長田弘のレビュー一覧

  • すべてきみに宛てた手紙

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    『人の人生は、やめたこと
    やめざるをえなかったこと
    やめなければならなかったこと
    わすれてしまったことで
    できています。
    わたしはついでに
    やめたこと、わすれてことを後悔する
    ということも、やめてしまいました
    ‥‥
    物事のはじまりは、いつでも瓦礫の
    なかにあります
    やめたこと
    やめざるをえなかったこと
    やめなければならなかったこと
    わすれてしまったことの
    そのあとに
    それでもそこに
    なおのこるもののなかに』

    長田弘さんの気持ちが
    詰まった一冊
    長田さんの好きな絵本の数々
    どれひとつも
    読んだことがなかった
    また、読書の候補が増えました!

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    2025年11月27日
  • 自分の時間へ

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    だれかにもこの温かさが届きますように。

    本は心が着る服。

    言葉は人生の盾と矛で、言葉の豊かさは幸いをもたらす。詩は呼吸である。

    豊かな言葉が詰まった本や詩や音楽、それを大事にしてきたおかげで、(わたし)は立派な木に育ったのかもしれない。風や嵐で曲がりくねり折れてしまうのではないかと、曇りの空をずっと見上げる毎日から、光を照らし詩という呼吸をさせてくれた。それが今まで読んだ本や、長田さんの詩の存在だ。

    今回の本はまた私の養分となり1cmと成長させてくれた。手元に残る沢山の言葉が暖かく、冬も嵐も乗り越えていけそうだ。

    言葉の豊かさを手に入れた人は幸いである。

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    2025年10月27日
  • 読書からはじまる

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    ネタバレ

    自分が本に感じている感覚を教えてもらった気がする。

    「いい時間」、「故郷のような愛着」、「心が自由」、「自分の中に蓄える言葉」ということ。
    個人的には「思い出すひと」がいるということも、本に感じる優しい感覚。

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    2025年09月15日
  • 世界は一冊の本 ――definitive edition

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    長田弘さん没後10年だそうです。
    享年75歳だそうなのでもしご健在ならまだ85歳です。
    私の父も26年前に59歳で亡くなっているので、二人とも生きていたらひとつ違いでした。

    長田さんの詩集は全部読んだつもりでしたが、これは未読でした。




    「ファーブルさん」



    どんな王宮だって、とファーブルさんはいった。
    優美さにおいて精妙さにおいて、一匹の
    カタツムリの殻に、建築として到底およばない。
    この世のほんとうの巨匠は、人間じゃない。


    この地球の上で、とファーブルさんはいった。
    人間はまだ、しわくちゃの下書きにすぎない。
    われわれ貧しい人間にさずかったもののうちで、
    いちばん人間らし

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    2025年08月07日
  • 世界は一冊の本 ――definitive edition

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    初めての作家さん。詩って難しい言葉とかを使って、何を伝えたいのかよく分からないのとか多くてなかなか合う作家さんを見つけられないんだけど、長田さんは誰もが使うような平面な言葉を使って詩を書く。逆にそれがストレートに伝わって自分的には心に響く。とにかく他の作品も呼んでみたい。迷ったら絶対読むべきです。

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    2025年06月25日
  • 自分の時間へ

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    詩的な文章で、心を温かく包みこんでくれたような本だった。
    著者が言葉というものを、本当に大切にしていたことが、文章から感じた。

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    2025年06月12日
  • 世界は一冊の本 ――definitive edition

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    長田さんの詩は、言葉が丁寧でスッと心に入ってくるので好きです。言葉の森の中を歩き、森林浴をしているような爽快感がありました。心身の柔軟性が得られたかのようです。

    長田さんの友人、ご両親が亡くなり、その別れを詩にしたものがありました。それぞれの人物と長田さんの気持ちの距離感が分かり、興味深かったです。

    タイトル「世界は一冊の本」の詩は、この本の最後に載せられています。きっと有名な詩だと思うのですが、私は初めて知り、今日はいい詩に出会えて得した気分です。

    手のひらにある小さな本と、世界の対比がとても素敵です。本を読むことも生きることの一部であり、自然はもちろん、あらゆる経験から考え、感じるこ

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    2025年06月08日
  • 子どもの本の森へ

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    長田弘さん(詩人、児童文学作家)、河合隼雄さん(臨床心理学者)の児童文学作品をテーマにした対談集。

    長田さんの詩情豊かな言葉、河合さんの心理学者の立場からの発言は、どちらも示唆に富むもので、相乗効果が生まれていました。

    次から次へと出てくる作品の数々に、胸が踊りました。敬愛するお二人のお話に引き込まれ、読みたいと思っていた児童文学作品を、いつまでもツンドク状態にしていてはダメだと強く思いました。未読の本のうち、どれから読もうか迷ってしまいます。

    【印象に残った言葉】
    ・永遠より長い一瞬の世界が絵本の世界(長田)
    ・絵本の世界というのは記憶のリサイクルによってできていて、おんなじ絵本がずっ

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    2025年05月24日
  • 読書からはじまる

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    言葉に真摯に向き合っている著者の読書エッセイ。響く言葉がいくつもあった。
    言葉というものは皆平等にもっていて、その言葉をどう結ぶか。自分はどんな言葉を抱いていて、どんな風に使えているだろうか。大事なのは意味ではなく心だなと思う。
    読書を通じてどれだけ大事にしたいと思える言葉に出会えるか、それを大事にしていけるか。自分の本棚を見るとその本から受け取ったメッセージや読んだ当時の感情が思い出される。自分も案外良い読書ができているのかもと思えた。
    この点電子は身体的な記憶が残りにくいから、自分の記憶として想起するのが難しそう。

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    2025年03月13日
  • すべてきみに宛てた手紙

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    一人旅の道中、尾道の紙片にて、縦に積まれた本の山からたまたま手にした本
    開いた頁のはじめの一節を読んで、これは今出会うべくして出会った本だと確信した

    紙片に行かなければ、ぜったい出会ってなかった本
    時間をとって、静かな場所で、大切に読んだ
    とてもうれしい出会いでした

    なにかを「途中で辞める」を初めて自分で選んだわたしへ

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    2025年02月03日
  • 読書からはじまる

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    本に対する心構え、立ち位置を改めされ再認識させられた本です。200頁ほどの本ですが、少し時間がたてば何度も読み返して新たな解釈、発見気づきがある本です。

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    2023年11月05日
  • 読書からはじまる

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    読書という行為が人生にもたらすものは何か。なぜ読書が必要なのか。読書の意義を説きつつも、平易な言葉で読書に対する心理的なハードルを上げることはない(寧ろ下げてるくらい)。それって結構すごいことだと思う。この一冊も僕の心に植わった木になった。きっと大きく育つだろうなって気がする。

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    2023年03月19日
  • 読書からはじまる

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    本を読むということがどういうことなのかを考えるのが本書です。

    「読まない本」にゆたかさがある。「たくさん読む」が正解ではない。
    ことばがゆたかな人は、ゆたかである。ことばが貧しい人は、貧しい。

    気になったことは以下です。

    ・友人としての本。友人というのはその場かぎりではありません。「ずっとつづく」関係です。

    ・どこへ行っても、みなおなじ。今はどこへ行こうと、日本のどこもおなじ表情をもつようになった。ミリオンセラーの本も、ほとんど急速に読まれなくなり、昨年のベストセラーは今年は、もう読まれないのが普通。生活のなかで考えるなら、おたがいの違いを表すものがあるとすれば、それは、「言葉」です。

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    2022年12月24日
  • すべてきみに宛てた手紙

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    エッセイ。
    はじめから、最初の一行から、心に刺さりました。
    確かにそうだ。と。

    とても短くて、雑学があって、読みやすく、
    あっという間に読み終え、
    カフェで読みたい本に入れたかった。と
    今更ながら感じました。

    いつも手元におき、時間が空いたらふと読むような
    本。

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    2022年05月17日
  • 読書からはじまる

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    本を読む意味を一緒に考え、本好きの自分を優しく肯定してくれる本です。
    本に書かれている言葉によって、自分の存在を確かめたり肯定したりできる。
    見たこともない世界を言葉から想像できる。
    本を通して世界と、自分と静かに対話できる。
    いつでもそばにある、いてくれるという心強さを感じる。
    自分の言葉にできないものを、感じたり言葉にしてくれたりする。
    本ってやっぱりいいな。

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    2022年02月27日
  • 読書からはじまる

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    【2022_02】他の方が主催される読書会でのテキストが、長田さんの『最初の質問』という絵本だった。それが縁となって手にした著作。今年はこれ1冊しか読めなかったとしても、もう後悔することはないだろうと思う。できることなら、生前にお会いして、「先生」と呼ばせていただきたかった。うまくコメントできないが、お許し願いたい。

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    2022年01月08日
  • 読書からはじまる

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    スケールが違った。巷に溢れている読書術とは違い、なぜ人生に読書が必要なのか、あたたまる視点で書かれていた。
    情報収集に躍起な今の時代の虚しさを、私も感じていたが、それも言葉にされていた。

    読売新聞のこどもの詩のコーナーで、名前を毎日拝見していたが、本を読むのは初めてだった。
    ああ、これが本当に文を書くことで食べている人の文章なのかと感銘も受けた。

    情報取得のための読書には、ハッとさせられる。
    寄り添ってくれるのが本だという本質を突きつけられた。

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    2021年11月20日
  • 読書からはじまる

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    ひとにとって本とは、読書とは、そして言葉とはなにか

    静謐なエッセイ。

    ひととしてのありようを考えさせる後半は、
    何度も読み返したい素晴らしいものだった。

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    2021年11月15日
  • 読書からはじまる

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    どの一文をとっても心に深く染み渡るような本でした。
    読書に何か目的意識を持って取り組むような使命感にかられて読むことがあり、純粋に楽しむということを忘れることがありました。多くの情報を取り入れるためではなく、自身の記憶に残るような一文・一句に出会いたくて、本を読んでいたことを思い出せました。好きなフレーズに付箋を貼ったり線を引いたりして、ふと本棚から取り出して読み返したくなるような一冊との出会いを、読書は届けてくれる。そんな行為がとても貴いことに感じられる一冊でした。

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    2021年11月13日
  • なつかしい時間

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    1日がめまぐるしくなった、この時代だからこそ立ち止まって考えたいと思った
    急がずじっくり過ごしていきたいですね_φ(・_・

    2021-9-6 ☆4.8

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    2021年09月06日