introduction
自制心⇒鍛えることができる。また、使いすぎると削られていくものである
アメリカのオバマ大統領も、禁煙に苦労する⇒大統領になるほどの人物であったとしても、自制心だけでは禁煙は続かず、何度も禁煙に失敗をしている。
○ロイ・バイマウスターのラディッシュ実験⇒空腹状態にある学生
...続きを読むを1人で部屋に入らせ、その部屋の中には皿のうえにラディッシュとチョコレートが置かれている。。グループを二つに分けて、片方にはチョコレートを、もう片方のグループには生のラディッシュをそのまま食べてもらう。
⇒その後、解答のないパズルを解いてもらう。諦めるまでの時間は、生のラディッシュを食べて自制心をすり減らしたチームのほうが早く、強い疲労感も見られた。
⇒ストレスも多ければ自制心も消耗し、結果として、他の目標の達成が困難になる。
オプラ・ウィンフリー「体重が増えてしまったのはダイエットの失敗や運動不足の問題ではなく、生活のバランスの問題。働きづめで遊ぶ暇もなく、リラックスする余裕がなかった。心が干からびてしまったから。」
筋肉の疲労と自制心は同じ。休息によって回復する。
自制心の一時的な不足⇒褒美や報酬を適切に用いることで補えることができる場合がある
マークムラバンの実験:学生達にロビンウィリアムズが出る喜劇を5分間見てもらう。被験者の半分には笑ってもいけないし、笑みを浮かべてもいけないと伝える。
その後、被験者の自制心が弱まったことを確認するために、酢が入ったクールエイド(オレンジ清涼飲料水)を飲んでもらう。飲もうと思えば飲めないことはないが飲みにくい飲料。
クールエイドを一定量飲むごとに報酬を与える。片方のグループには30ccにつき1セント。もう片方のグループには30ccにつき25セント。
1セントを提示されたグループは、学生の半分しかクールエイドを飲まなかった。笑いをこらえるために自制心をたくさん使ってしまって、酢入りのクールエイドを飲む気力がなくなってしまった。
ところが高い報酬額(25セント)を提示すると、どちらのグループもほぼ同量のクールエイドを飲んだ。
このことからいえることは、報酬によって高められたのは自制心ではなく、モチベーション。
報酬を適切に用いてモチベーションを上げることで自制心の不足を一時的に補うことができる。
⇒ただし、報酬は適切なものにするべきである。
第一章 ゴールを固める
ベストを尽くしなさい、という指示ではダメ
⇒漠然としすぎていて、目標の到達にはいたらない
⇒そこそこ頑張れば上司も認めてくれるだろうと手を抜いてしまいかねない
○ベストを尽くせではなく、具体的かつ難しい目標を持たせる(ただし、難しいが実行可能なもの)
(自己設定、他者が設定、他者と設定いずれにも有用)
エドウィン・ロックとゲイリーレイサム⇒
木材の運送業者を対象とした調査で、加工場まで木材を運ぶ労働者が、法律で定められた積載量の上限の6割程度しかつんでいないことに注目
⇒法定積載量の94%を目標につませたところ、9ヵ月後には90%まで上昇した。
⇒人は求められた以上のことはしない傾向。あらかじめ目標を設定しておいたほうが望む結果を得易い
仕事への満足感⇒パフォーマンスを高め、さらに高い満足感を呼び起こす。
なぜの視点⇒抽象的だが、意欲を高めるには効果的。モチベーションを高める。
何の視点⇒一見、難しく、複雑で やる気を高めにくいものに対して有効。具体的な行動に焦点をあてることができるから。
したがって、やる気を高めたいときにはその行動を取る理由を意識的に考える。(なぜ)
新たなことを学ぶときには行動を細かいステップに分ける(何)
いつするのか⇒遠い将来のときを考えるときには「なぜ」の抽象的思考を、近い未来のことを考えるときには「なに」の具体的思考を好む。
提出期限によってもやる気が変化、期限が短いほうが退屈でも容易な課題を選ぶ。
「何」に注目すると先延ばししにくくなるという利点
⇒何をするべきかに着目することによって、具体的な行動に落とし込みやすく、目標に向かってまっすぐ進み易い
自己啓発書が間違えていること
→ポジティブシンキングは常に良い方向に作用するわけではない
1目標を達成できる可能性について楽観視する
2障壁を乗り越える可能性について楽観視してしまう
1について。
期待ー価値理論 成功する見込みとその成功によって得られるもの(価値)によって決まるとする理論
実際に意欲が高ければ目標達成の見込みも高まる
エアロバイクをホコリを被らせず使い続けられる人はどんな人か??
→自分は運動器具を使い続けられると強く信じていた人。成功を信じることで実際に成功の可能性が高まる。
成功を信じることが効果的であるなら2、の自分は簡単に成功できる、障壁を楽々と越えられると考えるポジティブ思考も正しいのではないか?
→大きな間違い。
成功できると信じているほうが 失敗するかもと考えているよりも平均で12kg多く原料を成功させていたが
その一方で会社にある食堂のセルフサービスのドーナッツを我慢するのは、食べ物を我慢するのはとても
きついと考えていた人のほうが、楽々我慢できると考えていた人よりも平均で11kg多く減量していた
→この事からわかるのは成功の確信を持つことは大事だが、成功の家庭には苦難や困難があり、それを覚悟できている人が成功している
すなわち、覚悟が不安を生むので、その不安が、モチベーションをあげていると言える。
目標達成が困難と考えている人ほど、入念に計画し努力し積極的な行動をとろうとする。
努力が不要だと考えていると行動がおろそかになる。
→なめていると現実に打ちのめされる
→このような罠に陥らないようにするためには 「目標設定時には達成後に得られるものをポジティブに考え、実際に行動をするときには、達成のために必要なことを現実的に考える。」というアプローチが最適。
→エッティンゲンの長短比較
実現後に得られるものと、立ちはだかる障壁を考えることによってとるべき行動が明確になる。
願望や空想が現実的な目標に切り替わる
これによって非現実的な目標は諦めるようになる。
長短比較のメリット。
したがって、成功を確信する人が目標設定時に長短比較を行うと、単に成功を確信しているだけの人よりも
遥かに効果的に目標を達成できる
第二章 なぜそこを目指す?
信念と環境が目標の設定に大きく影響している。
現時点の能力そのものよりも、努力すれば能力を得られると信じているかどうかが重要
人間の資質を変えられると考えられているかどうか(暗黙理論)
→決定論者と成長論者
ドゥエック→知能などの資質を生得的なものと考えている人ほど、他人からの評価を欲しがる。
決定論者は自分の頭のよさ、賢さを周りに認められる環境を好み、そのように他人に認めさせようとする。
→努力しても知能は高められないものだから、元来高くなくては困るものと考える
→知能に関する目標は他人に頭が良いと認めさせることになる。。
したがって、努力をすることは無能の証明であるとひねくれた考えを持つ。
→現状の能力の証明ばかりに目を向けてしまい努力によって得られるであろう将来の能力を獲得することを諦めてしまう。
成長論者は逆で、知能は高められると信じている場合は大人になってからも可能性を信じてその時点での知能の証明にはこだわらない。
挑戦はおそれるべきものではなく 新たな技能獲得のチャンスに変わる。
「クラスで一番の点をとるよりも、勉強を通じて、より多くのことを学ぶほうが大切である」という考え方を持つ。
性格を変えることは難しいと考える子供→人気者になることや 相手から拒絶されないことを重視する。
大人が恋愛や結婚で選ぶパターンでも同じようなパターンが認められる。
自らを完璧な人と見なしてくれる人や、自分をいい気分にさせてくれる相手を選ぶ。
意見がぶつかったり、うまくいかない出来事があったりすると逃げようとする。
心理学者ジェニファー・ビア 同じ内気な性格の人でも、他社との関わりにおいて違う考えを持っていることを明らかにする
一人は社交的で魅力的な相手
被験者にとって対人関係を学ぶチャンスになるような相手
社交的な相手と内気な相手との対比をバッチリ録画されてしまうことが予測される。
もう一人は被験者よりもさらに内気で 社交的なスキルの低い相手。
スキルは学べないが、自分の恥ずかしい姿を録画されることはない。
努力すれば内気な性格を変えられると考えていた被験者は前者を選び、変えられないと信じていた被験者は後者を選ぶ
→このように、目標の捉え方次第で学びや成長の機械が妨げられてしまうこともある。
多くの研究が決定論的な考えは正しくないことを指摘している。
知能の高い親が与えるのは遺伝子だけではない。勉強に専念できるような環境や子供のとの対話を大事にする。
→結果 教育水準の高い学校に子供をいれる→子供が知能を磨くチャンスを多く与えてる。
ドゥエックの研究→経験と努力によって知能は高められると強調された子供がそうでなかった子供と
対比して 数学の成績は向上した。
→努力によって頭がよくなると考えることがとても重要であることを示している。
これまで自分が絶対に向いていないと考えていたのは決定論に基づいていたからかもしれないので、今一度見直してみることも
ひとつである。
環境が目標達成に与える影響⇒日常生活の行動のほとんどはたいした自覚ナシに自動的に行われている⇒人間の意識は驚くほどわずかな情報しか扱うことができない。
処理量があまりにも少ないので、意識の容量はすぐに足りなくなってしまう
⇒一方、無意識の処理能力は巨大である。
無意識の力は意識の力の何百倍も大きい。
目標に関連付けられた合図が繰り返されることで、自動的に行動が開始される。
心理学者のジョン・バーグの「資源ジレンマ」実験
池からできるだけ魚を取るゲーム。
ただし、つりすぎてしまうと、自分を含む全員がそれ以上ゲームを続けることができなくなる。
自分の得点が少なくなるのを承知である程度の魚を池に戻さなくてはいけない。
魚を釣り上げるたびに、自分の得点を優先させるためにそのままホールドするか、全体のために池に戻すかの選択をしなくてはならない。
ゲームを始める前に、被験者の一部には協力的、支援、公正、共有などの言葉を使って文章を作らせたところ、これらの被験者はハッキリとした自覚はなしに協力的な態度をとった⇒ゲームを協力的に行うように指示された被験者とほぼ同数の魚を池に戻していた。
すなわち、無意識の行動は意識的な行動と同等の結果をもたらしうる。
使う言葉や環境、目標達成を指示する人の存在も引き金になる。
ただし他者の存在を感じることで逆に行動が抑制されるパターンも。
親に反抗的な人は、親の存在を感じるだけで意欲とパフォーマンスを低下させたりする。
同じような目標を目指している他者の存在も引き金になる。
⇒目標伝染(目標達成を目指す他者の姿を見ることで自分も同じ目標を求めようとするもの)
自分にとって好ましいと思う目標にのみ反応する。共感できない行動には、人は影響を受けにくい。
無意識によって導かれる行動は 自分がかつて意識的に選択をしたことのある行動か、極めてポジティブであると考えられる場合にのみ。
動くための合図を仕掛ける
自分にとって、目標とのつながりがはっきりわかるものであれば、何でも引き金になりうる。
健康的な食事をしたい⇒リビングに果物を置いておく
など
他者の目標達成の支援にも使える。⇒子どもに宿題を取り組ませるような気持ちにさせるものを置くなど
ただし、別の方向に作用する場合もあり。
無意識の力に仕事をさせることで、意識の力を目の前のものに集中させ易くなる。気が散りそうになっても、軌道修正がし易くなる。
第三章 おのれを知る。
証明型:知能や能力を示したり、他者より良い成績や成果を挙げたりすることを重視する目標タイプ
目標の達成が自らの成功を判断する。
わずかな躓きで簡単に落ち込んでしまい、パフォーマンスが落ちることも。
習得型:学ぶことそのものに意識を向けている。教科書を深く読み込んで真に理解することを好む。技能や能力を高め、より良い存在になろうとする欲求を満たすための目標タイプ。
自己承認ではなく、自己成長という形で自尊心に結びつく。
優れた存在であることの証明ではなく、優れた存在になることを重視。
証明型のように簡単に諦めてしまわない。⇒大きな成功に繋がる場合がある。
対象が比較的容易である場合に限り、証明型はパフォーマンスとモチベーションを向上させる。一方、複雑かつ難しくなると、停滞や障害に対処するうえでは習得型に多くの利点。
習得型は雑音にも強い。
難易度や介入にかかわらず同じように問題に取り組む。
一方証明型は難易度が難しくなると得点が著しく低下した。
モチベーションについては、証明型の方が著しく低下する。習得型では、成功への期待が下がったにもかかわらず、
モチベーションを失わずに挑戦を続けようするる傾向
→習得型の目標を持つことで、難しい局面に直面しても、証明型の目標を持っている時に比べて
落ち込みにくくなる。
取り組みを続けていれば良い結果が得られると信じることが出来る。
この忍耐力が困難な目標の達成に非常に大事である。
証明型の学生→学習内容をじっくり吟味することなく、試験に受かるためにひたすら教科書にかかれてあることを丸暗記しようとする。
一方、目標が過程を重視する習得型は人は行動そのものに大きな関心と楽しみを見いだす。
積極的な態度で学習に取り組む。積極的に質問をする。
原則を理解しようとする深い学習態度を見せる。
ルースバトラー 目標のタイプと支援の求め方の関連性を調べる。。
便宜的な支援:誰かに頼んだり処理をしてもらったりする
自律的な支援:助けを得ることで以降は自力で問題に対処しやすくなるようなタイプ→習得型の教師
成長や進歩を重視する人は、自らの能力を証明することを重視する人よりも、落ち込みにつよい傾向
第四章 楽観するか悲観するか
獲得型と防御型
獲得型=あったらいいと考える
防御型=なくてはならないと考える。
獲得型のモードにあるときは 愛や 称賛、報酬、喜びなどポジティブなもので満たそうとする
防御型のモードにあるときは 危険、罪、処罰、痛み等のネガティブなもので満たそうとする。
獲得型の子育て→子供が正しいことをすると称賛や愛情を与える。悪いことをすると保留
→子供は親の理想に沿った行動をとれば愛を満たされ、失望させられれば悲しい孤独な気持ちになる。
→子供にとっては親の愛と承認を得ることが目標になる→勝者がすべてを得る場所
防御型の子育てでは 悪いことをすると子供を罰し、正しいことをした子供にばつを与えない
というアプローチ
子供はなにかをきちんと行うと安全な場所にいることが出来る
子供にとっての目標は損失を避けて悪いことが起きないようにすること
世界観として「安全こそが重要である場所」
獲得型のモチベーションは「切望」
防御型のモチベーションは「警戒」
獲得型のモチベーションは肯定的なフィードバックによって上がる
ネガティブだとさがる
防御型のモチベーションはポジティブなフィードバックのあとでも変わらないが
ネガティブなフィードバックのあとでは成功の見込みが下がるとわかるとモチベーションが上がっていた。
自らの幸福イメージの違い
獲得型=過去の成功体験、自らの能力にたいしてのポジティブイメージを持つことは快い
防御型=過去の成功体験いたいしてポジティブなイメージをもつが自分の能力にたいしてはポジティブなイメージを
持ちにくい
心理学者のジェリー・ノーレム「防御型の悲観主義は単なる悲観主義ではない。物事がよくない方向に進むことを想定し
成功への期待を低くすることで、非現実的な甘い見込みを消し去る」
防御型の目標=最悪の事態を思い浮かべることが非常につよい動機付けになる。
相手の意欲を高めようとして、リスクを恐れず大きな達成を成し遂げた人物の話をしても
防御型の人間には逆効果になることも。
獲得型思考の学生は ポジティブなロールモデルの話によってモチベーションを高めたが
防御型思考の学生はネガティブなロールモデルによってモチベーションを高めていた。
バーバラエーレンライク ポジティブ思考万歳は世界の真の姿を通したものではない。
ネガティブな考えを否定する現在の風潮が 鬱の増加や経済危機を作り出していると説明
獲得と防御 買い物での違い。
また、物事がうまくいかないときにも違いがある。
獲得型=失敗すると落ち込みがひどい。落胆や悲しみなどを味わいやすい。
防御型=失敗は危険、パニック、不安や恐れなどのつよいマイナス感情
信号検出理論
獲得型とっては正答が重視される。機会損失をもっとも避けるべきと考える。
=リスク偏向型
防御型思考=用心深い。誤答をもっとも恐れる。めったなことでは発砲せず、確実に
市価が目の前に現れるのをまちつづける
=保守的偏向 誤りは少ないが、手ぶらで家に変える確率も高まる。
獲得型は探索的=抽象的なアイディアをあれこれ思い浮かべそのうちの最適解を見つけるという創造的なプロセスにたけている。
防御型のヒトには抽象的な創造力や思考は無謀で時間の浪費を意味する。
危険を避けるための行動を重視する。
安全を重視するときに、思考は具体的で現実的なものになる。
→目標達成のための道のりの細かなステップや進捗状況をよく把握しているという特徴がある。
獲得型=積極的でリスク偏向型のアプローチを好む
防御型=注意深く慎重なアプローチを好む
最適なアプローチをとることで目標を達成しやすくするばかりではなく、
正しいことを行っている、という感覚が意欲や忍耐力を高める。
フォーカスと対処策があっていると満足感が大きく落胆が少ない(ヒギンスらの研究)
第五章 ただ成功しても嬉しくない
何故嬉しくないのか⇒目標が人間の基本的欲求を満たしているかどうかによって変わるから。
幸福感は周囲からの評価ではなく、自らの自尊心を高め、内面を豊かにするような目標から得られるもの。
○目標は達成だけがすべてではない。何を求めているかが重要。
エドワード・デシとリチャード・ライアン 「自己決定理論」
⇒「関係性」「有能感」「自律性」の3つが基本的欲求である。
関係性とは?有能感とは?自律性とは?
⇒これらを満たすと、永続的な幸福感をもたらす。
自発的に行動している感覚が重要⇒甥のハリソンの読書の話。
したいことではなく、しなければならないことに変わると、動機付けが失われてしまう
自らの意思で選択していると感じることが重要@肥満の人の減量とインストラクターの関係
自律性の欲求の低下⇒学ぶ意欲の低下⇒マーカーペンとごほうびの実験(リチャード・ニスベット)
ただし、事前に知らされることなく、想定外に与えられたごほうびは意欲を削がない。
報酬を与えて、動機付けをさせるとき⇒作業自体がとても退屈で、最初から作業者がその作業を行う動機付けを持ってないときなどに有用。
内発的な動機付け⇒管理されてると感じると自律性を失う。
選択の感覚を与えることが重要
選択の感覚を与えながら、他者の目標設定をするには???
⇒心理学者ダイアナ・コルドヴァ:子供の選択にかんする実験
算数SFゲームで一部には宇宙船のアイコンと宇宙船の名前を選択させる⇒学習内容に関係ないのに、成績がアップ、より高い難易度のものにチャレンジしたいとこたえた。
内面化が重要⇒外的な規範や欲求を自らにとって価値があるものとして受け入れること。⇒基本的欲求が満たされると内面化が促進される。
第6章 欲しいものと邪魔なもの
目標を設定する前に欲しいものと障壁になるものを明確にすることが重要
簡単なことを達成したければ結果を意識する
→このときに効果的なのが 証明型の目標
周りに能力を示すことが高い動機付けにつながる
また、達成によって得られるものに注目する獲得型の目標をたてる
のも有用である。
ただし、防御型は適していない。→成功への見込みが高まるにつれて意欲が低下するから。
意欲がわかないときには理由を意識する。
→なぜを考えることで目の前の小さな行動を大きな絵のなかでとらえられるようになる。
難しいことをするときには小さなステップを意識する。→
具体的な目標の設定(難しいが達成可能なものの設定、かつ明確に設定されたもの。)
難易度が高いときには→防御型の目標設定が効果的。
何を得られるかよりも達成しないことで何を失うか
悲観的な気持ちになることによってかえってモチベーションを高めることができる。
対象が難しいとき→何の思考も大事。
目の前の成長よりも、長期的な成長や改善を重視する習得型のアプローチも効果的である。→失敗を教訓にして、目先の結果にとらわれなくなる。
誘惑に負けそうなとき→なぜ の思考が大事。理由を意識することで防御型の思考になり、誘惑に負けなくなる。
スピードが必要なとき⇒獲得型の思考をする。失うものではなく、得られるものを意識。
正確さが求められるとき⇒失敗をすることによるデメリット⇒防御型の目標
創造性が求められるとき⇒自発性が重要⇒獲得型目標が有効。リスクをとって革新的な発想が生まれやすくなる。
必要以上に管理されていると感じると創造性が弱まる。
過程に興味を持ち楽しむためには⇒物事を取得していること自体に興味を持つ習得型の思考が良い。
幸せを感じるためには 関係性、有能感、自律性。
第7章 背中を押す
人は誰かから目標を押し付けられると抵抗を感じる
⇒「自分で目標を設定し、主体的にかかわっているという感覚を持たせる(コントロールの感覚)」
契約も効果的⇒公に約束することによって目標の価値が高まる。ただし契約が切れると元通りになることも。自発的な継続の気持ちを持つことが重要
他者に対する合図⇒他者に行動を促すのに有用
心理学者のターニャ・チャートランド
贅沢を連想させる言葉を見せられた被験者は高級ブランドの靴下を
倹約を連想させる言葉を見せられた被験者は大衆ブランドの靴下をえらぶ。
⇒ただし、相手が自分の意図と同じものとして受け止めないと意味がない。また、相手が価値を感じている行動でなければ合図を用いても意味がない。
「フレーミング」⇒人は行動する前に無意識にその行動が自分にとってどんな意味があるのかを、価値があるのかを考える。
評価の方法を伝えられるだけで、目的の捉え方を変える。
他人との比較→証明型
自分の能力の進歩や課題のでき→習得型目標を設定する傾向(ルース・バトラー)
目標は伝染する→目標を定めて邁進している他者の姿をみることで自分も同じ目標に向かおうとする。
習得型の模範的な人物の例を使って、伝染させると大きな項かが得られる。
モデルになる人物はできる限り話し手にとって馴染みがあり、高く評価している人が良い
第8章 地道に壁を越える
問題のほとんどは実行そのものにある。
目標の達成には心構えが必要→動機付けが低ければ目標の達成にはおぼつかない。
選ぶべき行動が多いと迷いが生じてチャンスを逃しやすい。
しかも、嫌なことは後回しにしがちである。
自制心(セルフコントロール)が重要
誘惑物を遮断してくれるシールドの働きをしてくれる。
複数の目標を定めると競合が生じる→性質が矛盾してると、ある目標を達成しようとしているときに別の目標が達成できなくなる。
負けた方の目標は完全に不活性化してしまう。
葛藤によって、モチベーションの維持すらも難しくなる
有効な対処策は 明確な目標をたてること。時と場所をあらかじめ決めること。
目標にどれだけ近づいているのかがわからないとゴールには到達できない→フィードバックがないとモチベーションのシステムは作動しない。
フィードバックは自発的なものである必要がある→自己監視(セルフモニタリング)
⇒自己監視には努力が要る
行動をそのまま続けたい、方向が誤っていたとしても続けたほうが楽だと感じるから
ネガティブなフィードバックに耐えられないから。
しかし、進捗を常に確認することで、目標に向けてうまく行動できているかを感じることができる。
目標達成の過程で犯す過ち
①行動が不足している
②効果の低いアプローチを選んでいる
⇒自己監視をしっかり行うことで対処できる。
第9章 シンプルな計画を作る
計画は作り方が重要
ゴルヴィツアーの実験
エッセイの提出の宿題を学生に出す。半分に、エッセイを書く時間と場所を決めてもらい提出してもらう
計画を作成しなかった学生のうち実際にエッセイを贈ってきたのは32%
書く時間と場所を決めた学生は71%もエッセイを送付してきた。
⇒シンプルな計画が功を奏す。
いつ どこで どのように
⇒実行意図の形成。条件型計画
if- then
いつ、どこで実行するのかを決めると、計画を作るという行為によって、状況や手がかりとそれに続く行動が脳内で結びつく。
意識あるなしにかかわらず、if の部分を検知するようになる。⇒計画によって行動が生じる
条件型計画⇒即席の習慣を身につけるもの。自制心の浪費も防いでくれる。
想定外の問題に直面した際に粘り強く目標の達成に取り組もうとする。
望ましくない行動の抑制や、悪影響を及ぼす思考や感情への対処へも効果あり
第10章 自制心を日増しに伸ばす
自制心を鍛えることで生活の建て直し、目標の達成などが叶えられる
⇒自分の生活や目標にあった行動(衝動や欲求を何度も抑える必要があるもの)を選び、計画を立ててその行動を生活の一部に組み込むことで自制心は鍛えられる。
自制心は消耗する⇒使い切ったら休ませるのが重要
休ませる暇がないときは、自制心が強い友人や知人を思い浮かべることで自制心を伝染させることができる。
自制心が優れた人と積極的に付き合うことも大切
ただし、誰かが自制心を多く使っているのを見ると、
自分の自制心が消耗することもありうる
⇒その人の感情を想像したり、思考を想像するとそれだけで自分も自制心を消耗してしまうことがある。
共感は自制心の観点ではデメリット
⇒困難な目標達成のため自制心を多く使うような場合は必要以上に他者に共感して自分も消耗しないよう適度な距離が必要
気分の良くなるものに触れると自制心が回復する
ブドウ糖の摂取をすると自制心は高まる
HALT (Hungry Anger Lonely Tired)⇒自制心が低下しやすくなる
自制心をできるだけ消耗せずに問題に対処するには
①慣性の法則を利用する
はじめると止めるのに自制心が必要になる⇒最初からはじめない。手を出さない。
②なぜ という理由を考えること 自己監視をすること。
③自制心を強く求められるような目標を同時に二つ以上追い求めようとしないこと。
一度に多くの負荷をかけると問題を生じ易い
④証明型の思考や目標設定の活用
適切な報酬の設定⇒動機付けの高まり⇒枯渇した自制心が補える
自分は衝動を抑えられると過信する傾向⇒実際よりも自制心が強いと思いこんでいる。
⇒自制心はどんな人であれ限界があると自覚すべき
第11章 現実を見よ
ポジティブに考えることが効果的なとき
さまざまな局面で効果的
健康面 恋愛面など。
目標達成率も高い
目標の優先順位を適切に設定し易い
⇒最も重要な目標に時間と労力を注ぎ、他の目標は優先度を下げるべき⇒ポジティブ思考は優れている
物事の良い側面を見ることにも優れている
逆効果になるとき
問題を十分に検討しない⇒準備を怠ったり、危険な行動をとろうとする。
ネガティブ思考「もし別の方法をとっていたらうまくいっていたかも」⇒次回への教訓になり、いい結果をもたらす可能性
ポジティブ思考「もし別の方法をとっていたらさらに悪い結果になっていたかも」⇒物事を改善、次回のパフォーマンスを上げるには適さない
「レイク・ウォビゴン効果」(自分には人並み以上の能力があり、幸運の女神はいつも微笑むと信じている)
失敗への対処策をとらなくなる。
ポジティブ思考は防御型の目標には不向き
成功できると信じていることと、簡単に成功できると信じていることは違う。
「獲得型の目標」=成功を信じることが大きな力になる
①成功要素の見直し
②過去の成功体験を振り返る
③条件型計画を使う◎
④成功をイメージする
第12章 あきらめるとき、粘るとき
自制心と同様に精神力も鍛えることができる
成功や失敗の原因を正しく理解する
生来の性質だけでうまくいかないわけではない。努力不足と考えられるかどうか
目標を諦めるとき
①時間に限りがあるとき
②代償が大きすぎる場合
目標を諦める方法
①諦めることが本当に自分にとってよいことであるかどうか考える
②手放した目標の代わりになる新しい目標を見つける
第13章 フィードバックの魔法
フィードバックが常に効果的とは限らない
期待される効果が出てないとき⇒問題と向きあわさせることも重要
まだ達成のチャンスがあるという信念を相手に与えることが大事
ネガティブなフィードバックを与えるとき⇒問題をできるだけ具体的に示すこと
問題がコントロールできるという感覚を奪わないようにすること。
報われない努力を褒められた相手は自分のおろかさをさらに意識するようになるので避けるべき
⇒どうすれば改善できるかを考えさせるフィードバックが効果的
科学的に正しい褒め方
①賞賛の言葉は心からのものであること
②相手がコントロールできる行動を重視すること
③人と比較しないこと
④自律性の感覚を損ねさせないこと
⑤達成可能な基準と期待を伝えること。