【感想・ネタバレ】私の好きな孤独のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年04月21日

音楽、珈琲、旅、酒、読書など、明るく前向きな孤独との付き合い方を指南するエッセイ。
「言葉の樹」で心を掴まれる。
風景や色に対しての独特な観点が印象的。
「交響曲第一番」「窓」「本屋さん」
繰り返し読みたくなる。
音楽については解説書の趣き。

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

描かれるような文章で、孤独の美しさが語られる。

前半は、短編のような、少し長い広告文のような
ラスト一行に心掴まれる文章。
「バーボン、北米のありふれたウイスキーだ。ありふれたものを素晴らしいものに変えるのは、つねに愛着である。」
ふわりとバーボンの香りがたつ。

街を描かれた章では、これから歩く...続きを読む街並みが
少し詩情をもっと眺められるような味わい。

「舞台。都会のプラットホームは、都会の舞台のようなものである。ただしヒーローもいなければ、ヒロインもいない。」
「地下道には、いま、ここというものがない。いま、ここという感覚が失われてしまえば、じぶんなんてものは、あっさり見失われてしまうのだ。」
「誰もいない公園で揺れのこっているブランコには、鋭い悲しみがある。」

どれも、はっと気づかされ、胸をつくような驚きと感動がある。

最後の章は、ジャズが聴きたくなるような音楽と作者の文に
心が揺らぐ、心地よくスウィングする。
その中にも、
「青春の時間は、真夜中を中心にめぐる。そうして後に「何か」としてしか思い出せないような「何か」だけを残す。」
「気持ちのいい沈黙があれば、それだけでいいのだ。たとえ音楽が流れていても、いい音楽であれば、あとにきれいな無がのこる。気に入った街のコーヒー屋では、黙ってコーヒーを飲む。」
「たった一軒のカフェに親しむだけで、知らなかった街が、ふいにどれほど、じぶんに親しい街に変わってゆくことか。朝の清潔な孤独を味わえる街の店に座っていると、そのことが浸みるようにわかってくる。
それが、旅だ。身も知らなかった街の密かな感情に親しくふれあうことが、旅の感情だ。」

孤独、旅、友情、音楽。
たくさんの気づきや、感動に、心揺さぶられる読書時間だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月11日

長田弘のエッセイ集。2ページほどで綴る人生の悲哀と滑稽さ、猫、愛、言葉、音楽、駅、コーヒー、ヨーロッパやアメリカの街角についての考察。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年09月15日

詩人である著者の日々、思い出、好きなカフェ、ジャズ…短い話がたくさん。どの話もことばが大事に愛をもって扱われていて、好きな文章だった。「奥行きの深い言葉」と解説でも言われているけれど、本来ことばでは切り取ることのできない物事の奥行きを、そうと分かっていてもできうる限りすくい取ろうとするような誠実さを...続きを読む感じる。しかもそこで使うスコップは子供でも分かるような平明なことばと文章なのだからすごい。
この本の中では「窓」が一番好き。
「街は窓でできている。窓のない街はない。街とよばれるのは、窓のある風景なのだ。」
私はたくさん並んだ窓を眺めるのが子供のころからすごく好きで、自分の知らない、知りえない人間たちとその生活が窓から生々しく漏れ出していることに心惹かれてしまう。だから、「窓には人生の表情がある」という一言に心から同意したくなった。ミミズクと少女は出て行ったけど、必ずまたどこかの窓へと宿るだろう。長い長い物語が闇の中へ続いていくような余韻が頭の中で尾を引いている。

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Posted by ブクログ 2023年10月28日

エッセーというより、どれもが一遍の散文詩みたいな文章集だった
分かりやすくはないけれどじんわり沁みる

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月16日

前半はエッセイというより、詩や小説のようでどう捉えてよいかわからず少しペース遅めに読んだ。
後半は著者の話が増え読みやすかった。
自分から逃げないことが終始語られていたと思う。
ジャズが聴きたくなりました。

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