あらすじ
時は江戸。如月庵は知る人ぞ知る小さな宿だが、もてなしは最高。かゆいところに手の届くような気働きのある部屋係がいて、板前の料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さも消えてしまうと噂だ。人のいい部屋係・お蕗はよく庭の花の手入れをしている。だが、花が好きだというのは表向きで、じつは庭に埋めた金を毎日確認しているのだ。実はその金は、お蕗が奉公していた家の金で――
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Posted by ブクログ
4編の話しです。
読み終わっても ずっと心に残ったのは
酢いかの災いでした。
11才の真部源太郎に 友だちができた。
石塚守之介という。
駄菓子屋で万引きがおこる。
犯人は太一という子か?
駄菓子屋のおばあさんは 万引きが続くと 店を閉めなきゃいけなくなる。
そのうち 源太郎の様子がおかしくなる。
城山晴吾と紅葉と梅乃がお見舞いにいく。
顔色も悪く 痩せて 布団にはいっめいた。
本当のことを 今 話せ!
晴吾と紅葉がいう。
今 いわないでどうするの!
守之介は 自分が万引きをやり 源太郎の袖にお菓子を入れていた。
おまえも万引きの片割れだ。
俺の子分になれ!
と言われた。
守之助は 源太郎が養母に可愛がられていることに
嫉妬し 日々の苛立ちを友だちを傷つけることで 憂さ晴らしをしていた。
11歳といえば 小学校5〜6年生
気持ちがまっすぐで 田舎から出てきたばかりの
源太郎には どうしようもない。
ことを公にして あっちこっちに謝りに行く。
この時 源太郎の養父は
自分も親にならなきゃいけない!
と思ったという。
子供の悪意も人を傷つけるねえ!
なんか胸の痛くなる話しでした。
椿の木の下に お金の入った壺を埋める話しも面白かったです。まあ みんな自分のにわに壺埋めておきたいんだろうなあ!安心のために。
でも そうなると全く使われない金になる。
使われないと ほんとに役にたたないもんなんですね。
あっという間に読んじゃうシリーズでした。
Posted by ブクログ
p.27 七歳の六歳の息子
p.101 お稲さんと二人で→お定さんの間違い
お蕗の秘密にまつわる巻。
時々胸の痛いところをつかれる良い人情物。
Posted by ブクログ
プロローグ 第一夜 姑の残した玉手箱
第二夜 酢いかの災い 第三夜 鴻鵠の志
第四夜 富士を仰ぐ村 エピローグ
いろいろある江戸のお宿です。ちょっと怖いようなこともありますが一度お世話になってみたいものですね
Posted by ブクログ
シリーズ第5弾。
上野広小路から湯島天神に至る坂にあるお宿<如月庵>を舞台にした人情噺。プロローグ、連作4話、エピローグという構成になっております。
今回は<如月庵>の部屋係・お蕗の秘密・・・隠されていた過去と本性が明らかになります。
第一夜(話)「姑の残した玉手箱」で、行き倒れていたところを助けられ<如月庵>で働く事になった、謎の女・柏とお蕗の攻防戦のような探り合いがエピローグまで続き、サスペンスちっくでハラハラします。
各連作パートでは、例のごとく訳アリのお客様の事情に梅乃と紅葉が首を突っ込み、結果的に丸く収まる展開なのですが、第二夜(話)「酢いかの災い」は、宿のお客ではなく、近所の塾に通う武家の少年の話。被害にあった源太郎が立ち直ったからいいものの、人の弱みに付け込む守之助のような性根の腐ったヤツは結局改心していないのだろうな・・と、ちょとモヤっとしました。
それに比べて第三夜(話)「鴻鵠の志」に登場した慎三郎は、最初は面倒くさい人でしたが、ラストには心入れ替えて別人のように爽やかになっていたので良かったです。
さて、まだまだ秘密がありそうな<如月庵>。今後どのような事が明らかになっていくのでしょうか、続きが楽しみです。(続くよね?)