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「この子たちに選択肢を与えてあげられるのは世界で一人、私だけだ」
大手化粧品メーカーで働く新田茜は、ある日従姉妹のさやかの影響で、中学受験回避のための小学校受験に興味を持つように。
テレビ局記者の夫を持ち、世間的にはパワーカップルと呼ばれる茜たちだが、お受験の世界はさらに上の富裕層との戦いだった。
仕事と家庭の両立、協力してくれない夫、かさんでいく教育費、思い通りにならない子供たち。
悩み葛藤しながらも、5歳の娘・結衣を名門小学校に合格させるため、茜はどんどん小学校受験にのめり込んでいく。
その先に見えるものとは――。
東京で過酷なお受験に翻弄される家族の物語!
※紙書籍版カバー裏には、特別短篇「新田茜の子離れ」を収録(電子版には収録されません)。
※電子書籍版巻末には、特別短篇「新田総介の人生」を収録。
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Posted by ブクログ
モデルになっている女子校の小学校受験経験者(子供側)として、リアルすぎた。
現実はこの内容は全然誇張ではないし、お受験親同士のやりとりや子供にキレる親の様子などの側面は、むしろマイルドに描かれているほうだと思う。(親同士の蹴落としあいや悪口はもっと酷いし、大概の子はこんなに物分かりが良くない)
4,5才の子供はもう親の顔色や状況がよくわかる。正解のある世界で、できないことを指摘され続ける。無邪気な行動は矯正され、周りの子と比較され、親が苛立って発狂していく様は当時から苦しかった。
周りの親の影響で親が変わっていくのも悲しかった。
「半年先にできることを、いまできるようにする」
やがてできることを、大人の操作しやすいよう型にはめてまでやらせる必要があるだろうか?
あさがおとあじさいを間違えるたびあじさいを見に行かされた。今でも紫陽花を見るたびに雨に濡れながら見た花と、自分のできなかった記憶を苦く思い出す。この違いなんて成長すれば誰だってわかるようになるというのに。
100回縄跳びできるまで家に入れてもらえなかった。私はただ公園で遊びまわりたかった。公園で遊ぶ子たちを指して親は「あなたはあんな子たちとは違う。一緒になっちゃダメよ」と言う。
受験経験した同級生は皆、「高校卒業し大人になってもなお、自我を出せない、常に親がどう言うかを無意識に考えてしまう。社会人になって何がしたいかと意思聞かれても困る」と口を揃える。
受験項目の一つが「行動観察」と言うように、子供は観察される対象物であり、親の駒なのだ。
受験が終わって入学してからの12年がむしろ本番で、親と先生が一体となって駒を動かし、戦わせる子供時代は続く。
子供は、敷かれたレールを上手に走ることだけが上手くなり、主体性や自分の思考は奪われる。
振り返ってみると、それでも子供が幸せそうな同級生の共通点は、家が裕福で比較的何をしても許されていた子。家を継ぐことが決まっていて、ハナから自分の意思が反映されないとわかっていた子。
階級上昇のために親が無理して自分のコンプを晴らせるような名門校に入れると、その歪みは必ず現れる。
ピアノのコンクールで指を守るためブランコに乗れなかったあの子は、大学でゴム無しで名を馳せるヤリ⚪︎ンになっていた。
親に、リレーの選手にならないと運動会に来ないと言われた、というあの子は、大学受験失敗してから消息不明。
将来の夢は「医者か弁護士か外交官」と言っていたあの子は高校で拒食症。
安易に「小学校受験させようかな」と言う知り合いには、生半可な気持ちで挑むと相当厳しいという話をするが、まずはこの本を渡したい。
Posted by ブクログ
兼業作家でタワマン文学の外山さんの第2作
サラリーマン作家さんとの事で、この方はその生活スタイルを変えないだろうなと思う
今回は小学校受験がメインテーマ
都内に住む大手化粧品メーカーで働くワーママと
テレビ局記者の夫婦
いわゆるパワーカップル
その妻がちょっとしたきっかけで長女の小学校受験を目指す
とても現実的で具体的なエピソードに溢れていて
楽しく読みました
著者が優しい方なのか、厳しい中でも小学校受験の良い側面を読めて小説の中の子供達を応援したくなりました
やり直せるものなら私も参戦したいかな笑
とはいえ東京の富裕層は子の両親のパワーだけでは決まらない
実家の太さと協力も必要事項なのですね
舞台は違いますがタワマンという階層の人達の物語で、そこまでやるかという感覚はありますが、
小学校受験に挑戦できるという、愛情も資金もああるとても幸福な子供達です
早見さんの「問題」と同じく読後感の良い親子の物語でした
Posted by ブクログ
小学校受験をリアルに描いた小説。
中身に触れない感想としては、子供を育てる上で一番大事なことは子供にどんな人になって欲しいかということなのかなと思いました。
中学校受験がやだから小学校受験をさせるとか、うける学校も偏差値や進学実績できめたりするのは、子供にどうなってほしいかという観点がないわけですよね。逆に言えば、そこがしっかり言語化できて明確になっていて、その方針とあった進路になっていれば、小学校受験も中学校受験もする必要ないのかなと思いました。
大学受験が目的であるならば、わざわざ小学校受験する必要はない、目的、教育方針を考え抜けっという大道寺先生の言葉は胸に響きました。
読む前は小学校受験なんて子供がかわいそうとちょっと思ってましたが、時間と財力と子供への確たる教育方針がある親であれば、子供のことを真剣に考え抜いたうえでその道を選ぶのもまあわかるかなって思いましたね。
ただ、やっぱり作中の主人公も、旅行先で子供を理不尽に叱ってしまったり、子供がみたいアニメを制限してたりなど、小学校受験はかなり親にも子供にも負荷がかかるのは確かですし、親としては心がおかしくなりそうなので、かなりメンタル面で異次元の人間じゃないと家族もばらばらになりそうです。
話も面白かったですし、知らない世界を知れたという意味でも面白い作品でした。
Posted by ブクログ
東京の理想に向けて背伸びをする人をリアルに描く今作。「息が詰まる」に引き続き、面白かったです。
自分は受験らしい受験を受けてこなかった人間なので、共感という面ではありませんが、非常に興味深い内容でした。
一般的に義務教育が終わる高校進学の段階で受験が始まるものですが、今の時代は中学受験、況してや小学受験を当たり前とする東京の新しい在り方を目の当たりにしました。実際の東京子育て現場ではやはり"上の階級"の人々の世界の話なのかなと思ったりもしますが、自分の生い立ち、そしてこれからの家系を考えた時に自分の代で由緒を築きたいと思うものなんですかねえ。
小学受験をしたい子供はいないわけで、基本的に親のエゴということになりますが、親御さんは何を見据えてお受験戦争に子供を出兵するんでしょうか。。環境を整える先にあるものは?良い高校?良い大学?良い就職先?良い結婚相手?逆算するとどのルートを通っても辿り着けない場所はないと考え(たい)ますが、可愛い子供の選択肢を広げてより効率的に成功させたいんでしょうな。それってある意味信頼を置いてないのでは?捻くれすぎ?
本質ってなんなんでしょーねーー
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