山本祥子のレビュー一覧
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シリーズ第六弾にして完結編。
湯島天神坂にある隠れ宿〈如月庵〉を舞台にした人情噺、連作四話(そして、プロローグとエピローグ)が収録されています。
今回は、〈如月庵〉の部屋係として働く主人公・梅乃の母の死の真相と、とある武家屋敷にまつわる怪事の噂が思わぬところで繋がってくる展開です。
梅乃と紅葉が宿を訪れる様々なお客様の事情に首をつっこみながら、成長していく姿を読むのが楽しみだったこのシリーズ。
今までの巻で〈如月庵〉で働く“訳ありスタッフ”達の事情を一人づつ取り上げてきましたが、本巻では完結編に相応しく、〈如月庵〉の女将・お松と先代女将・伊勢の過去に触れております。
他のレギュラー陣も、“ -
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シリーズ第5弾。
上野広小路から湯島天神に至る坂にあるお宿<如月庵>を舞台にした人情噺。プロローグ、連作4話、エピローグという構成になっております。
今回は<如月庵>の部屋係・お蕗の秘密・・・隠されていた過去と本性が明らかになります。
第一夜(話)「姑の残した玉手箱」で、行き倒れていたところを助けられ<如月庵>で働く事になった、謎の女・柏とお蕗の攻防戦のような探り合いがエピローグまで続き、サスペンスちっくでハラハラします。
各連作パートでは、例のごとく訳アリのお客様の事情に梅乃と紅葉が首を突っ込み、結果的に丸く収まる展開なのですが、第二夜(話)「酢いかの災い」は、宿のお客ではなく、近所の塾 -
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シリーズ第4弾。
今回は、板前・杉治の過去が明らかになります。
人目がある中で、暴れ馬から咄嗟に少女を助けたことから、“身元が”割れたのでは・・と悶々と悩む杉治。
“蜘蛛茸”の事を医者の助手の桂次郎にペロっと話してしまったり、見習いの竹助に「(杉治の)後ろ姿が板前じゃない」と言われたり、何気に脇が甘い杉治ですが、さて葛藤する彼はどうなるのか・・。
そして、いつものように部屋係の梅乃と紅葉も色々引き起こしながら、元気に働いています。第四話「人形と旅する男」では、人形を生きているように扱う謎のお客を巡って、梅乃を心配した紅葉と喧嘩のようになってしまうのですが、その時の紅葉の「あたしは梅乃のことが