外山薫のレビュー一覧

  • パパたちの肖像

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    共働き育児経験者なら昔の自分達夫婦を思い出し、未経験者にはこんなものなのかと思わせる小説。
    物語はかなりデフォルメされているが、子育てにおいて父親は母親には絶対的に敵わないという事は、当然のように再認識させてくれた一冊だった。
    軽く読むにはちょうど良いと思う。

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    2025年09月21日
  • パパたちの肖像

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    ネタバレ

    2025/08/20予約2
    母親はお腹の赤ちゃんと十月十日一緒に過ごすからこそ、だんだん母になっていく。その姿を見ているだけでは父親になれないんだな。この7人の父親は、その家族にとってのあるべき姿というより、ありたい姿を試行錯誤しながら進んでいく、とても今どきの夫婦だと感じた。
    最後の「そういう家族がそこにある」、これは2人で考え専業主婦を選んだ家族の話で、主人公のパパにいい友人がいて救われる。誰にも外から見えない悩み葛藤があるよね。
    面白い視点の本だった。

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    2025年09月15日
  • 息が詰まるようなこの場所で

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    東京という大都市の中で家族を育てる難しさが何となく伝わってきた。
    さやかが綾子に対して抱く劣等感は分からなくもないけど、綾子も綾子でプレッシャーがあったりする。人間は誰しも苦悩を抱えながら生きているんだよなー。そう考えると劣等感なんてものは手放して生きていけると楽だよなぁ。

    あと、自分も綾子のように地方から上京してきた身だから、閉鎖された町でこのまま過ごすのが嫌だと18歳で上京した話とか、同窓会の場面らへんは共感する部分も少しあった。
    都会にいると、田舎にたまに行きたくなる。逆もまた然り。結局はないものねだりなのかもなー

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    2025年07月19日
  • 息が詰まるようなこの場所で

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    生まれも育ちも関西の私は、MARCHと聞いてもすぐにわからなくて、クイズのように大学の名前を考えながら読みました。なるほど。

    本作自体がマウントを取りにきているような気がして、登場人物の誰も好きになれないと思いつつも、誰の気持ちもちょっとわかる。

    要は、彼や彼女たちと同じところがある自分のことが嫌なんですよね。嫉妬、焦り、優越感、はたまた劣等感などなど、人には知られたくない気持ちを隠そうとする自分のことが嫌で、本作を読むとそれを見せつけられている気がするのだと思います。

    タワマンって、凄い舞台になるものだなぁ。

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    2025年05月31日
  • 息が詰まるようなこの場所で

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    タワマンの階数だったり学歴だったり出身だったり、様々なプロフィールをまわりと比較して劣等感や優越感に浸ってしまい、結果がんじがらめになっていく人間の性をテーマにした小説。

    読んでいて、現代って本当こういうのに溢れているよな〜と共感。かくいう自分もそうだし、歳を取れば取るほどそういう傾向が強くなっていく気すらします。そんな中で、登場する子供達がしがらみを破って進路を決めようとする姿は眩しく見えます。自分の軸をしっかり見定めたいと思わされるいい物語でした。

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    2025年05月17日
  • 息が詰まるようなこの場所で

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    図書室。司書さんのおすすめ。
    人には人の地獄があるよな〜というお話。タワマンのことはよく知らないから興味深かった。どの人の気持ちも、よくわかるなあ。

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    2025年03月27日
  • 君の背中に見た夢は【電子特典付き】

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    「名前のない女神たち」ってドラマが昔あってそれを思い出した。
    大道寺先生なんてモロ夏木マリだった。
    ドラマよりは”小学校受験”に特化した内容なので人間関係のドロドロを期待したけど内容は真面目で母親が自分自身と戦う感じ。

    六本木駅からぞろぞろ電車に乗り込む大勢の同じ紺色のスーツ、ロングヘアの人は同じ髪型、同じ髪留めの母親集団を見たことがあって、周りから見ると超異様な光景だったので実際にその輪に入るともっとカオスな世界なんだろう。

    でも茜さん、あまりにもパワフルすぎてこれできる人は中々いないんじゃ…
    そして驚いたのはなんとなく母親に小学校受験ってすごいんだねーって話したら私も何校か受験した経験

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    2025年03月02日
  • 息が詰まるようなこの場所で

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    優越感や劣等感がこれ程まで歪に肥大化し、制御が利かなくなった時代があったのだろうか。妬み僻みは諦観と嘲笑へと貌を変え、他人を貶して自己肯定感を保つが、資本家との距離は縮まらず、虚しさと絶望感だけが残る。何を求めてこれほど消耗しているのか。見栄と後悔に蝕まれるタワマン文学の真骨頂。地獄のような人生に一矢を報え。

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    2025年01月30日
  • 君の背中に見た夢は【電子特典付き】

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    Twitter文学の旗手、窓際三等兵さん。
    流石器用にまとめている。

    それでも、同時期、確か少し遅れて現れた麻布競馬場さんと、比べると一歩遅れた、いや届かない印象。

    書きものの「えぐみ」も、状況のそれも、どこかこの世の厳しさ、寂しさを感じさせる。

    内容とは関係ないメモになってしまった。

    最後の主役女性の面接対応は、もっと喋らせてもよかったかも。
    時間制約とかを考えるとあれ以上は非現実的かもしれないけど。

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    2024年12月13日
  • 君の背中に見た夢は【電子特典付き】

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    東京の小学校受験に挑む母親が主人公。
    サクサクと楽しく読めるが、小学校受験に対する嫌悪感を終始リアルに感じて、読後感は良くない。
    よく知らない世界の話を読んでみたい、と思って手に取ったので、その点では期待通りの未知の世界だった。

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    2024年08月23日
  • 君の背中に見た夢は【電子特典付き】

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    ネタバレ

    2024/02/21リクエスト17
    知らない世界なので興味本位で読んだ。
    こんなにすごいのか…
    化粧品メーカー広報の茜は、娘の結衣を中学校受験させないため、小学校受験させる。
    40歳前の慶應大同級生夫婦でテレビマンのオット1,300万、妻750万の稼ぎ、文京区に億超え戸建てを持ち…ってその時点で桁外れ成功者に感じられ、鼻白む。
    塾を掛け持ち、送迎を家政婦さんに頼み、夕食作り置き掃除洗濯もお金で解決。
    お陰で結衣は無事に志望校に入学できた…
    途中、義両親との関係や夫の浮気などあったもののラストはきれいにまとまる。
    都心にはお利口さんっぽい子どもがラッシュ時にもたくさんいる。
    その子たちは、そんな

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    2024年06月30日
  • 君の背中に見た夢は【電子特典付き】

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    いわゆる東京のお受験小説。都心に住んでいると、とにかく受験の話が付き纏う。はじめは明確な意思がなくとも、不安や焦りやなんとなくの雰囲気で流されるように塾に通い出したり、あれよあれよと言う間に受験戦争に巻き込まれることになったりするんだよね。
    お受験小説は結局、最後に「合格」か「不合格」かの二択のラストが待っているわけで、どちらに転んだとしてもそこに至るまでの過程が大事なんだなと思わされる。
    本作はラストにちょっとしたハプニングが起こる程度だし、母親の情緒も子どもの能力も基本的にずっと安定しているので、小説として楽しむにはやや物足りなさを感じた。でもその分すごく読みやすくてライトなので、お受験が

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    2024年03月28日
  • 君の背中に見た夢は【電子特典付き】

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    ザ・お受験小説。
    小学校受験に挑む娘と、その母親を中心に描いた家族小説でもある。

    母親は仕事をバリバリこなしながら二人の子どもの育児と家事に明け暮れる日々。
    夫は非協力的。

    そんな状態で、時間とお金と体力を搾り取られながら、受験の大海原へと進んでいく。

    片方が必死にオールを漕いでも片方がサボっていればバランスが崩れ、家族もろとも転覆する恐怖。
    若干六歳にして親の期待に応えようと頑張る娘。
    ギクシャクしていく家族関係。

    小学校受験を否定するつもりはないけれど子どもが子どもでいられる間くらいは笑顔で過ごして欲しいと切に願う。

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    2024年03月11日