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「読まない本」にゆたかさがある。「たくさん読む」が正解ではない。「一生忘れない」なんて嘘? 最も長く、最も深く人類と共に在り続けてきた「本」というメディアは、私たちの想像よりもずっと優しく、あらゆることを許してくれる友人だ。本はあなたを孤独にしない。読書が苦手、活字に疲れた――そんな本音にもあたたかに寄り添う、「人間」を楽しむ至高のエッセイ。
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Posted by ブクログ
言葉に真摯に向き合っている著者の読書エッセイ。響く言葉がいくつもあった。 言葉というものは皆平等にもっていて、その言葉をどう結ぶか。自分はどんな言葉を抱いていて、どんな風に使えているだろうか。大事なのは意味ではなく心だなと思う。 読書を通じてどれだけ大事にしたいと思える言葉に出会えるか、それを大事に...続きを読むしていけるか。自分の本棚を見るとその本から受け取ったメッセージや読んだ当時の感情が思い出される。自分も案外良い読書ができているのかもと思えた。 この点電子は身体的な記憶が残りにくいから、自分の記憶として想起するのが難しそう。
本に対する心構え、立ち位置を改めされ再認識させられた本です。200頁ほどの本ですが、少し時間がたてば何度も読み返して新たな解釈、発見気づきがある本です。
読書という行為が人生にもたらすものは何か。なぜ読書が必要なのか。読書の意義を説きつつも、平易な言葉で読書に対する心理的なハードルを上げることはない(寧ろ下げてるくらい)。それって結構すごいことだと思う。この一冊も僕の心に植わった木になった。きっと大きく育つだろうなって気がする。
本を読むということがどういうことなのかを考えるのが本書です。 「読まない本」にゆたかさがある。「たくさん読む」が正解ではない。 ことばがゆたかな人は、ゆたかである。ことばが貧しい人は、貧しい。 気になったことは以下です。 ・友人としての本。友人というのはその場かぎりではありません。「ずっとつづ...続きを読むく」関係です。 ・どこへ行っても、みなおなじ。今はどこへ行こうと、日本のどこもおなじ表情をもつようになった。ミリオンセラーの本も、ほとんど急速に読まれなくなり、昨年のベストセラーは今年は、もう読まれないのが普通。生活のなかで考えるなら、おたがいの違いを表すものがあるとすれば、それは、「言葉」です。 ・母なるものとは自分が生まれ育った言葉のこと。 ・今の日本のなかでゆたかでないものがあります。私たちにとって今いちばんゆたかでないものは、言葉です。 ・マイ・フェア・レディという、オードリー・ヘップバーンの映画があります。映画は、とても元気がいいけれども、貧しい語彙と粗野ないいまわしと不調法な話し方しか知らない若い女性が、苦心惨憺のあげくに、みずから言葉をゆたかにしていくようになるまでを、巧みに描きます。その映画の急所は、言葉のもち方が、一人の人間を人格をつくるのだということです。 ・言葉をゆたかにするというのは、自分の言葉をちゃんともつことができるようになることです。 ・どんなに、おカネをもっていても、おカネで買えないものが、言葉です。 ・言葉の貧しい人は貧しい。言葉をゆたかにできる人はゆたかだということを、忘れないようにしたい。 ・本は年齢でよむものではない。本を読むというのが、新しいものの見方、感じ方、考え方の発見を誘われることでないなら、読書はただの情報にすぎなくなり、それぞれの胸の中にけされないものとしてのこる何かをもたらすものとしての、読書の必要は失われます。 ・人は何でできているか。人は言葉でできている。言葉は人の道具ではなく、人の素材なのだということです。 ・情報でない言葉が重要。伝わってのこるものは、その人の表情、身振り、雰囲気、気分といった、不確かな、非情報的な言葉です。 ・人の表情は、言葉のかたちをもたない言葉です。 ・良寛いわく、「耳を洗え」。耳を洗うというのは、我見をもたぬということだ。 ・民話の芯になっているのは、ひとを現在に活かすものとしての、記憶の目安です。 ・情報はふえればふえるほど、逆にコミュニケーションはすくなくなってゆく。 ・読書の核をなすのは、努力です。情報の核をなすのは享受です。読書は個別な時間をつくりだし、情報は平等な時間を分け合える平等な機会をつくりだします。簡単に言ってしまえば、読書というのは、「育てる」文化なのです。対して情報というのは本質的に、「分ける」文化です。 ・「育てる」文化の基本は個性です。「分ける」文化の基本にあるのは平等です。きわめて平等であるけれど、またきわめて画一であることも事実です。 結論 ・人は読書をする生き物です。人をして人たらしめてきたのは、そう言い切ってかまわなければ常に読書でした。 目次 はじめに 1 本はもう一人の友人 2 読書のための椅子 3 言葉を結ぶもの 4 子どもの本のちから 5 共通の大切な記憶 6 今、求められること 7 読書する生き物 8 失いたくない言葉 あとがき 解説 ISBN:9784480437426 出版社:筑摩書房 判型:文庫 ページ数:240ページ 定価:720円(本体) 発行年月日:2021年05月 発売日:2021年05月12日 国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DSRC 国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:VSL
本を読む意味を一緒に考え、本好きの自分を優しく肯定してくれる本です。 本に書かれている言葉によって、自分の存在を確かめたり肯定したりできる。 見たこともない世界を言葉から想像できる。 本を通して世界と、自分と静かに対話できる。 いつでもそばにある、いてくれるという心強さを感じる。 自分の言葉にでき...続きを読むないものを、感じたり言葉にしてくれたりする。 本ってやっぱりいいな。
【2022_02】他の方が主催される読書会でのテキストが、長田さんの『最初の質問』という絵本だった。それが縁となって手にした著作。今年はこれ1冊しか読めなかったとしても、もう後悔することはないだろうと思う。できることなら、生前にお会いして、「先生」と呼ばせていただきたかった。うまくコメントできないが...続きを読む、お許し願いたい。
スケールが違った。巷に溢れている読書術とは違い、なぜ人生に読書が必要なのか、あたたまる視点で書かれていた。 情報収集に躍起な今の時代の虚しさを、私も感じていたが、それも言葉にされていた。 読売新聞のこどもの詩のコーナーで、名前を毎日拝見していたが、本を読むのは初めてだった。 ああ、これが本当に文を...続きを読む書くことで食べている人の文章なのかと感銘も受けた。 情報取得のための読書には、ハッとさせられる。 寄り添ってくれるのが本だという本質を突きつけられた。
ひとにとって本とは、読書とは、そして言葉とはなにか 静謐なエッセイ。 ひととしてのありようを考えさせる後半は、 何度も読み返したい素晴らしいものだった。
どの一文をとっても心に深く染み渡るような本でした。 読書に何か目的意識を持って取り組むような使命感にかられて読むことがあり、純粋に楽しむということを忘れることがありました。多くの情報を取り入れるためではなく、自身の記憶に残るような一文・一句に出会いたくて、本を読んでいたことを思い出せました。好きなフ...続きを読むレーズに付箋を貼ったり線を引いたりして、ふと本棚から取り出して読み返したくなるような一冊との出会いを、読書は届けてくれる。そんな行為がとても貴いことに感じられる一冊でした。
長田さんの読書へのまなざしは20年以上の時を経て、なお普遍的。 読書から何を得るのか、そもそも人はなぜ読書するのか、 様々な角度からかかれ、大切にしたいと思う言葉がちりばめられている。 p7「情報の言葉は、それによって自分の位置を知るための言葉でなく、それによってそれまで知らなかったことを知るため...続きを読むの言葉なのです。」 p185「ひとの記憶の目安となるのは、自分の言葉を見つけたという思いがそこにのこっているような時と場所のことであり、そうして、自分の言葉をみつけるということは、自分の心のなかにもっている問題をみずからいま、ここに確かめる、確かめなおすということだからです。」
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