理学』を読んだときに抱いた、形にできなかった感動が、大好きな長田さんの言葉で示されていた。

    P182
    今日、古代のギリシア人の遺した言葉を、本によって、それも明澄な日本語で、「われわれの同時代人」
    の言葉として読むことができる幸運もまた、このときにもたらされた読書という習慣なしにはなかっただろうことを考える。


    天職としての仕事に出会いたい、でもそれは甘えかもしれないとも思う

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    2024年12月19日
  • 自分の時間へ

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    長田弘は、自分の中で特別な人(詩人)なので、新しい本が出ているのを見つけるといつも買ってしまう。買ったまま満足して読んでいない弘たちがたくさんいるのだけど(持っているだけでなんだか安心してしまう)、この本は買って割とすぐに読んだ。今の自分に合っていると思ったので。
    こんなにして感じたことを、どうしてこんなに伝わる言葉に変えることができるのだろうと、また思った。自分のお気に入りの弘たちをまた読み返したくなった。

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    2024年11月04日
  • すべてきみに宛てた手紙

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    ネタバレ

    「記憶のなか」という言葉は、「心のなか」と同じ意味をもっています。そのなかに、驚きを書き込む。悲しみを書き込む。喜びを書き込む。そうやって、自分でつくりあげてゆくのが、記憶です。


    「記憶という土の中に種子を播いて、季節のなかで手をかけてそだてることができなければ、ことばはなかなか実らない。じぶんの記憶をよく耕すこと。その記憶の庭にそだってゆくものが、人生とよばれるものなのだと思う」 (P、61)



    そのときはそうと思っていない。けれども、いつかやがてその人の決定的な経験をかたちづくることになるだろうものは、人と(誰と?)そこに共にいるということ、日々を共にするということです。(P、1

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    2024年09月25日
  • 読書からはじまる

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    長田弘さんの詩集は大好きなものが多いのに、こちらは残念ながらあまり合わなかった。所々頷く部分はあるものの、同じ事柄を僅かな違いの言い回しで繰り返し説いていたり、過去を美化しているような、退屈に感じてしまうところが多かった。言葉を大事にしているからこその文章だと思うので、読んでよかったと言いたいところだけれど、今の自分には刺さりきらなかったというのが本音。

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    2024年09月11日
  • 読書からはじまる

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    環境の変化で読書が心の支えになった時に読んだ。
    なんか言葉の細かいニュアンスを大事にする人が書いてるんだなあって思った。すごく感覚的にいろんな物事が語られて、なぜかこわさを感じた。

    129
    自分が持っている時間というのは、自由になる時間というのではないのです。
    そうではなくて、自分のもっている時間の井戸から、記憶の水を汲み上げるための時間が、一人の「私」という空のバケツを満たす、充実の時間であるだろうというふうに思うのです


    →文化を消費しまくることに私は介在しないじゃん、って思ってたけど単純にそういうことでもないらしい


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    経験を分け合う

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    2024年08月10日
  • 読書からはじまる

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    本が好き
    義務でも修行でもなく、ただ単に楽しい遊びだから

    この本は読書についてではなく、もっと根本にある言葉について、自分のありようについて考える導きのような本

    「言葉というのはその言葉で伝えたいことを伝えるのではない。
    むしろ、その言葉によって、その言葉によっては伝えられなかったものがある、言い表せなかったものがある、どうしてものこってしまったものがある、そういうものを同時にその言葉によって伝えようとするのです。」
    この文章を読んだ時にホッとした気がして
    伝えたい思いがあるのに、言葉にできなくて、言葉にしようと思いがよくわからなくなってしまう
    こういうことを言いたいわけじゃない...

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    2023年10月30日
  • 私の好きな孤独

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    エッセーというより、どれもが一遍の散文詩みたいな文章集だった
    分かりやすくはないけれどじんわり沁みる

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    2023年10月28日
  • 読書からはじまる

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    すべて読書からはじまる。本を読むことが、読書なのではありません。自分の心のなかに失いたくない言葉の蓄え場所をつくりだすのが、読書です。

    とてもよく分かる。あー私の読書はこの一言に行き着くなあと思った。

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    2023年10月24日
  • 読書からはじまる

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    うーん、なんだか思っていたものと、というか少し違うような気がした。うなずくところもありそうでないところもあり。

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    2023年10月13日
  • 私の好きな孤独

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    ネタバレ

    前半はエッセイというより、詩や小説のようでどう捉えてよいかわからず少しペース遅めに読んだ。
    後半は著者の話が増え読みやすかった。
    自分から逃げないことが終始語られていたと思う。
    ジャズが聴きたくなりました。

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    2023年06月16日
  • すべてきみに宛てた手紙

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    ネタバレ

    詩人・長田弘氏が私たちに書き送る手紙39篇が収められている本。
    どの手紙も言葉の一つ一つが味わい深く、それぞれの手紙に
    ハッとさせられる一言がある。
    私は「行きどまりと思ったとき、笑い声が聞こえてきた」から始まる
    中国の詩を紹介している手紙8と
    エミリ・ディキンソンの詩を紹介している”痛み”について書かれた
    手紙39が特に印象に残った。

    <手紙8からの抜粋>
    人びとの日常の明証としての笑い声。
    そうした笑い声をもつ世界のすがたを
    あたかも行きどまりのようにおもえる現在の向こうに、
    あきらめることなくたずねること。
    誰にも言われなくともしなければならないこと、
    よくよく思いさだめておきたいこと

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    2023年02月19日
  • 読書からはじまる

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    本への愛をとても感じる文章。本は読んでも忘れるものだけれども、それによって再読するチャンスが得られるという考え方は素敵。聖書が章や節で分けられて引用されるようになるのに1500年以上かかっているというのは知らなかったし興味深い。

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    2022年07月06日
  • 読書からはじまる

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    読書についてというよりも本とは言葉とはといった内容。私自身本を読むことは好きだけれど同時並行が出来ない分、後回しにしてしまうことが多い。本と向き合う時間をきちんと設けたいなと改めて思った。

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    2022年04月05日
  • 読書からはじまる

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    ネタバレ

    詩人ならではの言葉の向き合い方や言い方が、正直読みにくかったです。
    ただ、「面白い視点」は多かった。

    「若い世代が本を読んでない」わけではなく、「若い世代が読む本を大人が読まない」のだ。

    人は自分が触れてきた言葉しか表現することはできないし、自分がいいと思った言葉を使うようになる。
    日常から意識をしている人とは差が出ると感じました。

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    2021年11月25日
  • 読むことは旅をすること

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    地図を眺めながら読みすすめるとその土地に、その時代にいる気持ちになれる。読み終えた本を抱えてその土地に行き、その本をよみこんでいく。

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    2015年11月01日
  • なつかしい時間

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    清水眞砂子さんの本を読んだ後だけに、余計に、懐かしむ弱さ=現実を肯定する、変革する視点の弱さを感じた。

    最後の方に出てくる、長田さんの詩五編、訳詩の楽しみ、使い方の哲学、遠くを見る目(これは繰り返し出てくるテーマでいささか、その後、飽きてきたが)は良かった。

    私も紙としての本を偏愛するのものであるが、おおきな共鳴は本書から得られなかった。

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    2015年05月22日
  • なつかしい時間

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    言葉にこだわって、言葉を大切にする。
    やさしさとリズムのある詩がとても好きです。
    エッセイも詩を読むような文章。
    福島出身の長田弘。
    とてもたくさんの著作があるのですね。

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    2013年03月13日
  • 知恵の悲しみの時代

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    古本市でみつけて即購入したのは、これまで長田弘さんの本から、たくさんのことを教わってきたから。なかでも大切な『私の二十世紀書店』が、戦争と革命、難民、開発の時代であった二十世紀を世界文学から読み直すものであったのに対し、この本は、日清戦争が始った1894年から、1945年まで、戦争に覆われ、言論統制が強まっていく日本で出版された、さして有名でもない本たちの中から、騒音にかき消されようとしていた、ささやかな言葉たちを拾う試みです。たとえば、ルネ・クレールの映画「自由を我等に」に感動し、伊藤野枝にラブレターを書き送ったこともある木村荘太が、野枝殺害の報に接し「感情や、感動で動けるような思いならなん

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    2011年07月16日
  • 知恵の悲しみの時代

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    「戦争のない日常の平凡な時間のうつくしさこそ、かけがいのない『人間の慰み』であり、わたしたち自身の手にとりかえすべき大切なものである」

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    2009年10月04日