外山薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
兼業作家でタワマン文学の外山さんの第2作
サラリーマン作家さんとの事で、この方はその生活スタイルを変えないだろうなと思う
今回は小学校受験がメインテーマ
都内に住む大手化粧品メーカーで働くワーママと
テレビ局記者の夫婦
いわゆるパワーカップル
その妻がちょっとしたきっかけで長女の小学校受験を目指す
とても現実的で具体的なエピソードに溢れていて
楽しく読みました
著者が優しい方なのか、厳しい中でも小学校受験の良い側面を読めて小説の中の子供達を応援したくなりました
やり直せるものなら私も参戦したいかな笑
とはいえ東京の富裕層は子の両親のパワーだけでは決まらない
実家の太さと協力も必要事項なのです -
Posted by ブクログ
ネタバレ家族と子どもの小学校受験のお話。
こんな小さいうちから受験かあ、、、
こどもがかわいそうだなあ、、
なんて先入観を持って読み始めました。
私にとって小学校受験なんて未知の世界。
でも、都市部では本当にこの世界があるんですね。
この作品を読んで、
果たして小学校受験する(させられる?)子どもはかわいそうなのか。。
実際かわいそうなところはあるんですが、
やっぱりそれだけじゃない。
マイナスの面も確かにあったと思うけど、
それ以上に、目標に行き着くまでの過程や経験が
確実に子どもにプラスの面をもたらすこともあるんだな
と思えました。
そこまで頑張った子どもたちの未来が、
少しでも素敵な -
Posted by ブクログ
「タワマン文学」
というジャンルができているらしい
タワマン文化は現在進行形
およその街の出来事と読む方もいれば
その渦中の方も居ることでしょう
タワマンの入居者は 資産家、パワー系サラリーマン、そして地権者
子供の中学受験の葛藤を中心に
子供達の不安、母親達の苦心、父親達の苦悩
そして 本音と未来
楽しく読ませていただきました
小説はタワマンが舞台といえど
地方都市でも似たようなマウント合戦はあります
このマンションの入居者達は、それぞれ
差こそあれ自分達の根ざす生き方を見つける事ができたようです
私は、切り替えの早かったお祖母ちゃんが好き
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小学校受験をリアルに描いた小説。
中身に触れない感想としては、子供を育てる上で一番大事なことは子供にどんな人になって欲しいかということなのかなと思いました。
中学校受験がやだから小学校受験をさせるとか、うける学校も偏差値や進学実績できめたりするのは、子供にどうなってほしいかという観点がないわけですよね。逆に言えば、そこがしっかり言語化できて明確になっていて、その方針とあった進路になっていれば、小学校受験も中学校受験もする必要ないのかなと思いました。
大学受験が目的であるならば、わざわざ小学校受験する必要はない、目的、教育方針を考え抜けっという大道寺先生の言葉は胸に響きました。
読む前は小学校受 -
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東京の理想に向けて背伸びをする人をリアルに描く今作。「息が詰まる」に引き続き、面白かったです。
自分は受験らしい受験を受けてこなかった人間なので、共感という面ではありませんが、非常に興味深い内容でした。
一般的に義務教育が終わる高校進学の段階で受験が始まるものですが、今の時代は中学受験、況してや小学受験を当たり前とする東京の新しい在り方を目の当たりにしました。実際の東京子育て現場ではやはり"上の階級"の人々の世界の話なのかなと思ったりもしますが、自分の生い立ち、そしてこれからの家系を考えた時に自分の代で由緒を築きたいと思うものなんですかねえ。
小学受験をしたい子供はいないわ -
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ネタバレバスで立ちながらこの本を読んでいる若い男性がいて(そんな面白いんか....)となり、自分も購入した小説です。
お受験の世界というテーマでヘビーなところもありますが、文章が読みやすくて内容も面白くてサクッと読み終わりました。
印象に残ったのは、大道寺先生の教室に通わせるようになってから、唯衣が「できる子」だったことで、母親の茜が優越感を感じるところ。教室のママ友となった麗佳が子育てに悩んでいるという話を聞いて余計に歪んだ自尊心が高まる。もちろん、母親の茜は、子どもは自分の所有物ではないということを理解していて、その後すぐに優越感に浸った自分を浅ましさを思い知る。親の虚栄心を満たしたりする存在で -
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小学校受験どころか2人の子どもを塾さえ通わせなかった私ですが、子どものことを考える気持ちはとてもよくわかりました。また、うちも上が娘なので、娘の幼かった頃を思い出さずにはいられませんでした。
「桜葉ってさ、『自分で考え、自分で判断して行動し、その結果に責任を持つことのできる人間を目指す』っていう教育理念があるんだよね。小学校から高校までずっとそう言われて育ってきたし、自分で決めたことは貫きたいなって」
そう言われて育ってきたわけではありませんが、私の理想であり、そう生きているつもりです。
「合格や不合格という結果よりも、そこに至るまでの過程や、積み重ねてきたことのほうがよほど意味があるこ -
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子供の能力以上に、親の狂気じみた熱意と一時の運がその結果を左右すると言われる「小学校受験」。
ふとしたきっかけから有名小学校を目指すことになったある家族の奮闘を描く。
小学校受験を経験した親ならつい共感してしまうような「あるある」エピソードの連続に、ため息をつき続ける事必死。
受験を決めた家庭同士の付き合い方や、ママ友関連ののエピソードなんかも非常にリアルで、時に心を抉られながらも楽しく読めた。
実在する学校が多く出てくるので、小学校受験の雰囲気をつかむという意味でも一読の価値があると思う。
我が家も、一昨年都内にて娘の小学校受験に挑んだ経験がある。当然良いことも悪い事も沢山あって、今では -
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ネタバレ【収録作品】
「ダディトラック」 外山薫
「俺の乳首からおっぱいは出ない」 行成薫
「連絡帳の父」 岩井圭也
「世界で一番ありふれた消失」 似鳥鶏
「息子の進学」 石持浅海
「髪を結ぶ」 河邉徹
「そういう家族がそこにある」 カツセマサヒコ
それこそ多様性を認め合うことが大切だと思わされる。自分の意識も更新しないといけない。
家族の形に正解はない。
今うまくいっていても将来的に良い関係が続いているとは限らないし、どんなに大切に育てたつもりでも思うとおりに子どもが育つわけではない。
せめて、今自分ができる最善と思うことを誠実にするしかないのだろう。